ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:特別法

jyuumintouhyou01
 今日は、昭和時代中期の1950年(昭和25)に、「首都建設法」(昭和25年法律第219号)が住民投票の結果により成立した日です。
 「首都建設法」(しゅとけんせつほう)は、東京都を日本の首都として都市計画し、建設することを定めた法律(昭和25年法律第219号)でした。この法律では、第1条で「東京都を平和国家の首都」、第12条で「東京都が国の首都」と明記し、国家行政組織法第3条第2項の規定に基づき、総理府の外局として首都建設委員会を設置、東京都の区域内において施行される重要施設の基本的計画として首都建設計画を作成し、その実施の推進にあたるものとしています。
 1946年(昭和21)11月3日に公布、翌年5月3日に施行された「日本国憲法」第95条による特別法(特定の地方公共団体のみに適用される法律として住民投票による過半数の賛成を要件とする)として、1950年(昭和25)4月21日に制定されました。それに基づき、同年6月4日に東京都で住民投票が実施されましたが、有権者数は3,341,232人で、法的拘束力のある住民投票としては最大規模となります。
 その結果、投票率55.0%で、賛成 1,025,792票(60.2%)、反対676,550票(39.8%)と過半数の賛成を得て、同年6月28日に公布・施行されました。この法律は、「首都圏整備法」(昭和31年法律第83号)の制定に伴い、1956年(昭和31)6月9日に、廃止されています。
 以下に、「首都建設法」を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「日本国憲法」第95条による特別法とは?

 一つの地方公共団体のみに適用される特別な法律です。「日本国憲法」第95条の規定に基づき、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、この法律を制定することができないとされていました。1949年(昭和24)8月6日公布・施行の「広島平和記念都市建設法」をはじめとして、1951年(昭和26)8月15日公布の「軽井沢国際親善文化観光都市建設法」まで15の特別法が制定されましたが、その後は新たには制定されていません。

☆「日本国憲法」第95条【特別法の住民投票】
「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」

☆制定された特別法一覧

・1949年(昭和24)8月6日 「広島平和記念都市建設法」
・1949年(昭和24)8月9日 「長崎国際文化都市建設法」
・1950年(昭和25)6月28日 「首都建設法」
・1950年(昭和25)6月28日 「旧軍港市転換法」(横須賀、舞鶴、呉、佐世保)
・1950年(昭和25)7月18日 「別府国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)7月25日 「伊東国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)8月1日 「熱海国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「横浜国際港都建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「神戸国際港都建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「奈良国際文化観光都市建設法」
・1950年(昭和25)10月22日 「京都国際文化観光都市建設法」
・1951年(昭和26)3月1日 「松江国際文化観光都市建設法」
・1951年(昭和26)3月3日 「芦屋国際文化住宅都市建設法」
・1951年(昭和26)4月1日 「松山国際観光温泉文化都市建設法」
・1951年(昭和26)8月15日 「軽井沢国際親善文化観光都市建設法」

〇「首都建設法」(昭和25年法律第219号)1950年(昭和25)6月28日公布・施行

(目的)
第一條 この法律は、東京都を新しく我が平和国家の首都として十分にその政治、経済、文化等についての機能を発揮し得るよう計画し、建設することを目的とする。

(首都建設計画)
第二條 この法律で、首都建設計画とは、東京都の区域内において施行せられる重要施設の基本的計画であつて、東京都における都市計画及び都市計画事業並びに前條の目的を逹成するため必要な施設の計画及び事業の基準となるものをいう。

(委員会の設置)
第三條 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三條第二項の規定に基いて、総理府の外局として首都建設委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

(委員会の任務及び権限)
第四條 委員会は、首都建設計画を作成し、その実施の推進にあたるものとする。

(委員会の組織)
第五條 委員会は、左に掲げる者につき、内閣総理大臣が任命する委員九人をもつて組織する。
 一 建設大臣
 二 衆議院議員のうちから衆議院の指名した者 一人
 三 参議院議員のうちから参議院の指名した者 一人
 四 東京都知事
 五 東京都議会議員のうちから東京都議会の指名した者 一人
 六 学識経験のある者 四人
2 前項第六号に掲げる者を任命する場合においては、両議院の同意を経なければならない。
3 委員は、非常勤とする。

(委員長及びその権限)
第六條 委員会に委員長を置き、建設大臣たる委員をもつて充てる。
2 委員長は、委員会を代表し、会務を総理し、所部の職員を指揮監督する。
3 委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長が故障あるときに委員長を代理する者を定めておかなければならない。

(定足数、表決)
第七條 委員会は、委員の半数以上の出席がなければ会議を開くことができない。
2 委員会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。

(事務局)
第八條 委員会に関する事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。
2 事務局に事務局長その他所要の職員を置く。職員の定員は、別に法律で定める。
3 事務局の職員の任命、昇任、懲戒その他人事管理に関する事項については、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の定めるところによる。

(公告)
第九條 委員会は、首都建設計画を作成したときは、その要領を官報をもつて公告しなければならない。首都建設計画を変更又は廃止したときも同樣とする。

(事業の協力及び援助)
第十條 国、東京都の区域内の関係地方公共団体及び関係事業者は、首都建設計画が第一條の目的にてらし重要な意義をもつことを考え、首都建設計画の作成及び実施にできる限り協力し、援助を與えなければならない。

(勧告)
第十一條 委員会は、国、東京都の区域内の関係地方公共団体又は関係事業者に対し、その所管の施設の計画の決定及び事業の施行又は許可、認可等の行政処分について、首都建設計画を尊重するよう勧告することができる。
2 委員会は、必要と認めるときは、首都建設計画に基く事業の実施に関し、当該事業執行者に勧告することができる。

(事業の執行)
第十二條 東京都の区域により行う都市計画事業については、東京都が国の首都であることにかんがみて必要と認めるときは、建設省、運輸省その他その事業の内容である事項を主管する行政官庁がこれを執行することができる。この場合においては、東京都及びその区域内の関係地方公共団体の同意を得なければならない。

(特別の助成)
第十三條 国は、首都建設計画に基く都市計画事業の用に供するため、必要と認めるときは、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産を讓渡することができる。

附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。但し、委員会の設置は、これに要する経費の支出が予算上可能となつたときにこれを行う。
2 この法律は、日本国憲法第九十五條の規定により、東京都の住民の投票に付するものとする。
3 前項の投票に関する費用であつて公の機関が負担することが相当と認められるものは、東京都の負担とする。
4 国家行政組織法の一部を次のように改正する。
 別表第一の総理府の項中「外国為替管理委員会」を「外国為替管理委員会 首都建設委員会」に改める。
5 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
 第十七條中「外国為替管理委員会」を「外国為替管理委員会 首都建設委員会」に改める。
 第十八條中「外国為替管理委員会 外国為替管理委員会設置法(昭和二十四年法律第二百二十九号)」を「外国為替管理委員会 首都建設委員会 外国為替管理委員会設置法(昭和二十四年法律第二百二十九号)首都建設法(昭和二十五年法律第二百十九号)」に改める。
6 特別職の職員の給與に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。
 第一條第二十一号の次に次の一号を加える。
 二十一の二 首都建設委員会委員
7 行政機関職員定員法(昭和二十四年法律第百二十六号)の一部を次のように改める。
 第二條第一項の表総理府の項中「外国為替管理委員会 四四人」を「外国為替管理委員会 四四人 首都建設委員会 二五人」に、
 同項中「計五八、一三三人」を「計五八、一五八人」に、合計の項中「合計八七三、二三七人」を「合計八七三、二六二人」に改める。

   「ウィキソース」より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1206年(建永元)浄土宗の僧重源の命日(新暦7月12日)詳細
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atamitaika01

 今日は、昭和時代中期の1950年(昭和25)に、静岡県の熱海大火で、市街地の4分の1に延焼し、979棟が焼失した日です。
 熱海大火(あたみたいか)は、静岡県熱海市において、午後5時15分頃に渚町の海岸埋め立て工事現場で、たばこに火を付けたマッチの不始末が原因で火災が発生、折からの東風(平均風速15mほど)に煽られて、たちまち内陸に燃え広がりました。出火と同時に全市の消防団が出動し懸命の消化に努めましたが、当時の熱海は水利が悪く、狭い坂道の町で、井戸がなく、肝心の水道は水圧が低く使い物にならず、ホースをつないで海水を使用しようととしたり、糸川、初川の水を利用としたが思うにまかせず、延焼します。
 東町・渚・銀座・浜町・本町・糸川町・新宿・下天神町・天神町など、市の中心部、繁華街を総なめにし、上天神町の一部も焼いて、翌日の午前0時半頃にようやく鎮火したものの、40余軒の温泉旅館をはじめ、市役所、郵便局、公会堂、警察署、消防署、病院、百貨店、住宅などを焼失しました。これによる被害は、死者はいなかったものの、979名が重軽傷を負い、全焼戸数979棟、延焼面積約13ha(市街地の4分の1)、罹災世帯1,461世帯5,745名、被害総額は当時の金額で推定54億7千万円とされます。
 静岡県は「災害救助法」を発動して必要物資を急送し、5月1日には静岡県熱海復興事務所が開かれ、都市計画も含めた本格的な復興が始まりました。そして4ヶ月後の8月1日には、「日本国憲法」第95条に基づく特別法として、「熱海国際観光温泉文化都市建設法」が制定されて、復興が始まりましたが、これは熱海の温泉観光資源を日本の発展に役立てようと、国が熱海市に対してさまざまな援助を行うもので、町並みの整備から大学の設置までが構想されています。

〇「日本国憲法」第95条による特別法とは?

 一つの地方公共団体のみに適用される特別な法律です。「日本国憲法」第95条の規定に基づき、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、この法律を制定することができないとされていました。1949年(昭和24)8月6日公布・施行の「広島平和記念都市建設法」をはじめとして、1951年(昭和26)8月15日公布の「軽井沢国際親善文化観光都市建設法」まで15の特別法が制定されましたが、その後は新たには制定されていません。

☆「日本国憲法」第95条【特別法の住民投票】

「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」

☆制定された特別法一覧

・1949年(昭和24)8月6日 「広島平和記念都市建設法」
・1949年(昭和24)8月9日 「長崎国際文化都市建設法」
・1950年(昭和25)6月28日 「首都建設法」
・1950年(昭和25)6月28日 「旧軍港市転換法」(横須賀、舞鶴、呉、佐世保)
・1950年(昭和25)7月18日 「別府国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)7月25日 「伊東国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)8月1日 「熱海国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「横浜国際港都建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「神戸国際港都建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「奈良国際文化観光都市建設法」
・1950年(昭和25)10月22日 「京都国際文化観光都市建設法」
・1951年(昭和26)3月1日 「松江国際文化観光都市建設法」
・1951年(昭和26)3月3日 「芦屋国際文化住宅都市建設法」
・1951年(昭和26)4月1日 「松山国際観光温泉文化都市建設法」
・1951年(昭和26)8月15日 「軽井沢国際親善文化観光都市建設法」

☆「熱海国際観光温泉文化都市建設法」(昭和25年法律第233号)

(目的)

第一条 この法律は、国際文化の向上を図り、世界恒久平和の理想を達成するとともに観光温泉資源の開発によつて経済復興に寄与するため、熱海市を国際観光温泉文化都市として建設することを目的とする。

(計画及び事業)

第二条 熱海国際観光温泉文化都市を建設する都市計画(以下「熱海国際観光温泉文化都市建設計画」という。)は、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第一項に定める都市計画の外、国際観光温泉文化都市としてふさわしい諸施設の計画を含むものとする。
2 熱海国際観光温泉文化都市を建設する都市計画事業(以下「熱海国際観光温泉文化都市建設事業」という。)は、熱海国際観光温泉文化都市建設計画を実施するものとする。

(事業の援助)

第三条 国及び地方公共団体の関係諸機関は、熱海国際観光温泉文化都市建設事業が第一条の目的にてらし重要な意義をもつことを考え、その事業の促進と完成とにできる限りの援助を与えなければならない。

(特別の助成)

第四条 国は、熱海国際観光温泉文化都市建設事業の用に供するために必要があると認める場合においては、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二十八条の規定にかかわらず、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産を譲与することができる。

(報告)

第五条 熱海国際観光温泉文化都市建設事業の執行者は、その事業が速やかに完成するように努め、少なくとも六箇月ごとに、国土交通大臣にその進行状況を報告しなければならない。
2 内閣総理大臣は、毎年一回国会に対し、熱海国際観光温泉文化都市事業の状況を報告しなければならない。

(熱海市長の責務)

第六条 熱海市の市長は、その住民の協力及び関係諸機関の援助により、熱海国際観光温泉文化都市を完成することについて、不断の活動をしなければならない。

(法律の適用)

第七条 熱海国際観光温泉文化都市建設計画及び熱海国際観光温泉文化都市建設事業については、この法律に特別の定めがある場合を除く外、都市計画法の適用があるものとする。

附 則 抄

1 この法律は、公布の日から施行する。
3 この法律施行の際現に執行中の熱海都市計画事業は、これを熱海国際観光温泉文化都市建設事業とする。

附 則 (昭和四三年六月一五日法律第一〇一号) 抄

この法律(第一条を除く。)は、新法の施行の日から施行する。

附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)

第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日

   「法令全書」より

☆太平洋戦争後の日本の大火(500棟以上の焼失で、地震によるものを除く)

・1947年(昭和22)4月20日 - 飯田大火(長野県飯田市)
  死者・行方不明者3名、焼失棟数3,742棟、焼損面積約48ha、罹災戸数4,010戸、罹災人員17,778名
・1949年(昭和24)2月20日 - 第一次能代大火(秋田県能代市)
  死者3名、負傷者132名、焼失家屋2,237棟、焼失面積83.6ha、罹災世帯1,755世帯、罹災人員8,790名
・1950年(昭和25)4月13日 - 熱海大火(静岡県熱海市)
 死者なし、負傷者979名、全焼戸数979棟、延焼面積約13ha、罹災世帯1,461世帯5,745名、被害総額54億7千万円
・1952年(昭和27)4月17日 - 鳥取大火(鳥取県鳥取市)
  死者3名、罹災家屋5,228戸、罹災面積約160ha、罹災者2万451人
・1954年(昭和29)9月26日 - 岩内大火(北海道岩内郡岩内町)
  死者35名、負傷者551名、行方不明3名、焼失戸数3,298戸、焼失面積約106ha、罹災者16,622名
・1955年(昭和30)10月1日 - 新潟大火(新潟県新潟市)
  行方不明者1名、負傷者175名、焼失棟数892棟、焼失面積約26ha、罹災世帯1,193世帯、罹災人員5,901名
・1956年(昭和31)3月20日 - 第二次能代大火(秋田県能代市)
  死者なし、負傷者194名、焼失家屋1,475棟、焼失面積約31.5ha、罹災世帯1,248世帯、罹災人員6,087名
・1956年(昭和31)9月10日 - 魚津大火(富山県魚津市)
  死者5名、負傷者170名(うち重傷者5名)、焼失戸数1,583戸、罹災者7,219名
・1965年(昭和40)1月11日 - 伊豆大島大火(東京都大島町)
  死者なし、全焼戸数584棟418戸、焼失面積約16.5ha、罹災世帯408世帯1,273名、被害総額20億7千万円
・1976年(昭和51)10月29日 - 酒田大火(山形県酒田市)
  死者1名、焼失棟数1,774棟、焼失面積約22.5ha、被災者約3,300名、被害総額約405億円

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1776年(安永5)南画家・書家池大雅の命日(新暦5月30日)詳細
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1903年(明治36)小学校令」が改正され、教科書検定制から国定教科書制になる詳細
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nagasakishi0001

 今日は、昭和時代中期の1949年(昭和24)に、「長崎国際文化都市建設法」が公布・施行された日です。
 「長崎国際文化都市建設法(ながさきこくさいぶんかとしとしけんせつほう)」は、太平洋戦争末期の1945年(昭和20)8月9日に投下された原子爆弾によって、壊滅的な被害を受けた長崎市を復興させるための都市建設に関する法律(昭和24年法律第220号)でした。1946年(昭和21)11月3日に公布、翌年5月3日に施行された「日本国憲法」第95条による初めての特別法(特定の地方公共団体のみに適用される法律として住民投票による過半数の賛成を要件とする)として、「広島平和記念都市建設法」と共に制定されています。
 太平洋戦争後、廃墟となった長崎市を復興させるため、国による補助率の引き上げや国有財産の譲与を認めることが検討されました。その中で、「日本国憲法」第95条による特別法の制定が考えられ、市、市議会、地元選出国会議員など多くの人の尽力によって、法案が第5国会に提出され、1949年(昭和24)5月10日に衆議院で可決、翌日には参議院でも可決されます。
 そこで、同年7月7日に長崎市で住民投票が実施され、投票率73.5%で、賛成98.6%、反対1.4%と過半数の賛成を得て、同年8月9日に公布・施行されました。この法律に基づいて様々な事業が展開され、長崎市は平和と文化を象徴する特別都市として、目覚しい復興を遂げることとなります。

〇「日本国憲法」第95条による特別法とは?

 一つの地方公共団体のみに適用される特別な法律です。「日本国憲法」第95条の規定に基づき、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、この法律を制定することができないとされていました。1949年(昭和24)8月6日公布・施行の「広島平和記念都市建設法」をはじめとして、1951年(昭和26)8月15日公布の「軽井沢国際親善文化観光都市建設法」まで15の特別法が制定されましたが、その後は新たには制定されていません。

☆「日本国憲法」第95条【特別法の住民投票】
「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」

☆制定された特別法一覧

・1949年(昭和24)8月6日 「広島平和記念都市建設法」
・1949年(昭和24)8月9日 「長崎国際文化都市建設法」
・1950年(昭和25)6月28日 「首都建設法」
・1950年(昭和25)6月28日 「旧軍港市転換法」(横須賀、舞鶴、呉、佐世保)
・1950年(昭和25)07月18日 「別府国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)07月25日 「伊東国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)08月01日 「熱海国際観光温泉文化都市建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「横浜国際港都建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「神戸国際港都建設法」
・1950年(昭和25)10月21日 「奈良国際文化観光都市建設法」
・1950年(昭和25)10月22日 「京都国際文化観光都市建設法」
・1951年(昭和26)3月1日 「松江国際文化観光都市建設法」
・1951年(昭和26)3月03日 「芦屋国際文化住宅都市建設法」
・1951年(昭和26)4月01日 「松山国際観光温泉文化都市建設法」
・1951年(昭和26)8月15日 「軽井沢国際親善文化観光都市建設法」

☆「長崎国際文化都市建設法」法律第220号(昭24年8月9日)制定当初のもの

 (目的)

第一条 この法律は、国際文化の向上を図り、恒久平和の理想を達成するため、長崎市を国際文化都市として建設することを目的とする。

 (計画及び事業)

第二条 長崎国際文化都市を建設する特別都市計画(以下国際文化都市建設計画という。)は、都市計画法(大正八年法律第三十六号)第一条に定める都市計画の外、国際文化都市としてふさわしい諸施設の計画を含むものとする。
2 長崎国際文化都市を建設する特別都市計画事業(以下国際文化都市建設事業という。)は、国際文化都市建設計画を実施するものとする。

 (事業の援助)

第三条 国及び地方公共団体の関係諸機関は、国際文化都市建設事業が第一条の目的にてらし重要な意義をもつことを考え、その事業の促進と完成とにできる限りの援助を与えなければならない。

 (特別の助成)

第四条 国は、国際文化都市建設事業の用に供するために必要があると認める場合においては、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二十八条の規定にかかわらず、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産を譲与することができる。

 (報告)

第五条 国際文化都市建設事業の執行者は、その事業がすみやかに完成するように努め、少くとも六箇月ごとに、建設大臣にその進捗状況を報告しなければならない。
2 内閣総理大臣は、毎年一回国会に対し、国際文化都市建設事業の状況を報告しなければならない。

 (長崎市長の責務)

第六条 長崎市の市長は、その住民の協力及び関係諸機関の援助により、長崎国際文化都市を完成することについて、不断の活動をしなければならない。

 (法律の適用)

第七条 国際文化都市建設計画及び国際文化都市建設事業については、この法律に特別の定めがある場合を除く外、特別都市計画法(昭和二十一年法律第十九号)及び都市計画法の適用があるものとする。

附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。
2 この法律施行の際現に執行中の長崎特別都市計画事業は、これを国際文化都市建設事業とし、第二条第二項の趣旨に合致するように都市計画法第三条の規定による手続を経て、これを変更しなければならない。

       「衆議院ホームページ」より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

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