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 今日は、昭和時代中期の1952年(昭和27)に、日本と中華民国の間で「日華平和条約」が調印(同年8月5日より発効)され、日中戦争が正式に終了した日です。
 「日華平和条約」(にっかへいわじょうやく)は、太平洋戦争後に締結された、日本と中華民国(台湾政権)との間の講和条約で、正式名称は「日本国と中華民国との間の平和条約」と言いました。1951年(昭和26)9月のサンフランシスコ講和会議には、中国代表は招待されませんでしたが、同年12月の吉田書簡で日本は国民政府(台湾政権)との講和希望を表明し、翌1952年(昭和27)4月28日に台湾のタイペイ (台北) において、条約締結(同年8月5日より発効)に至ったものです。
 日本と中華民国間の戦争状態の終結、台湾・澎湖(ほうこ)諸島などに対する領土権の放棄、日本財産の放棄と台湾の賠償請求権の放棄などを規定していました。国民政府の支配下にある台湾を適用範囲として締結され、かつ将来国民政府の支配下に入る領域をも適用範囲と定めています。
 そのため、日中間の全面的国交回復が阻害される要因となりましたが、1972年(昭和47)日本が中華人民共和国と国交を回復すると共に、この条約も失効し、国民政府もまた対日国交断絶を宣言しました。
 以下に、「日本国と中華民国との平和条約」(昭和27年条約第10号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。
 
〇「日本国と中華民国との平和条約」(昭和27年条約第10号)1952年(昭和27)4月28日締結、同年8月5日発効

 日本国及び中華民国は、
 その歴史的及び文化的のきずなと地理的の近さにかんがみ、善隣関係を相互に希望することを考慮し、
 その共通の福祉の増進並びに国際の平和及び安全の維持のための緊密な関係が重要であることを思い、
 両者の間の戦争状態の存在の結果として生じた諸問題の解決の必要を認め、
 平和条約を締結することに決定し、よつて、その全権委員として次のとおり任命した。

 日本国政府    河田 烈
 中華民国大統領  葉 公超

 これらの全権委員は、互にその全権委任状を示し、それが良好妥当であると認められた後、次の諸条を協定した。

第一条
 日本国と中華民国との間の戦争状態は、この条約が効力を生ずる日に終了する。

第二条
 日本国は、千九百五十一年九月八日にアメリカ合衆国のサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約(以下「サン・フランシスコ条約」という。)第二条に基き、台湾及び澎湖諸島並びに新南諸島及び西沙諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄したことが承認される。

第三条
 日本国及びその国民の財産で台湾及び澎湖諸島にあるもの並びに日本国及びその国民の請求権(債権を含む。)で台湾及び澎湖諸島における中華民国の当局及びそこの住民に対するものの処理並びに日本国におけるこれらの当局及び住民の財産並びに日本国及びその国民に対するこれらの当局及び住民の請求権(債権を含む。)の処理は、日本国政府と中華民国政府との間の特別取極の主題とする。国民及び住民という語は、この条約で用いるときはいつでも、法人を含む。

第四条
 千九百四十一年十二月九日前に日本国と中国との間で締結されたすべての条約、協約及び協定は、戦争の結果として無効となつたことが承認される。

第五条
 日本国は、サン・フランシスコ条約第十条の規定に基き、千九百一年九月七日に北京で署名された最終議定書並びにこれを補足するすべての附属書、書簡及び文書の規定から生ずるすべての利得及び特権を含む中国におけるすべての特殊の権利及び利益を放棄し、且つ、前記の議定書、附属書、書簡及び文書を日本国に関して廃棄することに同意したことが承認される。

第六条
 (a) 日本国及び中華民国は、相互の関係において、国際連合憲章第二条の原則を指針とするものとする。
 (b) 日本国及び中華民国は、国際連合憲章の原則に従つて協力するものとし、特に、経済の分野における友好的協力によりその共通の福祉を増進するものとする。

第七条
 日本国及び中華民国は、貿易、海運その他の通商の関係を安定した且つ友好的な基礎の上におくために、条約又は協定をできる限りすみやかに締結することに努めるものとする。

第八条
 日本国及び中華民国は、民間航空運送に関する協定をできる限りすみやかに締結することに努めるものとする。

第九条
 日本国及び中華民国は、公海における漁猟の規制又は制限並びに漁業の保存及び発展を規定する協定をできる限りすみやかに締結することに努めるものとする。

第十条
 この条約の適用上、中華民国の国民には、台湾及び澎湖諸島のすべての住民及び以前にそこの住民であつた者並びにそれらの子孫で、台湾及び澎湖諸島において中華民国が現に施行し、又は今後施行する法令によつて中国の国籍を有するものを含むものとみなす。また、中華民国の法人には、台湾及び澎湖諸島において中華民国が現に施行し、又は今後施行する法令に基いて登録されるすべての法人を含むものとみなす。

第十一条
 この条約及びこれを補足する文書に別段の定がある場合を除く外、日本国と中華民国との間に戦争状態の存在の結果として生じた問題は、サン・フランシスコ条約の相当規定に従つて解決するものとする。

第十二条
 この条約の解釈又は適用から生ずる紛争は、交渉又は他の平和的手段によつて解決するものとする。

第十三条
 この条約は、批准されなければならない。批准書は、できる限りすみやかに台北で交換されなければならない。この条約は、批准書の交換の日に効力を生ずる。

第十四条
 この条約は、日本語、中国語及び英語により作成するものとする。解釈の相違がある場合には、英語の本文による。

 以上の証拠として、それぞれの全権委員は、この条約に署名調印した。

 昭和二十七年四月二十八日(中華民国の四十一年四月二十八日及び千九百五十二年四月二十八日に相当する。)に台北で、本書二通を作成した。

 日本国のために   河田 烈

 中華民国のために  葉 公超

  議定書 (省略)

  「ウィキソース」より

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