今日は、昭和時代前期の1938年(昭和13)に、岩波書店が「岩波新書」の最初の20点(赤版)を刊行した日です。
岩波新書(いわなみしんしょ)は、岩波書店が刊行してきた新書シリーズで、イギリスのペリカンブックス、ペンギンブックスを参考に「現代人の世界的教養」を追求する叢書として創刊されました。日本最初の新書シリーズで、古典を中心とした岩波文庫に対し、書き下ろし作品による一般啓蒙書を廉価で提供することを目的とします。
斎藤茂吉『万葉秀歌』、三木清『哲学入門』、吉田洋一『零の発見』、吉川幸次郎・三好達治『新唐詩選』など、同時代に属する筆者によって、現代人の現代的教養を追求する、教養書としての性格を備えていました。分量も手ごろで、廉価(発売当初50銭)なこともあって、学生、知識人を中心に安定した読者を獲得することとなります。
しかし、太平洋戦争が激化する中で、1944年(昭和19)に刊行点数98点を以て、発行中絶のやむなきにいたりました。太平洋戦争後の1946年(昭和21)に、3点を復活発行したのを最後に赤版新書は終結します。
その後、1949年(昭和24)4月に、装いを新たに表紙を青(いわゆる青版)に変更して再出発しました。それも、1977年(昭和52)4月に、青版の刊行が1,000点を越え、岩波新書創立40周年を迎えるのを機に黄版に改められます。
さらに、1988年(昭和63)1月に、岩波新書創刊50年・総刊総数1,500点をもって新赤版に改められました。2006年(平成18)3月で、新赤版の刊行が1,000点を迎え、同年4月の1,001点目の刊行となった柄谷行人『世界共和国へ』から、装幀がリニューアルされます。
それからも、出版点数を増やしていき、2014年(平成26)9月19日には、通算で刊行3,000点を突破しました。
斎藤茂吉『万葉秀歌』、三木清『哲学入門』、吉田洋一『零の発見』、吉川幸次郎・三好達治『新唐詩選』など、同時代に属する筆者によって、現代人の現代的教養を追求する、教養書としての性格を備えていました。分量も手ごろで、廉価(発売当初50銭)なこともあって、学生、知識人を中心に安定した読者を獲得することとなります。
しかし、太平洋戦争が激化する中で、1944年(昭和19)に刊行点数98点を以て、発行中絶のやむなきにいたりました。太平洋戦争後の1946年(昭和21)に、3点を復活発行したのを最後に赤版新書は終結します。
その後、1949年(昭和24)4月に、装いを新たに表紙を青(いわゆる青版)に変更して再出発しました。それも、1977年(昭和52)4月に、青版の刊行が1,000点を越え、岩波新書創立40周年を迎えるのを機に黄版に改められます。
さらに、1988年(昭和63)1月に、岩波新書創刊50年・総刊総数1,500点をもって新赤版に改められました。2006年(平成18)3月で、新赤版の刊行が1,000点を迎え、同年4月の1,001点目の刊行となった柄谷行人『世界共和国へ』から、装幀がリニューアルされます。
それからも、出版点数を増やしていき、2014年(平成26)9月19日には、通算で刊行3,000点を突破しました。
〇1938年(昭和13)の岩波新書第1回刊行作品(全20点)
・『奉天三十年(上・下)』クリスティ/矢内原忠雄訳
・『支那思想と日本』津田左右吉著
・『天災と国防』寺田寅彦著
・『万葉秀歌(上・下)』斎藤茂吉著
・『家計の数学』小倉金之助著
・『雪』中谷宇吉郎著
・『世界諸民族経済戦夜話』白柳秀湖著
・『人生論』武者小路実篤著
・『ドイツ 戦歿学生の手紙』ヴィットコップ/高橋健二訳
・『神秘な宇宙』ジーンズ/鈴木敬信訳
・『科学史と新ヒューマニズム』サートン・森島恒雄訳
・『ベートーヴェン』長谷川千秋著
・『森鴎外 妻への手紙』小堀杏奴編
・『荊棘の冠』里見弴著
・『瘤』山本有三著
・『春泥・花冷え』久保田万太郎著
・『薔薇』横光利一著
・『抒情歌』川端康成著
☆岩波新書発行部数ランキング(岩波書店調べ、2008年5月現在)
・1位『大往生』永六輔著(1994年発行)239万部
・2位『日本語練習帳』大野晋著(1999年発行)192万部
・3位『論文の書き方』清水幾太郎著(1959年発行)145万部
・4位『知的生産の技術』梅棹忠夫著(1969年発行)132万部
・5位『日本の歴史(上)』井上清著(1963年発行)114万部
・6位『万葉秀歌(上)』斎藤茂吉著(1938年発行)110万部
・7位『一日一言』桑原武夫著(1956年発行)103万部
・8位『昭和史』遠山茂樹・今井清一・藤原彰著(1959年発行)102万部
・9位『日本の思想』丸山真男著(1961年発行)102万部
・10位『零の発見』吉田洋一著(1939年発行)98万部
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1858年(安政5) | 政治家尾崎行雄の誕生日(新暦12月24日) | 詳細 |
1890年(明治23) | 木骨煉瓦造り3階建て約60室の初代帝国ホテルが完成し、竣工式が行われる | 詳細 |
1942年(昭和17) | 日本文学報国会が企画・選定した「愛国百人一首」が情報局より発表される | 詳細 |
1945年(昭和20) | GHQが「無線通信の統制に関する覚書」 (SCAPIN-321)を出す | 詳細 |
1959年(昭和34) | 国連総会において「児童の権利に関する宣言」が採択される(世界こどもの日) | 詳細 |
2005年(平成17) | 書家村上三島の命日 | 詳細 |