ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

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habouhoudemo01
 今日は、昭和時代中期の1952年(昭和27)に、「破壊活動防止法」(昭和27年法律第240号)が、公布・施行された日です。
 「破壊活動防止法(はかいかつどうぼうしほう)」は、暴力主義的破壊活動を行なった団体に対する必要な規制措置を定め、暴力主義的破壊活動に関して刑法の罰則規定を補う法律(同年7月21日施行)で、「破防法」とも略称されてきました。その目的は、「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し、もつて、公共の安全の確保に寄与すること」(第1条)とし、団体の活動として「暴力主義的破壊活動」を行った団体に対して公開の集会等の禁止や機関誌紙等の印刷・頒布等の禁止を命じ(第5条)、また、将来繰り返し暴力主義的破壊活動を行うおそれがあると認められる場合には団体自体の解散を命じる措置を定め(第7条)、暴力主義的破壊活動の予備、陰謀、唱道、教唆、煽動の行為を行った者の処罰を規定(第28条以下)しています。
 太平洋戦争後の占領下において制定された「団体等規正令」、「占領目的阻害行為処罰令」等が「サンフランシスコ平和条約」発効後廃止されるのに伴い制定されたものですが、「日本国憲法」第21条によって保障される集会・結社の自由や言論・表現の自由を制限するものであり、かつ、刑法による禁止・処罰の範囲を著しく拡大し、徹底して予防的な観点から規制措置を講じているとして問題となりました。野党や各種団体、多くの市民が反対行動を繰り広げる中で、吉田茂内閣の与党によって、強行可決されます。
 その後も言論、出版、集会、結社の自由を侵害するものではないかとの批判もあり、本法の適用について裁判所は慎重な態度を維持してきました。
 以下に、制定当初の「破壊活動防止法」の全文を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「破壊活動防止法」(昭和27年法律第240号) 1952年(昭和27)7月21日公布・施行

 第一章 総則

 (この法律の目的)

第一条 この法律は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し、もつて、公共の安全の確保に寄与することを目的とする。

 (この法律の解釈適用)

第二条 この法律は、国民の基本的人権に重大な関係を有するものであるから、公共の安全の確保のために必要な最小限度においてのみ適用すべきであつて、いやしくもこれを拡張して解釈するようなことがあつてはならない。

 (規制の基準)

第三条 この法律による規制及び規制のための調査は、第一条に規定する目的を達成するために必要な最小限度においてのみ行うべきであつて、いやしくも権限を逸脱して、思想、信教、集会、結社、表現及び学問の自由並びに勤労者の団結し、及び団体行動をする権利その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を、不当に制限するようなことがあつてはならない。
2 この法律による規制及び規制のための調査については、いやしくもこれを濫用し、労働組合その他の団体の正当な活動を制限し、又はこれに介入するようなことがあつてはならない。

 (定義)

第四条 この法律で「暴力主義的破壊活動」とは、左に掲げる行為をいう。
 一イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第七十七条(内乱)、第七十八条(内乱の予備、陰謀)、第七十九条(内乱等の幇助)、第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(外患誘致及び外患援助の未遂)又は八十八条(外患誘致及び外患援助の予備、陰謀)に規定する行為をなすこと。
  ロ この号イに規定する行為の教唆をなすこと。
  ハ 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為を実行させる目的をもつて、その行為のせん動をなすこと。
  ニ 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為を実行させる目的をもつて、その実行の正当性又は必要性を主張した文書又は図画を印刷し、頒布し、又は公然掲示すること。
  ホ 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為を実行させる目的をもつて、無線通信又は有線放送により、その実行の正当性又は必要性を主張する通信をなすこと。
 二 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもつて、左に掲げる行為の一をなすこと。
  イ 刑法第百六条(騒擾)に規定する行為
  ロ 刑法第百八条(現住建造物放火)又は第百九条第一項(非現住建造物放火)に規定する行為
  ハ 刑法第百十七条第一項前段(激発物破裂)に規定する行為
  ニ 刑法第百二十五条(汽車、電車等住来危険)に規定する行為
  ホ 刑法第百二十六条第一項又は第二項(汽車、電車等の転覆等)に規定する行為
  ヘ 刑法第百九十九条(殺人)に規定する行為
  ト 刑法第二百三十六条第一項(強盗)に規定する行為
  チ 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)第一条(爆発物使用)に規定する行為
  リ 検察若しくは警察の職務を行い、若しくはこれを補助する者、法令により拘禁された者を看守し、若しくは護送する者又はこの法律の規定により調査に従事する者に対し、凶器又は毒劇物を携え、多衆共同してなす刑法第九十五条(公務執行妨害、職務強要)に規定する行為
  ヌ この号イからリまでに規定する行為の一の予備、陰謀若しくは教唆をなし、又はこの号イからリまでに規定する行為の一を実行させる目的をもつてその行為のせん動をなすこと。
2 この法律で「せん動」とは、特定の行為を実行させる目的をもつて、文書若しくは図画又は言動により、人に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめ又は既に生じている決意を助長させるような勢のある刺激を与えることをいう。
3 この法律で「団体」とは、特定の共同目的を達成するための多数人の継続的結合体又はその連合体をいう。但し、ある団体の支部、分会その他の下部組織も、この要件に該当する場合には、これに対して、この法律による規制を行うことができるものとする。

   第二章 破壊的団体の規制

 (団体活動の制限)

第五条 公安審査委員会は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対して、当該団体が継続又は反復して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があるときは、左に掲げる処分を行うことができる。但し、その処分は、そのおそれを除去するために必要且つ相当な限度をこえてはならない。
 一 当該暴力主義的破壊活動が集団示威運動、集団行進又は公開の集会において行われたものである場合においては、六月をこえない期間及び地域を定めて、それぞれ、集団示威運動、集団行進又は公開の集会を行うことを禁止すること。
 二 当該暴力主義的破壊活動が機関誌紙(団体がその目的、主義、方針等を主張し、通報し、又は宣伝するために継続的に刊行する出版物をいう。)によつて行われたものである場合においては、六月をこえない期間を定めて、当該機関誌紙を続けて印刷し、又は頒布することを禁止すること。
 三 六月をこえない期間を定めて、当該暴力主義的破壊活動に関与した特定の役職員(代表者、主幹者その他名称のいかんを問わず当該団体の事務に従事する者をいう。以下同じ。)又は構成員に当該団体のためにする行為をさせることを禁止すること。
2 前項の処分が効力を生じた後は、何人も、当該団体の役職員又は構成員として、その処分の趣旨に反する行為をしてはならない。但し、同項第三号の処分が効力を生じた場合において、当該役職員又は構成員が当該処分の効力に関する訴訟に通常必要とされる行為をすることは、この限でない。

 (脱法行為の禁止)

第六条 前条第一項の処分を受けた団体の役職員又は構成員は、いかなる名義においても、同条第二項の規定による禁止を免れる行為をしてはならない。

 (解散の指定)

第七条 公安審査委員会は、左に掲げる団体が継続又は反復して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があり、且つ、第五条第一項の処分によつては、そのおそれを有効に除去することができないと認められるときは、当該団体に対して、解散の指定を行うことができる。
 一 団体の活動として第四条第一項第一号に掲げる暴力主義的破壊活動を行つた団体
 二 団体の活動として第四条第一項第二号イからリまでに掲げる暴力主義的破壊活動を行い、若しくはその実行に着手してこれを遂げず、又は人を教唆し、若しくはこれを実行させる目的をもつて人をせん動して、これを行わせた団体
 三 第五条第一項の処分を受け、さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体

 (団体のためにする行為の禁止)

第八条 前条の処分が効力を生じた後は、当該処分の原因となつた暴力主義的破壊活動が行われた日以後当該団体の役職員又は構成員であつた者は、当該団体のためにするいかなる行為もしてはならない。但し、その処分の効力に関する訴訟又は当該団体の財産若しくは事務の整理に通常必要とされる行為は、この限でない。

 (脱法行為の禁止)

第九条 前条に規定する者は、いかなる名義においても、同条の規定による禁止を免れる行為をしてはならない。

 (財産の整理)

第十条 法人について、第七条の処分が訴訟手続によつてその取消又は変更を求めることのできないことが確定したときは、その法人は、解散する。
2 第七条の処分が訴訟手続によつてその取消又は変更を求めることのできないことが確定したときは、当該団体は、すみやかに、その財産を整理しなければならない。
3 前項の財産整理が終了したときは、当該団体の役職員であつた者は、そのてん末を公安調査庁長官に届け出なければならない。

   第三章 破壊的団体の規制の手続

 (処分の請求)

第十一条 第五条第一項及び第七条の処分は、公安調査庁長官の請求があつた場合にのみ行う。

 (通知)

第十二条 公安調査庁長官は、前条の請求をしようとするときは、あらかじめ、当該団体が事件につき弁明をなすべき期日及び場所を定め、その期日の七日前までに、当該団体に対し、処分の請求をしようとする事由の要旨並びに弁明の期日及び場所を通知しなければならない。
2 前項の通知は、官報で公示して行う。この場合においては、公示した日から七日を経過した時に、通知があつたものとする。
3 当該団体の代表者又は主幹者の住所又は居所が知れているときは、前項の規定による公示の外、これに通知書を送付しなければならない。

 (代理人)

第十三条 前条第一項の通知を受けた団体は、事件につき弁護士その他の者を代理人に選任することができる。

 (意見の陳述及び証拠の提出)

第十四条 当該団体の役職員、構成員及び代理人は、五人以内に限り、弁明の期日に出頭して、公安調査庁長官の指定する公安調査庁の職員(以下「受命職員」という。)に対し、事実及び証拠につき意見を述べ、並びに有利な証拠を提出することができる。

 (傍聴)

第十五条 当該団体は、五人以内の立会人を選任することができる。
2 当該団体が立会人を選任したときは、公安調査庁長官にその氏名を届け出なければならない。
3 弁明の期日には、立会人及び新聞、通信又は放送の事業の取材業務に従事する者は、手続を傍聴することができる。
4 受命職員は、前項に規定する者が弁明の聴取を妨げる行為をしたときは、その者に退去を命ずることができる。

 (不必要な証拠)

第十六条 第十四条の規定により提出された証拠であつても、不必要なものは、取り調べることを要しない。但し、受命職員は、当該団体の公正且つ十分な弁明の聴取を受ける権利を不当に制限するようなことがあつてはならない。

 (調書)

第十七条 受命職員は、弁明の期日における経過について調書を作成しなければならない。
2 前項の調書については、第十四条の規定により出頭した者に意見を述べる機会を与え、意見の有無及び意見があるときはその要旨をこれに附記しなければならない。

 (調書等の謄本の交付)

第十八条 受命職員は、当該団体から請求があつたときは、調書及び取り調べた証拠書類の謄本各一通をこれに交付しなければならない。

 (処分の請求をしない旨の通知)

第十九条 公安調査庁長官は、第十二条第一項の通知をした事件について、第十一条の請求をしないものと決定したときは、すみやかに、当該団体に対しその旨を通知するとともに、これを官報で公示しなければならない。

 (処分の請求の方式)

第二十条 第十一条の請求は、請求の原因たる事実、第五条第一項又は第七条の処分を請求する旨その他公安審査委員会の規則で定める事項を記載した処分請求書を公安審査委員会に提出して行わなければならない。
2 処分請求書には、請求の原因たる事実を証すべき証拠、当該団体が提出したすべての証拠及び第十七条に規定する調書を添附しなければならない。
3 前項の請求の原因たる事実を証すべき証拠は、当該団体に意見を述べる機会が与えられたものでなければならない。

 (処分の請求の通知及び意見書)

第二十一条 公安調査庁長官は、処分請求書を公安審査委員会に提出した場合には、当該団体に対し、その請求の内容を通知しなければならない。
2 前項の通知は、官報で公示して行う。この場合においては、公示した日から七日を経過した時に、通知があつたものとする。
3 当該団体の代表者又は主幹者の住所又は居所が知れているときは、前項の規定による公示の外、これに処分請求書の謄本を送付しなければならない。
4 当該団体は、第一項の通知があつた日から十四日以内に、処分の請求に対する意見書を公安審査委員会に提出することができる。

 (公安審査委員会の決定)

第二十二条 公安審査委員会は、公安調査庁長官が提出した処分請求書、証拠及び調査並びに当該団体が提出した意見書につき審査を行わなければならない。この場合においては、審査のため必要な取調をすることができる。
2 公安審査委員会は、前項の取調をするため、左の各号に掲げる処分をすることができる。
 一 関係人若しくは参考人の任意の出頭を求めて取り調べ、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。
 二 帳簿書類その他の物件の所有者、所持者若しくは保管者に対し、当該物件の任意の提出を求め、又は任意に提出した物件を留めておくこと。
 三 看守者若しくは住居主又はこれらの者に代るべき者の承諾を得て、当該団体の事務所その他必要な場所に臨み、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。
 四 公務所又は公私の団体に対し、必要な報告又は資料の提出を求めること。
3 公安審査委員会は、相当と認めるときは、公安審査委員会の委員又は職員に前項の処分をさせることができる。
4 公安審査委員会の委員又は職員は、第二項の処分を行うに当つて、関係人から求められたときは、その身分を示す証票を呈示しなければならない。
5 公安審査委員会は、第一項の規定による審査の結果に基いて、事件につき、左の区別に従い、決定をしなければならない。
 一 処分の請求が不適法であるときは、これを却下する決定
 二 処分の請求が理由がないときは、これを棄却する決定
 三 処分の請求が理由があるときは、それぞれその処分を行う決定
6 公安審査委員会は、解散の処分の請求に係る事件につき第七条の処分をすることができない場合においても、当該団体が第五条第一項の規定に該当するときは、前項第二号の規定にかかわらず、第五条第一項の処分を行う決定をしなければならない。

 (決定の方式)

第二十三条 決定は、文書をもつて行い、且つ、理由を附して、委員長及び決定に関与した委員がこれに署名押印をしなければならない。

 (決定の通知及び公示)

第二十四条 決定は、公安調査庁長官及び当該団体に通知しなければならない。
2 前項の通知は、公安調査庁長官及び当該団体に決定書の謄本を送付して行う。
3 決定は、官報で公示しなければならない。

 (決定の効力発生時期)

第二十五条 決定は、左の各号に掲げる時に、それぞれその効力を生ずる。
 一 処分の請求を却下し、又は棄却する決定は、決定書の謄本が公安調査庁長官に送付された時
 二 第五条第一項又は第七条の処分を行う決定は、前条第三項の規定により官報で公示した時
2 前項の決定に対しては、行政事件訴特訟例法(昭和二十三年法律第八十一号)の定めるところにより、裁判所にその取消又は変更を求める訴を提起して、その処分の執行の停止の申立をすることができる。
3 前項の訴については、裁判所は、他の訴訟の順序にかかわらず、すみやかに審理を開始し、事件を受理した日から百日以内にその裁判をするようにつとめなければならない。

 (処分の手続に関する細則)

第二十六条 この章に規定するものを除く外、公安審査委員会における手続に関する細則は、公安審査委員会の規則で定める。

   第四章 調査

 (公安調査官の調査権)

第二十七条 公安調査官は、この法律による規制に関し、第三条に規定する基準の範囲内において、必要な調査をすることができる。

 (書類及び証拠物の閲覧)

第二十八条 公安調査官は、この法律による規制に関し、調査のため必要があるときは、検察官又は司法警察員に対して当該規制に関係のある事件に関する書類及び証拠物の閲覧を求めることができる。
2 検察官又は司法警察員は、事務の遂行に支障のない限り、前項の求に応ずるものとする。

 (公安調査庁と警察との情報交換)

第二十九条 公安調査庁と国家地方警察及び自治体警察とは、相互に、この法律の実施に関し、情報又は資料を交換しなければならない。

 (公安調査官の立会)

第三十条 公安調査官は、この法律による規制に関し、調査のため必要があるときは、司法警察員が暴力主義的破壊活動からなる罪に関して行う押収、捜索及び検証に立ち会うことができる。

 (物件の領置)

第三十一条 公安調査官は、関係人又は参考人が任意に提出した物件を領置することができる。この場合においては、その目録を作り、提出者にこれを交付しなければならない。

 (物件の保管)

第三十二条 公安調査官は、前条の規定により領置した物件のうち、運搬又は保管に不便な物件については、看守者を置き、又は所有者その他の者に、その承諾を得て、これを保管させることができる。

 (物件の還付)

第三十三条 公安調査官は、第三十一条の規定により領置した物件のうち、留置の必要のない物件は、提出者に還付しなければならない。
2 前項の場合において、還付を受けるべき者の住所が知れないとき、その他その物件を還付することができないときは、公安調査官は、その旨を官報で公示しなければならない。
3 公示した日から六月以内に還付の請求がないときは、その物件は、国庫に帰属する。
4 前項の期間内でも、価値のない物件は、廃棄し、保管に不便な物件は、公売してその代価を保管することができる。

 (証票の呈示)

第三十四条 公安調査官は、職務を行うに当つて、関係人から求められたときは、その身分を示す証票を提示しなければならない。

   第五章 雑則

 (裁判の公示)

第三十五条 第五条第一項又は第七条の処分を行う公安審査委員会の決定の全部又は一部が裁判所で取り消されたときは、公安調査庁長官は、その裁判を官報で公示しなければならない。

 (国会への報告)

第三十六条 法務総裁は、毎年一回、内閣総理大臣を経由して、国会に対し、この法律による団体規制の状況を報告しなければならない。

 (施行細則)

第三十七条 この法律に特別の定があるものを除く外、この法律の実施の手続その他その執行について必要な細則は、法務府令で定める。

   第六章 罰則

 (内乱、外患の罪の教唆等)

第三十八条 刑法第七十七条、第八十一条若しくは第八十二条の罪の教唆をなし、又はこれらの罪を実行させる目的をもつてその罪のせん動をなした者は、七年以下の懲役又は禁こに処する。
2 左の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役又は禁こに処する。
 一 刑法第七十八条、第七十九条又は第八十八条の罪の教唆をなした者
 二 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条の罪を実行させる目的をもつて、その実行の正当性又は必要性を主張した文書又は図画を印刷し、頒布し、又は公然掲示した者
 三 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条の罪を実行させる目的をもつて、無線通信又は有線放送により、その実行の正当性又は必要性を主張する通信をなした者
3 刑法第七十七条、第七十八条又は第七十九条の罪に係る前二項の罪を犯し、未だ暴動にならない前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

 (政治目的のための放火の罪の予備等)

第三十九条 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもつて、刑法第百八条、第百九条第一項、第百十七条第一項前段、第百二十六条第一項若しくは第二項、第百九十九条若しくは第二百三十六条第一項の罪の予備、陰謀若しくは教唆をなし、又はこれらの罪を実行させる目的をもつてするその罪のせん動をなした者は、五年以下の懲役又は禁こに処する。

 (政治目的のための騒擾の罪の予備等)

第四十条 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもつて、左の各号の罪の予備、陰謀若しくは教唆をなし、又はこれらの罪を実行させる目的をもつてするその罪のせん動をなした者は、三年以下の懲役又は禁こに処する。
 一 刑法第百六条の罪
 二 刑法第百二十五条の罪
 三 検察若しくは警察の職務を行い、若しくはこれを補助する者、法令により拘禁された者を看守し、若しくは護送する者又はこの法律の規定により調査に従事する者に対し、凶器又は毒劇物を携え、多衆共同してなす刑法第九十五条の罪

 (教唆)

第四十一条 この法律に定める教唆の規定は、教唆された者が教唆に係る犯罪を実行したときは、刑法総則に定める教唆の規定の適用を排除するものではない。この場合においては、その刑を比較し、重い刑をもつて処断する。

 (団体のためにする行為の禁止違反の罪)

第四十二条 第八条又は第九条の規定に違反した者は、三年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

 (団体活動の制限処分の違反の罪)

第四十三条 第五条第二項又は第六条の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

 (退去命令違反の罪)

第四十四条 第十五条第四項の規定による命令に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。

 (公安調査官の職権濫用の罪)

第四十五条 公安調査官がその職権を濫用し、人をして義務のないことを行わせ、又は行うべき権利を妨害したときは、三年以下の懲役又は禁こに処する。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 左に掲げる政令は、廃止する。
 一 団体等規正令(昭和二十四年政令第六十四号)
 二 解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令(昭和二十三年政令第二百三十八号)
 三 解散団体財産売却理事会令(昭和二十三年政令第二百八十五号)

3 この法律の施行前になした行為に対する前項第一号又は第二号に掲げる政令の罰則の適用については、なお従前の例による。

4 団体等規正令第四条の規定により解散した団体(解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令第二十三条に規定する団体を含む。)の財産で、この法律の施行前に国庫に帰属したものの管理及び処分(解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令第十四条の規定による債務の支払を含む。)並びにこれらに関する違反行為の処罰については、なお従前の例による。この場合において、解散団体財産売却理事会の事務は、法務総裁が行うものとする。

5 法務府設置法(昭和二十二年法律第百九十三号)の一部を次のように改正する。
  第一条第三項中「、団体等規正令(昭和二十四年政令第六十四号)の規定による政党、協会その他の団体の結成の禁止等に関する事項並びに解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令(昭和二十三年政令第二百三十八号)の規定による国庫に帰属した財産の管理等に関する事項」を「並びに破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)の規定による破壊的団体の規制に関する事項」に改める。
  第八条第三項中第九号を削り、第十号を第九号とする。

6 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
  第二百六十二条第一項中「刑法第百九十三条乃至第百九十六条」の下に「又は破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号)第四十五条」を加える。

    「衆議院ホームページ」より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1881年(明治14)「開拓使官有物払下げ事件」のきっかけとなった官有施設・設備払い下げを決定詳細
1896年(明治29)北京において「日清通商航海条約」が締結される詳細
1940年(昭和15)日本労働総同盟が自主解散を決議し、産業報国会への合流を決める詳細
1941年(昭和16)文部省教学局から『臣民の道』が刊行される詳細
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2000年(平成12)写真家渡辺義雄の命日詳細
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dantaitoukiseirei01

 今日は、昭和時代中期の1949年(昭和24)に、公共の安全の確保に寄与するためとして、「団体等規正令」(昭和24年政令第64号)が公布・施行された日です。
 「団体等規正令(だんたいとうきせいれい)」は、占領軍の指示で超憲法的に制定された、いわゆるポツダム政令の一つで、民主主義・平和主義の健全な育成のため、軍国主義的、極端な国家主義的、暴力主義的、反民主主義的な団体の結成および指導行為の禁止を目的としたとされるものでした。そうであるとされた、団体の結成および指導を禁止し、その解散を指定し、それに特に寄与した関係者職員などを公職から除去するもので、政治活動をするにあたっては、政治団体の役員・構成員等の届出、機関誌紙類の提出等を義務付けられ、本令の遵守について法務総裁の調査権限が付与されています。
 右翼団体、暴力団等にも適用されましたが、実際には朝鮮戦争勃発前後、共産党およびその影響下にある団体に多く適用され、その政治活動を著しく規制するもので、いわゆるレッド・パージに活用されました。1952年(昭和27)4月28日の「サンフランシスコ平和条約」発効後の7月21日に廃止され、その内容は同時に公布・施行された「破壊活動防止法」(昭和27年法律240号)に引き継がれたとされています。
 以下に、「団体等規正令」(昭和24年政令第64号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「団体等規正令」(昭和24年政令第64号) 1949年(昭和24)4月4日公布・施行

 内閣は、ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件(昭和二十年勅令第五百四十二号)に基き、同令に基く政党、協会その他の団体の結成の禁止等に関する件(昭和二十一年勅令第百一号)を改正するこの政令を制定する。

 (この政令の目的)
第一条 この政令は、平和主義及び民主主義の健全な育成発達を期するため、政治団体の内容を一般に公開し、秘密的、軍国主義的、極端な国家主義的、暴力主義的及び反民主主義的な団体の結成及び指導並びに団体及び個人のそのような行為を禁止することを目的とする。
2 この政令は、この政令に定められた目的及び行為に関する場合を除き、集会、言論又は信教の自由を阻害するように解釈し、又は適用してはならない。

 (団体の結成及び指導の禁止)
第二条 その目的又は行為が左の各号の一に該当する政党、協会その他の団体は、結成し、又は指導してはならない。
 一 占領軍に対して反抗し、若しくは反対し、又は日本国政府が連合国最高司令官の要求に基いて発した命令に対して反抗し、若しくは反対すること。
 二 日本国の侵略的対外軍事行動を支持し、又は正当化すること。
 三 日本国が他のアジア、インドネシア又はマレー人種の指導者であることをせん称すること。
 四 日本国内において外国人を貿易、商業又は職業従事から排除すること。
 五 日本国と諸外国との間の自由な文化及び学術の交流に対して反対すること。
 六 日本国内において、軍事若しくは準軍事的訓練を実施し、陸海軍軍人であつた者に対して民間人に与えられる以上の恩典を供与し、若しくは特殊の発言権を附与し、又は軍国主義若しくは軍人的精神を存続すること。
 七 暗殺その他の暴力主義的企画によつて政策を変更し、又は暴力主義的方法を是認するような傾向を助長し、若しくは正当化すること。

 (禁止行為)
第三条 前条各号の一に該当する行為は、してはならない。

 (団体の解散)
第四条 左の各号の一に該当する団体で法務総裁の指定するものは、その指定によつて解散する。
 一 第二条に該当する団体(第五条の規定により第二条の団体とみなされたものを含む。)
 二 第二条各号の一に該当する行為をした団体
 三 第六条の届出をしない団体
2 法務総裁は、前項各号の一に該当する団体で同項の指定によらないですでに解散したもの(この政令施行前に解散したものを含む。)に対しても、同項の指定をすることができる。この場合において、その団体は、その指定によつて解散したものとみなす。
3 前二項の法務総裁の指定は、官報に公示して行う。

 (第二条の団体とみなされる団体)
第五条 左の各号の一に該当する団体は、法務総裁の特に指定するものを除くほか、第二条の団体とみなす。
 一 その主要役員のいずれかが左の一に該当するもの
  イ 前条の規定により解散した団体の構成員であつた者
  ロ 昭和五年一月一日以後現役にあつた正規の陸海軍将校又は特別志願予備将校であつた者
  ハ 憲兵隊、特務機関、海軍特務部又はその他の陸海軍警察機関の特殊若しくは秘密諜報機関に勤務した者又はこれに協力した者
  二 その構成員の四分の一を越える者が前条の規定により解散した団体の構成員であつたもの

 (団体の届出)
第六条 その目的又は行為が左の各号の一に該当する政党、協会その他の団体については、当該団体の代表者又は主幹者は、第七条の規定によつて届出をしなければならない。
 一 公職の候補者を推薦し、又は支持すること。
 二 政府又は地方公共団体の政策に影響を与える行為をすること。
 三 日本国と諸外国との関係に関し論議すること。

第七条 前条の届出は、新たに同条の団体を結成し、又は既存の団体を同条の団体に変更したときは、その日から三日以内にその団体について左の各号に掲げる事項を、その届出事項に変更があつたとき、又はその団体が解散したときは、その日から二十日以内にその旨を、その主たる事務所の所在地の市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)に対して行うものとする。
 一 名称
 二 目的
 三 主たる事務所の所在地
 四 役員の住所、氏名、現に所属し、及び従来所属したことのある一切の団体の名称並びに軍隊又は警察に勤務したことのある者については、その旨
 五 有力な財政的援助者の住所、氏名及びその援助の金額
 六 構成員の住所、氏名及び従来所属したことのある一切の政治的又は思想的団体の名称
2 前項第六号の規定は、労働組合及びこれに準ずべき労働者又は被傭者の団体には適用しない。
3 前二項に定めるものを除くほか、前条の届出に関し必要な事項は、法務庁令で定める。

 (届出の通達及び公開)
第八条 第六条の届出を受理した市町村長は、法務庁令の定めるところにより、これを都道府県知事及び法務総裁に通達しなければならない。
2 市町村長、都道府県知事及び法務総裁は、法務庁令の定めるところにより、それぞれ前項の届出を一般に公開しなければならない。

 (機関紙の提出)
第九条 第六条の団体が、機関誌紙を刊行したときは、その代表者又は主幹者は、刊行の日から二十日以内にその一部を主たる事務所の所在地の都道府県知事に、その二部を都道府県知事を経て法務総裁に提出しなければならない。

 (法務総裁の調査)
第十条 法務総裁は、この政令の条項が遵守されているかどうかを確かめるために、必要な調査を行うものとする。
2 法務総裁は、前項の規定による事務の一部を都道府県知事をして行わせることができる。
3 法務総裁又は都道府県知事は、第一項の調査をするについて必要があるときは、関係者の出頭を求め、又は当該官吏若しくは吏員をしてその説明を聴取し、若しくは資料その他の物件の提出を求めさせることができる。
4 前項に規定する当該官吏又は吏員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを呈示しなければならない。

 (団体解散に伴う公職からの除去)
第十一条 昭和二十三年五月十一日以後第四条の規定により解散した団体の本部又は支部その他の下部組織のいずれかに対し、時期の如何を問わず、左の各号の一に該当する関係にあつた者で、法務総裁の指定するものは、公職に関する就職禁止、退職等に関する勅令(昭和二十二年勅令第一号、以下勅令第一号という。)の規定による覚書該当者に準じて、公職からこれを除去する。
 一 創立者、役員又は理事であつた者
 二 要職を占めた者
 三 一切の刊行物又は機関誌紙の編集者
 四 自発的に多額の寄附をした者
2 前項の法務総裁の指定は、官報に公示して行う。

第十二条 前条第一項の規定に該当する者は、同項の指定によつて、勅令第一号による覚書該当者としての指定を受けたものとみなし、その者が現に同令にいう公職にあるときは、同令第三条の規定に従い退職しなければならない。その他その者に関しては、同令が適用されるものとする。但し、同令第三条第二項但書の権限は、法務総裁が行うものとする。

 (罰則)
第十三条 左に掲げる者は、十年以下の懲役又は禁錮に処する。但し、情状により、七万五千以下の罰金に処することができる。
 一 第二条又は第三条の規定に違反した者
 二 第六条の届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 三 第十条第三項の規定により出頭、説明又は資料その他の物件の提出を求められて、これに応じない者
 四 第十一条第一項の規定に該当する者で前条の規定により辞職の措置をとらず、又はその該当の事実を秘して勅令第一号にいう公職に就いたもの。

第十四条 第四条の規定により解散した団体の主要役員若しくは有力な財政的援助者であつた者又は勅令第一号にいう覚書該当者であつてこれらの団体の顧問、参与(これらと同種及び同等の権限を有する類似の職を含む。以下同じ。)若しくは構成員であつた者が新たに第二条の団体を結成し、若しくはその結成を援助し、又は指導し、若しくはその指導を援助したときは、前条に規定する刑の二倍を越えない刑に処する。
2 前項に掲げる者が同項に掲げる新たな団体の主要役員、顧問、参与、構成員又は有力な財政的援助者となつたときは、その者は、同項に掲げる新たな団体を結成し、若しくはその結成を援助し、又は指導し、若しくはその指導を援助したものと推定する。

第十五条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し第十三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対し同条の罰金刑を科する。

  附 則 (抄)

1 この政令は、公布の日から施行する。
2 昭和二十年勅令第五百四十二号ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く政党、協会その他の団体の結成の禁止等に関する件(昭和二十一年勅令第百一号。以下旧令という。)第二条及び第四条第一号(イ)の規定による従前の指定は、この政令第四条の規定による指定とみなす。
3 旧令第五条の規定に基く届出は、この政令第六条の規定に基く届出とみなす。
4 旧令第五条ノ三の規定による指定は、この政令第十一条の規定による指定とみなす。
5 この政令施行前になした違反行為の処罰については、なお旧令による。

 「官報」より

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habouhoudemo01

 今日は、1952年(昭和27)に、「破壊活動防止法」(昭和27年7月21日法律第240号)が、国会で成立した日です。
 「破壊活動防止法(はかいかつどうぼうしほう)」は、暴力主義的破壊活動を行なった団体に対する必要な規制措置を定め、暴力主義的破壊活動に関して刑法の罰則規定を補う法律(同年7月21日施行)で、「破防法」とも略称されてきました。その目的は、「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し、もつて、公共の安全の確保に寄与すること」(第1条)とし、団体の活動として「暴力主義的破壊活動」を行った団体に対して公開の集会等の禁止や機関誌紙等の印刷・頒布等の禁止を命じ(第5条)、また、将来繰り返し暴力主義的破壊活動を行うおそれがあると認められる場合には団体自体の解散を命じる措置を定め(第7条)、暴力主義的破壊活動の予備、陰謀、唱道、教唆、煽動の行為を行った者の処罰を規定(第28条以下)しています。
 太平洋戦争後の占領下において制定された「団体等規正令」、「占領目的阻害行為処罰令」等が「サンフランシスコ平和条約」発効後廃止されるのに伴い制定されたものですが、「日本国憲法」第21条によって保障される集会・結社の自由や言論・表現の自由を制限するものであり、かつ、刑法による禁止・処罰の範囲を著しく拡大し、徹底して予防的な観点から規制措置を講じているとして問題となりました。野党や各種団体、多くの市民が反対行動を繰り広げる中で、吉田茂内閣の与党によって、強行可決されます。
 その後も言論、出版、集会、結社の自由を侵害するものではないかとの批判もあり、本法の適用について裁判所は慎重な態度を維持してきました。
 以下に、「破壊活動防止法」の全文を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「破壊活動防止法」(昭和27年7月21日法律第240号)

第一章 総則

(この法律の目的)

第一条 この法律は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対する必要な規制措置を定めるとともに、暴力主義的破壊活動に関する刑罰規定を補整し、もつて、公共の安全の確保に寄与することを目的とする。

(この法律の解釈適用)

第二条 この法律は、国民の基本的人権に重大な関係を有するものであるから、公共の安全の確保のために必要な最小限度においてのみ適用すべきであつて、いやしくもこれを拡張して解釈するようなことがあつてはならない。

(規制の基準)

第三条 この法律による規制及び規制のための調査は、第一条に規定する目的を達成するために必要な最小限度においてのみ行うべきであつて、いやしくも権限を逸脱して、思想、信教、集会、結社、表現及び学問の自由並びに勤労者の団結し、及び団体行動をする権利その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を、不当に制限するようなことがあつてはならない。

2 この法律による規制及び規制のための調査については、いやしくもこれを濫用し、労働組合その他の団体の正当な活動を制限し、又はこれに介入するようなことがあつてはならない。

(定義)

第四条 この法律で「暴力主義的破壊活動」とは、次に掲げる行為をいう。

一 

イ 刑法(明治四十年法律第四十五号)第七十七条(内乱)、第七十八条(予備及び陰謀)、第七十九条(内乱等幇助)、第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)又は第八十八条(予備及び陰謀)に規定する行為をなすこと。
ロ この号イに規定する行為の教唆をなすこと。
ハ 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条に規定する行為を実行させる目的をもつて、その行為のせヽ  んヽ 動をなすこと。

二 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる行為の一をなすこと。

イ 刑法第百六条(騒乱)に規定する行為
ロ 刑法第百八条(現住建造物等放火)又は第百九条第一項(非現住建造物等放火)に規定する行為
ハ 刑法第百十七条第一項前段(激発物破裂)に規定する行為
ニ 刑法第百二十五条(往来危険)に規定する行為
ホ 刑法第百二十六条第一項又は第二項(汽車転覆等)に規定する行為
ヘ 刑法第百九十九条(殺人)に規定する行為
ト 刑法第二百三十六条第一項(強盗)に規定する行為
チ 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)第一条(爆発物使用)に規定する行為
リ 検察若しくは警察の職務を行い、若しくはこれを補助する者、法令により拘禁された者を看守し、若しくは護送する者又はこの法律の規定により調査に従事する者に対し、凶器又は毒劇物を携え、多衆共同してなす刑法第九十五条(公務執行妨害及び職務強要)に規定する行為
ヌ この号イからリまでに規定する行為の一の予備、陰謀若しくは教唆をなし、又はこの号イからリまでに規定する行為の一を実行させる目的をもつてその行為のせヽ  んヽ 動をなすこと。

2 この法律で「せヽ  んヽ 動」とは、特定の行為を実行させる目的をもつて、文書若しくは図画又は言動により、人に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめ又は既に生じている決意を助長させるような勢のある刺激を与えることをいう。

3 この法律で「団体」とは、特定の共同目的を達成するための多数人の継続的結合体又はその連合体をいう。但し、ある団体の支部、分会その他の下部組織も、この要件に該当する場合には、これに対して、この法律による規制を行うことができるものとする。

第二章 破壊的団体の規制

(団体活動の制限)

第五条 公安審査委員会は、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体に対して、当該団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があるときは、左に掲げる処分を行うことができる。但し、その処分は、そのおそれを除去するために必要且つ相当な限度をこえてはならない。

一 当該暴力主義的破壊活動が集団示威運動、集団行進又は公開の集会において行われたものである場合においては、六月をこえない期間及び地域を定めて、それぞれ、集団示威運動、集団行進又は公開の集会を行うことを禁止すること。

二 当該暴力主義的破壊活動が機関誌紙(団体がその目的、主義、方針等を主張し、通報し、又は宣伝するために継続的に刊行する出版物をいう。)によつて行われたものである場合においては、六月をこえない期間を定めて、当該機関誌紙を続けて印刷し、又は頒布することを禁止すること。

三 六月をこえない期間を定めて、当該暴力主義的破壊活動に関与した特定の役職員(代表者、主幹者その他名称のいかんを問わず当該団体の事務に従事する者をいう。以下同じ。)又は構成員に当該団体のためにする行為をさせることを禁止すること。

2 前項の処分が効力を生じた後は、何人も、当該団体の役職員又は構成員として、その処分の趣旨に反する行為をしてはならない。但し、同項第三号の処分が効力を生じた場合において、当該役職員又は構成員が当該処分の効力に関する訴訟に通常必要とされる行為をすることは、この限でない。

(脱法行為の禁止)

第六条 前条第一項の処分を受けた団体の役職員又は構成員は、いかなる名義においても、同条第二項の規定による禁止を免れる行為をしてはならない。

(解散の指定)

第七条 公安審査委員会は、左に掲げる団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があり、且つ、第五条第一項の処分によつては、そのおそれを有効に除去することができないと認められるときは、当該団体に対して、解散の指定を行うことができる。

一 団体の活動として第四条第一項第一号に掲げる暴力主義的破壊活動を行つた団体

二 団体の活動として第四条第一項第二号イからリまでに掲げる暴力主義的破壊活動を行い、若しくはその実行に着手してこれを遂げず、又は人を教唆し、若しくはこれを実行させる目的をもつて人をせヽ  んヽ 動して、これを行わせた団体

三 第五条第一項の処分を受け、さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行つた団体

(団体のためにする行為の禁止)

第八条 前条の処分が効力を生じた後は、当該処分の原因となつた暴力主義的破壊活動が行われた日以後当該団体の役職員又は構成員であつた者は、当該団体のためにするいかなる行為もしてはならない。但し、その処分の効力に関する訴訟又は当該団体の財産若しくは事務の整理に通常必要とされる行為は、この限でない。

(脱法行為の禁止)

第九条 前条に規定する者は、いかなる名義においても、同条の規定による禁止を免れる行為をしてはならない。

(財産の整理)

第十条 法人について、第七条の処分が訴訟手続によつてその取消を求めることのできないことが確定したときは、その法人は、解散する。

2 第七条の処分が訴訟手続によつてその取消を求めることのできないことが確定したときは、当該団体は、すみやかに、その財産を整理しなければならない。

3 前項の財産整理が終了したときは、当該団体の役職員であつた者は、そのてヽ  んヽ 末を公安調査庁長官に届け出なければならない。

第三章 破壊的団体の規制の手続

(処分の請求)

第十一条 第五条第一項及び第七条の処分は、公安調査庁長官の請求があつた場合にのみ行う。

(通知)

第十二条 公安調査庁長官は、前条の請求をしようとするときは、あらかじめ、当該団体が事件につき弁明をなすべき期日及び場所を定め、その期日の七日前までに、当該団体に対し、処分の請求をしようとする事由の要旨並びに弁明の期日及び場所を通知しなければならない。

2 前項の通知は、官報で公示して行う。この場合においては、公示した日から七日を経過した時に、通知があつたものとする。

3 当該団体の代表者又は主幹者の住所又は居所が知れているときは、前項の規定による公示の外、これに通知書を送付しなければならない。

(代理人)

第十三条 前条第一項の通知を受けた団体は、事件につき弁護士その他の者を代理人に選任することができる。

(意見の陳述及び証拠の提出)

第十四条 当該団体の役職員、構成員及び代理人は、五人以内に限り、弁明の期日に出頭して、公安調査庁長官の指定する公安調査庁の職員(以下「受命職員」という。)に対し、事実及び証拠につき意見を述べ、並びに有利な証拠を提出することができる。

(傍聴)

第十五条 当該団体は、五人以内の立会人を選任することができる。

2 当該団体が立会人を選任したときは、公安調査庁長官にその氏名を届け出なければならない。

3 弁明の期日には、立会人及び新聞、通信又は放送の事業の取材業務に従事する者は、手続を傍聴することができる。

4 受命職員は、前項に規定する者が弁明の聴取を妨げる行為をしたときは、その者に退去を命ずることができる。

(不必要な証拠)

第十六条 第十四条の規定により提出された証拠であつても、不必要なものは、取り調べることを要しない。但し、受命職員は、当該団体の公正且つ十分な弁明の聴取を受ける権利を不当に制限するようなことがあつてはならない。

(調書)

第十七条 受命職員は、弁明の期日における経過について調書を作成しなければならない。

2 前項の調書については、第十四条の規定により出頭した者に意見を述べる機会を与え、意見の有無及び意見があるときはその要旨をこれに附記しなければならない。

(調書等の謄本の交付)

第十八条 受命職員は、当該団体から請求があつたときは、調書及び取り調べた証拠書類の謄本各一通をこれに交付しなければならない。

(処分の請求をしない旨の通知)

第十九条 公安調査庁長官は、第十二条第一項の通知をした事件について、第十一条の請求をしないものと決定したときは、すみやかに、当該団体に対しその旨を通知するとともに、これを官報で公示しなければならない。

(処分の請求の方式)

第二十条 第十一条の請求は、請求の原因たる事実、第五条第一項又は第七条の処分を請求する旨その他公安審査委員会の規則で定める事項を記載した処分請求書を公安審査委員会に提出して行わなければならない。

2 処分請求書には、請求の原因たる事実を証すべき証拠、当該団体が提出したすべての証拠及び第十七条に規定する調書を添附しなければならない。

3 前項の請求の原因たる事実を証すべき証拠は、当該団体に意見を述べる機会が与えられたものでなければならない。

(処分の請求の通知及び意見書)

第二十一条 公安調査庁長官は、処分請求書を公安審査委員会に提出した場合には、当該団体に対し、その請求の内容を通知しなければならない。

2 前項の通知は、官報で公示して行う。この場合においては、公示した日から七日を経過した時に、通知があつたものとする。

3 当該団体の代表者又は主幹者の住所又は居所が知れているときは、前項の規定による公示の外、これに処分請求書の謄本を送付しなければならない。

4 当該団体は、第一項の通知があつた日から十四日以内に、処分の請求に対する意見書を公安審査委員会に提出することができる。

(公安審査委員会の決定)

第二十二条 公安審査委員会は、公安調査庁長官が提出した処分請求書、証拠及び調書並びに当該団体が提出した意見書につき審査を行わなければならない。この場合においては、審査のため必要な取調をすることができる。

2 公安審査委員会は、前項の取調をするため、左の各号に掲げる処分をすることができる。

一 関係人若しくは参考人の任意の出頭を求めて取り調べ、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。

二 帳簿書類その他の物件の所有者、所持者若しくは保管者に対し、当該物件の任意の提出を求め、又は任意に提出した物件を留めておくこと。

三 看守者若しくは住居主又はこれらの者に代るべき者の承諾を得て、当該団体の事務所その他必要な場所に臨み、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査すること。

四 公務所又は公私の団体に対し、必要な報告又は資料の提出を求めること。

3 公安審査委員会は、相当と認めるときは、公安審査委員会の委員又は職員に前項の処分をさせることができる。

4 公安審査委員会の委員又は職員は、第二項の処分を行うに当つて、関係人から求められたときは、その身分を示す証票を呈示しなければならない。

5 公安審査委員会は、第一項の規定による審査の結果に基いて、事件につき、左の区別に従い、決定をしなければならない。

一 処分の請求が不適法であるときは、これを却下する決定

二 処分の請求が理由がないときは、これを棄却する決定

三 処分の請求が理由があるときは、それぞれその処分を行う決定

6 公安審査委員会は、解散の処分の請求に係る事件につき第七条の処分をすることができない場合においても、当該団体が第五条第一項の規定に該当するときは、前項第二号の規定にかかわらず、第五条第一項の処分を行う決定をしなければならない。

(決定の方式)

第二十三条 決定は、文書をもつて行い、且つ、理由を附して、委員長及び決定に関与した委員がこれに署名押印をしなければならない。

(決定の通知及び公示)

第二十四条 決定は、公安調査庁長官及び当該団体に通知しなければならない。

2 前項の通知は、公安調査庁長官及び当該団体に決定書の謄本を送付して行う。

3 決定は、官報で公示しなければならない。

(決定の効力発生時期)

第二十五条 決定は、左の各号に掲げる時に、それぞれその効力を生ずる。

一 処分の請求を却下し、又は棄却する決定は、決定書の謄本が公安調査庁長官に送付された時

二 第五条第一項又は第七条の処分を行う決定は、前条第三項の規定により官報で公示した時

2 前項の決定の取消しの訴えについては、裁判所は、他の訴訟の順序にかかわらず、すみやかに審理を開始し、事件を受理した日から百日以内にその裁判をするようにつとめなければならない。

(処分の手続に関する細則)

第二十六条 この章に規定するものを除く外、公安審査委員会における手続に関する細則は、公安審査委員会の規則で定める。

第四章 調査

(公安調査官の調査権)

第二十七条 公安調査官は、この法律による規制に関し、第三条に規定する基準の範囲内において、必要な調査をすることができる。

(書類及び証拠物の閲覧)

第二十八条 公安調査官は、この法律による規制に関し、調査のため必要があるときは、検察官又は司法警察員に対して当該規制に関係のある事件に関する書類及び証拠物の閲覧を求めることができる。

2 検察官又は司法警察員は、事務の遂行に支障のない限り、前項の求に応ずるものとする。

(公安調査庁と警察との情報交換)

第二十九条 公安調査庁と警察庁及び都道府県警察とは、相互に、この法律の実施に関し、情報又は資料を交換しなければならない。

(公安調査官の立会)

第三十条 公安調査官は、この法律による規制に関し、調査のため必要があるときは、司法警察員が暴力主義的破壊活動からなる罪に関して行う押収、捜索及び検証に立ち会うことができる。

(物件の領置)

第三十一条 公安調査官は、関係人又は参考人が任意に提出した物件を領置することができる。この場合においては、その目録を作り、提出者にこれを交付しなければならない。

(物件の保管)

第三十二条 公安調査官は、前条の規定により領置した物件のうち、運搬又は保管に不便な物件については、看守者を置き、又は所有者その他の者に、その承諾を得て、これを保管させることができる。

(物件の還付)

第三十三条 公安調査官は、第三十一条の規定により領置した物件のうち、留置の必要のない物件は、提出者に還付しなければならない。

2 前項の場合において、還付を受けるべき者の住所が知れないとき、その他その物件を還付することができないときは、公安調査官は、その旨を官報で公示しなければならない。

3 公示した日から六月以内に還付の請求がないときは、その物件は、国庫に帰属する。

4 前項の期間内でも、価値のない物件は、廃棄し、保管に不便な物件は、公売してその代価を保管することができる。

(証票の呈示)

第三十四条 公安調査官は、職務を行うに当つて、関係人から求められたときは、その身分を示す証票を呈示しなければならない。

第五章 雑則

(裁判の公示)

第三十五条 第五条第一項又は第七条の処分を行う公安審査委員会の決定の全部又は一部が裁判所で取り消されたときは、公安調査庁長官は、その裁判を官報で公示しなければならない。

(国会への報告)

第三十六条 法務大臣は、毎年一回、内閣総理大臣を経由して、国会に対し、この法律による団体規制の状況を報告しなければならない。

(行政手続法の適用除外)

第三十六条の二 公安審査委員会がこの法律に基づいてする処分(第二十二条第三項の規定により公安審査委員会の委員又は職員がする処分を含む。)については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章及び第四章の二の規定は、適用しない。

(審査請求の制限)

第三十六条の三 公安審査委員会がこの法律に基づいてした処分(第二十二条第三項の規定により公安審査委員会の委員又は職員がした処分を含む。)については、審査請求をすることができない。

(施行細則)

第三十七条 この法律に特別の定があるものを除く外、この法律の実施の手続その他その執行について必要な細則は、法務省令で定める。

第六章 罰則

(内乱、外患の罪の教唆等)

第三十八条 刑法第七十七条、第八十一条若しくは第八十二条の罪の教唆をなし、又はこれらの罪を実行させる目的をもつてその罪のせヽ  んヽ 動をなした者は、七年以下の懲役又は禁こヽ に処する。

2 左の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役又は禁こヽ に処する。

一 刑法第七十八条、第七十九条又は第八十八条の罪の教唆をなした者

二 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条の罪を実行させる目的をもつて、その実行の正当性又は必要性を主張した文書又は図画を印刷し、頒布し、又は公然掲示した者

三 刑法第七十七条、第八十一条又は第八十二条の罪を実行させる目的をもつて、無線通信又は有線放送により、その実行の正当性又は必要性を主張する通信をなした者

3 刑法第七十七条、第七十八条又は第七十九条の罪に係る前二項の罪を犯し、未だ暴動にならない前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

(政治目的のための放火の罪の予備等)

第三十九条 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもつて、刑法第百八条、第百九条第一項、第百十七条第一項前段、第百二十六条第一項若しくは第二項、第百九十九条若しくは第二百三十六条第一項の罪の予備、陰謀若しくは教唆をなし、又はこれらの罪を実行させる目的をもつてするその罪のせヽ  んヽ 動をなした者は、五年以下の懲役又は禁こヽ に処する。

(政治目的のための騒乱の罪の予備等)

第四十条 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもつて、左の各号の罪の予備、陰謀若しくは教唆をなし、又はこれらの罪を実行させる目的をもつてするその罪のせヽ  んヽ 動をなした者は、三年以下の懲役又は禁こヽ に処する。

一 刑法第百六条の罪

二 刑法第百二十五条の罪

三 検察若しくは警察の職務を行い、若しくはこれを補助する者、法令により拘禁された者を看守し、若しくは護送する者又はこの法律の規定により調査に従事する者に対し、凶器又は毒劇物を携え、多衆共同してなす刑法第九十五条の罪

(教唆)

第四十一条 この法律に定める教唆の規定は、教唆された者が教唆に係る犯罪を実行したときは、刑法総則に定める教唆の規定の適用を排除するものではない。この場合においては、その刑を比較し、重い刑をもつて処断する。

(団体のためにする行為の禁止違反の罪)

第四十二条 第八条又は第九条の規定に違反した者は、三年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

(団体活動の制限処分の違反の罪)

第四十三条 第五条第二項又は第六条の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。

(退去命令違反の罪)

第四十四条 第十五条第四項の規定による命令に違反した者は、三万円以下の罰金に処する。

(公安調査官の職権濫用の罪)

第四十五条 公安調査官がその職権を濫用し、人をして義務のないことを行わせ、又は行うべき権利を妨害したときは、三年以下の懲役又は禁こヽ に処する。

附 則 抄

1 この法律は、公布の日から施行する。

2 左に掲げる政令は、廃止する。

一 団体等規正令(昭和二十四年政令第六十四号)

二 解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令(昭和二十三年政令第二百三十八号)

三 解散団体財産売却理事会令(昭和二十三年政令第二百八十五号)

3 この法律の施行前になした行為に対する前項第一号又は第二号に掲げる政令の罰則の適用については、なお従前の例による。

4 団体等規正令第四条の規定により解散した団体(解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令第二十三条に規定する団体を含む。)の財産で、この法律の施行前に国庫に帰属したものの管理及び処分(解散団体の財産の管理及び処分等に関する政令第十四条の規定による債務の支払を含む。)並びにこれらに関する違反行為の処罰については、なお従前の例による。この場合において、解散団体財産売却理事会の事務は、法務大臣が行うものとする。

附 則 (昭和二七年七月三一日法律第二六八号) 抄

1 この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。

附 則 (昭和二九年六月八日法律第一六三号) 抄

(施行期日)

1 この法律中、第五十三条の規定は交通事件即決裁判手続法の施行の日から、その他の部分は、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号。同法附則第一項但書に係る部分を除く。)の施行の日から施行する。

附 則 (昭和三七年五月一六日法律第一四〇号) 抄

1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。

2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

3 この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。

5 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。

6 この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。

7 この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。

8 前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。

附 則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄

1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。

2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。

3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。

4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。

5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。

6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。

8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)

第二条 この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)

第十三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)

第十四条 この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。

(政令への委任)

第十五条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

附 則 (平成七年五月一二日法律第九一号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

附 則 (平成二六年六月一三日法律第六九号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。

(経過措置の原則)

第五条 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの法律の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、この附則に特別の定めがある場合を除き、なお従前の例による。

(訴訟に関する経過措置)

第六条 この法律による改正前の法律の規定により不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ訴えを提起できないこととされる事項であって、当該不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したもの(当該不服申立てが他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為を経た後でなければ提起できないとされる場合にあっては、当該他の不服申立てを提起しないでこの法律の施行前にこれを提起すべき期間を経過したものを含む。)の訴えの提起については、なお従前の例による。

2 この法律の規定による改正前の法律の規定(前条の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)により異議申立てが提起された処分その他の行為であって、この法律の規定による改正後の法律の規定により審査請求に対する裁決を経た後でなければ取消しの訴えを提起することができないこととされるものの取消しの訴えの提起については、なお従前の例による。

3 不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その他の行為の取消しの訴えであって、この法律の施行前に提起されたものについては、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)

第九条 この法律の施行前にした行為並びに附則第五条及び前二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第十条 附則第五条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

附 則 (平成二六年六月一三日法律第七〇号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律は、平成二十七年四月一日から施行する。

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