
富山大空襲(とやまだいくうしゅう)は、太平洋戦争末期の1945年(昭和20)8月2日午前0時36分から約2時間、アメリカ軍のB-29爆撃機174機により、富山県富山市の市街地中心に行われた夜間空襲でした。この時、焼夷弾12,740発(内、4500発ほどが集束焼夷弾)が投下される中、避難と消火活動は困難を極め、市街地の99.5%を焼失し、戦災面積4,172,700坪、戦災約20,000戸、死者2,737人、負傷者約25,000人の大きな被害が出ます。
地方都市としては人口比で最も多くの犠牲者を出しました。これは、防空法制によって空襲の際に逃げることは禁止されており、その場に留まって消火活動しなければいけないとされ、逃げようとした市民に対しては、警察や憲兵が戻って火を消すように押し留められたためと言われています。
戦後、戦災復興基本計画が策定され、1946年(昭和21)から戦災復興事業が開始、1954年(昭和29)には戦災復興を記念して富山産業大博覧会が開会され、1966年(昭和41)に戦災復興事業が完成しました。
地方都市としては人口比で最も多くの犠牲者を出しました。これは、防空法制によって空襲の際に逃げることは禁止されており、その場に留まって消火活動しなければいけないとされ、逃げようとした市民に対しては、警察や憲兵が戻って火を消すように押し留められたためと言われています。
戦後、戦災復興基本計画が策定され、1946年(昭和21)から戦災復興事業が開始、1954年(昭和29)には戦災復興を記念して富山産業大博覧会が開会され、1966年(昭和41)に戦災復興事業が完成しました。
〇太平洋戦争下の主要な空襲一覧
<1942年(昭和17)>
・4月18日 東京、名古屋、神戸などが初空襲される(ドウリットル指揮の16機の米陸軍機B-25による)
<1944年(昭和19)>
・11月24日 B-29による初めての東京空襲が行われる
<1945年(昭和20)>
・1月19日 阪神地方へ初の本格的空襲が行われる
・3月10日 東京大空襲か行われ、死傷10万人以上、焼失27万余戸、罹災100余万人が出る
・3月12日 名古屋大空襲で中心街が焼失する(家屋25,734棟棟被災、105,093人罹災、死者519人、負傷者負傷者734人)
・3月13~14日 大阪へ初の大空襲が行われる
・3月17日 神戸大空襲が行われ神戸市西部が消失する(約65,000棟が全半焼、死者2,598人)
・3月19日 名古屋大空襲で名古屋駅が炎上する(家屋39,893棟被災、151,332人罹災、死者826人、負傷者2,728人)
・3月29日 北九州が空襲される
・4月4日 川崎の他鶴見・港北・神奈川・西各区が空襲を受ける(罹災戸数5,873戸、死者398人)
・4月13日 東京空襲(西部地域)が行われる
・4月15日 東京・横浜・川崎の空襲が行われる(罹災住宅5万2655戸、死者972人)
・5月14日 名古屋空襲で名古屋城が焼失する(家屋21,905棟被災、66,585人罹災、死者338人、負傷者783人)
・5月24日 東京へ250機来襲し、皇居が炎上する
・5月25~26日 東京空襲(山手地域)が行われる
・5月29日 京浜へ600機来襲し、川崎、横浜が被災(横浜大空襲)する(死者3,650人、重軽傷者10,198人、行方不明309人)
・6月1日 大阪、尼崎等へ400機来襲する
・6月5日 兵庫県神戸市へ350機来襲する(西部の神戸市垂水区から東部の西宮市まで広範囲が爆撃される)
・6月7日 大阪周辺へ250機来襲する
・6月19~20日 静岡大空襲で旧静岡市の中心部が焼失する(焼失家屋26,891戸、被災者114,000人、死者1,952人)
・6月19~20日 福岡大空襲で福岡市の中心部が焼失する(罹災戸数12,693戸、罹災者数60,599人、死者・行方不明者1,146人)
・6月28~29日 佐世保大空襲で佐世保市の中心部が焼失する(罹災戸数12,037戸、罹災者数60,734人、死者1,242人)、
・6月29日 岡山空襲で岡山城が焼失する(家屋12,693棟被災、死者が1,737人)
・7月9日 和歌山大空襲で和歌山城が消失する(焼失家屋31,137戸、被災者113,548人、死者・行方不明者1,424人)
・7月12日 宇都宮大空襲で宇都宮市の中心部が焼失する(罹災世帯数10,603世帯、焼失戸数9,490戸、死者628人、負傷者約1,150人)
・7月14日 青函連絡船の翔鳳丸など9隻が米艦載機の攻撃を受けて沈没する
・8月2日 富山大空襲で市街地の99.5%を焼失する(戦災家屋約20,000戸、被災者109,592人、死者2,737人)
・8月5日 B-29爆撃機92機が前橋市・高崎市を空襲し、死傷者1,323人が出る
・8月6日 B-29が広島に原子爆弾を投下し、市街地は廃墟と化し、20万人以上の人命が喪われる
・8月7日 愛知県の豊川海軍工廠が爆撃され女子挺身隊員・国民学校児童ら2,477人の死者を出す
・8月8日 福山大空襲で福山城が消失する(焼失家屋数10,179戸、被災者数47,326人、死者354人)
・8月9日 B-29が長崎にも原子爆弾を投下し、市街地は廃墟と化し、8万人弱の人命が喪われる
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
901年(延喜元) | 六国史一番最後の『日本三代実録』が完成する | 詳細 |
1721年(享保6) | 徳川吉宗の命で江戸・評定所の門前に目安箱が設置される(新暦9月23日) | 詳細 |
1738年(元文3) | 俳人上島鬼貫の命日(新暦9月15日) | 詳細 |
1864年(元治元) | 14代将軍徳川家茂が中国・四国など35藩に長州征討(第一次長州征討)の為の出兵を命令(新暦9月2日) | 詳細 |
1918年(大正7) | 寺内正毅内閣によって、日本軍が英・米・仏軍と共に、シベリア出兵することが閣議決定される | 詳細 |
1947年(昭和22) | 中学校用『あたらしい憲法のはなし』・高校用『民主主義の手引』の副読本発行 | 詳細 |