
家族制度の抑圧からの解放を願う藤村の内的欲求と、被差別部落への差別に対しての抗議という社会正義の問題とが結合したリアリズム小説として、大きな反響をよびました。これによって、藤村の作家的地歩が確立し、日本自然主義文学運動の出発点となった記念碑的作品です。
(後略)
卒業後、20歳の時に明治女学校高等科英語科教師となり、翌年、雑誌『文学界』に参加し、同人として劇詩や随筆を発表しました。1896年(明治29)、東北学院教師となり、仙台に赴任、ロマン主義詩人として第一詩集『若菜集』を発表して文壇に登場することになります。
1899年(明治32)、小諸義塾の英語教師として長野県小諸町に赴任し、以後6年間過ごす中で、随筆「千曲川のスケッチ」を書きました。その後上京し、小説『破戒』を出版、文壇からは本格的な自然主義小説として評価されることになります。
以後、『春』、『家』、『新生』、『夜明け前』などの小説を発表、1935年(昭和10)には、日本ペンクラブを結成し、初代会長に就任しましたが、1943年(昭和18)8月22日に、神奈川県大磯町において、71歳で亡くなりました。
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
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