今日は、昭和時代中期の1956年(昭和31)に、東京駅~博多駅間の夜行特急「あさかぜ」が運行開始された日です。
夜行特急「あさかぜ」は、1956年(昭和31)11月19日~2005年(平成17)3月1日まで東京駅~下関駅・博多駅間を東海道本線・山陽本線・鹿児島本線経由で運行していた日本国有鉄道(分割民営化後はJR東日本・JR西日本)の特別急行列車(食堂車を備える)でした。はじめは戦後初の夜行特急(一般型客車)として登場しましたが、1958年(昭和33)10月1日に、20系化(日本初の固定編成客車列車)し、ブルートレインの元祖となります。
車体を濃いブルーで塗装し、アイボリーのラインをまとった斬新なデザインが人気を呼び、その後「さくら」、「はやぶさ」、「みずほ」、「富士」といった、20系客車のブルートレインが続々と誕生しました。1968年(昭和43)10月1日に臨時列車として運行されていた「あさかぜ」の1往復を定期化して、2往復体制となり、1970年(昭和45)10月1日には、急行「安芸」の特急格上げ(20系 ・東京駅~下関駅間)により3往復体制 となります。
しかし、1970年代以降は、航空機や新幹線、高速バスの台頭により、圧迫を受け始め、1975年(昭和50)3月10日には、東京駅~下関駅・博多駅間の各1往復に減便されました。その後、1977年(昭和52)以降24系車両が投入され、1986年(昭和61)に4人用個室B寝台「カルテット」、1987年(昭和62)には2人用個室B寝台「デュエット」が連結されグレードアップされています。
1987年(昭和62)4月1日の国鉄分割民営化に伴い、博多発着便を東日本旅客鉄道(JR東日本)が、下関発着便をJR西日本が担当するようになり、1989年(平成2)3月10日には、1人用個室A寝台「シングルデラックス」が連結(東京駅~下関駅間)されました。ところが、他の交通機関の進歩により、乗客の減少が進み、1893年(平成5)3月18日で食堂車が営業休止され、1894年(平成6)12月3日に東京駅~博多駅間の「あさかぜ」が運転取り止め、2005年(平成17)3月1日のダイヤ改正によって寝台特急「あさかぜ」は全廃されています。
尚、1958年(昭和33)に刊行された松本清張の推理小説「点と線」にも登場し、映画化されて、スクリーンにも映し出されました。
〇寝台特急「あさかぜ」関係略年表
・1956年(昭和31)11月19日 戦後初の夜行特急(東京駅~博多駅)として誕生(一般型客車)
・1957年(昭和32)3月19日 夜行特急「あさかぜ」の混雑緩和のため東京駅~広島駅間で増結を行う
・1958年(昭和33)10月1日 20系化(日本初の固定編成客車列車)し、ブルートレインとなる
・1968年(昭和43)10月1日 臨時列車として運行されていた「あさかぜ」の1往復を定期化して、2往復体制となる
・1970年(昭和45)10月1日 急行「安芸」の特急格上げにより3往復体制 となる、20系(東京駅~下関駅)
・1972年(昭和47)3月10日 東京駅~博多駅間の1往復を14系化する
・1975年(昭和50)3月10日 東京駅~下関駅・博多駅間の各1往復に変更される(ともに20系)
・1977年(昭和52)9月25日 東京駅~下関駅間の「あさかぜ」が24系25形化される
・1978年(昭和53)2月1日 東京駅~博多駅間の「あさかぜ」が24系25形化される
・1986年(昭和61)11月1日 4人用個室B寝台「カルテット」が連結される(東京駅~博多駅間)
・1986年(昭和61)12月25日 グレードアップ編成(金帯)に置換え(東京駅~博多駅間)
・1987年(昭和62)3月14日 2人用個室B寝台「デュエット」が連結される(東京駅~博多駅間)
・1987年(昭和62)4月1日 国鉄分割民営化に伴い、博多発着便を東日本旅客鉄道(JR東日本)が、下関発着便をJR西日本が担当するようになる。
・1989年(平成2)3月10日 1人用個室A寝台「シングルデラックス」が連結される(東京駅~下関駅間)
・1893年(平成5)3月18日 食堂車が営業休止される
・1894年(平成6)12月3日 東京駅~博多駅間の「あさかぜ」が運転取り止めとなる
・2005年(平成17)3月1日 ダイヤ改正によって寝台特急「あさかぜ」が廃止される
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1947年(昭和22) | 「農業協同組合法」が公布される | 詳細 |
1956年(昭和31) | 米原~京都の電化により東海道本線の全線電化が完成する | 詳細 |
1993年(平成5) | 「環境基本法」が公布・施行される | 詳細 |