紀勢本線(きせいほんせん)は、三重県亀山市の亀山駅から和歌山県新宮市の新宮駅を経由し、同県和歌山市の和歌山市駅に至るJR幹線(全長384.2km)です。1920年(大正9)相可口駅 (現在の多気駅) ~和歌山駅間の路線として両端から着工し、1934年(昭和9)までに相可口駅~尾鷲駅間の紀勢東線が開通、1940年(昭和15)までに和歌山駅~紀伊木本駅 (現在の熊野市駅) 間の紀勢西線が開通しました。
1959年(昭和34)7月15日に、三木里駅~新鹿駅間 (12.3km) が開業し、両線を結んで全線が完成し、参宮線の多気駅~亀山駅間をも合せて国鉄の紀勢本線となり、1972年(昭和47)に、和歌山線紀和駅~和歌山市駅間を編入して現在の区間となります。1987年(昭和62)の日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化で、亀山駅~新宮駅までがJR東海、新宮駅~和歌山市駅は JR西日本と両旅客鉄道に分けられて所属し、新宮駅~和歌山駅間は、「きのくに線」の愛称とされました。
熊野、奥吉野から産する木材、勝浦、太地周辺の鮮魚、和歌山県内のミカン輸送などの産業面でも重要な路線でしたが、近年では、伊勢志摩、吉野熊野の両国立公園に属する熊野、那智勝浦、潮岬、白浜などの温泉地や景勝地を巡る観光路線的性格を強くしています。
1959年(昭和34)7月15日に、三木里駅~新鹿駅間 (12.3km) が開業し、両線を結んで全線が完成し、参宮線の多気駅~亀山駅間をも合せて国鉄の紀勢本線となり、1972年(昭和47)に、和歌山線紀和駅~和歌山市駅間を編入して現在の区間となります。1987年(昭和62)の日本国有鉄道(国鉄)の分割民営化で、亀山駅~新宮駅までがJR東海、新宮駅~和歌山市駅は JR西日本と両旅客鉄道に分けられて所属し、新宮駅~和歌山駅間は、「きのくに線」の愛称とされました。
熊野、奥吉野から産する木材、勝浦、太地周辺の鮮魚、和歌山県内のミカン輸送などの産業面でも重要な路線でしたが、近年では、伊勢志摩、吉野熊野の両国立公園に属する熊野、那智勝浦、潮岬、白浜などの温泉地や景勝地を巡る観光路線的性格を強くしています。
〇紀勢本線関係略年表(紀勢本線全通まで)
<1891年(明治24)>
・8月21日 関西鉄道津支線 亀山駅~一身田駅間(12.11km)が開業し、下庄駅・一身田駅が開業する
・11月4日 一身田駅~津駅間(3.58km)が延伸開業し、津駅が開業する
<1893年(明治26)>
・12月31日 参宮鉄道の津駅~相可駅~宮川駅間が開業し、現在の紀勢本線にあたる区間に阿漕駅・高茶屋駅・六軒駅・松阪駅・徳和駅・相可駅(初代、現在の多気駅)が開業する
<1903年(明治36)>
・3月21日 紀和鉄道の和歌山駅(初代、現在の紀和駅)~南海連絡点、南海鉄道の紀和連絡点~和歌山市間(両者計1.77km)が延伸開業し、和歌山市駅が開業する
<1904年(明治37)>
・8月27日 関西鉄道が紀和鉄道の路線を買収する
<1907年(明治40)>
・10月1日 関西鉄道・参宮鉄道が国有化される
・11月1日 和歌山駅~和歌山市駅間が 0.1M(≒0.16km)短縮される
<1909年(明治42)>
・5月14日 新宮鉄道に対し仮免許状下付(東牟婁郡新宮町-同郡勝浦村間 動力蒸気及自働車併用)される
・9月29日 阿漕駅~高茶屋駅間が複線化される
・10月12日 国有鉄道線路名称の制定により、亀山駅~山田駅(現在の伊勢市駅)間が参宮線、王寺駅~和歌山駅(初代)~和歌山市駅間が和歌山線となる
<1910年(明治43)>
・12月22日 新宮鉄道を軽便鉄道に指定する
<1911年(明治44)>
・11月7日 松阪駅~徳和駅間が複線化する
<1912年(大正元)>
・12月4日 新宮鉄道 勝浦駅~三輪崎駅間(6.3M≒10.14km)が開業し、勝浦駅(現在の紀伊勝浦駅)・那智口停留場(現在の紀伊天満駅)・那智駅・宇久井駅・三輪崎駅が開業する
<1913年(大正2)>
・3月1日 三輪崎駅~新宮駅間(5.31km)が延伸開業し、佐野村停留場(現在の紀伊佐野駅)・熊野地駅・新宮駅が開業する
・4月17日 佐野村停留場が駅に変更され、佐野村駅が開業する
<1917年(大正6)>
・2月1日 那智口停留場が天満停留場に改称される
<1920年(大正9)>
・8月13日 鉄道免許状下付(東牟婁郡那智村大字天満-同郡同村大字市野々間)される
<1923年(大正12)>
・3月20日 紀勢東線 相可口駅(現在の多気駅)~栃原駅間(12.55km)が開業し、相可駅(2代目)・佐奈駅・栃原駅が開業する
・9月25日 栃原駅~川添駅間(5.79km)が延伸開業し、川添駅が開業する
<1924年(大正13)>
・2月28日 紀勢西線 和歌山駅(初代、現在の紀和駅)~東和歌山駅~箕島駅間(27.04km)が開業し、東和歌山駅(現在の和歌山駅)・紀三井寺駅・日方町駅(現在の海南駅)・加茂郷駅・箕島駅が開業する
・8月20日 下津駅が開業する
<1925年(大正14)>
・3月10日:那智駅~宇久井駅間に狗子ノ川停留場が開業する
・8月15日 川添駅~三瀬谷駅間(7.08km)が延伸開業し、三瀬谷駅が開業する
・12月11日 箕島駅~紀伊宮原駅間(4.35km)が延伸開業し、紀伊宮原駅が開業する
<1926年(大正15)>
・8月8日 紀伊宮原駅~藤並駅間(3.86km)が延伸開業し、藤並駅が開業する
・8月18日 三瀬谷駅~滝原駅間(5.15km)が延伸開業し、滝原駅が開業する
<1927年(昭和2)>
・7月3日 滝原駅~伊勢柏崎駅間(9.17km)が延伸開業し、伊勢柏崎駅が開業する
・8月14日 藤並駅~紀伊湯浅駅間(3.38km)が延伸開業し、紀伊湯浅駅(現在の湯浅駅)が開業する
・11月13日 伊勢柏崎駅~大内山駅間(4.67km)が延伸開業し、大内山駅が開業する
<1928年(昭和3)>
・10月28日 紀伊湯浅駅~紀伊由良駅間(9.50km)が延伸開業し、紀伊由良駅が開業する
・11月8日 阿曽駅が開業する
<1929年(昭和4)>
・4月21日 紀伊由良駅~御坊駅間(8.21km)・貨物支線 紀伊由良駅~由良内駅間(1.93km)が開業し、紀伊内原駅・御坊駅および、貨物駅として由良内駅が開業する
<1930年(昭和5)>
・4月29日 大内山駅~紀伊長島駅間 (11.5km) が延伸開業し、紀伊長島駅が開業する
・12月14日 御坊駅~印南駅間 (17.0km) が延伸開業し、道成寺駅・和佐駅・稲原駅・印南駅が開業する
<1931年(昭和6)>
・9月21日 印南駅~南部駅間 (14.8km) が延伸開業し、切目駅・岩代駅・南部駅が開業する
<1932年(昭和7)>
・4月26日 紀伊長島駅~三野瀬駅間 (7.4km) が延伸開業し、三野瀬駅が開業する
・8月1日 三輪崎駅~熊野地駅間に御手洗停留場(のちの広角駅)が開業する
・11月8日 南部駅~紀伊田辺駅間 (9.1km) が延伸開業し、芳養駅・紀伊田辺駅が開業する
<1933年(昭和8)>
・12月20日 紀伊田辺駅~紀伊富田駅間 (12.8km) が延伸開業し、紀伊新庄駅・朝来駅・白浜口駅(現在の白浜駅)・紀伊富田駅が開業する
<1934年(昭和9)>
・7月1日 新宮鉄道が買収されて国有化され、新宮駅~紀伊勝浦駅間が紀勢中線になる。
・12月19日 三野瀬駅~尾鷲駅間 (17.5km) が延伸開業し、船津駅・相賀駅・尾鷲駅が開業する
<1935年(昭和10)>
・3月29日 紀伊富田駅~紀伊椿駅間 (5.3km) が延伸開業し、紀伊椿駅(現在の椿駅)が開業する
・7月18日 紀勢中線 紀伊勝浦駅~下里駅間 (6.0km) が延伸開業し、湯川駅・太地駅・下里駅が開業する
<1936年(昭和11)>
・7月1日 日方町駅が海南駅に改称される
・10月30日 紀伊椿駅~周参見駅間 (13.3km) が延伸開業し、紀伊日置駅・周参見駅が開業する
・12月11日 下里駅~串本駅間 (20.8km) が開業し、紀伊浦神駅・紀伊田原駅・古座駅・紀伊姫駅・串本駅が開業する
<1937年(昭和12)>
・7月1日 広角駅が廃止される
<1938年(昭和13)>
・5月20日 新宮駅~三輪崎駅間の新線 (4.7km)・新宮駅 - 熊野地駅間の貨物支線 (1.5km) が開業し、新宮駅が移転[109]。新宮駅(旧駅)~熊野地駅~三輪崎駅間の旧線 (5.4km) が廃止、熊野地駅が貨物駅に変更される
・9月7日 周参見駅~江住駅間 (12.0km) が延伸開業し、見老津駅・江住駅が開業する
・12月15日 手平駅・冷水浦駅・初島駅が開業する
<1940年(昭和15)>
・8月8日 江住駅~串本駅間 (20.1km)、新宮駅~紀伊木本駅間 (22.6km) が延伸開業、紀勢中線を編入し、和歌山駅(初代)~紀伊木本駅間などが紀勢西線となる。和深駅・田並駅・紀伊有田駅・鵜殿駅・阿田和駅・紀伊市木駅・神志山駅・有井駅・紀伊木本駅(現在の熊野市駅)が開業、紀伊湯浅駅~紀伊由良駅間に南広信号場が開設される
<1941年(昭和16)>
・7月19日 浦神駅~下里駅間の新線が完成、供用開始。地すべり地を迂回する岩谷山トンネルの完成を受けたもの。
・8月10日 手平駅が廃止される
<1942年(昭和17)>
・4月1日 秋津野駅が紀伊佐野駅に改称する
<1944年(昭和19)>
・8月1日 阿漕駅~高茶屋駅間、松阪駅~徳和駅間が単線化する
<1945年(昭和20)>
・2月15日 東和歌山駅~紀三井寺駅間に宮前信号場が開設される
<1946年(昭和21)>
・6月11日 大内山駅~紀伊長島駅間が票券閉塞式から通票閉塞式に変更する
<1951年(昭和26)>
・12月26日 宮前信号場が廃止される
<1954年(昭和29)>
・11月15日 田子駅が開業する
<1955年(昭和30)>
・4月1日 宮前駅が開業する
<1956年(昭和31)>
・4月1日 紀伊木本駅 - 新鹿駅間 (6.8km) が延伸開業し、大泊駅・新鹿駅が開業する
・10月15日 六軒駅構内において列車衝突事故(六軒事故)が発生する
<1957年(昭和32)>
・1月12日 尾鷲駅~九鬼駅間 (11.0km) が延伸開業し、大曽根浦駅・九鬼駅が開業する
<1958年(昭和33)>
・4月23日 九鬼駅~三木里駅間 (4.2km) が延伸開業(旅客営業のみ)し、三木里駅が開業する
<1959年(昭和34)>
・7月15日 三木里駅~新鹿駅間 (12.3km) が開業し全通、亀山駅~和歌山駅(初代)間が紀勢本線となり、紀伊木本駅が熊野市駅に、相可口駅が多気駅に改称、九鬼駅~三瀬谷駅間で貨物営業開始する
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
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842年(承和9) | 第52代の天皇とされる嵯峨天皇の命日(新暦8月24日) | 詳細 |
1878年(明治11) | 箱根の富士屋ホテルが外国人専用ホテルとして開業する | 詳細 |
1888年(明治21) | 会津の磐梯山が大噴火(磐梯山1888年噴火)し、死者444人の被害が出る | 詳細 |
1948年(昭和23) | 「教育委員会法」(昭和23年法律170号)が公布・施行される | 詳細 |
連合国最高司令官総司令部(GHQ)が日本政府に対して、「経済安定十原則」を提示する | 詳細 | |
1955年(昭和30) | 西ドイツのマイナウにおいて、核兵器の使用に反対する「マイナウ宣言」が発表される | 詳細 |
1987年(昭和62) | 日本で9番目の地下鉄として、仙台市地下鉄が開業(南北線八乙女駅~富沢駅間)する | 詳細 |