
今日は、江戸時代後期の1857年(安政4)に、昆虫学者・名和昆虫研究所の創設者名和靖の生まれた日ですが、新暦では11月24日となります。
名和 靖(なわ やすし)は、美濃国本巣郡船木村(現在の岐阜県瑞穂市重里)に生まれましたが、幼い頃より昆虫が好きでした。1878年(明治11)に、岐阜農事講習所(後の岐阜県農学校、現在の岐阜県立岐阜農林高等学校)に入学し、1882年(明治15)には岐阜県農学校の助手となります。
1883年(明治16)に岐阜県郡上郡祖師野村(現在の下呂市金山町)で、新種のチョウを発見してギフチョウと命名しました。華陽学園でも教えていましたが、1886年(明治19)に帝国大学(後の東京大学)で研修を積んで、中学教諭免許をとります。
その後、岐阜師範学校、岐阜中学校などの教師を勤めましたが、1896年(明治29)に教職を辞し、岐阜市内に私立名和昆虫研究所(現在の財団法人名和昆虫研究所)を設立しました。益虫保護、害虫駆除、シロアリ駆除など、応用昆虫学の研究に従事し、翌年から、月刊誌『昆虫世界』を発刊(1946年まで継続)、多数の論説、報告などを執筆します。
1907年(明治40)に「名和昆虫研究所記念館」を開館し、同年、東京の浅草に「通俗教育昆虫館」も開館(1918年に経営移譲)し、昆虫知識の普及にも尽くしました。1919年(大正8年)には「名和昆虫博物館」を開館、全国害虫駆除講習会を開催するなど日本の昆虫学界に大きな貢献をし、「昆虫翁」とも呼ばれましたが、1926年(大正15)8月30日に、69歳で亡くなっています。
〇名和靖の主要な著書
・『昆虫世界 : 薔薇之一株』(1897年)
・『袖珍害虫防除要覧』(1905年)
・『新式昆虫標本製作法』木村定次郎共著(1909年)
・『害虫図解 第1-25』名和昆虫研究所(1899~1909年)
・『名和日本昆虫図説』
・『日本昆虫譜』