
その報告書序論で、「教師の最善の能力は、自由の空気のなかにおいてのみ十分に現される。この空気をつくりだすことが行政官の仕事なのであって、その反対の空気をつくることではない。子供のもつ測り知れない資質は、自由主義という日光の下においてのみ豊かな実を結ぶものである。」と、アメリカ自由主義の教育理念を中心に据え、教育の近代化についての諸提案を行ないました。その内容は、6年制小学校と3年制下級中等学校における9か年の無月謝制義務教育および男女共学制、3年制上級中等学校における無月謝制、男女共学制、希望者全員入学制の実現、修身・歴史教科書の改訂、保健体育や職業教育の重視、ローマ字の採用、教育行政制度として地方分権型の公選制教育委員会、教師養成の水準向上、成人教育の充実、高等教育の拡大などとなっています。
この報告書は、戦前の国家主義教育を批判すると共に、戦後の教育改革の方向を指示し、改革の基本となりました。尚、1950年(昭和25)8月27日に、第2次アメリカ教育使節団5名が来日し、新しい国際情勢に基づいて、9月22日に第二次報告書を提出しています。
以下に、「アメリカ教育使節団第一次報告書」の構成と要旨を掲載しておきますので、ご参照下さい。