ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

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ILOnohata01
 今日は、昭和時代中期の1962年(昭和37)に、国際労働機関(ILO)総会で「労働時間の短縮に関する勧告」(ILO第116号勧告)が採択された日です。
 「労働時間の短縮に関する勧告」(ろうどうじかんのたんしゅくにかんするじょうやく)は、1962年(昭和37)の国際労働機関(ILO)総会において採択された、労働時間に関する既存国際文書を補足し、その実施を容易にすること、さらに労働時間の漸進的な短縮を達成するための実際的な方策を示すことを目的に採択された勧告でした。1935年(昭和10)6月22日に国際労働機関(ILO)総会で採択され、1957年(昭和32)6月23日に発効した、「労働時間を1週40時間に短縮することに関する条約」(ILO第47号条約) の定める週40時間労働の原則を、達成すべき社会的基準としています。
 そのために、「労働時間の短縮に際しては、労働者の賃金を減少させないこと。」、「所定労働時間の漸進的短縮という原則の採用を、国内条件や慣行、また産業の条件に適した方法で促進するため、国家政策を設定し、かつ遂行すべきこと。」、「所定の労働時間が、現に1週48時間以上のところでは、48時間の水準まで短縮するための措置を直ちに取るべきこと。」、「権限ある機関は、この勧告の適用に関する諸問題について、最も代表的な労使団体と協議する慣行を作るべきこと。」などを規定していますが、農業、海運及び海上漁業には適用されないとされました。それ以外にも、恒常的(理髪店、病院、ホテル、レストラン、会社のお抱え運転手など断続的な仕事やライフラインを守る電気・ガス・水道など公共の利益に必要な場合など)、一時的(事故の発生、機械設備に関わる緊急措置、停電・災害時など)、定期的(決算期や棚卸し、観光業など季節的な要因など)な例外や超過勤務についても規定しています。しかし、日本は、採択にあたって棄権しました。
 以下に、「労働時間の短縮に関する勧告」(ILO第116号勧告)の日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「労働時間の短縮に関する勧告」(ILO第116号勧告) 1962年(昭和37)6月26日採択

<日本語訳>

 国際労働機関の総会は、
 理事会によりジュネーヴに招集されて、千九百六十二年六月六日にその第四十六回会期として会合し、
 この会期の議事日程の第九議題である労働時間に関する提案の採択を決定し、
 これらの提案が、
 各国間における経済的及び社会的条件の差異並びに労働時間その他の労働条件の規制に関する国内慣行の差異を考慮して労働時間の漸進的短縮のための実際的な方策を示すことにより、
 この実際的な方策を適用する方法を大まかに示すことにより、
 千九百三十五年の週四十時間条約に掲げる原則である週四十時間の基準を、必要があれば段階的に到達すべき社会的基準として示し、かつ、千九百十九年の労働時間(工業)条約に従い所定の労働時間に最高限度を定めることにより、
 労働時間に関する現行の国際文書を補足し、かつ、その実施を容易にすることを目的とする勧告の形式をとるべきであることを決定したので、
 次の勧告(引用に際しては、千九百六十二年の労働時間短縮勧告と称することができる。)を千九百六十二年六月二十六日に採択する。

I 一般原則

1 各加盟国は、4の規定による所定の労働時間の漸進的短縮の原則の採用を国内の条件及び慣行並びに各産業の条件に適した方法で促進するための国内政策を設定し、かつ、実施すべきである。
2 各加盟国は、4の規定による所定の労働時間の漸進的短縮の原則の適用を、労働時間の規制のために現に用いられており又は将来採用される方法に適した手段によつて促進し、かつ、国内の条件及び慣行と両立する限り確保すべきである。
3 所定の労働時間の漸進的短縮の原則は、国内の条件及び活動の各分野の必要に最もよく適合するように、法令、労働協約若しくは仲裁裁定により、これらの各手段の組合せにより、又は国内の慣行と両立するその他の方法により実施することができる。
4 所定の労働時間は、適当なときは、労働時間の短縮が行なわれた時における労働者の賃金を減少させることなくこの勧告の前文に示す社会的基準に到達することを目標として漸進的に短縮すべきである。
5 所定の週労働時間が四十八時間をこえている場合には、労働時間の短縮が行なわれた時における労働者の賃金を減少させることなく当該労働時間をその水準まで短縮するための措置をすみやかに執るべきである。
6 所定の週労働時間が四十八時間以下である場合には、4の規定による労働時間の漸進的短縮のための方策は、各国の国内事情及び経済活動の各部門の条件に応じた方法で立案し、かつ、実施すべきである。
7 前記の方策は、次に掲げる事項を考慮すべきである。
  (a) 達成された経済発展の水準並びに当該国が、総生産高又は生産性を低下させることなく、経済成長、新産業の発展又は国際貿易における競争的地位を危うくすることなく、かつ、労働者の実質所得を結局は減少させることとなるインフレーションの圧力を発生させることなく、労働時間を短縮することができる程度
  (b) 最新の産業技術、オートメーション及び経営技術の適用により生産性の向上について達成された進歩及び達成される進歩
  (c) 発展の途上にある国については、国民の生活水準の向上の必要
  (d) 労働時間を短縮する方法について当該活動の各分野の使用者団体及び労働者団体が行なう選択
8(1) 4にいう所定の労働時間の漸進的短縮の原則は、段階的に適用することができ、その方法は、国際的に定めることを要しない。
 (2) 前記の方法には、次のものを含めることができる。
  (a) 時間的間隔を置いて段階的に短縮する方法
  (b) 労働時間を短縮する国民経済の分野又は部門を漸進的に拡大していく方法
  (c) 前記の二方法の組合せ
  (d) 国内の事情及び経済活動の各部門の条件に最もよく適合するその他の方法
9 労働時間を漸進的に短縮する方策の実施にあたつては、関係労働者に特に重い肉体的若しくは精神的負担又は健康上の危険をもたらす産業及び職業に対し、その労働者がおもに女子及び年少者からなるときは特に、優先順位を与えるべきである。
10 各加盟国は、この勧告の諸規定の適用上得られた結果に関する情報を、理事会が要求するすべての細目とともに適当な間隔を置いて国際労働事務局長に送付すべきである。

II 適用の方法

A 定義

11 この勧告の適用上、所定の労働時間とは、各国で法令、労働協約若しくは仲裁裁定により又はこれらに基づいて定められる時間数をいい、そのように定められていないときは、時間数で、これを超過して労働した時間について超過勤務賃金率で賃金が支払われ又はその超過時間が関係事業所若しくは関係工程について承認された規則若しくは慣習に対する例外をなすものをいう。

B 労働時間の決定

12(1) 所定の労働時間は、特定の活動分野の特殊事情又は技術的必要により正当とされるときは、一週をこえる期間を平均して算定することが許容されるべきである。
 (2) 各国の権限のある機関又は団体は、平均労働時間を算定する期間の最長限度を定めるべきである。
13(1) 性質上交替制労働により連続的に行なわなければならない工程に関しては、特別の規定を設けることができる。
 (2) 前記の特別の規定は、連続する工程における所定の労働時間の平均が当該経済活動について定められた所定の労働時間をいかなる場合にもこえないように設けるべきである。

C 例外

14 各国の権限のある機関又は団体は、
  (a) 恒常的に
   (ⅰ) 本質的に断続的な作業について
   (ⅱ) 公共の利益のために必要な特定の例外的な場合において
   (ⅲ) 技術上の理由により、事業、事業の一部又は一交替の一般的操業について定められた時間の限度をこえて行なわなければならない作業について
  (b) 一時的に
   (ⅰ) 事故が現に発生し又は発生するおそれがある場合において
   (ⅱ) 機械又は工場設備に対し緊急の処置を執るべき場合において
   (ⅲ) 不可抗力の場合において
   (ⅳ) 異常に繁忙な場合において
   (ⅴ) 原材料の瑕疵(かし)、動力供給の中断、天候不順、原材料又は輸送施設の不足及び災害に起因する作業の全般的停止により失われた時間を埋め合わせるため
   (ⅵ) 国の緊急の場合において
  (c) 定期的に
   (ⅰ) 年次財産目録及び年次貸借対照表の作成のため
   (ⅱ) 特定の季節的業務のため
   所定の労働時間に対する例外が許容される状況及び限度について定めるべきである。
15 所定の労働時間が週四十八時間をこえている場合には、権限のある機関又は団体は、14(a)(i)及び(iii)、(b)(iv)及び(v)並びに(c)(i)及び(ii)に掲げる場合において例外を許容するに先だち、その例外が真に必要であるかどうかを特に慎重に検討すべきである。

D 超過勤務

16 所定の時間をこえて労働した時間は、慣習に従つて報酬決定の際に考慮されない限り、超過勤務とみなすべきである。
17 各国の権限のある機関又は団体は、不可抗力の場合を除くほか、一定期間内に許容される総超過勤務時間数の限度を定めるべきである。
18 超過勤務を行なわせるにあたつては、十八歳未満の年少者、妊娠中の女子、授乳中の母及び身体障害者の特殊事情を十分に考慮すべきである。
19(1) 超過勤務に対しては、所定の労働時間に対するよりも高い一又は二以上の賃金率で賃金を支払うべきである。
 (2) 超過勤務に対する賃金率は、各国の権限のある機関又は団体が決定すべきである。ただし、この率は、いかなる場合にも、千九百十九年の労働時間(工業)条約第六条2に定める率より低くてはならない。

E 使用者及び労働者との協議

20(1) 権限のある機関は、この勧告の適用に関する問題について最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議することを慣行とすべきである。
 (2) 特に、次に掲げる事項については、それが各国の権限のある機関の決定にゆだねられている限り、前記の協議を行なうべきである。
  (a) 8の規定に関して執るべき措置
  (b) 12の規定に従つて平均労働時間を算定する期間の最長限度
  (c) 13の規定に従い、交替制労働により連続的に行なわなければならない工程に関して設けることができる規定
  (d) 14に定める例外
  (e) 17及び19に定める超過勤務の限度及びこれに対する賃金

F 監督

21 4及び5の規定に従い労働時間を漸進的に短縮するため執る方策の効果的実施のため、
  (a) 適当な監督その他の方法により労働時間に関する規定の適正な運用を確保する適当な措置を執るべきである。
  (b) 使用者に対し、事業所における掲示により又は権限のある機関が承認するその他の方法により次の事項を関係労働者に周知させるよう要求すべきである。
   (ⅰ) 作業の開始及び終了の時刻
   (ⅱ) 作業が交替制で行なわれる場合には、各交替の開始及び終了の時刻
   (ⅲ) 所定の労働時間に含まれない休憩時間
   (ⅳ) 一週中の労働日
  (c) 使用者に対し、権限のある機関の認める形式により、各労働者の労働時間、賃金及び超過勤務の記録を作成し、請求があつたときはその記録を検査のため提示するよう要求すべきである。
  (d) この勧告の規定の実施方法に適した制裁に関して措置を執るべきである。

G 一般規定

22 この勧告は、労働者に一層有利な条件を確保し又は確保することを目的とする法令、裁定、慣習、協約又は使用者と労働者との間の協定に影響を及ぼすものではない。
23 この勧告は、農業、海上輸送及び海上漁業には適用しない。これらの経済活動の分野については、特別の規定を設けるべきである。

  「ILO駐日事務所ホームページ」より

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ILOnohata01
 今日は、昭和時代後期の1966年(昭和41)に、「結社の自由及び団結権の保護に関する条約」(ILO87号条約)が日本において発効した日です。
 「結社の自由及び団結権の保護に関する条約」(けっしゃのじゆうおよびだんけつけんのほごにかんするじょうやく)は、昭和時代中期の1949年(昭和24)に、国際労働機関(ILO)で採択された、結社の自由と団結権の擁護に関する条約でした。「労働者及び使用者は、事前の許可を受けないで、自ら選択する団体を設立し、加入することができる。労使団体(連合体も含む)は、規約を作り、完全な自由のもとにその代表者を選び、管理・活動を決めることができる。行政機関はこれらの権利を制限したり、その合法的な行使を妨げたり、また、労使団体を解散したり、活動を停止させたりしない。労使団体は以上の権利を行使するに際してはその国の法律を尊重しなくてはならない。他方、その国の法律は、この条約に規定する保障を害するようなものであってはならない。」と規定しています。
 日本は、1951年(昭和26)に 国際労働機関(ILO)に再加盟しましたが、「公共企業体等労働関係法」の争議権の否認、団体交渉の制限、公共企業体等労働委員会の設置などの問題がああって、この条約の批准については、国会で紛糾しました。1965年(昭和40)に、ドライヤーを団長とするILO対日調査団の来訪調査後、同年6月14日に批准、関連国内法の改正が行われ、翌年6月14日に国内で発効(批准国としては70番目)しています。
 以下に、「結社の自由及び団結権の保護に関する条約」(ILO87号条約)の日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「結社の自由及び団結権の保護に関する条約」(ILO87号条約)日本は1965年(昭和40)6月14日批准、翌年6月14日発効

<日本語訳>

結社の自由及び団結権の保護に関する条約

 国際労働機関の総会は、
 理事会によりサン・フランシスコに招集されて、千九百四十八年六月十七日にその第三十一回会期として会合し、
 この会期の議事日程の第七議題である結社の自由及び団結権の保護に関する提案を条約の形式により採択することを決定し、
 国際労働機関憲章の前文が、「結社の自由の原則の承認」は労働条件を改善し、かつ、平和を確立する手段であると宣言していることを考慮し、
 フィラデルフィア宣言が、「表現及び結社の自由は不断の進歩のために欠くことができない」ことを再確認していることを考慮し、
 国際労働総会が、その第三十回会期において、国際的規制の基礎となる原則を全会一致で採択したことを考慮し、
 国際連合総会が、その第ニ回会期において、この原則を承認し、かつ、一又はニ以上の国際条約を採択することができるようにあらゆる努力を続けることを国際労働機関に要請したことを考慮して、
 次の条約(引用に際しては、千九百四十八年の結社の自由及び団結権保護条約と称することができる)を千九百四十八年七月九日に採択する。

 第一部 結社の自由

第一条

 この条約の適用を受ける国際労働機関の各加盟国は、次の諸規定を実施することを約束する。

第ニ条

 労働者及び使用者は、事前の許可を受けることなしに、自ら選択する団体を設立し、及びその団体の規約に従うことのみを条件としてこれに加入する権利をいかなる差別もなしに有する。

第三条

1 労働者団体及び使用者団体は、その規約及び規則を作成し、自由にその代表者を選び、その管理及び活動について定め、並びにその計画を策定する権利を有する。
2 公の機関は、この権利を制限し又はこの権利の合法的な行使を妨げるようないかなる干渉をも差し控えなければならない。

第四条

 労働者団体及び使用者団体は、行政的権限によって解散させられ又はその活動を停止させられてはならない。

第五条

 労働者団体及び使用者団体は、連合及び総連合を設立し並びにこれらに加入する権利を有し、また、これらの団体、連合又は総連合は、国際的な労働者団体及び使用者団体に加入する権利を有する。

第六条

 この条約第ニ条、第三条及び第四条の規定は、労働者団体及び使用者団体の連合及び総連合に適用する。

第七条

 労働者団体及び使用者団体並びにそれぞれの連合及び総連合による法人格の取得については、この条約第ニ条、第三条及び第四条の規定の適用を制限するような性質の条件を付してはならない。

第八条

1 この条約に規定する権利を行使するに当たっては、労働者及び使用者並びにそれぞれの団体は、他の個人又は組織化された集団と同様に国内法令を尊重しなければならない。
2 国内法令は、この条約に規定する保障を阻害するようなものであってはならず、また、これを阻害するように適用してはならない。

第九条

1 この条約に規定する保障を軍隊及び警察に適用する範囲は、国内法令で定める。
2 国際労働機関憲章第十九条八に掲げる原則に従い、加盟国によるこの条約の批准は、この条約の保障する権利を軍隊又は警察の構成員に与えている既存の法律、裁定、慣行又は協約に影響を及ぼすものとみなされない。

第十条

 この条約において「団体」とは、労働者又は使用者の利益を増進し、かつ、擁護することを目的とする労働者団体又は使用者団体をいう。

 第ニ部 団結権の保護

第十一条

 この条約の適用を受ける国際労働機関の各加盟国は、労働者及び使用者が団結権を自由に行使することができることを確保するために、必要にしてかつ適当なすべての措置をとることを約束する。

 第三部 雑則

第十二条

1 この条約を批准する国際労働機関の各加盟国は、千九百四十六年の国際労働機関憲章の改正文書によって改正された国際労働機関憲章第三十五条に掲げる地域のうち同条四及び五に掲げる地域以外のものについては、批准と同時に又はその後なるべくすみやかに、次の事項を述べる宣言を国際労働事務局長に通知しなければならない。
 (a) 当該加盟国がこの条約の規定を変更を加えることなく適用することを約束する地域
 (b) 当該加盟国がこの条約の規定を変更を加えて適用することを約束する地域及びその変更の細目
 (c) この条約を適用することができない地域及びその適用することができない理由
 (d) 当該加盟国が決定を留保する地域
2 1(a)及び(b)に掲げる約束は、批准の不可分の一部とみなされ、かつ、批准と同一の効力を有する。
3 いずれの加盟国も、1(b)、(c)又は(d)に基づきその最初の宣言において行った留保の全部又は一部をその後の宣言によっていつでも取り消すことができる。
4 いずれの加盟国も、第十六条の規定に従ってこの条約を廃棄することができる期間中はいつでも、前の宣言の条項を他の点について変更し、かつ、指定する地域に関する現況を述べる宣言を事務局長に通知することができる。

第十三条

1 この条約の主題たる事項がいずれかの非本土地域の自治権内にあるときは、当該地域の国際関係について責任をもつ加盟国は、当該地域の政府と合意して、当該地域のためにこの条約の義務を受諾する宣言を国際労働事務局長に通知することができる。
2 この条約の義務を受諾する宣言は、次のものが国際労働事務局長に通知することができる。
 (a) 国際労働機関のニ以上の加盟国の共同の権力の下にある地域については、そのニ以上の加盟国
 (b) 国際連合憲章又はその他によって国際機関が施政の責任をもつ地域については、その国際機関
3 1及び2の規定に従って国際労働事務局長に通知する宣言は、当該地域内でこの条約の規定を変更を加えることなく適用するか又は変更を加えて適用するかを示さなければならない。その宣言は、この条約の規定を変更を加えて適用することを示している場合には、その変更の細目を示さなければならない。
4 関係のある一若しくは二以上の加盟国又は国際機関は、前の宣言において示した変更を適用する権利の全部又は一部をその後の宣言によっていつでも放棄することができる。
5 関係のある一若しくは二以上の加盟国又は国際機関は、第十六条の規定に従ってこの条約を廃棄することができる期間中いつでも、前の宣言の条項を他の点について変更し、かつ、この条約の適用についての現況を述べる宣言を国際労働事務局長に通知することができる。

 第四部 最終規定

第十四条

 この条約の正式の批准は、登録のため国際労働事務局長に通知しなければならない。

第十五条

1 この条約は、国際労働機関の加盟国でその批准が事務局長により登録されたもののみを拘束する。
2 この条約は、ニ加盟国の批准が事務局長により登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。

3 その後は、この条約は、いずれの加盟国についても、その批准が登録された日の後十二箇月で効力を生ずる。

第十六条

1 この条約を批准した各加盟国は、この条約が最初に効力を生じた日から十年の期間の満了の後は、登録のため国際労働事務局長に通知する文書によってこの条約を廃棄することができる。その廃棄は、それが登録された日の後一年間は効力を生じない。
2 この条約を批准した各加盟国で、1に掲げる十年の期間の満了の後一年以内にこの条に定める廃棄の権利を行使しないものは、さらに十年間拘束を受けるものとし、その後は、この条に定める条件に基づいて、十年の期間が満了するごとにこの条約を廃棄することができる。

第十七条

1 国際労働事務局長は、国際労働機関の加盟国から通知を受けたすべての批准、宣言及び廃棄の登録をすべての加盟国に通告しなければならない。
2 事務局長は、通知を受けた二番目の批准の登録を国際労働機関の加盟国に通告する際に、この条約が効力を生ずる日について加盟国の注意を喚起しなければならない。

第十八条

 国際労働事務局長は、前諸条の規定に従って登録されたすべての批准、宣言及び廃棄の完全な明細を国際連合憲章第百二条による登録のため国際連合事務総長に通知しなければならない。

第十九条

 国際労働機関の理事会は、この条約の効力発生の後十年の期間が満了するごとに、この条約の運用に関する報告を総会に提出しなければならず、また、この条約の全部又は一部の改正に関する問題を総会の議事日程に加えることの可否を審議しなければならない。

第二十条

1 総会がこの条約の全部又は一部を改正する条約を新たに採択する場合には、その改正条約に別段の規定がない限り、
 (a) 加盟国による改正条約の批准は、改正条約の効力発生を条件として、第十六条の規定にかかわらず、当然この条約の即時の廃棄を伴う。
 (b) 加盟国によるこの条約の批准のための開放は、改正条約が効力を生ずる日に終了する。
2 この条約は、この条約を批准した加盟国で改正条約を批准していないものについては、いかなる場合にも、その現在の形式及び内容で引き続き効力を有する。

第二十一条

 この条約の英語及びフランス語による本文は、ひとしく正文とする。

  「ILO駐日事務所のホームページ」より

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ILOnohata01
 今日は、昭和時代中期の1951年(昭和26)に、国際労働機関(ILO)が日本の再加盟を承認した日です。
 国際労働機関(ILO)】(こくさいろうどうきかん)は、全世界において労働条件を改善し社会正義を実現することを目的とする国際組織です。大正時代の1919年(大正8)に、「ベルサイユ条約」の第13編労働によって、国際連盟と共に誕生しましたが、現在では、国際連合の専門機関の一つとなりました。
 第一次世界大戦後の社会改革に対して高まる懸念、そしてあらゆる改革は国際的なレベルで進められるべきだという確信を体現するものとして設立されています。スイスのジュネーブに本部が置かれ、労働条件・立法・社会保障などを討議、各国に勧告してきました。
 第二次世界大戦後の1946年(昭和21)に、ILO総会は新たな「国際労働機関憲章」を採択し、同年に国際連合と連携協定を結んで、最初の国連専門機関となります。2019年(平成31)3月19日現在で、計187ヶ国が加盟し、機構は総会・理事会・各種委員会・事務局よりなり、加盟国の政府・使用者・労働者の三者代表で構成され、40以上の国に、地域総局及び現地事務所を設置してきました。創立50周年にあたる1969年(昭和44)には、国家間の友愛と平和に貢献し、労働者のディーセント・ワークと正義を追求し、途上国に技術支援を行ってきたことをたたえノーベル平和賞を受賞しています。
 日本は設立と同時に加盟し、常任理事国でしたが、1938年(昭和13)に脱退、第二次世界大戦後の1951年(昭和26)に再加盟し、1954年(昭和29)以来、常任理事国となっていました。しかし、労働者保護に関わる重要な条約である1号条約(一日8時間・週48時間制)、47号条約(週40時間制)、132号条約(年次有給休暇)、140号条約(有給教育休暇)などが未批准となっています。

〇「国際労働機関憲章」(昭和27年1月16日条約第1号)

前文
 世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができるから、
 そして、世界の平和及び協調が危くされるほど大きな社会不安を起すような不正、困苦及び窮乏を多数の人民にもたらす労働条件が存在し、且つ、これらの労働条件を、たとえば、一日及び一週の最長労働時間の設定を含む労働時間の規制、労働力供給の調整、失業の防止、妥当な生活賃金の支給、雇用から生ずる疾病・疾患・負傷に対する労働者の保護、児童・年少者・婦人の保護、老年及び廃疾に対する給付、自国以外の国において使用される場合における労働者の利益の保護、同一価値の労働に対する同一報酬の原則の承認、結社の自由の原則の承認、職業的及び技術的教育の組織並びに他の措置によつて改善することが急務であるから、
 また、いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となるから、
 締約国は、正義及び人道の感情と世界の恒久平和を確保する希望とに促されて、且つ、この前文に掲げた目的を達成するために、次の国際労働機関憲章に同意する。

  第一章 組織
第一条 1 この憲章の前文及びこの憲章の附属書となつている千九百四十四年五月十日にフィラデルフィアで採択された国際労働機関の目的に関する宣言に掲げた目標を達成するために、ここに常設機関を設置する。
2 国際労働機関の加盟国は、千九百四十五年十一月一日にこの機関の加盟国であつた国並びにこの条の第三項及び第四項の規定に従つて加盟国となる他の国とする。
3 国際連合の原加盟国及び国際連合憲章の規定に従い国際連合総会の決定によつて国際連合の加盟国となることを認められた国は、国際労働機関憲章の義務の正式の受諾を国際労働事務局長に通知することによつて、国際労働機関の加盟国となることができる。
4 また、国際労働機関の総会は、出席し且つ投票する政府代表の三分の二の賛成投票を含む会期に参加している代表の三分の二の賛成投票によつて、この機関への加盟を承認することができる。この加盟は、国際労働事務局長に新加盟国の政府によるこの機関の憲章の義務の正式の受諾の通知があつた時に効力を生ずる。
5 国際労働機関の加盟国は、脱退する意思を国際労働事務局長に通告しなければ、この機関から脱退することができない。この通告は、事務局長が受領した日の後二年で効力を生ずる。但し、この時にその加盟国が加盟国としての地位から生ずるすべての財政的義務を果していることを条件とする。この脱退は、加盟国がいずれかの国際労働条約を批准しているときは、その条約で定めた期間中は、その条約から生じ又はその条約に関係するすべての義務の継続的効力に影響を及ぼさない。
6 いずれかの国がこの機関の加盟国でなくなつた場合には、その再加盟については、それぞれこの条の第三項又は第四項の規定によるものとする。
第二条 この常設機関は、次のものからなる。
(a)加盟国の代表者の総会
(b)第七条に規定するように構成する理事会 及び
(c)理事会の監督を受ける国際労働事務局
第三条 1 加盟国の代表者の総会の会合は、必要に応じて随時に、且つ、少くとも毎年一回開催する。総会は、各加盟国の四人の代表者で構成する。そのうちの二人は政府代表とし、他の二人は各加盟国の使用者及び労働者をそれぞれ代表する代表とする。
2 各代表は、顧問を伴うことができる。顧問は、会合の議事日程の各議題について二人をこえてはならない。婦人に特に関係がある問題が総会で審議されるときは、顧問のうちの少くとも一人は、婦人でなければならない。
3 非本土地域の国際関係に責任をもつ各加盟国は、自国の各代表に対する顧問として更に次の者を任命することができる。
(a)前記の地域の自治権の範囲内にある事項について前記のいずれかの地域の代表者として加盟国が指名する者 及び
(b)非自治地域に関する事項について自国の代表に助言するために加盟国が指名する者
4 二以上の加盟国の共同の権力の下にある地域の場合には、それらの加盟国の代表に助言する者を指名することができる。
5 加盟国は、各自の国に使用者又は労働者をそれぞれ最もよく代表する産業上の団体がある場合には、それらの団体と合意して選んだ民間の代表及び顧問を指名することを約束する。
6 顧問は、これを伴う代表が要請し且つ総会議長が特別に許可する場合を除いて、発言してはならない。また、顧問は、投票することができない。
7 代表は、議長にあてた通告書によつて、その顧問の一人を代理者に任命することができる。この顧問は、代理者として行動しているときは、発言し且つ投票することを許される。
8 代表及びその顧問の氏名は、各加盟国の政府が国際労働事務局に通知する。
9 代表及びその顧問の委任状は、総会の審査を受けなければならない。総会は、この条に従つて指名されなかつたと認める代表又は顧問の承認を出席代表の投票の三分の二によつて拒絶することができる。
第四条 1 総会の審議に付されるすべての事項について、各代表は、個別的に投票する権利をもつ。
2 ある加盟国が、指名権をもつにもかかわらず、民間代表の一人を指名しないときは、他の民間代表は、総会に出席し且つ発言することを許されるが、投票することを許されない。
3 総会が第三条に従つてある加盟国の代表の承認を拒絶したときは、その代表が指名されなかつたものとして、この条の規定が適用される。
第五条 総会の会合は、前回の会合において総会自体が行うことのある決定に従うことを条件として、理事会が決定する場所で開催する。
第六条 国際労働事務局の所在地の変更は、総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつて決定する。
第七条 1 理事会は、次の五十六人で構成する。
政府を代表する二十八人
使用者を代表する十四人及び
労働者を代表する十四人
2 政府を代表する二十八人のうち、十人は、主要産業国たる加盟国が任命し、十八人は、前記の十加盟国の代表を除く総会における政府代表によつてこのために選定された加盟国が任命しなければならない。
3 理事会は、必要に応じて、どの国がこの機関の主要産業国たる加盟国であるかを決定し、且つ、理事会の決定前に主要産業国たる加盟国の選定に関するすべての問題を公平な委員会が審議することを確保する規則を定める。どの国が主要産業国たる加盟国であるかに関する理事会の宣言に対して加盟国が行う提訴は、総会が判定する。但し、総会への提訴は、総会がその提訴を判定する時まで宣言の適用を停止するものではない。
4 使用者を代表する者及び労働者を代表する者は、総会における使用者代表及び労働者代表がそれぞれ選挙しなければならない。
5 理事会の任期は、三年とする。理事会の選挙が何らかの理由によつてこの期間の満了の時に行われないときは、理事会は、この選挙が行われる時まで在任する。
6 欠員の補充及び代理者の任命の方法並びに他の類似の問題は、総会の承認を条件として、理事会が決定することができる。
7 理事会は、随時に、その構成員の中から議長一人及び副議長二人を選挙する。そのうちの一人は政府を代表する者とし、一人は使用者を代表する者とし、一人は労働者を代表する者としなければならない。
8 理事会は、その議事手続を規定し、且つ、その会合の時期を定める。特別会合は、理事会における代表者の少くとも十六人が書面でその要請をしたときに開催する。
第八条 1 国際労働事務局に事務局長を置く。事務局長は、理事会によつて任命され、且つ、理事会の指示の下で、国際労働事務局の能率的な運営及び他の委託されることのある任務について責任を負う。
2 事務局長又はその代理者は、理事会のすべての会合に出席しなければならない。
第九条 1 国際労働事務局の職員は、事務局長が理事会の承認した規則に基いて任命する。
2 事務局長は、事務局の業務の能率を充分に考慮しつつできる限り、国籍の異なる者を選任しなければならない。
3 前項の者のうちの若干人は、婦人でなければならない。
4 事務局長及び職員の責任は、性質上もつぱら国際的なものである。事務局長及び職員は、その任務の遂行に当つて、いかなる政府からも又はこの機関外のいかなる当局からも指示を求め、又は受けてはならない。事務局長及び職員は、この機関に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。
5 この機関の各加盟国は、事務局長及び職員の責任のもつぱら国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者が責任を果すに当つてこれらの者を左右しようとしないことを約束する。
第十条 1 国際労働事務局の任務は、労働者の生活状態及び労働条件の国際的調整に関するすべての事項についての資料の収集及び配布、特に国際条約の締結を目的として総会に提出することが提案されている事項の審査並びに総会又は理事会が命ずることのある特別の調査の実施を含む。
2 事務局は、理事会が与える指示に従つて、次のことを行う。
(a)総会の会合のための議事日程の各種の議題に関する書類を準備すること。
(b)総会の決定に基いて行う法律及び規則の立案並びに行政上の慣行及び監督制度の改善に関して、政府の要請があつたときに、可能なすべての適当な援助をこれに与えること。
(c)条約の実効的な遵守に関して、この憲章の規定により事務局に要求される任務を遂行すること。
(d)国際的な関係をもつ産業及び雇用の問題を取り扱う出版物を、理事会が望ましいと認める言語で編集し且つ刊行すること。
3 一般に、事務局は、総会又は理事会が委託する他の権限及び任務をもつ。
第十一条 労働問題を取り扱う加盟国の官庁は、国際労働事務局の理事会における自国政府の代表者を通じて、又は、このような代表者がない場合には、資格のある他の公務員で政府がこのために指名するものを通じて、事務局長と直接に連絡することができる。
第十二条 1 国際労働機関は、この憲章の条項の範囲内で、専門的責任をもつ公的国際機関の活動を調整する任務をもつ一般的国際機関及び関係分野において専門的責任をもつ公的国際機関と協力しなければならない。
2 国際労働機関は、公的国際機関の代表者が投票権なしにこの機関の審議に参加するための適当な取極をすることができる。
3 国際労働機関は、使用者、労働者、農業者及び協同組合員の国際機関を含む承認された民間国際機関との望ましいと認める協議のための適当な取極をすることができる。
第十三条 1 国際労働機関は、適当と思われる財政上及び予算上の取極を国際連合と締結することができる。
2 前記の取極が締結されるまでの間は、又は有効な前記の取極がないときはいつでも、
(a)各加盟国は、それぞれ総会又は理事会の会合に出席する自国の代表及びその顧問並びに代表者の旅費及び滞在費を支給する。
(b)国際労働事務局及び総会又は理事会の会合のすべての他の経費は、国際労働事務局長が国際労働機関の一般資金から支出する。
(c)国際労働機関の予算の承認並びに分担金の割当及び徴収のための取極は、総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつて決定しなければならず、且つ、政府代表者の委員会が予算及びこの機関の加盟国間における経費の割当のための取極を承認することについて規定しなければならない。
3 国際労働機関の経費は、この条の第一項又は第二項(c)による有効な取極に従つて、加盟国が負担する。
4 この機関に対する分担金の支払が遅滞しているこの機関の加盟国は、その遅滞金の額がその時までの満二年間にその国から支払われるべきであつた分担金の額に等しいか又はこれをこえるときは、総会、理事会若しくは委員会において又は理事会の構成員の選挙において投票権をもたない。但し、総会は、支払の不履行が加盟国にとつてやむを得ない事情によると認めたときは、出席代表の投票の三分の二の多数によつて、その加盟国に投票を許すことができる。
5 国際労働事務局長は、国際労働機関の資金の適正な支出について理事会に対して責任を負う。

  第二章 手続
第十四条 1 総会のすべての会合の議事日程は、理事会が、加盟国の政府、第三条の適用上承認された代表的団体又は公的国際機関によつて行われることのある議事日程に関する示唆を考慮して定める。
2 理事会は、総会による条約又は勧告の採択の前に予備的な会議又は他の方法で完全な技術的準備及び最も関係の深い加盟国の充分な協議を確保するために、規則を作成しなければならない。
第十五条 1 事務局長は、総会の事務総長として行動し、且つ、議事日程を加盟国及び、民間代表が指名されているときはこの加盟国を通じて、その民間代表に、総会の会合の四箇月前に到達するように送付しなければならない。
2 議事日程の各議題に関する報告は、総会の会合に先だつて充分に検討することができるような時期に加盟国に到達するように発送しなければならない。理事会は、この規定の適用のための規則を作成しなければならない。
第十六条 1 いずれの加盟国政府も、議事日程中のある議題の存置に対して正式に異議を申し立てることができる。このような異議の理由は、事務局長にあてた陳述書に記載し、事務局長は、これをこの機関のすべての加盟国に通報しなければならない。
2 もつとも、このような異議があつた議題は、総会において出席代表の投票の三分の二の多数が審議することに賛成であるときは、議事日程から除くことができない。
3 総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつていずれかの事項を総会で審議すべきことを決定したとき(前項の場合を除く。)は、その事項は、次回の会合の議事日程に入れなければならない。
第十七条 1 総会は、議長一人及び副議長三人を選挙する。副議長のうちの一人は政府代表とし、一人は使用者代表とし、一人は労働者代表とする。総会は、その議事手続を定めなければならず、且つ、いずれかの事項について審議し且つ報告する委員会を設けることができる。
2 この憲章に別段に明白に規定された場合あるいは総会に権限を与える条約若しくは他の文書の条項又は第十三条に基いて採択された財政上及び予算上の取極の条項によつて別段に明白に規定された場合を除き、すべての事項は、出席代表の投票の単純過半数によつて決定する。
3 表決は、投票総数が総会に参加している代表の半数に達しないときは無効とする。
第十八条 総会は、その設置する委員会に投票権をもたない技術的専門家を置くことができる。
第十九条 1 総会が議事日程のある議題に関する提案を採択することに決定したときは、総会は、その提案が(a)国際条約の形式をとるべきか、又は(b)取り扱われた問題若しくはその問題のある面がそのときに条約として適当と認められない場合には事情に応ずる勧告の形式をとるべきかを決定する。
2 いずれの場合にも、総会がそれぞれ条約又は勧告を採択するための最終的の投票においては、出席代表の投票の三分の二の多数を必要とする。
3 一般に適用する条約又は勧告を作成する場合には、総会は、気候条件、産業組織の不完全な発達又は他の特殊の事情によつて産業条件が実質的に異なる国について充分な考慮を払い、且つ、これらの国の事態に応ずるために必要と認める修正があるときは、その修正を示唆しなければならない。
4 条約又は勧告は、その二通を総会議長及び事務局長の署名によつて認証しなければならない。そのうちの一通は、国際労働事務局の記録に寄託し、他の一通は、国際連合事務総長に寄託する。事務局長は、条約又は勧告の認証謄本を各加盟国に送付する。
5 条約の場合には、
(a)条約は、批准のためにすべての加盟国に送付する。
(b)各加盟国は、立法又は他の措置のために、総会の会期の終了後おそくとも一年以内に、又は例外的な事情のために一年以内に不可能であるときはその後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にも総会の会期の終了後十八箇月以内に、条約を当該事項について権限のある機関に提出することを約束する。
(c)加盟国は、条約を前記の権限のある機関に提出するためにこの条に従つて執つた措置、権限があると認められる機関に関する細目及びこの機関が執つた措置を国際労働事務局長に通知しなければならない。
(d)加盟国は、当該事項について権限のある機関の同意を得たときは、条約の正式の批准を事務局長に通知し、且つ、条約の規定を実施するために必要な措置を執る。
(e)加盟国は、当該事項について権限のある機関の同意を得なかつたときは、条約で取り扱われている事項に関する自国の法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告する以外には、いかなる義務も負わない。この報告には、立法、行政的措置、労働協約又はその他によつて条約の規定のいずれがどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているかが示され、且つ、条約の批准を妨げ、又は遅延させる障害が述べられていなければならない。
6 勧告の場合には、
(a)勧告は、国内立法又はその他によつて実施されるようにすべての加盟国に審議のために送付する。
(b)各加盟国は、立法又は他の措置のために、総会の会期の終了後おそくとも一年以内に、又は例外的な事情のために一年以内に不可能であるときはその後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にも総会の会期の終了後十八箇月以内に、勧告を当該事項について権限のある機関に提出することを約束する。
(c)加盟国は、勧告を前記の権限のある機関に提出するためにこの条に従つて執つた措置、権限があると認められる機関に関する細目及びこの機関が執つた措置を国際労働事務局長に通知しなければならない。
(d)加盟国は、勧告を前記の権限のある機関に提出することを除き、勧告で取り扱われている事項に関する自国の法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告する以外には、いかなる義務も負わない。この報告には、勧告の規定がどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているか、及びこれらの規定を採択し、又は適用するに当つて必要と認められた又は認められるこれらの規定の変更が示されていなければならない。
7 連邦の場合には、次の規定を適用する。
(a)連邦政府が、憲法制度上、連邦による措置を適当であると認める条約及び勧告については、連邦の義務は、連邦でない加盟国の義務と同一とする。
(b)連邦政府が、憲法制度上、全部又は一部について、連邦による措置よりも連邦を構成する邦、州又は県による措置を適当であると認める条約及び勧告については、連邦政府は、
 (一)その憲法及び関係のある邦、州又は県の憲法に従つて、立法又は他の措置のために総会の会期の終了後十八箇月以内に条約及び勧告が連邦、邦、州又は県の適当な機関に提出されるための有効な取極をしなければならない。
 (二)関係のある邦、州又は県の政府の同意を条件として、条約及び勧告の規定を実施するための調整された行動を連邦国家内で促進することを目的として連邦の機関と邦、州又は県の機関との間で定期的協議を行うように措置しなければならない。
 (三)条約及び勧告が連邦、邦、州又は県の適当な機関に提出されるためにこの条に従つて執つた措置、適当と認められる機関に関する細目及びこの機関が執つた措置を国際労働事務局長に通知しなければならない。
 (四)連邦政府が批准しなかつた各条約については、連邦及びこれを構成する邦、州又は県の当該条約に関する法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告しなければならない。この報告には、立法、行政的措置、労働協約又はその他によつて条約の規定のいずれがどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているかが示されていなければならない。
 (五)各勧告については、連邦及びこれを構成する邦、州又は県の勧告に関する法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告しなければならない。この報告には、勧告の規定がどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているか、及びこれらの規定を採択し、又は適用するに当つて必要と認められた又は認められるこれらの規定の変更が示されていなければならない。
8 いかなる場合にも、総会による条約若しくは勧告の採択又は加盟国による条約の批准は、条約又は勧告に規定された条件よりも関係労働者にとつて有利な条件を確保している法律、裁決、慣行又は協約に影響を及ぼすものとみなされてはならない。
第二十条 前条によつて批准された条約は、国際連合憲章第百二条の規定に従つて登録するために、国際労働事務局長が国際連合事務総長に送付するが、その条約は、批准する加盟国のみを拘束する。
第二十一条 1 最終的審議のために総会に提出された条約が出席代表の投票の三分の二の支持を確保しなかつたときも、相互間においてその条約を協定することは、この機関の加盟国の権利に属する。
2 前項によつて協定した条約は、関係政府が国際労働事務局長及び、国際連合憲章第百二条の規定に従つて登録するために、国際連合事務総長に送付しなければならない。
第二十二条 各加盟国は、当事国となつた条約の規定を実施するために執つた措置について、国際労働事務局に年次報告をすることに同意する。この報告は、理事会が要請する様式で作成され、且つ、理事会が要請する細目を記載していなければならない。
第二十三条 1 事務局長は、第十九条及び第二十二条に従つて加盟国が送付した資料及び報告の概要を総会の次回の会期に提出しなければならない。
2 各加盟国は、第三条の適用上承認された代表的団体に、第十九条及び第二十二条に従つて事務局長に送付した資料及び報告の写を送付しなければならない。
第二十四条 加盟国のいずれかが当事国である条約の実効的な遵守をその管轄権の範囲内において何らかの点で確保していないことを使用者又は労働者の産業上の団体が国際労働事務局に申し立てた場合には、理事会は、この申立をその対象となつた政府に通知し、且つ、この事項について適当と認める弁明をするようにその政府を勧誘することができる。
第二十五条 理事会は、当該政府から相当な期間内に弁明を受領しなかつた場合又はこれを受領しても弁明を満足と認めなかつた場合には、前記の申立及び、弁明があるときは、この弁明を公表する権利をもつ。
第二十六条 1 いずれの加盟国も、他の加盟国が前記の諸条に従つてともに批准した条約の実効的な遵守を他の加盟国が確保していないと認めた場合には、国際労働事務局に苦情を申し立てる権利をもつ。
2 理事会は、適当と認めるときは、後に規定する審査委員会に前項の苦情を付託する前に、第二十四条に掲げた方法で当該政府と連絡することができる。
3 理事会は、苦情を当該政府に通知することを必要と認めなかつた場合又はこの通知をしても理事会が満足と認める弁明を相当な期間内に受領しなかつた場合には、苦情を審議し且つそれについて報告すべき審査委員会を設けることができる。
4 同一の手続は、理事会がその発意によつても又は総会における代表から苦情を受けたときにも採択することができる。
5 第二十五条又は第二十六条から生ずる事項を理事会が審議している場合に、当該政府は、理事会に代表者を出していないときは、その事項の審議中理事会の議事に参加するための代表者を送る権利をもつ。その事項を審議する期日に関する適当な通告は、当該政府にしなければならない。
第二十七条 加盟国は、第二十六条に基いて苦情が審査委員会に付託される場合には、自国がその苦情に直接に関係があつてもなくても、苦情の対象となつている事項に関係のあるすべての資料でその所有するものを審査委員会の使用に供することに同意する。
第二十八条 審査委員会は、苦情を充分に審議したときは、当事国間の係争問題の決定に関係のあるすべての事実問題の認定を記載し、且つ、苦情に応ずるために執るべき措置及びこの措置を執るべき期限について適当と認める勧告を含む報告書を作成しなければならない。
第二十九条 1 国際労働事務局長は、審査委員会の報告書を理事会及び苦情に関係のある各政府に送付し、且つ、報告書が公表されるようにしなければならない。
2 これらの各政府は、審査委員会の報告書に含まれている勧告を受諾するかしないか、及び受諾しない場合に苦情を国際司法裁判所に付託する意図があるかどうかを、三箇月以内に国際労働事務局長に通知しなければならない。
第三十条 加盟国が条約又は勧告について第十九条第五項(b)、第六項(b)又は第七項(b)(一)に規定された措置を執らなかつた場合には、他の加盟国は、この事項を理事会に付託する権利をもつ。理事会は、このような不履行のあつたことを認めた場合には、この事項を総会に報告しなければならない。
第三十一条 第二十九条に従つて付託された苦情又は事項に関する国際司法裁判所の決定は、最終的とする。
第三十二条 国際司法裁判所は、審査委員会の認定又は勧告を確認し、変更し、又は破棄することができる。
第三十三条 加盟国がそれぞれ審査委員会の報告書又は国際司法裁判所の決定に含まれている勧告を指定された期間内に履行しなかつたときは、理事会は、勧告の履行を確保するための適宜と認める措置を総会に勧告することができる。
第三十四条 勧告を履行しなかつた政府は、それぞれ審査委員会の勧告又は国際司法裁判所の決定中の勧告を履行するために必要な措置を執つたことをいつでも理事会に通知し、且つ、その主張を確めるべき審査委員会の設置を要請することができる。この場合には、第二十七条、第二十八条、第二十九条、第三十一条及び第三十二条の規定を適用するものとし、審査委員会の報告又は国際司法裁判所の決定が勧告を履行しなかつた政府に有利であるときは、理事会は、第三十三条に従つて執つた措置の中止を直ちに勧告しなければならない。

  第三章 一般規定
第三十五条 1 加盟国は、この憲章の規定に従つて批准した条約を、自国が施政権者たる信託統治地域を含めて自国が国際関係に責任をもつ非本土地域に対して適用することを約束する。但し、その条約の主題たる事項が当該地域の自治権内にある場合又は条約が地方的条件によつて適用できない場合を除くものとし、また、条約を地方的条件に適応させるために必要な変更を加えることを条件とする。
2 条約を批准する各加盟国は、批准の後なるべくすみやかに、次の第四項及び第五項に掲げたものを除く地域について、条約の規定のどの程度の適用を約束するかを述べ、且つ、条約で定める細目を示した宣言を国際労働事務局長に通知しなければならない。
3 前項によつて宣言を通知した各加盟国は、条約の条項に従つて、前の宣言の条項を変更し且つ当該地域に関する現況を述べた新たな声明を随時に通知することができる。
4 条約の主題たる事項がいずれかの非本土地域の自治権内にあるときは、当該地域の国際関係に責任をもつ加盟国は、当該地域の政府による立法又は他の措置のためになるべくすみやかに条約を当該政府に送付しなければならない。その後、加盟国は、当該地域の政府と合意して、当該地域のために条約の義務を受諾する宣言を国際労働事務局長に通知することができる。
5 条約の義務を受諾する宣言は、次のものが国際労働事務局長に通知することができる。
(a)この機関の二以上の加盟国の共同の権力の下にある地域については、この二以上の加盟国 又は
(b)国際連合憲章若しくはその他によつて国際機関が施政の責任をもつ地域については、その国際機関
6 第四項又は第五項による条約の義務の受諾は、条約の条項で定めた義務及びこの機関の憲章に基く義務で批准した条約に適用されるものを関係地域のために受諾したものとする。受諾の宣言には、条約を地方的条件に適応させるために必要な条約の規定の変更を明記することができる。
7 この条の第四項又は第五項によつて宣言を通知した各加盟国又は国際機関は、条約の条項に従つて、関係地域のために前の宣言の条項を変更する新たな宣言又は条約の義務の受諾を終止する新たな宣言を随時に通知することができる。
8 条約の義務がこの条の第四項又は第五項に関する地域のために受諾されないときは、関係のある一若しくは二以上の加盟国又は国際機関は、条約で取り扱われている事項に関する当該地域の法律及び慣行の現況を国際労働事務局長に報告しなければならない。この報告には、立法、行政的措置、労働協約又はその他によつて条約の規定のいずれがどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているかが示され、且つ、条約の受諾を妨げ、又は遅延させる障害が述べられていなければならない。
第三十六条 総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつて採択するこの憲章の改正は、この憲章の第七条第三項の規定に従つて主要産業国たる加盟国として理事会に代表者を出している十加盟国のうちの五国を含むこの機関の加盟国の三分の二によつて批准され、又は受諾された時に効力を生ずる。
第三十七条 1 この憲章又は加盟国がこの憲章の規定に従つて今後締結する条約の解釈に関する疑義又は紛争は、決定のために国際司法裁判所に付託する。
2 この条の第一項の規定にかかわらず、理事会は、理事会によつて又は条約の条項に従つて付託される条約の解釈に関する紛争又は疑義をすみやかに解決すべき裁判所の設置に関する規則を作成し、且つ、承認のために総会に提出することができる。国際司法裁判所の判決又は勧告的意見で適用できるものは、この項によつて設置される裁判所を拘束する。この裁判所が行つた裁決は、この機関の加盟国に通報され、裁決に関する加盟国の意見書は、総会に提出されなければならない。
第三十八条 1 国際労働機関は、この機関の目的を達成するために望ましい地域会議の招集及び地域機関の設立を行うことができる。
2 地域会議の権限、任務及び手続は、理事会が作成し且つ確認のために総会に提出される規則によるものとする。

  第四章 雑則
第三十九条 国際労働機関は、完全な法人格及び特に次の能力をもつ。
(a)契約すること。
(b)不動産及び動産を取得し、及び処分すること。
(c)訴訟を提起すること。
第四十条 1 国際労働機関は、各加盟国の領域において、その目的の達成に必要な特権及び免除を享有する。
2 同様に、総会における代表、理事会の構成員、事務局長及び職員は、この機関に関連するその任務を独立に遂行するために必要な特権及び免除を亨有する。
3 前記の特権及び免除は、この機関が加盟国による受諾のために作成する別個の取極で規定する。

附属書
国際労働機関の目的に関する宣言
国際労働機関の総会は、その第二十六回会期としてフィラデルフィアに会合し、千九百四十四年五月十日、国際労働機関の目的及び加盟国の政策の基調をなすべき原則に関するこの宣言をここに採択する。
   一
総会は、この機関の基礎となつている根本原則、特に次のことを再確認する。
(a)労働は、商品ではない。
(b)表現及び結社の自由は、不断の進歩のために欠くことができない。
(c)一部の貧困は、全体の繁栄にとつて危険である。
(d)欠乏に対する戦は、各国内における不屈の勇気をもつて、且つ、労働者及び使用者の代表者が、政府の代表者と同等の地位において、一般の福祉を増進するために自由な討議及び民主的な決定にともに参加する継続的且つ協調的な国際的努力によつて、遂行することを要する。
   二
永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立できるという国際労働機関憲章の宣言の真実性が経験上充分に証明されていると信じて、総会は、次のことを確認する。
(a)すべての人間は、人種、信条又は性にかかわりなく、自由及び尊厳並びに経済的保障及び機会均等の条件において、物質的福祉及び精神的発展を追求する権利をもつ。
(b)このことを可能ならしめる状態の実現は、国家の及び国際の政策の中心目的でなければならない。
(c)国家の及び国際の政策及び措置はすべて、特に経済的及び財政的性質をもつものは、この見地から判断することとし、且つ、この根本目的の達成を促進するものであり且つ妨げないものであると認められる限りにおいてのみ是認することとしなければならない。
(d)この根本目的に照らして経済的及び財政的の国際の政策及び措置をすべて検討し且つ審議することは、国際労働機関の責任である。
(e)国際労働機関は、委託された任務を遂行するに当り、関係のあるすべての経済的及び財政的要素に考慮を払つて、その決定及び勧告の中に適当と認める規定を含めることができる。
   三
総会は、次のことを達成するための計画を世界の諸国間において促進する国際労働機関の厳粛な義務を承認する。
(a)完全雇用及び生活水準の向上
(b)熟練及び技能を最大限度に提供する満足を得ることができ、且つ、一般の福祉に最大の貢献をすることができる職業への労働者の雇用
(c)この目的を達成する手段として、及びすべての関係者に対する充分な保障の下に、訓練のための便宜並びに雇用及び定住を目的とする移民を含む労働者の移動のための便宜を供与すること。
(d)賃金及び所得並びに労働時間及び他の労働条件に関する政策で、すべての者に進歩の成果の公正な分配を保障し、且つ、最低生活賃金による保護を必要とするすべての被用者にこの賃金を保障することを意図するもの
(e)団体交渉権の実効的な承認、生産能率の不断の改善に関する経営と労働の協力並びに社会的及び経済的措置の準備及び適用に関する労働者と使用者の協力
(f)基本収入を与えて保護する必要のあるすべての者にこの収入を与えるように社会保障措置を拡張し、且つ、広はんな医療給付を拡張すること。
(g)すべての職業における労働者への生命及び健康の充分な保護
(h)児童の福祉及び母性の保護のための措置
(i)充分な栄養、住居並びにレクリエーション及び文化施設の提供
(j)教育及び職業における機会均等の保障
   四
この宣言に述べた目的の達成に必要な世界生産資源の一層完全且つ広はんな利用は、生産及び消費の増大、激しい経済変動の回避、世界の未開発地域の経済的及び社会的発展の促進、一次的生産物の世界価格の一層大きな安定の確保並びに国際貿易の量の多大な且つ確実な増加のための措置を含む実効的な国際的及び国内的の措置によつて確保できることを確信して、総会は、国際労働機関がこの偉大な事業並びにすべての人民の健康、教育及び福祉の増進に関する責任の一部を委託される国際団体と充分に協力することを誓約する。
   五
総会は、この宣言に述べた原則が全世界のすべての人民に充分に適用できること並びに、それをいかに適用するかは各人民の到達した社会的及び経済的発達の段階を充分に考慮して決定すべきであるとしても、まだ従属的な人民及び既に自治に達した人民に対してそれを漸進的に適用することが文明世界全体の関心事項であることを確認する。

   「国際労働機関ホームページ」より

☆国際労働条約(ILO総会で採択される条約)

<Fundamental convention(最優先条約)>

・29号条約 (強制労働に関する条約(英語版))[日本も批准]
・87号条約(結社の自由及び団結権の保護に関する条約)[日本も批准]
・98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約)[日本も批准]
・100号条約(同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約) [日本も批准]
・105号条約(強制労働の廃止に関する条約(英語版))[日本未批准]
・111号条約(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約)[日本未批准]
・138号条約(就業が認められるための最低年齢に関する条約)[日本も批准]
・182号条約(最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約)[日本も批准]

<その他>

・1号条約(工業的企業に於ける労働時間を1日8時間かつ1週48時間に制限する条約) - 八時間労働制[日本未批准]
・3号条約(産前産後に於ける婦人使用に関する条約) - 母性保護[日本未批准]
・14号条約(工業的企業に於ける週休の適用に関する条約) - 週休1日制
・47号条約(労働時間を1週40時間に短縮することに関する条約) - 週40時間制[日本未批准]
・30号条約(商業及び事務所における労働時間の規律に関する条約)) - 八時間労働制
・52号条約(年次有給休暇に関する条約(英語版)) - 年次有給休暇
・95号条約(賃金の保護に関する条約) - 賃金保護[日本未批准]
・97号条約(移民労働者に関する条約) - 移民労働者[日本未批准]
・102号条約(社会保障の最低基準に関する条約(英語版)) - ユニバーサルヘルスケア、傷病給付、失業給付、老齢給付、業務災害給付を規定 [日本も批准]
・128号条約(障害、老齢及び遺族給付に関する条約(英語版))- 年金#給付事項を規定
・132号条約(年次有給休暇に関する条約) - 年次有給休暇[日本未批准]
・140号条約(有給教育休暇に関する条約) - 有給教育休暇[日本未批准]
・148号条約(空気汚染、騒音及び振動に起因する作業環境における職業性の危害からの労働者の保護に関する条約) - 作業環境[日本未批准]
・149号条約(看護職員の雇用、労働条件及び生活状態に関する条約) - 看護職員[日本未批准]
・151号条約(公務における団結権の保護及び雇用条件の決定のための手続に関する条約) - 公務労働者[日本未批准]
・154号条約(団体交渉の促進に関する条約) - 団体交渉[日本未批准]
・155号条約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約) - 労働安全衛生[日本未批准]
・158号条約(1982年の雇用終了条約) - 解雇の要件と予告期間を定める[日本未批准]
・159号条約(障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約)[日本も批准]
・171号条約(夜業に関する条約) - 夜業[日本未批准]
・173号条約(使用者の支払不能の場合における労働者債権の保護に関する条約) - 労働者債権の保護[日本未批准]
・174号条約(大規模産業災害の防止に関する条約) - 大規模産業災害防止[日本未批准]
・175号条約(パートタイム労働に関する条約) - パートタイム労働[日本未批准]
・177号条約(在宅形態の労働に関する条約) - 在宅形態の労働[日本未批准]
・181号条約(1997年の民間職業仲介事業所条約) - 職業紹介事業[日本も批准]
・183号条約(1952年の母性保護条約に関する改正条約) - 母性保護、産前産後休業[日本未批准]

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

二十四節季二十四節季の10番目夏至です詳細
1635年(寛永12)江戸幕府が改訂発布した「武家諸法度」(寛永令)で参勤交代の義務化等を命じる(新暦8月3日)詳細
1892年(明治25)「鉄道敷設法」公布される詳細
1949年(昭和24)川崎汽船青葉丸がデラ台風により大分県沖で転覆、死者・行方不明者141人を出す(青葉丸転覆事故)詳細
1951年(昭和26)教育科学文化機関(ユネスコ)が日本の加盟を承認する詳細
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ILOnohata01
 今日は、大正時代の1919年(大正8)に、「ベルサイユ条約」によって、国際連盟に国際労働機関(International Labour Organization、略称:ILO)が設立された日です。
 国際労働機関(こくさいろうどうきかん)は、全世界において労働条件を改善し社会正義を実現することを目的とする国際組織で、最初は「ベルサイユ条約」の第13編労働によって、国際連盟と共に誕生しましたが、現在では、国際連合の専門機関の一つとなりました。第一次世界大戦後の社会改革に対して高まる懸念、そしてあらゆる改革は国際的なレベルで進められるべきだという確信を体現するものとして設立されています。
 スイスのジュネーブに本部が置かれ、労働条件・立法・社会保障などを討議、各国に勧告してきました。第二次世界大戦後の1946年(昭和21)に、ILO総会は新たな「国際労働機関憲章」を採択し、同年に国際連合と連携協定を結んで、最初の国連専門機関となります。
 2019年(平成31)3月19日現在で、計187ヶ国が加盟し、機構は総会・理事会・各種委員会・事務局よりなり、加盟国の政府・使用者・労働者の三者代表で構成され、40以上の国に、地域総局及び現地事務所を設置してきました。創立50周年にあたる1969年(昭和44)には、国家間の友愛と平和に貢献し、労働者のディーセント・ワークと正義を追求し、途上国に技術支援を行ってきたことをたたえノーベル平和賞を受賞しています。
 日本は設立と同時に加盟し、常任理事国でしたが、1938年(昭和13)に脱退、第二次世界大戦後の1951年(昭和26)に再加盟し、1954年(昭和29)以来、常任理事国となっていました。しかし、労働者保護に関わる重要な条約である1号条約(一日8時間・週48時間制)、47号条約(週40時間制)、132号条約(年次有給休暇)、140号条約(有給教育休暇)などが未批准となっています。

〇国際労働条約(ILO総会で採択される条約)

<Fundamental convention(最優先条約)>

・29号条約 (強制労働に関する条約(英語版))[日本も批准]
・87号条約(結社の自由及び団結権の保護に関する条約)[日本も批准]
・98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約)[日本も批准]
・100号条約(同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約) [日本も批准]
・105号条約(強制労働の廃止に関する条約(英語版))[日本未批准]
・111号条約(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約)[日本未批准]
・138号条約(就業が認められるための最低年齢に関する条約)[日本も批准]
・182号条約(最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約)[日本も批准]

<その他>

・1号条約(工業的企業に於ける労働時間を1日8時間かつ1週48時間に制限する条約) - 八時間労働制[日本未批准]
・3号条約(産前産後に於ける婦人使用に関する条約) - 母性保護[日本未批准]
・14号条約(工業的企業に於ける週休の適用に関する条約) - 週休1日制
・47号条約(労働時間を1週40時間に短縮することに関する条約) - 週40時間制[日本未批准]
・30号条約(商業及び事務所における労働時間の規律に関する条約)) - 八時間労働制
・52号条約(年次有給休暇に関する条約(英語版)) - 年次有給休暇
・95号条約(賃金の保護に関する条約) - 賃金保護[日本未批准]
・97号条約(移民労働者に関する条約) - 移民労働者[日本未批准]
・102号条約(社会保障の最低基準に関する条約(英語版)) - ユニバーサルヘルスケア、傷病給付、失業給付、老齢給付、業務災害給付を規定 [日本も批准]
・128号条約(障害、老齢及び遺族給付に関する条約(英語版))- 年金#給付事項を規定
・132号条約(年次有給休暇に関する条約) - 年次有給休暇[日本未批准]
・140号条約(有給教育休暇に関する条約) - 有給教育休暇[日本未批准]
・148号条約(空気汚染、騒音及び振動に起因する作業環境における職業性の危害からの労働者の保護に関する条約) - 作業環境[日本未批准]
・149号条約(看護職員の雇用、労働条件及び生活状態に関する条約) - 看護職員[日本未批准]
・151号条約(公務における団結権の保護及び雇用条件の決定のための手続に関する条約) - 公務労働者[日本未批准]
・154号条約(団体交渉の促進に関する条約) - 団体交渉[日本未批准]
・155号条約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約) - 労働安全衛生[日本未批准]
・158号条約(1982年の雇用終了条約) - 解雇の要件と予告期間を定める[日本未批准]
・159号条約(障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約)[日本も批准]
・171号条約(夜業に関する条約) - 夜業[日本未批准]
・173号条約(使用者の支払不能の場合における労働者債権の保護に関する条約) - 労働者債権の保護[日本未批准]
・174号条約(大規模産業災害の防止に関する条約) - 大規模産業災害防止[日本未批准]
・175号条約(パートタイム労働に関する条約) - パートタイム労働[日本未批准]
・177号条約(在宅形態の労働に関する条約) - 在宅形態の労働[日本未批准]
・181号条約(1997年の民間職業仲介事業所条約) - 職業紹介事業[日本も批准]
・183号条約(1952年の母性保護条約に関する改正条約) - 母性保護、産前産後休業[日本未批准]

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1782年(天明2)儒学者・教育者・漢詩人広瀬淡窓の誕生日(新暦5月22日)詳細
1868年(慶応4)[閏]会津藩・庄内藩赦免を求めるため、奥羽25藩の代表による白石列藩会議が始まる(新暦5月3日)詳細
1925年(大正14)「陸軍現役将校学校配属令」が発せられ、中学校以上の公立学校で軍事教練開始詳細
1967年(昭和42)「日本近代文学館」が開館する詳細
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