度量制度(どりょうせいど)は、唐の制度を手本にして、701年(大宝元年)に「大宝律令」第27篇の関市令の中で度量を定めましたが、距離を測る基準尺は土木工事用には「高麗尺(大尺)」が、そのほかは「唐尺(小尺)」とされたものの、「高麗尺」(1尺=35.6cm)は、律令施行後間もなく廃止され、「唐尺」(1尺=29.6cm)に統一されました。702年(大宝2)には、文武天皇が初めて全国的に統一された度量(物差しと枡)を定め、諸国に頒布しています。
その後、時代とともに変化し、また地域や業種によっても差異がありました。それが統一されるのは、1590年(天正18)に豊臣秀吉が太閤検地を開始してからのこととなります。
以下に、度量(物差しと枡)を定め、諸国に頒布した記事のある『続日本紀』巻第二の大宝二年三月の条を掲載しておきますので、ご参照下さい。
その後、時代とともに変化し、また地域や業種によっても差異がありました。それが統一されるのは、1590年(天正18)に豊臣秀吉が太閤検地を開始してからのこととなります。
以下に、度量(物差しと枡)を定め、諸国に頒布した記事のある『続日本紀』巻第二の大宝二年三月の条を掲載しておきますので、ご参照下さい。
〇『続日本紀』巻第二
大宝二年三月の条
乙亥。始頒度量于天下諸國。
<読み下し文>
乙亥。始テ度量ヲ天下諸國ニ頒ツ。
<現代語訳>
3月8日、始めて、物差しと枡を日本全国に頒布する。
☆日本の計量規制の歴史と変遷
・701年(大宝元年) 「大宝律令」が公布され、日本で度量衡の制度が定まる
・702年(大宝2年3月8日) 文武天皇が初の全国的に統一された計量単位(度量)を全国に頒布する
・1590年(天正18年) 豊臣秀吉が太閤検地を開始、各地でまちまちだった計量単位を統一する
・1669年(寛文9年) 江戸のますを京ますに統一(10月以降京ます以外の使用を禁止)
・1875年(明治8年)8月 「度量衡取締条例」が公布される
・1885年(明治18年)10月 「メートル条約」に加盟する
・1886年(明治19年)4月16日 「メートル条約加盟」を公布する
・1890年(明治23年)4月 フランスの国際度量衡局よりメートル原器及びキログラム原器が我が国に到着する
・1891年(昭和24年)3月 「度量衡法」を公布、メートル系原器を標準とする尺貫法を制定する
・1910年(明治43年) 「電気測定法」が制定(電気計器の検定開始)される
・1921年(大正10年)4月11日 「メートル法」を基本とする改正「度量衡法」が公布される
・1951年(昭和26年) 「度量衡法」を全面的に書きかえた「計量法」が公布される
・1959年(昭和34年) 「メートル法」の完全実施に移行する
・1966年(昭和41年) 「計量法」改正で、規制対象の計量器を削減し、販売事業が許可制から登録制へと変わるなど、大規模な変更が行われる
・1972年(昭和47年) 公害計測器の検定を開始する
・1993年(平成5年) 新「計量法」を施行し、世界共通のSI単位系を採用する
・2000年(平成12年)4月 地方分権の推進に伴い、計量行政が機関委任事務から法定受託事務・自治事務として規定される
・2002年(平成13年) 「計量法」改正(ダイオキシン等極微量物質の正確計量のためのMLAP制度の創設)