ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:火山活動

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 今日は、1914年(大正3)に鹿児島県鹿児島市の桜島において、大正大噴火が始まった日です。
 この大噴火は、1月12日午前10時ごろに始まり、噴煙は上空10km以上に達し、その後約1ヶ月間にわたって頻繁に爆発が繰り返されました。
 その結果、西側では大火砕流が発生、東側では大量の溶岩が流出して、八つの村落が埋没し、死者・行方不明者あわせて58名を出します。
 また、当時南東部にあった大隅海峡も埋没して、大隅半島と陸続きになり、地震も続いて、周辺の地盤は数十cm沈下し、火山灰は九州から東北地方に及ぶ各地で観測されました。
 これによる火山灰は、最大1.5m以上の深さに達し、島内の多くの農地が被害を受けて、農作物はほぼ全滅します。このため、噴火以前は2万人以上であった島民の約3分の2が島外へ移住せざるをえなくなりました。

〇桜島とは?
 鹿児島県中部、鹿児島市の中心市街地の対岸にあるほぼ円形の火山島です。約29,000年前の巨大な噴火によって、姶良カルデラが形成され、そこに海水が流れ込み錦江湾となりました。その後、約26,000年前にカルデラの南端で起きた噴火で誕生したのが桜島(標高1,117m)で、成層火山を成しています。
 有史以来頻繁に噴火を繰り返してきましたが、1914年(大正3)1月12日に始まった「大正大噴火」では、多量の溶岩が流出して大隅半島と陸続きになり、死者58名を出し、黒神集落の埋没鳥居は、その脅威を今に伝える災害遺産となりました。この大噴火は、15世紀に発生した「文明大噴火」、1779年に発生した「安永大噴火」とあわせて、「桜島三大噴火」とも呼ばれています。
 湯之平展望所は、一般人が登れる最高地点の標高373mにあり、北岳の荒々しい山肌を間近に見ることができ圧巻で、錦江湾の向こう側には、鹿児島市街地の街並みが広がり、日没後にはその夜景も楽しめるスポットとなりました。
 また、溶岩なぎさ遊歩道は、「桜島」溶岩なぎさ公園と烏島展望所を結ぶ、全長約3劼陵景眛擦如大正大噴火で流れ出た溶岩地帯の上につくられています。この道は、「遊歩百選」にも選ばれ、貴重な生物も生息していて、海の観察も楽しめ、周辺には、金子 兜太をはじめ、有名俳人の桜島にゆかりのある句碑が立ち並んでいました。
 黒神ビュースポットは、現在活発な噴火活動を続けている昭和火口を観察するのに最も適した展望所で、昭和溶岩の上にあり、溶岩堤防などの火山地形、砂防施設、植生遷移などが観察できます。
 拠点施設でもある「桜島ビジターセンター」は、シアタールームの大型スクリーンにより生きた桜島の魅力を紹介していました。また、展示室では、大噴火の歴史や地形の変化、植物の変遷を模型や展示で分かりやすく解説し、大迫力の映像と音響で桜島の噴火も体感できます。
 尚、2007年(平成19)には、「日本の地質百選」にも選定されました。
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 今日は、昭和時代後期の1983年(昭和58)に、三宅島(東京都三宅村)の雄山が21年ぶりに大噴火し、熔岩流によって約400戸が埋没・焼失した日です。
 三宅島は、伊豆諸島中央部にある火山島で、中央部に雄山(標高775m)が聳え、度々噴火を繰り返してきましたが、1983年(昭和58)10月3日12時頃から、阿古地区などの島の南部で小さな地震が感じられるようになりました。
 そして、13時59分頃より三宅島測候所の地震計に噴火の前駆的微動が記録され始め、15時23分頃に雄山南西山腹二男山付近に生じた割れ目から21年ぶりに噴火(溶岩噴泉)が始まります。
 その後、溶岩が主に3方向に流れ出し、阿古地区方面に流れた溶岩流は約1.7km/hで流下し、18時頃には、民家を埋没・焼き尽くし始め、海岸近くで止まりました。一方、16時17分に新澪池の北西で大噴煙が上がり、16時38分には、新鼻海岸付近で最初のマグマ水蒸気爆発が発生したのです。
 それからも、翌日にかけて爆発や噴火が続き、周辺に大量の岩塊や火山礫、火山灰を降下させました。避難して人的被害はなかったものの、約400戸の民家が埋没・焼失し、山林耕地等に多大な被害が出たのです。
 噴火前後に101回の有感地震が発生し、最大のものは3日22時33分のマグニチュード6.2、震度5でした。
 その後、2000年(平成12)7月にも雄山が噴火し、大規模噴火が続きました。そのため、全島民避難が指示され、約3,800人が島を離れ、2005年(平成17)2月に避難解除されるまで、4年以上の島外生活を余儀なくされたのです。

〇「三宅島」とは?
 東京都に属する伊豆諸島中央部にある円形の火山島(全島が三宅村)で、活火山(ランクA)として常時観測されています。
 中央の雄山(標高775m)は複式火山で、度々噴火することで知られ、近年でも、1874年、1940年、1962年、1983年、2000年に大噴火がみられ、島内の集落にも大きな被害を与えました。
 島は東京から南へ約180kmのところにあり、面積は55平方kmで、伊豆諸島では3番目に大きく、富士箱根伊豆国立公園に属する風光明媚なところです。
 釣り・海水浴・野鳥観察などの観光客でにぎあっていましたが、2000年の噴火後の全島民避難でさびれ、2005年から住民の帰島によって復興が図られてきました。

〇「活火山」とは?
 活動的で近い将来噴火を起こす可能性のある火山のことですが、日本では、おおむね過去1万年以内に噴火した記録があるか、現在活発な噴気活動のある火山とされています。
 火山噴火予知連絡会によって、(1)過去1万年間の噴火の頻度、規模、爆発性などを定量化した1万年活動度指数、(2)過去100年間の観測データに基づく100年活動度指数。の2つの尺度が決められ、これによって、活火山はA・B・Cの3段階に分類されました。(ただし、海底火山と北方領土の火山は、データ不足のため評価の対象外)2017年(平成29)7月現在、Aランク(最も活動度が高い)の火山は13、Bランク(活動度は中程度)は36、Cランク(活動度は最も低い)の火山は38、対象外の火山は23で、合計110となっています。 

☆日本の活火山一覧(火山噴火予知連絡会、活動度による分類)

<北海道>
・十勝岳(北海道)ランクA
・樽前山(北海道)ランクA
・有珠山(北海道)ランクA
・北海道駒ケ岳(北海道)ランクA
・浅間山(長野県・群馬県)ランクA
・知床硫黄山(北海道)ランクB
・羅臼岳(北海道)ランクB
・摩周(北海道)ランクB
・雌阿寒岳(北海道)ランクB
・恵山(北海道)ランクB
・渡島大島(北海道)ランクB
・アトサヌプリ(北海道)ランクC
・丸山(北海道)ランクC
・大雪山(北海道)ランクC
・利尻山(北海道)ランクC
・恵庭岳(北海道)ランクC
・倶多楽(北海道)ランクC
・羊蹄山(北海道)ランクC
・ニセコ(北海道)ランクC

<東北>
・岩木山(青森県)ランクB
・十和田(青森県・秋田県)ランクB
・恐山(青森県)ランクC
・八甲田山(青森県)ランクC
・秋田焼山(秋田県)ランクB
・岩手山(岩手県)ランクB
・八幡平(岩手県・秋田県)ランクC
・秋田駒ヶ岳(秋田県)ランクB
・鳥海山(秋田県・山形県)ランクB
・栗駒山(宮城県)ランクB
・蔵王山(宮城県・山形県)ランクB
・鳴子(宮城県)ランクC
・肘折(山形県)ランクC
・吾妻山(福島県)ランクB
・安達太良山(福島県)ランクB
・磐梯山(福島県)ランクB
・沼沢(福島県)ランクC
・燧ヶ岳(福島県)ランクC

<関東>
・那須岳(栃木県)ランクB
・高原山(栃木県)ランクC
・男体山(栃木県)ランクC
・日光白根山(栃木県・群馬県)ランクC
・榛名山(群馬県)ランクB
・草津白根山(群馬県)ランクB
・赤城山(群馬県)ランクC
・伊豆大島(東京都)ランクA
・三宅島(東京都)ランクA
・伊豆鳥島(東京都)ランクA
・神津島(東京都)ランクB
・西之島(東京都)ランクB
・硫黄島(東京都)ランクB
・新島(東京都)ランクB
・利島(東京都)ランクC
・御蔵島(東京都)ランクC
・八丈島(東京都)ランクC
・青ヶ島(東京都)ランクC
・箱根山(神奈川県)ランクB

<中部>
・新潟焼山(新潟県)ランクB
・妙高山(新潟県)ランクC
・横岳(長野県)ランクC
・焼岳(長野県・岐阜県)ランクB
・御嶽山(長野県・岐阜県)ランクB
・乗鞍岳(長野県・岐阜県)ランクC
・アカンダナ山(岐阜県)ランクC
・白山(福井県・岐阜県)ランクC
・弥陀ヶ原(富山県)ランクC
・富士山(静岡県・山梨県)ランクB
・伊豆東部火山群(静岡県)ランクB


<中国>
・三瓶山(島根県)ランクC
・阿武火山群(山口県)ランクC

<九州>
・雲仙岳(長崎県)ランクA
・福江火山群(長崎県)ランクC
・阿蘇山(熊本県)ランクA
・九重山(大分県)ランクB
・鶴見岳・伽藍岳(大分県)ランクB
・由布岳(大分県)ランクC
・霧島山(鹿児島県・宮崎県)ランクB
・桜島(鹿児島県)ランクA
・薩摩硫黄島(鹿児島県)ランクA
・諏訪之瀬島(鹿児島県)ランクA
・米丸・住吉池(鹿児島県)ランクC
・池田・山川(鹿児島県)ランクC
・開聞岳(鹿児島県)ランクC
・中之島(鹿児島県)ランクB
・硫黄鳥島(鹿児島県)ランクB
・口之島(鹿児島県)ランクC
・口永良部島(鹿児島県)ランクB

A:100年活動度または1万年活動度が特に高い活火山
B:100年活動度または1万年活動度が高い活火山
C:100年活動度および1万年活動度がともに低い活火山
注:上記以外にデータ不足で対象外となっている北方領土や海底の火山があります
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