ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:財閥解体

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 今日は、昭和時代中期の1948年(昭和23)に、持株会社整理委員会が「過度経済力集中排除法」第1次指定会社に鉱工業部門257社を指定した日です。
 「過度経済力集中排除法」(かどけいざいりょくしゅうちゅうはいじょほう)は、太平洋戦争後、占領軍による経済民主化政策の一環として、いわゆる財閥解体をはかるために、昭和時代中期の1947年(昭和22)12月18日に公布施行された法律です。この第一条において、「平和的且つ民主的な国家を再建するための方策の一環として、できるだけ速やかに過度の経済力の集中を排除し、国民経済を合理的に再編成することによつて、民主的で健全な国民経済再建の基礎を作ることを目的とする」と定められていました。
 戦時下の企業整備などにより規模が過大となっていた巨大独占企業を分割するための手続を定め、当初は鉱工業、商業、サービス部門の大企業のすべてを網羅した325社(鉱工業部門257社、サービス業部門68社)が、翌年2月に分割の対象として指定されます。しかし、その後の占領軍対日政策の転換などにより、実際に分割されたのは12社に留まり、実効性不十分な状態で、1955年(昭和30)にこの法律は廃止されました。
 「独占禁止法」により持株会社は禁止されたので、コンツェルンの形での財閥は姿を消しましたが、その後も、三井財閥、住友財閥、三菱財閥などは株式を持ち合う企業グループという形で温存されることになります。

<分割された企業(12社)>
・日本発送電→(北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力)
・日本製鐵→(八幡製鐵・富士製鐵・日鐵汽船・播磨耐火煉瓦) 
・大建産業→(伊藤忠商事・丸紅・呉羽紡績・尼崎製釘所・大建工業)
・三菱重工業→(東日本重工業・中日本重工業・西日本重工業)
・三菱鉱業→(三菱鉱業・太平鉱業)
・三井鉱山→(三井鉱山・神岡鉱業) 
・井華(住友)鉱業→(井華鉱業・別子鉱業・住友建設・別子百貨店) 
・大日本麦酒→(朝日麦酒・日本麦酒) 
・北海道酪農協同→(北海道バター・雪印乳業) 
・王子製紙→(苫小牧製紙・十條製紙・本州製紙)
・帝国繊維→(帝国製麻・中央繊維・東邦レーヨン) 
・東洋製罐→(東洋製罐・北海製罐) 

〇「過度経済力集中排除法」関係略年表

<1945年(昭和20)>
・11月6日 GHQからSCAPIN244「Dissolution of Holding Companies」(持株会社の解体に関する覚書)が出される
・11月23日 勅令第657号「会社ノ解散ノ制限等ノ件」が公布される

<1946年(昭和21)>
・9月6日 GHQによる第1次財閥解体として、4大財閥などの5社が指定される
・12月7日 GHQによる第2次財閥解体として40社が指定されたが、4大財閥に次ぐ規模の財閥やいわゆる新興コンツェルンなどの持株会社、トラスト、各産業で独占・寡占的地位にあった企業をを対象とする
・12月28日 GHQによる第3次財閥解体として20社が指定されたが、財閥傘下で、かつ、その会社自体が各産業で独占・寡占的地位にあり、1次・2次指定の対象にならなかった企業を対象とする

<1947年(昭和22)>
・3月15日 GHQによる第4次財閥解体として2社が指定されたが、電気通信施設の国有化政策に基づくもので、便宜的に持株会社整理委員会の所管とされる
・9月 GHQによる第5次財閥解体として16社が指定されたが、地方財閥・小規模財閥を対象となる
・12月9日 「過度経済力集中排除法」が国会で成立する
・12月18日 「過度経済力集中排除法」が公布・施行される

<1947年(昭和22)>
・2月 325社(鉱工業部門257社、サービス業部門68社)が、翌分割の対象として指定される
<1955年(昭和30>
・7月25日 「過度経済力集中排除法」が廃止される

☆「過度経済力集中排除法」 (昭和22年法律第207号) 1947年(昭和22)12月18日公布・施行

第一条 この法律は、平和的且つ民主的な国家を再建するための方策の一環として、できるだけ速やかに過度の経済力の集中を排除し、国民経済を合理的に再編成することによつて、民主的で健全な国民経済再建の基礎を作ることを目的とする。

第二条 この法律で企業とは、企業連合、企業結合、企業合同、会社、組合、個人企業その他形態の何であるかを問わず、事業上、金融上その他経済上の一切の方法又は事業体を含むものとする。
この法律で独立企業とは、各個の法律上の人格を有する企業をいう。
この法律で関係とは、協定、了解、共同行為その他名義の何であるかを問わず、一切の関係をいう。
この法律で事業分野とは、事業上、金融上その他経済上の一切の活動の分野を含むものとする。
この法律の施行について独占的性質の企業とは、独立企業の合併の結果、又は昭和十二年七月一日から昭和二十年九月一日までの間に当該事業分野において従前に比し過当な事業の拡張をした結果、当該事業分野において影響力を持つている、又は持つ虞のある企業を含むものとする。この場合において、影響力とは、企業による支配力であつて、当該事業分野における価格の決定又は資金、商品若しくは役務の移動を実質的に左右するに足る程度のものをいう。 この法律の施行について関連性のない事業分野とは、生産過程において相互に依存する生産分野、一の最終生産品の生産において生産の段階となつている生産分野又はその他相互の間に生産、販売若しくは経営の合理化に役立つ関係のある事業分野のいずれにも該当しない事業分野をいう。
この法律で競争又はこの法律の施行について競争者とは、現実に存する競争又は競争者及び潜在的な競争又は競争者をいう。
この法律で生産能力とは、生産施設を通常の状態において最高度に使用した場合の生産の能力をいう。
この法律で家族とは、本人並びにその配偶者及び三親等内の親族をいう。
この法律の施行について個人又は家族における富とは、個人又は家族の成員が所有し、又は支配する企業財産その他の財産を含むものとする。

第三条 持株会社整理委員会は、過度の経済力の集中で、この法律施行の日において現に存している又は昭和二十年八月一日以後この法律施行の日前において存したものを指定し、公共の利益のために、これを排除しなければならない。
前項の場合において過度の経済力の集中とは、営利を目的とする私企業又はその結合体で、一の分野においてその有する相対的規模が題であり、又は二以上の分野においてその占める地位を集積した力が大であるために、事業の重要な部分において、競争を制限し、又は他の企業が独立して事業を営むことを阻害するものをいう。
持株会社整理委員会は、前項の定義及び第六条第一項の規定による具体的基準に従い、過度の経済力の集中を指定しなければならない。

第四条 前条の規定による指定は、昭和二十三年九月三十日までに、これをしなければならない。

第五条 持株会社整理委員会は、第三条の規定による指定をしたときは、その旨を文書で利害関係人に通知しなければならない。同条の規定による指定を取り消したときも、同様である。
前項の規定による指定の通知は、公告してこれを行うことができる。

第六条 持株会社整理委員会は、左に掲げる事項その他必要な事項を考慮して、過度の経済力の集中に該当するかどうかを決定する具体的基準を定めて、これを公示しなければならない。
一 当該企業の内地における生産額又は取引額の当該事業分野における内地全体の生産額又は取引額に対する割合。
二 当該企業の内地における生産能力と昭和十二年六月三十日以前における内地における最高生産能力との比較。
三 当該企業の内地における生産能力又は取引額の当該事業分野における内地全体の生産能力又は取引額に対する割合と昭和十二年六月三十日以前におけるその最高の割合との比較。
四 他の企業に対する当該企業の支配的な関係の内容。
五 当該企業の工場事業場の数及びその位置その他の立地条件。
六 工場事業場の生産過程における相互的関連性の有無及びその程度並びに工場事業場の原料の使用又は生産品の生産若しくは販売における相互的関連性の有無及びその程度。
七 当該企業の原料に対する支配の内容。
八 独立企業の合併その他の方法による事業の拡張の事情。
九 当該企業全体の生産能率と当該企業の各部門又はその結合体の生産能率との比較。
十 一手買取又は一手販売その他これらに類する独占的性質又は制限的性質の取極めその他の関係の有無、物品の購入若しくは販売についての特権、生産若しくは販売の制限、価格の固定、事業地域若しくは販売地域の制限又は特許権若しくは技術の排他的交換を内容とする取極めその他の関係の有無及びこれらの取極めその他の関係への参加の有無。
十一 個人又は家族の成員が企業に対して行う実質的支配の内容。
前項第九号の生産能率を判定するに当つては、生産高又は単価がその企業の構造の変更により影響されるかどうかについても考慮しなければならない。

第七条 持株会社整理委員会は、第三条の規定により指定された過度の経済力の集中の排除について、この法律の目的を達成するのに必要な措置をとらなければならない。
持株会社整理委員会は、前項の措置に関し必要な範囲内において左に掲げる権能を有する。
一 第三条の規定により指定された過度の経済力の集中を排除するための原則、計画及び手続を定めること。
二 諸般の情報を集め、整理し、及び調査し、情報の整理及び提出を求め、記録の保存を命じ、報告及び意見の提出を求め、並びに帳簿書類その他の物件の所持者に対し当該物件の提出を命じ、及び提出物件を留めて置くこと。
三 関係人又は参考人に出頭を命じて審尋し、及び鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
四 工場事業場その他必要な場所に臨検して、業務及び財産の状況、帳簿書類その他の物件を検査すること。
五 財産の譲渡若しくは引渡を命じ、又は株式その他の有価証券につき議決権の行使の委任を求めること及び当該財産が個人又は家族の成員の所有に属する場合においては、その譲渡の対価として受領した金銭で有価証券を取得すべきことを命じ、又はその譲渡の対価として有価証券を交付し、且つ、これらの有価証券の任意の譲渡を制限すること。
六 法人その他の団体の解散を命じ、企業連合、企業結合、企業合同、一手買取、一手販売その他の独占的性質又は制限的性質の取極めの解消を命じその他過度の経済力の集中を存続させる行為を禁止すること。
七 企業の再編成、財産処分その他第三条の規定により指定された過度の経済力の集中を排除するのに必要な措置に関する計画書の提出を求め、これを承認し、及び企業再編成計画書の提出のない場合又はその内容が不適当である場合において、企業の再編成計画書を作成すること。
八 企業再編成計画の実施につき一切の裁判上又は裁判外の権限を有する管理人を指名し、及び企業再編成計画の実施、財産処分、法人その他の団体の解散又は清算その他過度の経済力の集中を排除するのに必要な措置の実施を監督すること。
九 持株会社整理委員会の承認を受けないで財産の移転その他の行為をすることを禁止すること。
十 その他第三条の規定により指定された過度の経済力の集中を排除するのに必要と認められ、且つ、この法律の規定に適合する行為をすること。
十一 前各号に掲げる事項を実施するために、必要な指令をし、又は必要な規則を定めてこれを公示すること。
前項第六号の規定により持株会社整理委員会か法人その他の団体に対しその解散を命じた場合は、他の法令の規定又は契約その他の定にかかわらず、当該法人その他の団体は、その命令により解散する。
第二項第四号の規定により臨検検査をする者は、一定の証票を携帯しなければならない。

第八条 持株会社整理委員会は、企業再編成、財産処分その他第三条の規定により指定された過度の経済力の集中を排除するのに必要な措置に関する計画を承認し、若しくは作成しようとするとき、前条第二項第五号若しくは第六号の規定による処分をしようとするとき、又はその他の処分をする場合において必要と認めるときは、その承認その他の処分の指令案を文書で利害関係人及び公正取引委員会に通達しなければならない。
前項の規定による指令案の文書(提出された計画書の承認に係るものを除く。)には、処分の基礎となつた事実の認定を附記しなければならない。この場合において、その事実の認定は、指令案の基礎となつている経済上、生産上その他の資料を詳細に示し、又はその事実の認定には、これらの資料に関する説明を覚書として添附しなければならない。
第五条第二項の規定は、第一項の規定による指令案の通達に、これを準用する。

第九条 持株会社整理委員会は、指令案を通達した日から十五日を経過した後に利害関係人に対し聴聞会を開かなければならない。
前項の聴聞会においては、利害関係人は、指令案について異議の申立又は意見の具申をすることができる。
持株会社整理委員会は、第一項の聴聞会の手続について、規則を定めて、これを公示することができる。

第十条 公正取引委員会は、指令案が昭和二十二年法律第五十四号私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下私的独占禁止法という。)の規定に反すると認めるときは、その旨を持株会社整理委員会に対し指示しなければならない。

第十一条 持株会社整理委員会は、第九条第二項の規定による異議の申立若しくは意見の具申又は前条の規定による指示に基き、指令案につき必要な変更を加えることができる。
持株会社整理委員会は、指令の内容を決定したときは、その決定指令を文書で利害関係人に通達しなければならない。
第五条第二項の規定は、前項の規定による決定指令の通達に、これを準用する。

第十二条 持株会社整理委員会は、企業再編成計画が債権者、社債権者及び株主(社員を含む。以下同じ。)を公正且つ公平に取り扱つていない場合には、これを承認してはならない。
企業再編成計画においては、債権者、社債権者及び株主の承認を得ないで、これらの者の権利の変更の定をすることができる。但し、これらの者は、聴聞会において、異議の申立をすることができる。

第十三条 事実の認定が実質的な証拠を基礎としていない場合又は持株会社整理委員会が実質的な証拠を採用しなかつた場合においては、利害関係人は、決定指令が通達され、又は公告された日から三十日以内に、内閣総理大臣に不服の申立をすることができる。但し、その証拠の欠如が聴聞会において特に指摘されなかつた場合又はその実質的な証拠が故意に持株会社整理委員会に提出されなかつた場合には、この限りでない。

第十四条 前条の規定による不服申立があつた日から三十日以内に、内閣総理大臣は、その証拠の欠如が実質的性質のものであるために、指令が独断的になつているかどうかを決定しなければならない。
内閣総理大臣は、その証拠の欠如が実質的性質のものであるために指令が独断的になつていると認める場合においては、必要な程度において第八条乃至第十一条に規定する手続に準じ、適当に変更を加えさせるため、その事件を持株会社整理委員会に差し戻さなければならない。

第十五条 第十三条の規定による不服申立の期間内及び同条の規定による不服申立があつた場合にはその事件が確定するまでの間は、当該決定指令の執行は、停止される。

第十六条 過度の経済力の集中は、他の法令の規定に基く場合又は自発的に生じた場合であるかどうかを問わず、この法律の定めるところにより、これを排除することができる。

第十七条 この法律の施行は、配給統制に関する法令の適用を妨げるものではない。

第十八条 第三条の規定により指定された過度の経済力の集中については、その組織が消滅し、解体若しくは清算を終了し、解体中若しくは清算中にあり、又は変更を加えられた場合においても、持株会社整理委員会が、そのいかなる形態による継続もこれを禁止するために必要な措置をとることを妨げない。

第十九条 持株会社整理委員会の決定指令の執行に関する事項は、公正取引委員会がこれを掌る。
持株会社整理委員会の決定指令については、公正取引委員会に対しその変更の申立をすることができる。
前項の規定による申立に基く持株会社整理委員会の決定指令の変更は、第二十六条の規定により持株会社整理委員会の権限を公正取引委員会に移す日前においては、持株会社整理委員会の同意がなければ、これをしてはならない。

第二十条 持株会社整理委員会は、この法律の規定による職権の一部を公正取引委員会に委任することができる。
持株会社整理委員会は、この法律の規定による職権を行使するのに必要な範囲内において、これに関する事務を行政官庁その他の機関に委嘱することができる。

第二十一条 左の各号の一に該当する者は、これを三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第七条第二項第五号の規定による命令に違反し、同号の規定による請求に従わず、又は同号の規定による制限に違反した者
二 第七条第二項第六号の規定による解散命令又は禁止に違反した者。
三 第七条第二項第九号の規定による禁止に違反した者
前項の罪を犯した者には、情状により、懲役及び罰金を併科することができる。

第二十二条 第七条第二項第四号の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、これを六箇月以下の懲役又は千円以下の罰金に処する。

第二十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して、第二十一条第一項又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第二十四条 第七条第二項第七号の規定による計画書の提出の請求に従わなかつた者は、これを一万円以下の過料に処する。

第二十五条 左の各号の一に該当する者は、これを千円以下の過料に処する。
一 第七条第二項第二号の規定による請求に従わず、又は同号の規定による命令に違反して情報を整理せず、情報、報告、意見若しくは帳簿書類その他の物件を提出せず、記録を保存せず、又は虚偽の情報、報告若しくは意見を提出した者。
二 第七条第二項第三号の規定による出頭命令に違反し、同号の規定による審尋に対し陳述せず、若しくは虚偽の陳述をし、又は同号の規定による鑑定命令に対し鑑定せず、若しくは虚偽の鑑定をした者

第二十六条 この法律の規定による持株会社整理委員会の職権及び記録並びにこの法律の目的の達成を確保するために必要な職員は、昭和二十三年九月一日から同年十二月三十一日までの間において別に法律で定めるところにより、これを公正取引委員会に移すものとする。

第二十七条 私的独占禁止法の規定及びその規定に基く公正取引委員会の権限は、この法律の規定及び持株会社整理委員会の権限によつて変更されることはない。
附 則

この法律は、公布の日から、これを施行する。
会社利益配当等臨時措置法の一部を次のように改正する。
第四条中「整備計画を提出したもの」の下に「又は過度経済力集中排除法第三条の規定により指定された会社(以下指定会社という。)」を「決定整備計画」の下に「又は過度経済力集中排除法の決定指令の内容」を加え、同条に次の一項を加える。
指定会社(特別経理会社である指定会社を除く。)の利益の配当について大蔵大臣が前項但書の許可をなすについては、予め、持株会社整理委員会の意見を求めなければならない。
第七条第一項第一号中「第四条」の下に「第一項」を加える。
(内閣総理・大蔵・司法・厚生・農林・商工・運輸・逓信・労働大臣署名)

     「法令全書」より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

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1681年(天和元)江戸幕府第5代将軍徳川綱吉が、母・桂昌院の発頓で、江戸に護国寺創建を命じる(新暦3月26日)詳細
1692年(元禄4)孔子を祭る湯島聖堂が完成する(新暦3月17日)詳細
1731年(享保16)俳人・蕉門十哲の一人各務支考の命日(新暦3月14日)詳細
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1983年(昭和58)童画家・版画家・童話作家・造本作家武井武雄の命日詳細
1998年(平成10)長野オリンピック(第18回冬季オリンピック・長野大会)が開幕する詳細
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 今日は、昭和時代中期の占領下の1947年(昭和22)に、連合国最高司令部(GHQ)より「商事会社の解体に関する覚書」 (SCAPIN-1741) が指令された日です。
 「商事会社の解体に関する覚書(しょうじがいしゃのかいたいにかんするおぼえがき)」は、太平洋戦争敗戦後の占領下での、連合国最高司令部(GHQ)から出された指令(SCAPIN)の一つで、連合国最高司令官指令第1741号(SCAPIN-1741)のことでした。内容は、三菱商事と三井物産に徹底的な解体を命令したもので、両社は100社以上に分割されています。
 「ポツダム宣言」を受諾して無条件降伏した日本政府に対して、占領軍はその宣言にある軍国主義の除去について、各種の連合国最高司令官指令を出しましたが、戦時中の財閥は軍国主義を担った重要な勢力とみなされ、まず、1945年(昭和20)11月6日付で日本政府宛に「持株会社の解体に関する覚書」(SCAPIN-244)で、持ち株会社の解体を指示します。続いて、翌年7月23日付で日本政府宛に「持株会社清算委員会に影響する法令に關する覚書」(SCAPIN-1079)を出し、それに基づいて、4月20日に「持株会社整理委員会令」(昭和21年勅令第233号)が発令されて具体化されていきました。
 三井物産と三菱商事は、1946年(昭和)12月28日に持株会社に指定され、その整理を迫られていましたが、「整理は日本経済の弱体化に繋がる」として再考を求めるロビー活動を起こします。これは、財閥温存を図るものとされて、GHQの担当者の反感を招き、この指令によって、より厳しい整理措置を採るように、具体的な内容を示して要求したものでした。
 この後、両社の解体が進められ、1950年(昭和25)3月1日に、三井物産が日東倉庫建物、同年4月1日に三菱商事が光和実業に継承される形で、戦前の2大商社の解体が事実上完了します。
 以下に、「商事会社の解体に関する覚書」(SCAPIN-1741)の英語版原文と日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「商事会社の解体に関する覚書」 (SCAPIN-1741)  1947年(昭和22)7月3日指令

GENERAL HEADQUARTERS
SUPREME COMMANDER FOR THE ALLIED POWERS

APO 500         AG 004 (3 Jul 47) ESS/AC
 3 July 1947        (SCAPIN-1741)

MEMORANDUM FOR:IMPERIAL JAPANESE GOVERNMENT.
THROUGH:Central Liaison Office, Tokyo.
Subject:Dissolution of Trading Companies

1. Reference are:
 a. Memorandum to the Japanese Government from General Headquarters, Supreme Commander for the Allied Powers, AG 004 (6 Nov 45) ESS/ADM, (SCAPIN 244), dated 6 November 1945, subject: Dissolution of Holding Companies.
 b. Memorandum to the Japanese Government from General Headquarters, Supreme Commander for the Allied Powers, AG 091.3 (23 Jul 46) ESS/AC, (SCAPIN 1079), dated 23 July 1946, subject: Ordinances and Regulations Affecting the Holding Company Liquidation Commission.
 c. Ordinance No. 233 of 1946.
 d. Letter of Designation from the Prime Minister, dated 28 December 1946, Cabinet A 449.

2. In implementation of reference Memoranda and Ordinance, the following action will be taken:
 a. Immediate commencement of dissolution and liquidation of the Mitsubishi Trading Company and the Mitsui Trading Company.
 b. Prohibit the conduct of any business transactions or the transfer of any assets by said companies without the permission of the Holding Company Liquidation Commission, or such other agencies as may be designated, on and after the date of this memorandum.
 c. Prohibit any persons who have been officers, directors, advisers, branch managers of foreign or domestic branches, or department or section heads of said companies, during a period of ten (10) years prior to the date of this memorandum, from associating together to form a new company, or more than two (2) being employed by or advising any one (1) existing company or company hereafter formed.
 d. Prohibit any group of employees in addition to those specified in paragraph c, above, exceeding one hundred (100) in number, from organizing a new company, being employed by any one (1) existing company, or any company hereafter formed, without permission of the Holding Company Liquidation Commission or such other agencies as may be disignated. The Holding Company Liquidation Commission or such other agencies shall grant such permission if it shall conclusively appear that a possibility of recreation of the dissolved companies or other monopolistic combinations shall not result.
 e. Prohibit any trading company in which any officers or employees of both said companies shall be employed from occupying any office now used or formerly used by either of said companies as a business office, and further prohibit any company from using the firm name Mitsubishi Trading Company or Mitsui Trading Company, or any resemblance thereof.
 f. Require said, companies to immediately prepare, in detail, inventories of all assets, showing location, and submit same to the Holding Company Liquidation Commission.
 g. Require the maintenance of all existing books and records of said companies.

3. In carrying out the provisions of the memorandum:
 a. All assets of said companies shall be disposed of in accordance with existing legislation and ordinances, by open market sale, or in such other manner as may be fair and equitable.
 b. The Holding Company Liquidation Commission may remove any officers of said companies or appoint officers to act as liquidators.
 c. The Holding Company Liquidation Commission may require the companies to furnish reports and information or inspect any books or records.

4. The Japanese Government shall immediately furnish to the Supreme Commander for the Allied Powers a report of action taken in compliance with this memorandum.

     FOR THE SUPREME COMMANDER:
              R. M. LEVY,
             Colonel, AGD,
           Adjutant General.

<日本語訳>

商事會社の解體に關する覺書

一九四七年七月三日

1. 次の各文書を參照すること:
 a. 一九四五年一一月六日付連合國最高司令部發日本政府宛の覺書(SCAPIN244)「持株會社の解體」に關する件
 b. 一九四六年七月二三日付連合國最高司令部發日本政府宛の覺書(SCAPIN1079)「持株會社整理委員會に關する命令及び規則」に關する件
 c. 一九四六年勅令第二三三號
 d. 一九四六年一二月二三日付內閣總理大臣の指定通知書、內閣A第四四九號

2. 參照各覺書及び法令の實施として、以下の措置がとられねばならない。
 a. 三菱商事會社及び三井物產會社の解散及び淸算の即時開始
 b. 本覺書の日付當日又はその後に於て、持株會社整理委員會又は指定されることある他の同樣の機關の許可なしに、右二會社があらゆる商取引をなし又は資產を處分することを禁止すること。
 c. 本覺書の日付に先き立つ一〇年間に、右二會社の役員、取締役、顧問、國外若くは國內の支店長、又は部長課長であつた者が、新會社を設立するために協同したり、或は二名以上が現存の又は今後設立される一會社に雇われ又はその顧問となることを禁止すること
 d. 上記c項に明記された者のほか、百名を超える被傭者の群が、持株會社整理委員會又は指定されることある他の同樣の機關の許可なしに、新會社を組織したり、或は現存の又は今後設立される一會社に雇われることを禁止すること。持株會社整理委員會又は他の同樣の機關は、解體された二會社又は他の獨占的合同を再現するに至る可能性が絕對にないと認められる場合に、右の許可を與えること。
 e. 右兩會社の役員又は被傭者を雇傭する商事會社が、右兩會社の何れかが現在使用しているか又は過去において使用していた一切の事務所を事務所として使用することを禁止し、更に又、いかなる會社に對しても三菱商事又は三井物產なる商號或はその類似の名稱の使用を禁止すること。
 f. 右二會社に對し、一切の資產の目錄を詳細なその所在をも示して、直ちに作成し、右目錄を持株會社整理委員會に提出するよう要求すること。
 g. 右二會社の現存する一切の帳簿及び記錄の保存を要求すること。

3. 本覺書の規定を實施するにあたつて:
 a. 右二會社の一切の資產は、現存の法令に從つて、公開市場の賣却又はその他の公明妥當な方法によつて處分されねばならない。
 b. 持株會社整理委員會は右二會社の役員を解任し、又は淸算人として行動する役員を任命することを得る。
 c. 持株會社整理委員會は、右會社に報吿書及び情報の提出を要求し、又はその帖簿記錄を檢查することが出來る。

4. 日本政府は、この覺書に從つて取つた處置に關する報吿を、連合國最高司令官に直ちに提出せねばならない。

    『日本管理法令研究』19巻より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1722年(享保7)徳川吉宗が「上米の制」を制定する(新暦8月14日)詳細
1888年(明治21)日本画家村上華岳の誕生日詳細
1912年(明治45)大阪市浪速区に初代通天閣が完成(通天閣の日)詳細
1993年(平成5)俳人・国文学者加藤楸邨の命日詳細
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