ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:国際連合専門機関

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 今日は、昭和時代中期の1948年(昭和23)に、世界保健機関(WHO)が設立された日です。
 世界保健機関(せかいほけんきかん)は、昭和時代中期の1948年(昭和23)4月7日に設立された、国際連合の専門機関の一つで、英語名称「World Health Organization」、略称“WHO”と呼ばれ、「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的としています。1946年(昭和21)に国際連合経済社会理事会が招集した国際保健会議で「世界保健機関憲章」(61ヶ国の代表により署名)が調印され、1948年(昭和23)4月7日の同憲章発効とともに発足したもので、本部はスイスのジュネーブに置かれました。
 2016年(平成28)5月現在、194の国と地域が加盟していますが、日本は1956年(昭和31)の国際連合加盟に先立つ、1951年(昭和26)5月16日に加盟が承認されています。主要な事業活動は、(1)医学情報の総合調整、(2)国際保健事業の指導的かつ調整的機関としての活動、(3)保健事業の強化についての世界各国への技術的協力、(4)感染症及び他の疾病の撲滅事業の奨励・促進、(5)保健分野の研究の促進・指導、(6)生物学的製剤及び類似の製品、食品に関する国際的基準の発展・向上となっていて、世界を6地域に分けて、それぞれに地域的機関を設けて活動してきました。
 日本においては、国立感染症研究所、国立がん研究センター、各大学医学部など33の機関がWHOの協力センターとして指定されていて、ウイルス性疾患、がん、肝炎、職業衛生などのテーマについてWHOに協力して研究、情報交換などを行っています。尚、世界保健機関(WHO)本部直轄の研究機関として、兵庫県神戸市に「WHO健康開発総合研究センター」略称:WHO神戸センター(WKC)が、1996年(平成8)3月に開所しました。
 以下に、「世界保健機関憲章」の英語版 (抄文) とその日本語訳を掲載しておきますから、ご参照下さい。

〇「世界保健機関憲章」(英語版抄文) 1948年(昭和23)4月7日発効 

CONSTITUTION OF THE WORLD HEALTH ORGANIZATION

THE STATES Parties to this Constitution declare, in conformity with the Charter of the United Nations, that the following principles are basic to the happiness, harmonious relations and security of all peoples:
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
The enjoyment of the highest attainable standard of health is one of the fundamental rights of every human being without distinction of race, religion, political belief, economic or social condition.
The health of all peoples is fundamental to the attainment of peace and security and is dependent upon the fullest co-operation of individuals and States.
The achievement of any States in the promotion and protection of health is of value to all.
Unequal development in different countries in the promotion of health and control of disease, especially communicable disease, is a common danger.
Healthy development of the child is of basic importance; the ability to live harmoniously in a changing total environment is essential to such development.
The extension to all peoples of the benefits of medical, psychological and related knowledge is essential to the fullest attainment of health.
Informed opinion and active co-operation on the part of the public are of the utmost importance in the improvement of the health of the people.
Governments have a responsibility for the health of their peoples which can be fulfilled only by the provision of adequate health and social measures.
ACCEPTING THESE PRINCIPLES, and for the purpose of co-operation among themselves and with others to promote and protect the health of all peoples, the Contracting Parties agree to the present Constitution and hereby establish the World Health Organization as a specialized agency within the terms of Article 57 of the Charter of the United Nations.

CHAPTER I – OBJECTIVE

Article 1
The objective of the World Health Organization (hereinafter called the Organization) shall be the attainment by all peoples of the highest possible level of health.

CHAPTER II – FUNCTIONS

Article 2
In order to achieve its objective, the functions of the Organization shall be:

(a) to act as the directing and co-ordinating authority on international health work;
(b) to establish and maintain effective collaboration with the United Nations, specialized agencies, governmental health administrations,professional groups and such other organizations as may be deemed appropriate;
(c) to assist Governments, upon request, in strengthening health services;
(d) to furnish appropriate technical assistance and, in emergencies, necessary aid upon the request or acceptance of Governments;
(e) to provide or assist in providing, upon the request of the United Nations, health services and facilities to special groups, such as the peoples of trust territories;
(f) to establish and maintain such administrative and technical services as may be required, including epidemiological and statistical services;
(g) to stimulate and advance work to eradicate epidemic, endemic and other diseases;
(h) to promote, in co-operation with other specialized agencies where necessary,the prevention of accidental injuries;
(i) to promote, in co-operation with other specialized agencies where necessary,the improvement of nutrition, housing, sanitation, recreation,economic or working conditions and other aspects of environmental hygiene;
(j) to promote co-operation among scientific and professional groups which contribute to the advancement of health;
(k) to propose conventions, agreements and regulations, and make recommendations with respect to international health matters and to perform such duties as may be assigned thereby to the Organization and are consistent with its objective;
(l) to promote maternal and child health and welfare and to foster the ability to live harmoniously in a changing total environment;
(m) to foster activities in the field of mental health, especially those affecting the harmony of human relations;
(n) to promote and conduct research in the field of health;
(o) to promote improved standards of teaching and training in the health,medical and related professions;
(p) to study and report on, in co-operation with other specialized agencies where necessary, administrative and social techniques affecting public health and medical care from preventive and curative points of view,including hospital services and social security;
(q) to provide information, counsel and assistance in the field of health;
(r) to assist in developing an informed public opinion among all peoples on matters of health;
(s) to establish and revise as necessary international nomenclatures of diseases,of causes of death and of public health practices;
(t) to standardize diagnostic procedures as necessary;
(u) to develop, establish and promote international standards with respect to food, biological, pharmaceutical and similar products;
(v) generally to take all necessary action to attain the objective of the Organization.

 (以下略)

<日本語訳>

世界保健機関憲章

(前文)

この憲章の当事国は、国際連合憲章に従い、次の諸原則が全ての人々の幸福と平和な関係と安全保障の基礎であることを宣言します。
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。
人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつです。
世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎であり、その成否は、個人と国家の全面的な協力が得られるかどうかにかかっています。
ひとつの国で健康の増進と保護を達成することができれば、その国のみならず世界全体にとっても有意義なことです。
健康増進や感染症対策の進み具合が国によって異なると、すべての国に共通して危険が及ぶことになります。
子供の健やかな成長は、基本的に大切なことです。そして、変化の激しい種々の環境に順応しながら生きていける力を身につけることが、この成長のために不可欠です。
健康を完全に達成するためには、医学、心理学や関連する学問の恩恵をすべての人々に広げることが不可欠です。
一般の市民が確かな見解をもって積極的に協力することは、人々の健康を向上させていくうえで最も重要なことです。
各国政府には自国民の健康に対する責任があり、その責任を果たすためには、十分な健康対策と社会的施策を行わなければなりません。
これらの原則を受け入れ、すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で、締約国はこの憲章に同意し、国際連合憲章第57条の条項の範囲内の専門機関として、ここに世界保健機関を設立します。

第一章 目的

第一條

世界保健機関(以下「この機関」という。)の目的は、すべての人民が可能な最高の健康水準に到達することにある。

第二章 任務

第二條

この機関がその目的を達成するための任務は、次のとおりとする。

(a) 国際保健事業の指導的且つ調整的機関として行動すること。
(b) 国際連合、専門機関、政府保健行政機関、専門的団体及び適当と思われる他の機関との効果的な協力を樹立し、及び維持すること。
(c) 要請に応じ保健事業の強化について各国政府を援助すること。
(d) 各国政府の要請又は受諾があつたときは、適当な技術的援助及び緊急の際には必要な助力を與えること。
(e) 国際連合の要請があつたときは、信託統治地域の人民のような特殊の集団に対して、保健上の役務及び便益を提供し、又はこれらを提供することを援助すること。
(f) 疫学的及び統計的事業を含む必要とされる行政的及び技術的事業を開設し、及び維持すること。
(g) 伝染病、風土病及び他の疾病の撲滅事業を奨励し、及び促進すること。
(h) 必要な場合には他の専門機関と協力して、不慮の傷害の防止に努めること。
(i) 必要な場合には他の専門機関と協力して、栄養、住宅、衛生、レクリエイション、経済上又は労働上の条件及び他の環境衛生状態の改善を促進すること。
(j) 健康増進に貢献する科学的及び専門的団体相互間の協力を促進すること。
(k) 国際的保健事項に関して、條約、協定及び規則を提案し、並びに勧告を行うこと並びにこれらの條約、協定、規則及び勧告がこの機関に與え且つこの機関の目的に合致する義務を遂行すること。
(l) 母子の健康と福祉を増進し、変化する全般的環境の中で調和して生活する能力を育成すること。
(m) 精神的健康の分野における活動、特に人間相互間の調和に影響する活動を育成すること。
(n) 保健の分野における研究を促進し、及び指導すること。
(o) 保健及び医療の職業並びにこれに関係のある職業における教育及び訓練の基準の改善を促進すること。
(p) 必要な場合には他の専門機関と協力して、病院業務及び社会保障を含む予防及び治療の見地からの公衆衛生及び医療に関する行政的及び社会的技術を研究し、及び報告すること。
(q) 保健の分野において情報、助言及び援助を提供すること。
(r) すべての人民の間に保健事項に関して精通した世論を発展させるように援助すること。
(s) 疾病、死因及び公衆衛生業務に関する国際用語表を必要に応じて作成し、及び改正すること。
(t) 必要に応じて診断方法を標準化すること。
(u) 食品、生物学的製剤、薬学的製剤及び類似の製品に関する国際的基準を発展させ、確立し、及び向上させること。
(v) 一般に、この機関の目的を達成するために必要なすべての行動を執ること。

 (以下略)            

    「日本WHO協会ホームページ」より

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kokusaidenkitsuushinrengou1
 今日は、明治時代前期の1879年(明治12)に、日本が国際電信連合(現在の国際電気通信連合)に加盟した日です。
 国際電気通信連合(こくさいでんきつうしんれんごう)は、「国際電気通信条約」に基づき、電気通信の改善と合理的利用、および国際協力を図ることを目的とする国際組織で、国際連合の専門機関の一つで、略称はITUとされてきました。起源は、1865年(元治元)に、ヨーロッパの20ヶ国が設立した国際電信連合で、その後、国際無線電信連合を合体して、マドリード「国際電気通信条約」(1932年作成、1934年発効)により今日の形となります。
 第二次世界大戦後、「アトランティック・シティ条約」(1947年作成)および国連との協定で国連の専門機関となりました。その中で、国際的な周波数の分配、電気通信の標準化、開発途上国に対する技術協力などにより、通信資源の合理的、公平、効果的かつ経済的な使用のための活動を行っています。
 日本は1879年(明治12)に、国際電信連合の時に加盟、第2次世界大戦後の一時期に離れましたが、1949年(昭和24)に再加入し、1959年(昭和34)以降、理事会のメンバーとなり、技術の標準化、分担金の提供、役員などで寄与してきました。現在は、主として、①放送や衛星通信等無線通信で使用される電波の国際的な分配及び混信防止のための国際的な調整、②電話やファクシミリ、移動体通信、ハイビジョン等電気通信の世界的な標準化の促進、③開発途上国に対する技術援助の促進を行っていて、2012年(平成24)現在の加盟国は、193ヶ国となっています。
 以下に、現行の「国際電気通信連合憲章」の日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「国際電気通信連合憲章」(平成7年1月18日条約第2号)

第一章 基本規定

第一条 連合の目的
1 連合の目的は、次のとおりとする。
(a) すべての種類の電気通信の改善及び合理的利用のため、すべての構成国の間における国際協力を維持し及び増進すること。
(aの2) 連合の目的として掲げられたすべての目的を達成するため、団体及び機関の連合の活動への参加を促進し及び拡大させ、並びに当該団体及び機関と構成国との間の実りある協力及び連携を促進すること。
(b) 電気通信の分野において開発途上国に対する技術援助を促進し及び提供すること、その実施に必要な物的資源、人的資源及び資金の移動を促進すること並びに情報の取得を促進すること。
(c) 電気通信業務の能率を増進し、その有用性を増大し、及び公衆によるその利用をできる限り普及するため、技術的手段の発達及びその最も能率的な運用を促進すること。
(d) 新たな電気通信技術の便益を全人類に供与するよう努めること。
(e) 平和的関係を円滑にするため、電気通信業務の利用を促進すること。
(f) これらの目的を達成するため、構成国の努力を調和させ、並びに構成国と部門構成員との間の実りあるかつ建設的な協力及び連携を促進すること。
(g) 経済社会の情報化が世界的に進展していることにかんがみ、地域的及び世界的な他の政府間機関並びに電気通信に関係がある非政府機関と協力して、電気通信の問題に対する一層広範な取組方法の採用を国際的に促進すること。
2 このため、連合は、特に次のことを行う。
(a) 各国の無線通信の局の間の有害な混信を避けるため、無線周波数スペクトル帯の分配、無線周波数の割り振り及び周波数割当ての登録(宇宙業務のため、対地静止衛星軌道上の関連する軌道位置又は他の軌道上の衛星の関連する特性を登録することを含む。)を行うこと。
(b) 各国の無線通信の局の間の有害な混信を除去するため並びに無線通信業務に係る無線周波数スペクトルの使用及び対地静止衛星軌道その他の衛星軌道の使用を改善するための努力を調整すること。
(c) 満足すべき業務の質を保ちつつ、電気通信の世界的な標準化を促進すること。
(d) 連合が有するすべての手段(必要な場合には、連合が国際連合の適当な計画に参加すること及び自己の資源を使用することを含む。)により、開発途上国に対する技術援助を確保するための国際協力及び連帯を促進し、並びに開発途上国における電気通信設備及び電気通信網の創設、拡充及び整備を促進すること。
(e) 電気通信手段、特に宇宙技術を使用する電気通信手段が有する可能性を十分に利用することができるように、これらの手段の発達を調和させるための努力を調整すること。
(f) 電気通信の良好な業務及び健全なかつ独立の経理と両立する範囲内で、できる限り低い基準の料金を設定するため、構成国及び部門構成員の間の協力を促進すること。
(g) 電気通信業務の協力によって人命の安全を確保する措置の採用を促進すること。
(h) 電気通信に関し、研究を行い、規則を定め、決議を採択し、勧告及び希望を作成し、並びに情報の収集及び公表を行うこと。
(i) 国際的な金融機関及び開発機関と共に、社会的な事業計画、特に、電気通信業務を各国において最も孤立した地域にまで提供することを目的とするものを進展させるための優先的かつ有利な信用枠の形成を促進することに従事すること。
(j) 連合の目的を達成するため、関係団体の連合の活動への参加及び地域的機関その他の機関との協力を奨励すること。

第二条 連合の構成
国際電気通信連合は、政府間機関であり、当該機関においては、構成国及び部門構成員は、明確な権利及び義務を有し、連合の目的の達成のために協力する。連合は、普遍性の原則を考慮し、かつ、連合への普遍的な参加が望ましいことを考慮して、次の国で構成する。
(a) この憲章及び条約の効力発生前にいずれかの国際電気通信条約の締約国として国際電気通信連合の構成国である国
(b) 国際連合加盟国であるその他の国で、第五十三条の規定に従ってこの憲章及び条約に加入したもの
(c) 国際連合加盟国でないその他の国で、構成国となることを申請し、かつ、その申請が構成国の三分の二によって承認された後、第五十三条の規定に従ってこの憲章及び条約に加入したもの。構成国としての加盟の申請が全権委員会議から全権委員会議までの間において提出されたときは、事務総局長は、構成国と協議する。構成国は、協議を受けた日から起算して四箇月の期間内に回答しないときは、棄権したものとみなす。

第三条 構成国及び部門構成員の権利及び義務
1 構成国及び部門構成員は、この憲章及び条約に定める権利を有し、義務を負う。
2 連合の会議、会合及び協議への参加に関し、
(a) 構成国は、会議に参加する権利を有し、理事会に対する被選挙資格を有し、及び連合の役員又は無線通信規則委員会の委員の選挙に対する候補者を指名する権利を有する。
(b) 構成国は、また、第一六九号及び第二一〇号の規定が適用される場合を除くほか、すべての全権委員会議、すべての世界会議、すべての部門の総会、すべての研究委員会の会合及び当該構成国が理事会の構成員であるときは理事会のすべての会期において、一の票を投ずる権利を有する。地域会議においては、関係地域の構成国のみが投票の権利を有する。
(c) 構成国は、また、第一六九号及び第二一〇号の規定が適用される場合を除くほか、通信によって行う協議において、一の票を投ずる権利を有する。
地域会議に関する協議については、関係地域の構成国のみが投票の権利を有する。
3 部門構成員は、連合の活動への参加に関し、この憲章及び条約の関連規定に従うことを条件として、自己が構成員となっている部門の活動に完全に参加する資格を有する。
(a) 部門構成員は、部門の総会及び会合の議長及び副議長並びに世界電気通信開発会議の議長及び副議長を出すことができる。
(b) 部門構成員は、条約の関連規定及び全権委員会議が採択した関連決定に従うことを条件として、関係部門における勧告及び問題の採択並びに当該部門の運営方法及び手続に関する決定に参加する資格を有する。

第四条 連合の文書
1 連合の文書は、国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び業務規則とする。
2 この憲章は、連合の基本的文書とし、条約によって補足される。
3 この憲章及び条約は、電気通信の利用を規律し、及びすべての構成国を拘束する次に掲げる業務規則によって、更に補足される。
 国際電気通信規則
 無線通信規則
4 この憲章の規定と条約又は業務規則の規定との間に矛盾がある場合には、この憲章の規定が優先する。条約の規定と業務規則の規定との間に矛盾がある場合には、条約の規定が優先する。

第五条 定義
文脈に矛盾を生じない限り、
(a) この憲章において使用し、かつ、この憲章の不可分の一部を成す附属書で定義する用語は、当該附属書において与えられる意味を有する。
(b) この憲章の附属書で定義する用語以外の用語であって、条約において使用し、かつ、条約の不可分の一部を成す附属書で定義するものは、当該附属書において与えられる意味を有する。
(c) 業務規則で定義するその他の用語は、当該業務規則において与えられる意味を有する。

第六条 連合の文書の実施
1 構成国は、自国が設置し又は運用するすべての電気通信の局で、国際業務を行うもの又は他国の無線通信業務に有害な混信を生じさせるおそれのあるものについて、この憲章、条約及び業務規則に従う義務を負う。ただし、第四十八条の規定によってこれらの義務を免除される業務に関する場合は、この限りでない。
2 構成国は、また、自国が電気通信に関する設置及び運用を許可した事業体で、国際業務を行うもの又は他国の無線通信業務に有害な混信を生じさせるおそれのある局を運用するものにこの憲章、条約及び業務規則を遵守させるため、必要な措置をとる義務を負う。

第七条 連合の組織
連合は、次のものから成る。
(a) 全権委員会議(連合の最高機関)
(b) 理事会(全権委員会議の代理者として行動する。)
(c) 世界国際電気通信会議
(d) 無線通信部門(世界無線通信会議、地域無線通信会議、無線通信総会及び無線通信規則委員会を含む。)
(e) 電気通信標準化部門(世界電気通信標準化総会を含む。)
(f) 電気通信開発部門(世界電気通信開発会議及び地域電気通信開発会議を含む。)
(g) 事務総局

第八条 全権委員会議
1 全権委員会議は、構成国を代表する代表団で構成する。同会議は、四年ごとに招集する。
2 構成国の提案に基づき、かつ、理事会の報告を考慮して、全権委員会議は、次のことを行う。
(a) 第一条に定める連合の目的を達成するための一般方針を決定すること。
(b) 前回の全権委員会議の後の連合の活動並びに連合の戦略的な政策及び計画に関する理事会の報告を審議すること。
(c) 第五〇号に規定する報告に基づいて行われた決定を考慮して、連合の戦略計画及び予算の基準を定め、並びに次回の全権委員会議までの期間における連合の活動に関連するすべての事項を検討の上、当該期間について、連合の会計上の限度額を定めること。
(d) 第一六一 D 号から第一六一 G 号までに定める手続を使用し、構成国が通知する分担等級に基づいて、次回の全権委員会議までの期間における分担単位数の総数を定めること。
(d) 連合の職員編成に関するすべての一般的指示を作成し、また、必要な場合には、連合のすべての職員の基準俸給、俸給表並びに手当及び年金の制度を定めること。
(e) 連合の会計計算書を審査し、必要な場合には、最終的に承認すること。
(f) 理事会を構成する構成国を選出すること。
(g) 連合の役員として、事務総局長、事務総局次長及び各部門の局長を選出すること。
(h) 無線通信規則委員会の委員を選出すること。
(i) 必要な場合には、第五十五条の規定及び条約の関連規定にそれぞれ従って、構成国が提出したこの憲章及び条約の改正案を検討し及び採択すること。
(j) 連合と他の国際機関との間の協定を必要に応じて締結し又は改正し、並びに理事会が連合を代表してこれらの国際機関と締結した暫定的協定を審査し、及びこれに関して適当と認める措置をとること。
(jの2) 連合の会議、総会及び会合の一般規則を採択し及び改正すること。
(k) その他必要と認めるすべての電気通信の問題を処理すること。
3 例外として、次のいずれかの場合には、通常の全権委員会議から通常の全権委員会議までの間に、特定の問題を処理するために限定された議事日程により、臨時の全権委員会議を招集することができる。
(a) 先立って開催された通常の全権委員会議が決定する場合
(b) 構成国の三分の二以上が事務総局長に対して個別に請求する場合
(c) 構成国の少なくとも三分の二の同意を得て理事会が提案する場合

第九条 選挙及び関係事項に関する原則
1 全権委員会議は、第五四号から第五六号までに規定する選挙を行うに当たり、次のことを確保する。
(a) 理事会の議席が世界のすべての地域に衡平に配分されることの必要性に妥当な考慮を払い、理事会の構成員を選出すること。
(b) 事務総局長、事務総局次長及び各局長は、それぞれ、構成国が指名する自国民である候補者のうちから選出され、かつ、異なる構成国の国民とするものとし、これらの者の選挙に当たっては、世界の諸地域の間における衡平な地理的配分について妥当な考慮を払うこと。全権委員会議は、さらに、第一五四号に定める原則についても妥当な考慮を払うべきである。
(c) 無線通信規則委員会の委員を構成国が指名する自国民である候補者のうちから個人の資格で選出すること。各構成国は、候補者を一人に限り指名することができる。無線通信規則委員会の委員は、無線通信局長と同一の構成国の国民であってはならず、これらの者の選挙に当たっては、世界の諸地域の間における衡平な地理的配分及び第九三号に定める原則について妥当な考慮を払うべきである。
2 就任、空席及び再選資格に関する規定については、条約で定める。

第十条 理事会
1 
(1) 理事会は、第六一号の規定に従って全権委員会議が選出した構成国で構成する。
(2) 理事会の各構成員は、理事会に参加する一人の者を任命する。この者は、一人又は二人以上の者によって補佐されることができる。
2 削除
3 全権委員会議から全権委員会議までの間においては、理事会は、連合の指導的機関として、全権委員会議が委任した権限の範囲内で、同会議の代理者として行動する。
4 
(1) 理事会は、構成国がこの憲章、条約、業務規則、全権委員会議の決定並びに必要な場合には連合の他の会議及び会合の決定を実施することを容易にするための適当なすべての措置をとるものとし、また、全権委員会議が課するその他のすべての任務を行う。
(2) 理事会は、連合の政策の方向及び戦略が電気通信を取り巻く環境の変化に完全に適合するようにするため、全権委員会議の一般的指示に従って電気通信政策の広範な問題を検討する。
(2の2) 理事会は、連合のために勧告された戦略的な政策及び計画に関し、その会計上の影響を含めた報告を作成するものとし、このために、第七四 A号の規定に基づいて事務総局長が作成する具体的な資料を使用する。
(3) 理事会は、連合の活動の効果的な調整を確保し、並びに事務総局及び三部門に対する効果的な会計上の監督を行う。
(4) 理事会は、連合の目的に従い、連合が有するすべての手段(連合による国際連合の適当な計画への参加を含む。)により、開発途上国における電気通信の発展に貢献する。

第十一条 事務総局
(1) 事務総局は、事務総局長が統括する。事務総局長は、一人の事務総局次長によって補佐される。
 事務総局長は、連合の法律上の代表者として行動する。
(2) 事務総局長の任務は、条約で定める。さらに、事務総局長は、次のことを行う。
(a) 調整委員会の援助の下に、連合の活動を調整すること。
(b) 調整委員会の援助の下に連合の戦略的な政策及び計画に関する報告の作成に必要な具体的な資料を作成し、その資料を構成国及び部門構成員に提供し、並びに当該計画の実施を調整すること。構成国及び部門構成員が検討を行うために全権委員会議の前に開催される理事会の直近二回の通常会期中に、この報告を送付すること。
(c) 連合の資源の経済的な活用のために必要なすべての措置をとり、連合の活動の事務上及び会計上の事項の全体につき理事会に対して責任を負うこと。
(3) 事務総局長は、第四十二条の規定に基づき作成された特別取極の寄託者として行動することができる。
2 事務総局次長は、事務総局長に対して責任を負う。事務総局次長は、事務総局長の職務の遂行を補佐し、事務総局長から委任される特定の任務を行う。
事務総局長が不在のときは、事務総局次長が事務総局長の職務を行う。

第二章 無線通信部門

第十二条 任務及び組織
1 
(1) 無線通信部門は、開発途上国の特別な関心事に留意し、次に定めるところにより、第一条に定める無線通信に関する連合の目的を達成することを任務とする。
第四十四条の規定に従うことを条件として、対地静止衛星軌道その他の衛星軌道を使用する無線通信業務を含むすべての無線通信業務が無線周波数スペクトルを合理的、公平、効果的かつ経済的に使用することを確保すること。
周波数の範囲を問わず研究を行い、無線通信に関する勧告を採択すること。
(2) 無線通信部門及び電気通信標準化部門の双方に関係がある問題に関しては、両部門の正確な権限について、条約の関連規定に従い、緊密な協力により、常に再検討しなければならない。無線通信部門、電気通信標準化部門及び電気通信開発部門の間においては、緊密な調整を確保しなければならない。
2 無線通信部門の運営は、次のものによって行う。
(a) 世界無線通信会議及び地域無線通信会議
(b) 無線通信規則委員会
(c) 無線通信総会
(d) 研究委員会
(dの2) 無線通信諮問委員会
(e) 無線通信局(選出された局長が統括する。)
3 無線通信部門の構成員は、次のとおりとする。
(a) すべての構成国の主管庁(権利として構成員となる。)
(b) 条約の関連規定により部門構成員となる団体又は機関

第十三条 無線通信会議及び無線通信総会
1 世界無線通信会議は、無線通信規則の一部改正又は、例外として、全部改正を行い、及びその他世界的性質を有する問題(同会議の権限内のものであり、かつ、その議事日程に関するものに限る。)を取り扱うことができる。同会議のその他の任務は、条約で定める。
2 世界無線通信会議は、通常三年から四年までの間のいずれかの期間ごとに招集する。ただし、条約の関連規定に従い、同会議を招集しないこと又は追加的に招集することができる。
3 無線通信総会は、同様に、通常三年から四年までの間のいずれかの期間ごとに招集するものとし、無線通信部門の能率を向上させるため、場所及び期日について世界無線通信会議と連携することができる。無線通信総会は、世界無線通信会議の討議に必要な技術的基礎を確立し、及び同会議のすべての要請に応ずる。同総会の任務は、条約で定める。
4 世界無線通信会議、無線通信総会及び地域無線通信会議の決定は、いかなる場合にも、この憲章及び条約の規定に適合するものでなければならない。また、無線通信総会及び地域無線通信会議の決定は、いかなる場合にも、無線通信規則の規定に適合するものでなければならない。世界無線通信会議、無線通信総会及び地域無線通信会議は、決議及び決定を採択する場合には、予見可能な会計上の影響を考慮しなければならず、また、全権委員会議の定めた会計上の限度額を超える支出をもたらすおそれのある決議及び決定の採択を避けるべきである。

第十四条 無線通信規則委員会
1 無線通信規則委員会は、無線通信の分野において十分な能力を有し、かつ、周波数の割当て及び使用について実務上の経験を有する選出された委員で構成する。各委員は、世界の特定の地域の地理的、経済的及び人口的事情に精通していなければならない。委員は、独立して、また、非常勤で、連合のために自己の職務を行う。
2 無線通信規則委員会は、構成国の総数の六パーセントに相当する数又は十二のいずれか多い方を超えない数の委員で構成する。
2 無線通信規則委員会の任務は、次のとおりとする。
(a) 無線通信規則及び権限のある無線通信会議の決定に適合した手続規則(技術基準を含む。)を承認すること。この手続規則は、無線通信局長及び無線通信局が構成国の行う周波数割当てを登録するために無線通信規則を適用するに当たって使用する。この手続規則は、透明性のある方法で作成する。主管庁は、この手続規則に対して意見を付することができ、意見の相違が継続する場合には、その問題は、次回の世界無線通信会議に提出する。
(b) 第九五号の手続規則の適用によって解決することができないその他の問題を検討すること。
(c) 第七八号に規定する周波数の割当て及び使用に関して、無線通信規則に定める手続に従い、権限のある会議が定め、又はこの会議の準備若しくはその決定の実施のために構成国の過半数の同意を得て理事会が定めるすべての追加の任務を行うこと。
3 
(1) 無線通信規則委員会の委員は、その所属国又は一地域を代表する者としてではなく、国際的な公的責任を有する者として、同委員会における職務を行う。同委員会の各委員は、特に、自国の主管庁に直接関係する決定に参加することを差し控えなければならない。
(2) 無線通信規則委員会の委員は、連合のために自己の職務を行うことに関し、いかなる政府若しくはその職員又はいかなる公私の機関若しくは人からも指示を求め又は受けてはならない。同委員会の委員は、第九八号に定める委員としての地位と両立しないおそれのあるいかなる措置をとることも、また、そのようなおそれのあるいかなる決定に関与することも差し控えなければならない。
(3) 構成国及び部門構成員は、無線通信規則委員会の委員の職務の専ら国際的な性質を尊重しなければならず、また、これらの委員に対し、同委員会における職務の遂行について影響を及ぼそうとすることを差し控えなければならない。
4 無線通信規則委員会の運営方法は、条約で定める。

第十五条 無線通信研究委員会及び無線通信諮問委員会
無線通信研究委員会及び無線通信諮問委員会のそれぞれの任務は、条約で定める。

第十六条 無線通信局
無線通信局長の任務は、条約で定める。

第三章 電気通信標準化部門

第十七条 任務及び組織
1 
(1) 電気通信標準化部門は、開発途上国の特別な関心事に留意し、電気通信を世界的規模で標準化するため、技術、運用及び料金の問題についての研究を行うこと並びにこれらの問題に関する勧告を採択することにより、第一条に定める電気通信の標準化に関する連合の目的を十分に達成することを任務とする。
(2) 電気通信標準化部門及び無線通信部門の双方に関係がある問題に関しては、両部門の正確な権限について、条約の関連規定に従い、緊密な協力により、常に再検討しなければならない。無線通信部門、電気通信標準化部門及び電気通信開発部門の間においては、緊密な調整を確保しなければならない。
2 電気通信標準化部門の運営は、次のものによって行う。
(a) 世界電気通信標準化総会
(b) 電気通信標準化研究委員会
(bの2) 電気通信標準化諮問委員会
(c) 電気通信標準化局(選出された局長が統括する。)
3 電気通信標準化部門の構成員は、次のとおりとする。
(a) すべての構成国の主管庁(権利として構成員となる。)
(b) 条約の関連規定により部門構成員となる団体又は機関

第十八条 世界電気通信標準化総会
1 世界電気通信標準化総会の任務は、条約で定める。
2 世界電気通信標準化総会は、四年ごとに招集する。ただし、条約の関連規定に従い、同総会を追加的に開催することができる。
3 世界電気通信標準化総会の決定は、いかなる場合にも、この憲章、条約及び業務規則の規定に適合するものでなければならない。同総会は、決議及び決定を採択する場合には、予見可能な会計上の影響を考慮しなければならず、また、全権委員会議の定めた会計上の限度額を超える支出をもたらすおそれのある決議及び決定の採択を避けるべきである。

第十九条 電気通信標準化研究委員会及び電気通信標準化諮問委員会
電気通信標準化研究委員会及び電気通信標準化諮問委員会のそれぞれの任務は、条約で定める。

第二十条 電気通信標準化局
電気通信標準化局長の任務は、条約で定める。

第四章 電気通信開発部門

第二十一条 任務及び組織
1 
(1) 電気通信開発部門は、第一条に定める連合の目的を達成することを任務とする。同部門は、また、技術協力及び技術援助のための活動を行い、組織し及び調整することにより電気通信の開発を促進し及び向上させるため、国際連合の専門機関としての及び国際連合の開発のための体制その他の資金供与のための制度の下で事業を実施するための執行機関としての連合の二重の責任を、特定の権限の範囲内で、遂行することを任務とする。
(2) 無線通信部門、電気通信標準化部門及び電気通信開発部門の活動で、開発に係る事項に関するものについては、この憲章の関連規定に従い、緊密な協力の対象とする。
2 第一一八号及び第一一九号の規定の範囲内において、電気通信開発部門の具体的な任務は、次のとおりとする。
(a) 経済的及び社会的発展のための国内計画における電気通信の重要な役割について決定権者の関心を高めること並びに政策及び体制に関する可能な選択肢について情報及び助言を提供すること。
(b) 他の関係機関の活動を考慮して、人的資源の開発、計画の立案、経営管理、資源の移動及び研究開発の能力を強化することにより、特に協力関係を通じて電気通信網及び電気通信業務(特に開発途上国におけるもの)の開発、拡充及び運用を奨励すること。
(c) 地域的な電気通信機関並びに世界的及び地域的な開発金融機関との協力により、電気通信開発部門の開発計画に含まれている事業の良好な実施を確保するため当該事業の進捗状況を注視しつつ、電気通信の発展を促進すること。
(d) 電気通信の分野において開発途上国に対して援助を与えるため、優先的かつ有利な信用枠の形成を奨励すること並びに国際的及び地域的な金融機関及び開発機関と協力することによって、資源の移動を促進すること。
(e) 先進国における電気通信網の発展及び変用を考慮して、開発途上国への適当な技術の移転を促進する計画を推進し及び調整すること。
(f) 開発途上国における電気通信の開発への産業の参加を奨励し、並びに適当な技術の選択及び移転に関する助言を与えること。
(g) 技術、経済、財政、経営管理、規制及び政策に関する事項について、必要に応じ、助言を与え又は研究を行い若しくは支援すること。その研究は、電気通信の分野における特定の事業に関するものを含む。
(h) 電気通信業務の提供を目的として国際的及び地域的な電気通信網を開発することについての調整を円滑にするため、そのような電気通信網に関する総合的な計画の立案に当たり、その他の部門、事務総局その他の関係機関と協力すること。
(i) 第一二一号から第一二八号までに定める任務の遂行に当たり、後発開発途上国のニーズに特別の注意を払うこと。
3 電気通信開発部門の運営は、次のものによって行う。
(a) 世界電気通信開発会議及び地域電気通信開発会議
(b) 電気通信開発研究委員会
(bの2) 電気通信開発諮問委員会
(c) 電気通信開発局(選出された局長が統括する。)
4 電気通信開発部門の構成員は、次のとおりとする。
(a) すべての構成国の主管庁(権利として構成員となる。)
(b) 条約の関連規定により部門構成員となる団体又は機関

第二十二条 電気通信開発会議
1 電気通信開発会議は、電気通信の開発に関係がある問題、事業及び計画を検討するため並びに電気通信開発局に対して指針を与えるための討議の場とする。
2 電気通信開発会議は、次のものから成る。
(a) 世界電気通信開発会議
(b) 地域電気通信開発会議
3 全権委員会議から全権委員会議までの間において、世界電気通信開発会議並びに、資力及び優先度に応じて、地域電気通信開発会議を開催する。
4 電気通信開発会議は、最終文書を作成しないものとする。同会議の結論は、決議、決定、勧告又は報告の形式によるものとし、いかなる場合にも、この憲章、条約及び業務規則の規定に適合するものでなければならない。同会議は、決議及び決定を採択する場合には、予見可能な会計上の影響を考慮しなければならず、また、全権委員会議の定めた会計上の限度額を超える支出をもたらすおそれのある決議及び決定の採択を避けるべきである。
5 電気通信開発会議の任務は、条約で定める。

第二十三条 電気通信開発研究委員会及び電気通信開発諮問委員会
電気通信開発研究委員会及び電気通信開発諮問委員会のそれぞれの任務は、条約で定める。

第二十四条 電気通信開発局
電気通信開発局長の任務は、条約で定める。

第四章のA 各部門の作業の方法
無線通信総会、世界電気通信標準化総会及び世界電気通信開発会議は、それぞれの部門の活動を管理するための作業の方法及び手続を定め及び採択することができる。これらの作業の方法及び手続は、この憲章、条約及び業務規則、特に条約第二四六 D 号から第二四六 H 号までの規定に適合するものでなければならない。

第五章 連合の運営に関するその他の規定

第二十五条 世界国際電気通信会議
1 世界国際電気通信会議は、国際電気通信規則の一部改正又は、例外として、全部改正を行い、及びその他世界的性質を有する問題(同会議の権限内のもの又はその議事日程に関するものに限る。)を取り扱うことができる。
2 世界国際電気通信会議の決定は、いかなる場合にも、この憲章及び条約の規定に適合するものでなければならない。同会議は、決議及び決定を採択する場合には、予見可能な会計上の影響を考慮しなければならず、また、全権委員会議の定めた会計上の限度額を超える支出をもたらすおそれのある決議及び決定の採択を避けるべきである。

第二十六条 調整委員会
1 調整委員会は、事務総局長、事務総局次長及び三部門の局長で構成する。同委員会は、事務総局長が議長となり、事務総局長が不在のときは、事務総局次長が議長となる。
2 調整委員会は、事務総局長に助言を与え、並びに事務、会計、情報システム及び技術協力に関する事項で特定の部門又は事務総局の専属的な権限内にはないすべてのもの並びに対外関係及び広報の分野のすべての事項について事務総局長に実務上の援助を与える内部の運営組織としての任務を行う。同委員会がこれらの事項を検討する場合には、この憲章及び条約の規定、理事会の決定並びに連合全体の利益を十分に考慮する。

第二十七条 連合の役員及び職員
1 
(1) 連合の役員及び職員は、その職務の遂行に当たり、いかなる政府又は連合外のいかなる当局からも指示を求め又は受けてはならない。連合の役員及び職員は、国際公務員としての地位と両立しないいかなる行動も差し控えなければならない。
(2) 構成国及び部門構成員は、連合の役員及び職員の職務の専ら国際的な性質を尊重しなければならず、また、これらの者に対し、その職務の遂行について影響を及ぼそうとすることを差し控えなければならない。
(3) 連合の役員及び職員は、その職務外において、方法のいかんを問わず、電気通信に関係があるいかなる企業にも参加してはならず、また、これと金銭的関係を有してはならない。もっとも、「金銭的関係」という語は、従前の雇用又は勤務に基づく退職年金の支払の継続を妨げるものと解してはならない。
(4) 構成国は、連合の能率的な運営を確保するため、自国民が事務総局長、事務総局次長又は局長に選出された場合には、全権委員会議から全権委員会議までの間にその者を召還することをできる限り差し控えなければならない。
2 職員の採用及び勤務条件の決定に当たっては、最高水準の能率、能力及び誠実性を有する職員の勤務を連合のために確保することの必要性に最大の考慮を払わなければならず、また、できる限り広範な地理的基礎に基づいて職員を採用することの重要性についても妥当な考慮を払わなければならない。

第二十八条 連合の会計
1 連合の経費は、次のものに関する費用から成る。
(a) 理事会
(b) 事務総局及び連合の各部門
(c) 全権委員会議及び世界国際電気通信会議
2 連合の経費は、次のものをもって充てる。
(a) 構成国及び部門構成員の分担金
(b) 条約又は財政規則に定めるその他の収入
2の二 各構成国及び各部門構成員は、第一六〇号から第一六一 I 号までの規定に従って選定した分担等級の単位数に相当する金額を支払う。
2の三 第四三号の地域無線通信会議の経費の負担は、次のように行う。
(a) 関係地域のすべての構成国がその分担等級に従って負担する。
(b) 当該会議に参加したその他の地域の構成国がその分担等級に従って負担する。
(c) 許可された部門構成員及び他の機関であって、条約に従って当該会議に参加したものが負担する。
3 
(1) 構成国及び部門構成員は、連合の経費を負担するための分担等級を任意に選定する。
(2) 構成国による分担等級の選定は、条約に定める分担等級表及び条件並びに次に定める手続に従って、全権委員会議において行う。
(2の2) 部門構成員による分担等級の選定は、条約に定める分担等級表及び条件並びに次に定める手続に従って行う。
3の二 
(1) 理事会は、全権委員会議の直前の会期において、会計に関し当該全権委員会議が取り扱う期間の財政計画案及び分担単位の総数に基づき、分担単位の暫定的な額を定める。
(2) 事務総局長は、構成国及び部門構成員に対し第一六一B号の規定に基づき定められた分担単位の暫定的な額を通知するものとし、また、構成国に対し自国が暫定的に選定した分担等級を全権委員会議の開始の日の遅くとも四週間前に通知するよう要請する。
(3) 全権委員会議は、その最初の週に、構成国が事務総局長に通知した分担等級の変更及び変更されない分担等級を考慮して、第一六一 B 号及び第一六一 C 号の規定に基づき事務総局長がとる手続に従って、分担単位の暫定的な限度額を定める。
(4) 全権委員会議は、修正された財政計画案を考慮して、できる限り速やかに分担単位の額の最終的な限度額を定め、及び構成国が、事務総局長の要請により、最終的に選定した分担等級を通知する期日を、遅くとも全権委員会議が終了する日の属する週の月曜日までのいずれかの日に定める。
(5) 全権委員会議が定める日までに事務総局長に自国の決定を通知しない構成国は、従前に選定した分担等級を維持する。
(6) 全権委員会議は、さらに、構成国が選定した最終的な分担等級及び財政計画の承認の日における部門構成員の分担等級に応じた分担単位の総数に基づき、最終的な財政計画を承認する。
3の三 
(1) 事務総局長は、部門構成員に対し、分担単位の額の最終的な限度額を通知するものとし、また、全権委員会議の閉会の日から三箇月以内に、当該部門構成員が選定した分担等級を通知するよう要請する。
(2) この三箇月の期間内に事務総局長に自己の決定を通知しない部門構成員は、従前に選定した分担等級を維持する。
(3) 全権委員会議が採択した分担等級表の改正は、次回の全権委員会議中における分担等級の選定について適用する。
(4) 構成国及び部門構成員が選定した分担等級は、全権委員会議の後の最初の二年予算から適用する。
4 削除
5 構成国は、分担等級を選定するに当たって、分担等級を二段階を超えて減少させてはならず、また、理事会は、全権委員会議から全権委員会議までの間においてその減少を漸進的に実施する方法について構成国に通知する。ただし、国際的な救援計画の発動を必要とする自然災害のような例外的状況の下において、構成国がその分担単位数を減少させることを要求し、かつ、当初に選定した分担等級における分担金を維持することができなくなったことを立証した場合には、全権委員会議は、分担単位数の二段階を超える減少を承認することができる。
5の二 国際的な救援計画の発動を必要とする自然災害のような例外的状況の下において、構成国がその分担単位数を減少させることを要求し、かつ、当初に選定した分担等級における分担金を維持することができなくなったことを立証した場合には、理事会は、これを承認することができる。
5の三 構成国及び部門構成員は、既に選定した等級よりも高い分担等級をいつでも選定することができる。
6 削除
7 削除
8 構成国及び部門構成員は、理事会が決定した二年予算に基づいて、かつ、理事会が採択することができる調整額を考慮に入れて計算した毎年の分担金額を前払する。
9 連合に対する支払が延滞している構成国は、その延滞している額が直前の二年度について当該構成国の支払うべき分担金の額以上であるときは、第二七号及び第二八号に定める投票の権利を失う。
10 部門構成員及び他の国際機関の分担金に関する具体的な規定は、条約で定める。

第二十九条 言語
1 
(1) 連合の公用語は、英語、アラビア語、中国語、スペイン語、フランス語及びロシア語とする。
(2) 第一七一号に定める言語は、全権委員会議の関連決定に従い、連合における文書の作成及び公表(その作成及び公表は、各言語による文書が形式及び内容において同様となるように行う。)のため、並びに連合の会議中及び会合中における相互間の通訳のために、使用する。
(3) 矛盾又は紛議がある場合には、フランス文による。
2 会議又は会合のすべての参加者が同意するときは、討議は、第一七一号に定める言語よりも少ない数の言語により行うことができる。

第三十条 連合の所在地
連合の所在地は、ジュネーブとする。

第三十一条 連合の法律上の能力
連合は、その任務の遂行及びその目的の達成のために必要な法律上の能力を各構成国の領域において享有する。

第三十二条 連合の会議、総会及び会合の一般規則
1 全権委員会議が採択する連合の会議、総会及び会合の一般規則は、連合の会議及び総会の準備、連合の会議、総会及び会合の業務の組織及び討論の方法並びに理事会の構成員、事務総局長、事務総局次長、各部門の局長及び無線通信規則委員会委員の選挙について適用する。
2 会議、総会及び理事会は、連合の会議、総会及び会合の一般規則の第二章を補足するために不可欠と認める規則を採択することができる。もっとも、このような補足的規則は、この憲章、条約及び当該一般規則の第二章に抵触するものであってはならない。会議又は総会が採択した補足的規則は、会議又は総会の文書として公表する。

第六章 電気通信に関する一般規定

第三十三条 国際電気通信業務を利用する公衆の権利
構成国は、公衆に対し、国際公衆通信業務によって通信する権利を承認する。各種類の通信において、業務、料金及び保障は、すべての利用者に対し、いかなる優先権又は特恵も与えることなく同一とする。

第三十四条 電気通信の停止
1 構成国は、国内法令に従って、国の安全を害すると認められる私報又はその法令、公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められる私報の伝送を停止する権利を留保する。この場合には、私報の全部又は一部の停止を直ちに発信局に通知する。ただし、その通知が国の安全を害すると認められる場合は、この限りでない。
2 構成国は、また、国内法令に従って、他の私用の電気通信であって国の安全を害すると認められるもの又はその法令、公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められるものを切断する権利を留保する。

第三十五条 業務の停止
構成国は、国際電気通信業務を全般的に、又は一定の関係若しくは通信の一定の種類(発信、着信又は中継)に限って、停止する権利を留保する。この場合には、停止する旨を事務総局長を経由して直ちに他の構成国に通知する。

第三十六条 責任
構成国は、国際電気通信業務の利用者に対し、特に損害賠償の請求に関しては、いかなる責任も負わない。

第三十七条 電気通信の秘密
1 構成国は、国際通信の秘密を確保するため、使用される電気通信のシステムに適合するすべての可能な措置をとることを約束する。
2 もっとも、構成国は、国内法令の適用又は自国が締約国である国際条約の実施を確保するため、国際通信に関し、権限のある当局に通報する権利を留保する。

第三十八条 電気通信路及び電気通信設備の設置、運用及び保護
1 構成国は、国際電気通信の迅速なかつ不断の交換を確保するために必要な通信路及び設備を最良の技術的条件で設置するため、有用な措置をとる。
2 第一八六号の通信路及び設備は、できる限り、実際の運用上の経験から最良と認められた方法及び手続によって運用し、良好に使用することができる状態に維持し、並びに科学及び技術の進歩に合わせて進歩していくようにしなければならない。
3 構成国は、その管轄の範囲内において、第一八六号の通信路及び設備を保護する。
4 すべての構成国は、特別の取極による別段の定めがある場合を除くほか、その管理の範囲内にある国際電気通信回線の部分の維持を確保するために有用な措置をとる。
構成国は、すべての種類の電気機器及び電気設備の運用が他の構成国の管轄内にある電気通信設備の運用を混乱させることを防ぐため、実行可能な措置をとることの必要性を認める。

第三十九条 違反の通報
構成国は、第六条の規定の適用を容易にするため、この憲章、条約及び業務規則に対する違反に関し、相互に通報し、必要な場合には、援助することを約束する。

第四十条 人命の安全に関する電気通信の優先順位
国際電気通信業務は、海上、陸上、空中及び宇宙空間における人命の安全に関するすべての電気通信並びに世界保健機関の伝染病に関する特別に緊急な電気通信に対し、絶対的優先順位を与えなければならない。

第四十一条 官用電気通信の優先順位
前条及び第四十六条の規定に従うことを条件として、官用電気通信(附属書第一〇一四号参照)は、当事者が特に請求したときは、可能な範囲で、他の電気通信に対して優先順位を有する。

第四十二条 特別取極
構成国は、構成国全体には関係しない電気通信の問題について特別取極を締結する権能を、自国のため並びに認められた事業体及び正当に許可されたその他の事業体のために留保する。ただし、特別取極は、その実施によって、他の構成国の無線通信業務に生じさせ得る有害な混信に関して及び、一般に、他の構成国のその他の電気通信業務の運用に生じさせ得る技術的な支障に関しては、この憲章、条約及び業務規則に抵触してはならない。

第四十三条 地域的会議、地域的取極及び地域的機関
構成国は、地域的に取り扱うことができる電気通信の問題を解決するため、地域的会議を開催し、地域的取極を締結し、及び地域的機関を設置する権利を留保する。地域的取極は、この憲章又は条約に抵触してはならない。

第七章 無線通信に関する特別規定

第四十四条 無線周波数スペクトルの使用及び対地静止衛星軌道その他の衛星軌道の使用
1 構成国は、使用する周波数の数及びスペクトル幅を、必要な業務の運用を十分に確保するために欠くことができない最小限度にとどめるよう努める。このため、構成国は、改良された最新の技術をできる限り速やかに適用するよう努める。
2 構成国は、無線通信のための周波数帯の使用に当たっては、無線周波数及び関連する軌道(対地静止衛星軌道を含む。)が有限な天然資源であることに留意するものとし、また、これらを各国又はその集団が公平に使用することができるように、開発途上国の特別な必要性及び特定の国の地理的事情を考慮して、無線通信規則に従って合理的、効果的かつ経済的に使用しなければならないことに留意する。

第四十五条 有害な混信
1 すべての局は、その目的のいかんを問わず、他の構成国、認められた事業体その他正当に許可を得て、かつ、無線通信規則に従って無線通信業務を行う事業体の無線通信又は無線業務に有害な混信を生じさせないように設置し及び運用しなければならない。
2 各構成国は、認められた事業体その他正当に許可を得て無線通信業務を行う事業体に第一九七号の規定を遵守させることを約束する。
3 構成国は、また、すべての種類の電気機器及び電気設備の運用が第一九七号の無線通信又は無線業務に有害な混信を生じさせることを防ぐため、実行可能な措置をとることの必要性を認める。

第四十六条 遭難の呼出し及び通報
無線通信の局は、遭難の呼出し及び通報を、いずれから発せられたかを問わず、絶対的優位順位において受信し、同様にこの通報に応答し、及び直ちに必要な措置をとる義務を負う。

第四十七条 虚偽の遭難信号、緊急信号、安全信号又は識別信号
構成国は、虚偽の遭難信号、緊急信号、安全信号又は識別信号の伝送又は流布を防ぐために有用な措置をとること並びにこれらの信号を発射する自国の管轄の下にある局を探知し及び識別するために協力することを約束する。

第四十八条 国防機関の設備
1 構成国は、軍用無線設備について、完全な自由を保有する。
2 もっとも、第二〇二号の設備は、遭難の場合において行う救助に関する規定、有害な混信を防ぐためにとる措置に関する規定並びに使用する発射の型式及び周波数に関する業務規則の規定を、当該設備が行う業務の性質に従って、できる限り遵守しなければならない。
3 第二〇二号の設備は、また、公衆通信業務その他業務規則によって規律される業務に参加するときは、原則として、これらの業務に適用される規定に従わなければならない。

第八章 国際連合その他の国際機関及び非構成国との関係

第四十九条 国際連合との関係
国際連合と国際電気通信連合との関係は、これらの機関の間で締結された協定で定める。

第五十条 その他の国際機関との関係
連合は、電気通信の分野における完全な国際的調整の実現に資するため、利害関係を有し又は関連する活動を行う国際機関と協力すべきである。

第五十一条 非構成国との関係
すべての構成国は、構成国でない国と電気通信を交換することを認める条件を定める権能を、自国のため及び認められた事業体のために留保する。構成国でない国から発する電気通信が構成国によって受信されたときは、その通信は、伝送されなければならず、また、当該通信が構成国の通信路を経由する限り、この憲章、条約及び業務規則の義務的規定並びに通常の料金の適用を受ける。

第九章 最終規定

第五十二条 批准、受諾又は承認
1 この憲章及び条約は、署名構成国により、自国の憲法上の規定に従って、単一の文書の形式で、同時に批准され、受諾され又は承認されなければならない。この文書は、できる限り速やかに事務総局長に寄託するものとし、事務総局長は、各文書の寄託を構成国に通報する。
2 
(1) この憲章及び条約の効力発生の日から起算して二年の期間中、署名構成国は、第二〇八号の規定に従って批准書、受諾書又は承認書を寄託していない 場合にも、第二五号から第二八号までの規定により構成国に与えられる権利を有する。
(2) この憲章及び条約の効力発生の日から起算して二年の期間の満了後は、第二〇八号の規定に従って批准書、受諾書又は承認書を寄託していない署名構成国は、これらの文書のうちいずれかのものを寄託しない限り、連合のいかなる会議、理事会のいかなる会期、連合の各部門のいかなる会合又はこの憲章及び条約に従い通信によって行われるいかなる協議においても、投票する資格を有しない。もっとも、この構成国の投票権以外の権利は、影響を受けない。
3 第五十八条の規定に従ってこの憲章及び条約が効力を生じた後は、批准書、受諾書又は承認書は、事務総局長に寄託した日に効力を生ずる。

第五十三条 加入
1 この憲章及び条約に署名しなかった構成国又は第二条の(b)若しくは(c)の適用を受けるその他の国は、当該その他の国については同条の規定に従うことを条件として、いつでもこの憲章及び条約に加入することができる。加入は、この憲章及び条約の双方を対象とする単一の文書の形式で同時に行う。
2 加入書は、事務総局長に寄託する。事務総局長は、加入書を受領したときは直ちにこれを構成国に通報し、その認証謄本を構成国に送付する。
3 第五十八条の規定に従ってこの憲章及び条約が効力を生じた後は、加入書は、別段の表示がない限り、事務総局長に寄託した日に効力を生ずる。

第五十四条 業務規則
1 第四条に規定する業務規則は、拘束力を有する国際的な文書であり、また、この憲章及び条約の規定に適合するものでなければならない。
2 前二条の規定に従って行うこの憲章及び条約の批准、受諾若しくは承認又はこれらの文書への加入は、権限のある世界会議がこの憲章及び条約の署名の日前に採択した業務規則に拘束されることについての同意をも含む。この同意は、業務規則又はその改正の署名の際に付した留保が批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託の時に維持されている限度において、当該留保を害するものではない。
 第二一六号に規定する業務規則は、第八九号及び第一四六号の規定を適用して採択され、効力を生ずることがある改正に従うことを条件として、効力を有する。業務規則の一部改正又は全部改正は、その改正の効力発生前にその改正に拘束されることについて同意する旨を事務総局長に通告した構成国についてのみ、その改正に定める日に効力を生ずる。
 構成国は、業務規則の一部改正又は全部改正に拘束されることについての同意を、その改正の批准書、受諾書、承認書若しくは加入書を事務総局長に寄託することにより、又はその改正に拘束されることについての同意を事務総局長に通告することによって表明する。
 構成国は、また、次条又は条約第四十二条の規定に従って行うこの憲章又は条約の改正の批准、受諾若しくは承認又はこれらへの加入が、この憲章又は条約の改正の署名前に権限のある会議が採択した業務規則の一部改正又は全部改正に自国が拘束されることについての同意をも含む旨通告することができる。第二一七 B 号に規定する通告は、構成国によるこの憲章又は条約の改正の批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託の時に行う。
 業務規則の改正は、その改正に署名した構成国であって、第二一七 A 号及び第二一七 B 号の規定に従いその改正に拘束されることについての同意を事務総局長に通告しなかったものについては、その改正の効力発生の日から暫定的に適用する。ただし、当該構成国がその改正の署名の際に反対する場合は、この限りでない。
4 第二一七 D 号に規定する暫定的な適用は、構成国が業務規則の改正に拘束されることについての同意に関する決定を事務総局長に通告するときまで継続する。
削除
 構成国が、業務規則の改正の効力発生の日から起算して三十六箇月の期間内に、その改正に拘束されることについての同意に関する決定を第二一八号の規定に基づいて事務総局長に通告しない場合には、当該構成国は、当該改正に拘束されることについて同意したものとみなす。
 第二一七 D 号に規定する暫定的な適用又は拘束されることについての第二二一 A 号に規定する同意は、業務規則の改正の署名の際に関係構成国が付した留保を害するものではない。関係構成国が、拘束されることについて第二一六 A号、第二一七 A 号、第二一七 B 号及び第二一八号に規定する同意を事務総局長に通告する場合において、業務規則又はその改正の署名の際に付した留保を維持するときは、当該同意は、当該留保を害するものではない。
7 事務総局長は、この条の規定により受領した通告を速やかに構成国に通報する。

第五十五条 この憲章の改正に関する規定
1 構成国は、この憲章の改正を提案することができる。その提案は、すべての構成国への送付及びすべての構成国による検討が十分な余裕をもって行われ得るように、全権委員会議の開会の日の遅くとも八箇月前に、事務総局長に到着しなければならない。事務総局長は、できる限り速やかに、かつ、全権委員会議の開会の日の遅くとも六箇月前に、当該提案をすべての構成国の情報のために公表する。
2 もっとも、第二二四号の規定に従って提出された改正案に対する修正案については、構成国又は全権委員会議におけるその代表団は、これをいつでも提出することができる。
3 全権委員会議の本会議においてこの憲章の改正案又はこれに対する修正案を審議する場合には、全権委員会議に派遣された代表団の二分の一を超える代表団が出席していなければならない。
4 この憲章の改正案に対する修正案及び改正案全体(修正されたものであるかないかを問わない。)は、採択されるためには、本会議において、全権委員会議に派遣されかつ投票権を有する代表団の少なくとも三分の二によって承認されなければならない。
5 第二二四号から第二二七号までに特に規定する場合を除くほか、連合の会議、総会及び会合の一般規則を適用する。
6 全権委員会議が採択したこの憲章のすべての改正は、全体として、かつ、単一の改正文書の形式で、当該全権委員会議が定めた日に、この憲章及び当該改正文書の批准書、受諾書、承認書又は加入書をその日前に寄託した構成国の間において効力を生ずる。当該改正文書の一部のみの批准、受諾若しくは承認又はこれへの加入は、認めない。
7 事務総局長は、改正文書の批准書、受諾書、承認書又は加入書の寄託をすべての構成国に通報する。
8 改正文書の効力発生の後に行われる第五十二条及び第五十三条の規定による批准、受諾、承認又は加入は、改正された憲章に対して行われるものとする。
9 事務総局長は、改正文書の効力発生の後、国際連合憲章第百二条の規定により、当該改正文書を国際連合事務局に登録する。第二四一号の規定は、改正文書について準用する。

第五十六条 紛争の解決
1 構成国は、この憲章、条約又は業務規則の解釈又は適用に関する問題の紛争を、交渉によって、外交上の経路によって、国際紛争の解決のために締結する二国間若しくは多数国間の条約で定める手続によって又は合意により定めることのできるその他の方法によって解決することができる。
2 第二三三号に定めるいずれの解決方法も採用されなかったときは、紛争当事者である構成国は、条約で定める手続に従って、紛争を仲裁に付することができる。
3 この憲章、条約及び業務規則に係る紛争の義務的解決に関する選択議定書は、当該選択議定書の締約国である構成国の間において適用する。

第五十七条 この憲章及び条約の廃棄
1 この憲章及び条約を批准し、受諾し、承認し又はこれらに加入した構成国は、これらを廃棄する権利を有する。この憲章及び条約を廃棄する場合には、事務総局長にあてた通告により、単一の文書の形式で、同時に廃棄する。事務総局長は、その通告を受領したときは、これを他の構成国に通報する。
2 廃棄は、事務総局長が通告を受領した日から一年の期間が満了した時に効力を生ずる。

第五十八条 効力発生及び関係事項
1 追加全権委員会議(千九百九十二年ジュネーブ)によって採択されたこの憲章及び条約は、千九百九十四年七月一日に、批准書、受諾書、承認書又は加入書を同日前に寄託した構成国の間において効力を生ずる。
2 この憲章及び条約は、第二三八号に定める効力発生の日に、この憲章及び条約の締約国の間においては、ナイロビ国際電気通信条約(千九百八十二年)を廃止し、これに代わる。
3 連合の事務総局長は、国際連合憲章第百二条の規定により、この憲章及び条約を国際連合事務局に登録する。
4 英語、アラビア語、中国語、スペイン語、フランス語及びロシア語で作成されたこの憲章及び条約の原本は、連合に寄託保存する。事務総局長は、各署名構成国に対し、要請された言語により、認証謄本一通を送付する。
5 この憲章及び条約の各言語による条約文の間に矛盾がある場合には、フランス文による。
以上の証拠として、下名の全権委員は、この国際電気通信連合憲章の原本及び国際電気通信連合条約の原本に署名した。
千九百九十二年十二月二十二日にジュネーブで作成した。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1293年(正応6)南北朝時代の公卿・武将・学者北畠親房の誕生日(新暦3月8日)詳細
1634年(寛永11)江戸幕府が、各藩邸から出動して江戸市内の消火にあたる大名火消を設置する(新暦2月26日)詳細
1905年(明治38)週刊「平民新聞」第64号が赤字で発行され、「終刊の辞」が掲載されて廃刊となる詳細
1944年(昭和19)「中央公論」、「改造」の編集者が検挙され、横浜事件の一つ「中央公論・改造事件」の発端となる詳細
1946年(昭和21)GHQが「日本の行政権の行使に関する範囲の指令」(SCAPIN-677)を出す詳細
1991年(平成3)小説家井上靖の命日詳細
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 今日は、昭和時代中期の1946年(昭和21)に、「国際連合教育科学文化機関憲章(ユネスコ憲章)」が発効した日です。
 国際連合教育科学文化機関憲章(ユネスコ憲章)は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の精神・目的・任務・組織などを定めたものでした。第2次大戦中ロンドンに亡命していた諸国政府(ベルギー、チェコスロバキア、フランス、ギリシア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ユーゴスラビア)の文部大臣によって、1942年(昭和17)に開催された連合国文相会議が戦争の破壊と荒廃によってもたらされる教育上の諸問題を検討したことに端を発し、1945年(昭和20)11月に国際連合教育文化会議が招集され44ヶ国が出席して起草、採択します。
 前文と15ヶ条からなり、前文では、①戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。②文化の広い普及と、正義・自由・平和のための人類の教育は、神聖な義務である。③世界の人々の教育・科学・文化上の関係を通じて、国際平和と人類の共通の福祉という目的をおし進めるために、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)を創設するとし、各条文でその目的・任務・組織などを定めたものでした。この憲章は、1946年(昭和21)11月4日に発効し、同年12月には、国連の専門機関(本部はパリ)として発足します。
 以下に、国際連合教育科学文化機関憲章(ユネスコ憲章)の英語版と日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇国連教育科学文化機関(こくれんきょういくかがくぶんかきかん)とは?

 国際連合の専門機関の一つて、United Nations Educational,Scientific and Cultural Organizationの略称として「UNESCO(ユネスコ)」と呼ばれています。
 第2次世界大戦中の1942年(昭和17)にロンドンで開催された連合国文部大臣会議で教育、文化に関する国際機関の設立が検討されたことが発足の端緒となりました。第2次世界大戦後の1945年(昭和20)11月にイギリスのロンドンで開かれた国際連合教育文化会議で44ヶ国代表により「ユネスコ憲章」が採択され、翌年11月4日に発効、同年12月には国連の専門機関(本部はパリ)として発足します。
 教育、科学、文化の普及と交流を通じて諸国民間の理解と認識を深め、協力関係を促進し、それによって国際間の平和と安全を確保することを目的としました。日本は国連加盟に先だって、1951年(昭和26)7月2日に加盟国となりましたが、現在の加盟国は195ヶ国、準加盟地域9と増加しています。
 各国の政府機関や民間団体とユネスコの事業との協力を図るため、各国にユネスコ国内委員会が設置され、識字教育、文化財保護、生物圏保全、人権推進、平和教育など多方面で活動してきました。

〇「国際連合教育科学文化機関憲章」(ユネスコ憲章)/The Constitution of UNESCO 英語版

UNESCO Constitution

UNESDOC - (PDF) English - Français - Español - Russian - Arabic - Chinese

 The Constitution of UNESCO, signed on 16 November 1945, came into force on 4 November 1946 after ratification by twenty countries: Australia, Brazil, Canada, China, Czechoslovakia, Denmark, Dominican Republic, Egypt, France, Greece, India, Lebanon, Mexico, New Zealand, Norway, Saudi Arabia, South Africa, Turkey, United Kingdom, United States.
 Constitution of the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization
 Adopted in London on 16 November 1945 and amended by the General Conference at its 2nd, 3rd, 4th, 5th, 6th, 7th, 8th, 9th, 10th, 12th, 15th, 17th, 19th, 20th, 21st, 24th, 25th, 26th, 27th, 28th, 29th, 31st and 40th sessions.
 The Governments of the States Parties to this Constitution on behalf of their peoples declare:
 That since wars begin in the minds of men, it is in the minds of men that the defences of peace must be constructed;
 That ignorance of each other’s ways and lives has been a common cause, throughout the history of mankind, of that suspicion and mistrust between the peoples of the world through which their differences have all too often broken into war;
 That the great and terrible war which has now ended was a war made possible by the denial of the democratic principles of the dignity, equality and mutual respect of men, and by the propagation, in their place, through ignorance and prejudice, of the doctrine of the inequality of men and races;
 That the wide diffusion of culture, and the education of humanity for justice and liberty and peace are indispensable to the dignity of man and constitute a sacred duty which all the nations must fulfil in a spirit of mutual assistance and concern;
 That a peace based exclusively upon the political and economic arrangements of governments would not be a peace which could secure the unanimous, lasting and sincere support of the peoples of the world, and that the peace must therefore be founded, if it is not to fail, upon the intellectual and moral solidarity of mankind.
 For these reasons, the States Parties to this Constitution, believing in full and equal opportunities for education for all, in the unrestricted pursuit of objective truth, and in the free exchange of ideas and knowledge, are agreed and determined to develop and to increase the means of communication between their peoples and to employ these means for the purposes of mutual understanding and a truer and more perfect knowledge of each other’s lives;
 In consequence whereof they do hereby create the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization for the purpose of advancing, through the educational and scientific and cultural relations of the peoples of the world, the objectives of international peace and of the common welfare of mankind for which the United Nations Organization was established and which its Charter proclaims.

Article I  Purposes and functions

1. The purpose of the Organization is to contribute to peace and security by promoting collaboration among the nations through education, science and culture in order to further universal respect for justice, for the rule of law and for the human rights and fundamental freedoms which are affirmed for the peoples of the world, without distinction of race, sex, language or religion, by the Charter of the United Nations.
2. To realize this purpose the Organization will:
 (a) Collaborate in the work of advancing the mutual knowledge and understanding of peoples, through all means of mass communication and to that end recommend such international agreements as may be necessary to promote the free flow of ideas by word and image;
 (b) Give fresh impulse to popular education and to the spread of culture:
 By collaborating with Members, at their request, in the development of educational activities;
 By instituting collaboration among the nations to advance the ideal of equality of educational opportunity without regard to race, sex or any distinctions, economic or social;
 By suggesting educational methods best suited to prepare the children of the world for the responsibilities of freedom;
 (c) Maintain, increase and diffuse knowledge:
 By assuring the conservation and protection of the world’s inheritance of books, works of art and monuments of history and science, and recommending to the nations concerned the necessary international conventions;
 By encouraging cooperation among the nations in all branches of intellectual activity, including the international exchange of persons active in the fields of education, science and culture and the exchange of publications, objects of artistic and scientific interest and other materials of information;
 By initiating methods of international cooperation calculated to give the people of all countries access to the printed and published materials produced by any of them.
3. With a view to preserving the independence, integrity and fruitful diversity of the cultures and educational systems of the States Members of the Organization, the Organization is prohibited from intervening in matters which are essentially within their domestic jurisdiction.

Article II Membership

1. Membership of the United Nations Organization shall carry with it the right to membership of the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization.
2. Subject to the conditions of the Agreement between this Organization and the United Nations Organization, approved pursuant to Article X of this Constitution, states not members of the United Nations Organization may be admitted to membership of the Organization, upon recommendation of the Executive Board, by a two-thirds majority vote of the General Conference.
3. Territories or groups of territories which are not responsible for the conduct of their international relations may be admitted as Associate Members by the General Conference by a two-thirds majority of Members present and voting, upon application made on behalf of such territory or group of territories by the Member or other authority having responsibility for their international relations. The nature and extent of the rights and obligations of Associate Members shall be determined by the General Conference.
4. Members of the Organization which are suspended from the exercise of the rights and privileges of membership of the United Nations Organization shall, upon the request of the latter, be suspended from the rights and privileges of this Organization.
5. Members of the Organization which are expelled from the United Nations Organization shall automatically cease to be Members of this Organization.
6. Any Member State or Associate Member of the Organization may withdraw from the Organization by notice addressed to the Director-General. Such notice shall take effect on 31 December of the year following that during which the notice was given. No such withdrawal shall affect the financial obligations owed to the Organization on the date the withdrawal takes effect. Notice of withdrawal by an Associate Member shall be given on its behalf by the Member State or other authority having responsibility for its international relations.
7. Each Member State is entitled to appoint a Permanent Delegate to the Organization.
8. The Permanent Delegate of the Member State shall present his credentials to the Director-General of the Organization, and shall officially assume his duties from the day of presentation of his credentials.

Article III Organs

 The Organization shall include a General Conference, an Executive Board and a Secretariat.

Article IV The General Conference

 A. Composition
1. The General Conference shall consist of the representatives of the States Members of the Organization. The Government of each Member State shall appoint not more than five delegates, who shall be selected after consultation with the National Commission, if established, or with educational, scientific and cultural bodies.
 B. Functions
2. The General Conference shall determine the policies and the main lines of work of the Organization. It shall take decisions on programmes submitted to it by the Executive Board.
3. The General Conference shall, when it deems desirable and in accordance with the regulations to be made by it, summon international conferences of states on education, the sciences and humanities or the dissemination of knowledge; non-governmental conferences on the same subjects may be summoned by the General Conference or by the Executive Board in accordance with such regulations.
4. The General Conference shall, in adopting proposals for submission to the Member States, distinguish between recommendations and international conventions submitted for their approval. In the former case a majority vote shall suffice; in the latter case a two-thirds majority shall be required. Each of the Member States shall submit recommendations or conventions to its competent authorities within a period of one year from the close of the session of the General Conference at which they were adopted.
5. Subject to the provisions of Article V, paragraph 6 (c), the General Conference shall advise the United Nations Organization on the educational, scientific and cultural aspects of matters of concern to the latter, in accordance with the terms and procedure agreed upon between the appropriate authorities of the two Organizations.
6. The General Conference shall receive and consider the reports sent to the Organization by Member States on the action taken upon the recommendations and conventions referred to in paragraph 4 above or, if it so decides, analytical summaries of these reports.
7. The General Conference shall elect the members of the Executive Board and, on the recommendation of the Board, shall appoint the Director-General.
 C. Voting
8. (a) Each Member State shall have one vote in the General Conference. Decisions shall be made by a simple majority except in cases in which a two-thirds majority is required by the provisions of this Constitution, or the Rules of Procedure of the General Conference. A majority shall be a majority of the Members present and voting.
 (b) A Member State shall have no vote in the General Conference if the total amount of contributions due from it exceeds the total amount of contributions payable by it for the current year and the immediately preceding calendar year.
 (c) The General Conference may nevertheless permit such a Member State to vote, if it is satisfied that failure to pay is due to conditions beyond the control of the Member State.
 D. Procedure
9. (a) The General Conference shall meet in ordinary session every two years. It may meet in extraordinary session if it decides to do so itself or if summoned by the Executive Board, or on the demand of at least one third of the Member States.
 (b) At each session the location of its next ordinary session shall be designated by the General Conference. The location of an extraordinary session shall be decided by the General Conference if the session is summoned by it, or otherwise by the Executive Board.
10. The General Conference shall adopt its own rules of procedure. It shall at each session elect a President and other officers.
11. The General Conference shall set up special and technical committees and such other subsidiary organs as may be necessary for its purposes.
12. The General Conference shall cause arrangements to be made for public access to meetings, subject to such regulations as it shall prescribe.
 E. Observers
13. The General Conference, on the recommendation of the Executive Board and by a two-thirds majority may, subject to its rules of procedure, invite as observers at specified sessions of the Conference or of its commissions representatives of international organizations, such as those referred to in Article XI, paragraph 4.
14. When consultative arrangements have been approved by the Executive Board for such international non-governmental or semi-governmental organizations in the manner provided in Article XI, paragraph 4, those organizations shall be invited to send observers to sessions of the General Conference and its commissions.

Article V Executive Board 

 A. Composition
1. (a) The Executive Board shall be elected by the General Conference and it shall consist of fifty-eight Member States. The President of the General Conference shall sit ex officio in an advisory capacity on the Executive Board.
 (b) A Member State shall not be eligible as a Member of the Executive Board if the total amount of contributions due from it exceeds the total amount of contributions payable by it for the current year and the immediately preceding calendar year. The General Conference may nevertheless permit such a Member State to be eligible as a Member of the Executive Board if it is satisfied that failure to pay is due to conditions beyond the control of the Member State.
 (c) Elected States Members of the Executive Board are hereinafter referred to as “Members” of the Executive Board.
2. (a) Each Member of the Executive Board shall appoint one representative. It may also appoint alternates.
 (b) In selecting its representative on the Executive Board, the Member of the Executive Board shall endeavour to appoint a person qualified in one or more of the fields of competence of UNESCO and with the necessary experience and capacity to fulfil the administrative and executive duties of the Board. Bearing in mind the importance of continuity, each representative shall be appointed for the duration of the term of the Member of the Executive Board, unless exceptional circumstances warrant his replacement. The alternates appointed by each Member of the Executive Board shall act in the absence of its representative in all his functions.
3. In electing Members to the Executive Board, the General Conference shall have regard to the diversity of cultures and a balanced geographical distribution.
4. (a) Members of the Executive Board shall serve from the close of the session of the General Conference which elected them until the close of the second ordinary session of the General Conference following their election. The General Conference shall, at each of its ordinary sessions, elect the number of Members of the Executive Board required to fill vacancies occurring at the end of the session.
 (b) Members of the Executive Board are eligible for re-election. Re-elected Members of the Executive Board shall endeavour to change their representatives on the Board.
5. In the event of the withdrawal from the Organization of a Member of the Executive Board, its term of office shall be terminated on the date when the withdrawal becomes effective.
 B. Functions
6. (a) The Executive Board shall prepare the agenda for the General Conference. It shall examine the programme of work for the Organization and corresponding budget estimates submitted to it by the Director-General in accordance with paragraph 3 of Article VI and shall submit them with such recommendations as it considers desirable to the General Conference.
 (b) The Executive Board, acting under the authority of the General Conference, shall be responsible for the execution of the programme adopted by the Conference. In accordance with the decisions of the General Conference and having regard to circumstances arising between two ordinary sessions, the Executive Board shall take all necessary measures to ensure the effective and rational execution of the programme by the Director-General.
 (c) Between ordinary sessions of the General Conference, the Board may discharge the functions of adviser to the United Nations, set forth in Article IV, paragraph 5, whenever the problem upon which advice is sought has already been dealt with in principle by the Conference, or when the solution is implicit in decisions of the Conference.
7. The Executive Board shall recommend to the General Conference the admission of new Members to the Organization.
8. Subject to decisions of the General Conference, the Executive Board shall adopt its own rules of procedure. It shall elect its officers from among its Members.
9. The Executive Board shall meet in regular session at least four times during a biennium and may meet in special session if convoked by the Chairman on his initiative or upon the request of six Members of the Executive Board.
10. The Chairman of the Executive Board shall present, on behalf of the Board, to the General Conference at each ordinary session, with or without comments, the reports on the activities of the Organization which the Director-General is required to prepare in accordance with the provisions of Article VI.3 (b).
11. The Executive Board shall make all necessary arrangements to consult the representatives of international organizations or qualified persons concerned with questions within its competence.
12. Between sessions of the General Conference, the Executive Board may request advisory opinions from the International Court of Justice on legal questions arising within the field of the Organization’s activities.
13. The Executive Board shall also exercise the powers delegated to it by the General Conference on behalf of the Conference as a whole.
 C. Voting rights
14 (a) Each Member of the Executive Board shall have one vote.
 (b) A Member State shall have no vote if the total amount of contributions due from it exceeds the total amount of contributions payable by it for the current year and the immediately preceding calendar year. The General Conference may nevertheless permit such a Member State to vote if it is satisfied that failure to pay is due to conditions beyond the control of the Member State.

Article VI Secretariat

1. The Secretariat shall consist of a Director-General and such staff as may be required.
2. The Director-General shall be nominated by the Executive Board and appointed by the General Conference for a period of four years, under such conditions as the Conference may approve. The Director-General may be appointed for a further term of four years but shall not be eligible for reappointment for a subsequent term. The Director-General shall be the chief administrative officer of the Organization.
3.(a) The Director-General, or a deputy designated by him, shall participate, without the right to vote, in all meetings of the General Conference, of the Executive Board, and of the Committees of the Organization. He shall formulate proposals for appropriate action by the Conference and the Board, and shall prepare for submission to the Board a draft programme of work for the Organization with corresponding budget estimates.
 (b) The Director-General shall prepare and communicate to Member States and to the Executive Board periodical reports on the activities of the Organization. The General Conference shall determine the periods to be covered by these reports.
4. The Director-General shall appoint the staff of the Secretariat in accordance with staff regulations to be approved by the General Conference. Subject to the paramount consideration of securing the highest standards of integrity, efficiency and technical competence, appointment to the staff shall be on as wide a geographical basis as possible.
5. The responsibilities of the Director-General and of the staff shall be exclusively international in character. In the discharge of their duties they shall not seek or receive instructions from any government or from any authority external to the Organization. They shall refrain from any action which might prejudice their positions as international officials. Each State Member of the Organization undertakes to respect the international character of the responsibilities of the Director-General and the staff, and not to seek to influence them in the discharge of their duties.
6. Nothing in this Article shall preclude the Organization from entering into special arrangements within the United Nations Organization for common services and staff and for the interchange of personnel.

Article VII National cooperating bodies

1. Each Member State shall make such arrangements as suit its particular conditions for the purpose of associating its principal bodies interested in educational, scientific and cultural matters with the work of the Organization, preferably by the formation of a National Commission broadly representative of the government and such bodies.
2. National Commissions or National Cooperating Bodies, where they exist, shall act in an advisory capacity to their respective delegations to the General Conference, to the representatives and alternates of their countries on the Executive Board and to their Governments in matters relating to the Organization and shall function as agencies of liaison in all matters of interest to it.
3. The Organization may, on the request of a Member State, delegate, either temporarily, a member of its Secretariat to serve on the National Commission of that state, in order to assist in the development of its work.

Article VIII Reports by Member States

 Each Member State shall submit to the Organization, at such times and in such manner as shall be determined by the General Conference, reports on the laws, regulations and statistics relating to its educational, scientific and cultural institutions and activities, and on the action taken upon the recommendations and conventions referred to in Article IV, paragraph 4.

Article IX Budget

1. The budget shall be administered by the Organization.
2. The General Conference shall approve and give final effect to the budget and to the apportionment of financial responsibility among the States Members of the Organization subject to such arrangement with the United Nations as may be provided in the agreement to be entered into pursuant to Article X.
3. The Director-General may accept voluntary contributions, gifts, bequests and subventions directly from governments, public and private institutions, associations and private persons, subject to the conditions specified in the Financial Regulations.

Article X Relations with the United Nations Organization

 This Organization shall be brought into relation with the United Nations Organization, as soon as practicable, as one of the specialized agencies referred to in Article 57 of the Charter of the United Nations. This relationship shall be effected through an agreement with the United Nations Organization under Article 63 of the Charter, which agreement shall be subject to the approval of the General Conference of this Organization. The agreement shall provide for effective cooperation between the two Organizations in the pursuit of their common purposes, and at the same time shall recognize the autonomy of this Organization, within the fields of its competence as defined in this Constitution. Such agreement may, among other matters, provide for the approval and financing of the budget of the Organization by the General Assembly of the United Nations.

Article XI Relations with other specialized international organizations and agencies 

1. This Organization may cooperate with other specialized intergovernmental organizations and agencies whose interests and activities are related to its purposes. To this end the Director- General, acting under the general authority of the Executive Board, may establish effective working relationships with such organizations and agencies and establish such joint committees as may be necessary to assure effective cooperation. Any formal arrangements entered into with such organizations or agencies shall be subject to the approval of the Executive Board.
2. Whenever the General Conference of this Organization and the competent authorities of any other specialized intergovernmental organizations or agencies whose purpose and functions lie within the competence of this Organization deem it desirable to effect a transfer of their resources and activities to this Organization, the Director-General, subject to the approval of the Conference, may enter into mutually acceptable arrangements for this purpose.
3. This Organization may make appropriate arrangements with other intergovernmental organizations for reciprocal representation at meetings.
4. The United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization may make suitable arrangements for consultation and cooperation with non-governmental international organizations concerned with matters within its competence, and may invite them to undertake specific tasks. Such cooperation may also include appropriate participation by representatives of such organizations on advisory committees set up by the General Conference.

Article XII Legal status of the Organization

 The provisions of Articles 104 and 105 of the Charter of the United Nations Organization concerning the legal status of that Organization, its privileges and immunities, shall apply in the same way to this Organization.

Article XIII Amendments

1. Proposals for amendments to this Constitution shall become effective upon receiving the approval of the General Conference by a two-thirds majority; provided, however, that those amendments which involve fundamental alterations in the aims of the Organization or new obligations for the Member States shall require subsequent acceptance on the part of two thirds of the Member States before they come into force. The draft texts of proposed amendments shall be communicated by the Director-General to the Member States at least six months in advance of their consideration by the General Conference.
2. The General Conference shall have power to adopt by a two-thirds majority rules of procedure for carrying out the provisions of this Article.

 Article XIV Interpretation

1. The English and French texts of this Constitution shall be regarded as equally authoritative.
2. Any question or dispute concerning the interpretation of this Constitution shall be referred for determination to the International Court of Justice or to an arbitral tribunal, as the General Conference may determine under its Rules of Procedure.

Article XV Entry into force

1. This Constitution shall be subject to acceptance. The instrument of acceptance shall be deposited with the Government of the United Kingdom.
2. This Constitution shall remain open for signature in the archives of the Government of the United Kingdom. Signature may take place either before or after the deposit of the instrument of acceptance. No acceptance shall be valid unless preceded or followed by signature. However, a state that has withdrawn from the Organization shall simply deposit a new instrument of acceptance in order to resume membership.
3. This Constitution shall come into force when it has been accepted by twenty of its signatories. Subsequent acceptances shall take effect immediately.
4. The Government of the United Kingdom will inform all Members of the United Nations and the Director-General of the receipt of all instruments of acceptance and of the date on which the Constitution comes into force in accordance with the preceding paragraph.

 In faith whereof, the undersigned, duly authorized to that effect, have signed this Constitution in the English and French languages, both texts being equally authentic.
 Done in London the sixteenth day of November, one thousand nine hundred and forty-five, in a single copy, in the English and French languages, of which certified copies will be communicated by the Government of the United Kingdom to the Governments of all the Members of the United Nations.

<日本語訳>

前文

 この憲章の当事国政府は、その国民に代って次のとおり宣言する。
 戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
 相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。
 ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。
 文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。
 政府の政治的及び経済的取極のみに基く平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。
 これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の充分で平等な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに探究され、且つ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を発展させ及び増加させること並びに相互に理解し及び相互の生活を一層真実に一層完全に知るためにこの伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。
 その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、且つその憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。

第1条 目的及び任務

1 この機関の目的は、国際連合憲章が世界の諸人民に対して人種、性、言語又は宗教の差別なく確認している正義、法の支配、人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献することである。
2 この目的を実現するために、この機関は、次のことを行う。
(a)大衆通報(マス・コミュニケーション)のあらゆる方法を通じて諸人民が相互に知り且つ理解することを促進する仕事に協力すること並びにこの目的で言語及び表象による思想の自由な交流を促進するために必要な国際協定を勧告すること。
(b)次のようにして一般の教育と文化の普及とに新しい刺激を与えること。
   加盟国の要請によって教育事業の発展のためにその国と協力すること。
   人種、性又は経済的若しくは社会的な差別にかかわらない教育の機会均等の理想を進めるために、諸国民の間における協力の関係をつくること。
   自由の責任に対して世界の児童を準備させるのに最も適した教育方法を示唆すること。
(c)次のようにして知識を維持し、増進し、且つ、普及すること。
  世界の遺産である図書、芸術作品並びに歴史及び科学の記念物の保存及び保護を確保し、且つ、関係諸国民に対して必要な国際条約を勧告すること。
教育、科学及び文化の分野で活動している人々との国際的交換並びに出版物、芸術的及び科学的に意義のある物その他の参考資料の交換を含む知的活動のすべての部門における諸国民の間の協力を奨励すること。
いずれの国で作成された印刷物及び刊行物でもすべての国の人民が利用できるようにする国際協力の方法を発案すること。
3 この機関の加盟国の文化及び教育制度の独立、統一性及び実りの多い多様性を維持するために、この機関は、加盟国の国内管轄権に本質的に属する事項に干渉することを禁止される。

第2条 加盟国の地位

1 国際連合の加盟国の地位は、国際連合教育科学文化機関の加盟国となる権利を伴う
2 この憲章の第10条によって承認されるべきこの機関と国際連合との間の協定の条件に従うことを条件として、国際連合の加盟国でない国は、執行委員会の勧告に基き、総会の三分の二の多数の投票でこの機関の加盟国となることを認められることができる。
3 国際関係の処理について責任を負わない地域又は地域群は、その国際関係について責任を負う加盟国その他の当局が当該地域又は地域群に代って行った申請に基き、総会が、出席し且つ投票する加盟国の三分の二の多数によって準加盟国として認めることができる。準加盟国の権利及び義務の性質及び範囲は、総会が決定する。
4 この機関の加盟国で国際連合の加盟国の権利及び特権の行使を停止されたものは、国際連合の要請に基き、この機関の加盟国の権利及び特権を停止される。
5 この機関の加盟国で国際連合から除名されたものは、自動的にこの機関の加盟国ではなくなる。
6 機関の加盟国又は準加盟国は、事務局長にあてた通告により機関から脱退することができる。この通告は、それが行われた年の翌年の12月31日に効力を生ずる。このような脱退は、それが効力を生じた日に機関に対して負っている財政上の義務に影響を及ぼすものではない。準加盟国の脱退の勧告は、その準加盟国の国際関係について責任を負う加盟国その他の当局がその準加盟国に代って行う。
7 各加盟国は、この機関に対する常駐代表を任命する権利がある。
8 加盟国の常任代表は、この機関の事務局長に信任状を提出しなければならず、信任状提出の日から公式に職務を遂行する。

第3条 諸機関

 この機関は、総会、執行委員会及び事務局をもつ。

第4条 総会

 A 構成
1 総会は、この機関の加盟国の代表者で構成する。各加盟国の政府は、国内委員会が設立されているときはこれと、国内委員会が設立されていないときは教育、科学及び文化に関する諸団体と、それぞれ協議して選定する5人以内の代表を任命しなければならない。
 B 任務
2 総会は、この機関の政策と事業の主要な方針を決定する。総会は、執行委員会が提出した計画についての決定をする。
3 総会は、望ましいと認めるときは、総会が定める規則に従い、教育、科学、人文学又は知識の普及に関する国家間の国際会議を召集する。同様の議題に関する非政府機関間の会議は、総会又は執行委員会が前記の規則に従い召集することができる。
4 総会は、加盟国に提出する提案の採択に当り、勧告と加盟国の承認を得るために提出される国際条約とを区別しなければならない。前者の場合には、過半数の投票で足りるが、後者の場合には、三分の二の多数を必要とする。各加盟国は、勧告又は条約が採択された総会の閉会後1年の期間内に、その勧告又は条約を自国の権限のある当局に提出しなければならない。
5 総会は、第5条6(c)の規定に従うことを条件として、国際連合が関心を有する事項の教育、科学及び文化に関する面について、この機関と国際連合との適当な当局の間で合意した条件及び手続に従い、国際連合に助言する。
6 総会は、加盟国が4に規定する勧告及び条約に基いてとった措置に関しこの機関に送付する報告書又は総会が決定するときはその報告書の分析的概要を受領し及び検討する。
7 総会は、執行委員会の委員を選挙し、且つ、執行委員会の勧告に基いて、事務局長を任命する。
 C 表決

(a)各加盟国は、総会において一の投票権を有する。決定は、この憲章又は総会の手続規則の規定によって三分の二の多数を必要とする場合を除き、単純過半数によって行う。過半数とは、出席し且つ投票する加盟国の過半数とする。
(b)加盟国は、その国の未払分担金の総額が、当該年度及びその直前の暦年度についてその国が支払うべき分担金の総額をこえるときは、総会で投票権を有しない。
(c)もっとも、総会は、支払の不履行が加盟国にとってやむを得ない事情によるものであると認めたときは、当該加盟国に投票することを許すことができる。
 D 手続

(a)総会は、通常会期として二年ごとに会合する。総会は、自ら決定したとき、執行委員会が召集したとき、又は少なくとも加盟国の三分の一の要求があったときは、臨時会期として会合することができる。
(b)各会期において、次回の通常会期の開催地は、総会が指定する。臨時会期の開催地は、総会がその会期を召集する場合には総会が決定し、その他の場合には執行委員会が決定する。
10 総会は、その手続規則を採択する。総会は、各会期において議長及び他の役員を選挙する。
11 総会は、特別委員会及び技術委員会その他総会の目的のために必要な補助機関を設ける。
12 総会は、その定める規則に従うことを条件として、会合が公開されるように措置しなければならない。
 E オブザーヴァー
13 総会は、執行委員会の勧告に基づき、且つ、三分の二の多数によって、その手続規則に従うことを条件として、総会又はその委員会の特定の会期に第11条第4項に規定されているような国際機関の代表者をオブザーヴァーとして招請することができる。
14 執行委員会が民間の又は準政府的の国際諸機関のために協議に関する取極を第11条第4項に規定されている方法で承認したときは、これらの諸機関は、総会及びその委員会の会期にオブザーヴァーを送ることを勧誘される。
 F 経過規定
15 9(a)の規定にかかわらず、総会は、その第22回会期をその第21回会期の後三年目の年に開催する。

第5条 執行委員会

 A 構成

(a)執行委員会は、総会が選挙した58人の加盟国で構成する。総会議長は、職権により助言的資格で列席する。
(b)選挙された執行委員会の構成国は、以下「執行委員国」という。

(a)各執行委員国は、一人の代表者を任命しなければならない。また、各執行委員国は、代表者代理を任命することが出来る。
(b)執行委員会における代表者を選定するに当たり、執行委員国は、一又は二以上の国際連合教育科学文化機関の権限の分野において資格を有し、かつ、委員会の行政上及び執行上の任務をはたすために必要な経験及び能力を有する者を任命するように努力しなければならない。例外的な事情により代表者の交代が正当なものとなる場合を除くほか、選挙された各構成国の代表者は、継続性が重要であることに留意し、当該選挙された各構成国により任命された代表者代理は、代表者が不在の場合、代表者のすべての任務を行わなければならない。
3  執行委員国を選挙するに当たり、総会は、文化の多様性及び均衡のとれた地理的分布に考慮を払わなければならない。

(a)執行委員会は、自国が選挙された総会の閉会の時からその選挙が行われた後第二回目の総会の通常会期の閉会の時まで在任する。総会は、各通常会期において、当該通常会期の終了の時に生ずる欠員を補充するために必要な数の構成国を選挙する。
(b)執行委員会は、再選されることができる。再選された執行委員国は、執行委員会における自国の代表者を交代されるよう努力しなければならない。
5  執行委員国がこの機関から脱退する場合には、当該執行委員国の任期は、脱退が効力を生じた日に終了する。
 B 任務

(a)執行委員会は、総会の議事日程を準備する。執行委員会は、第6条3に従い事務局長が提出したこの機関の事業計画及びそれに対応する予算見積書を検討し、且つ、これらを望ましいと認める勧告を附して総会に提出する。
(b)総会の権威の下に行動する執行委員会は、総会が採択した計画の実施につき責任を負う。執行委員会は、総会の決定に従い、且つ、通常会期との間に生じた事情を考慮して、事務局長がその計画を有効且つ合理的に実施することができるようにするために必要なすべての措置を執る。
(c)執行委員会は、総会の通常会期と通常会期との間において、助言を求められた問題が総会により既に原則的に処理されているとき、又はその解決が総会の決定の中に含まれていると認められるときは、第4条第5に掲げる国際連合の助言者としての任務を遂行することができる。
7 執行委員会は、新加盟国がこの機関に加入することの承認を総会に勧告する。
8 総会の決定に従うことを条件として、執行委員会はその手続規則を採択する。執行委員会は、その委員の中からその役員を選挙する。
9 執行委員会は、定期会期として毎年少くとも2回会合するものとし、議長がその発意によって又は執行委員会の6人の委員の要請に基いて招集したときは、特別会期として会合することができる。
10 執行委員会議長は、執行委員会を代表して、事務局長が第6条3(b)の規定に従って準備しなければならない機関の活動に関する報告を、見解を付けて、又はこれを付けないで、総会の各通常会期に提出する。
11 執行委員会は、国際機関の代表者又は委員会の権限内の問題にたずさわっている専門家と協議するためのすべての必要な措置を執る。
12 執行委員会は、総会の会期と会期との間においては、この機関の活動の分野において生ずる法律的問題に関して国際司法裁判所の勧告的意見を要請することができる。
13 執行委員会の委員は、各自の政府の代表ではあるが、総会から委任された権限を総会全体に代って行使しなければならない。
 C 経過規定
14 3の規定にかかわらず、
(a)総会の第17回会期前に選挙された委員は、その任期の終了の時まで在任する。
(b)総会の第17回会期前に4の規定に従い執行委員会が4年の任期を有する委員の後継者として任命した委員は、4年の任期で再選されることができる。
第6条 事務局
1 事務局は、事務局長及び必要な職員で構成する。
2 事務局長は、総会が承認する条件で、執行委員会が指名し、四年の任期で総会が任命するものとする。事務局長は、さらに四年の任期につき再任されることができるものとするが、その後は引き続き再任されることはできない。事務局長は、この機関の首席の行政上の役員とする。

(a)事務局長又はその指定する代理者は、総会、執行委員会及びこの機関の諸委員会のすべての会合に投票権なしで参加する。事務局長は、総会及び執行委員会が適当な措置を執るための提案を作成し、並びにこの機関の事業計画案及びこれに対応する予算見積書を執行委員会に提出するため準備するものとする。
(b)事務局長は、機関の活動に関する定期報告を準備し、且つ、加盟国及び執行委員会に送達する。総会は、これらの報告の対象となる期間を決定する。
4 事務局長は、総会が承認する職員規則に従い、事務局職員を任命する。職員の任命は、誠実、能率及び技術的能力の最高水準を確保することに最大の考慮を払うことを条件として、できる限り広い地理的基礎に基いて行わなければならない。
5 事務局長及び職員の責任は、性質上もっぱら国際的なものである。事務局長及び職員は、その任務の遂行に当って、いかなる政府からも又はこの機関外のいかなる権力からも訓令を求め、又は受けてはならない。事務局長及び職員は、国際的役員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動をも慎まなければならない。この機関の各加盟国は、事務局長及び職員の責任の国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者の任務の遂行に当ってこれらの者を左右しようとしないことを約束する。
6 この条のいかなる規定も、国際連合内で、この機関が共通の業務及び兼任の職員並びに職員の交流のための特別の取極を締結することを妨げるものではない。
経過規定
7 2の規定にかかわらず、執行委員会が指名し、1980年の総会が任命する事務局長の任期は、7年とする。

第7条 国内協力団体

1 各加盟国は、教育、科学及び文化の事項にたずさわっている自国の主要な団体をこの機関の事業に参加させるために、その特殊事情に即する措置を執らなければならない。その措置としては、広く政府及びこれらの団体を代表する国内委員会の設立によることが望ましい。
2 国内委員会又は国内協力団体があるところでは、これらは、この機関に関係がある事項について総会における各自国の代表団、執行委員会における各自国の代表者及び代表者代理並びに自国の政府に対して、助言的資格で行動し、かつ、この機関に関係があるすべての事項について連絡機関としての任務を行う。
3 この機関は、加盟国の要請に基いて、その国の国内委員会に対し、その事業の発展を援助するために臨時的に又は恒久的に事務局員一人を派遣することができる。

第8条 加盟国による報告
 各加盟国は、総会が決定する時期に及び様式で、自国の教育、科学及び文化の機関及び活動に関する法令、規則及び統計についての報告書並びに第4条4に規定する勧告及び条約に基いてとった措置についての報告書をこの機関に提出しなければならない。

第9条 予算

1 予算は、この機関の所管とする。
2 総会は、第10条に従って締結される協定で規定されることのある国際連合との取極に従うことを条件として、予算及びこの機関の加盟国に対する財政的負担の割当を承認し、且つ、これに最終的効力を与える。
3 事務局長は、財政規則に定める条件に従うことを条件として、政府、公私の機関、協会及び個人から直接に任意拠出金、贈与、遺贈及び補助金を受けることができる。

第10条 国際連合との関係

 この機関は、国際連合憲章第57条に掲げた専門機関の一として、なるべくすみやかに国際連合と関係をもたされる。この関係は、国際連合憲章第63条に基く国際連合との協定によって設定し、この協定は、この機関の総会の承認を受けなければならない。この協定は、共通の目的を達成するための両機関の間における有効な協力を規定し、同時に、この憲章に定めた権限の範囲内におけるこの機関の自治を承認しなければならない。この協定は、特に国際連合総会によるこの機関の予算の承認及びその財源の提供について規定することができる。

第11条 他の国際専門諸機関との関係

1 この機関は、他の政府間専門諸機関でその関心及び活動がこの機関の目的と関係があるものと協力することができる。このために、執行委員会の全般的権威の下に行動する事務局長は、これらの諸機関と実効的な関係を設定することができ、且つ、有効な協力を確保するために必要な共同委員会を設けることができる。これらの諸機関と締結する正式の取極は、執行委員会の承認を受けなければならない。
2 この機関の総会並びに目的及び任務がこの機関の権限内にある他の政府間専門諸機関の権限のある当局がその資産及び活動をこの機関に移譲することを望ましいと認めるときはいつでも、事務局長は、総会の承認を条件として、この目的のための相互に受諾しうる取極を締結することができる。
3 この機関は、会合に相互に代表を出席させるために他の政府間諸機関と適当な取極をすることができる。
4 国際連合教育科学文化機関は、その権限内の事項にたずさわっている民間の国際諸機関と協議及び協力のための適当な取り極めをすることができ、並びにこれらの諸機関に特定の任務を引き受けるように勧誘することができる。また、このような協力は、総会が設立した助言委員会にこれらの機関の代表者が適当に参加することを含むことができる。

第12条 この機関の法的地位

 国際連合の法的地位並びに特権及び免除に関する国際連合憲章第104条及び第105条の規定は、この機関にも同様に適用される。

第13条 改正

1 この憲章の改正提案は、総会の三分の二の多数によって承認を受けるときに効力を生ずる。但し、この機関の目的の根本的変更又は加盟国に対する新たな義務を伴う改正が効力を生ずるためには、その承認の後に加盟国の三分の二が受諾することを必要とする。改正の提案の案文は、総会による審議の少くとも6箇月前に、事務局長が加盟国に通報しなければならない。
2 総会は、この条の規定を実施するための手続規則を三分の二の多数によって採択する権限を有する。

第14条 解釈

1 この憲章のイギリス語及びフランス語の本文は、ひとしく正文とみなす。
2 この憲章の解釈に関する疑義又は紛争は、総会がその手続規則に基いて決定するところにより、国際司法裁判所又は仲裁裁判に決定のために付託する。

第15条 効力の発生

1 この憲章は、受託を受けなければならない。受諾書は、連合王国政府に寄託しなければならない。
2 この憲章は、連合王国政府の記録に署名のために開放しておく。署名は、受諾書の寄託の前でも後でも行うことができる。受諾は、署名が前に行われているか又は後に行われなければ効力を生じない。
3 この憲章は、署名国のうちの20が受諾したときに効力を生ずる。その後の受諾は、直ちに効力を生ずる。
4 連合王国政府は、すべての受諾書の受領及びこの憲章が前項に従って効力を生ずる日を、国際連合のすべての加盟国に通知する。

 以上の証拠として、下名は、このために正当に委任を受け、イギリス語及びフランス語のこの憲章に署名した。両本文は、ひとしく正文とする。
 1945年11月16日にロンドンにおいてイギリス語およびフランス語で本書一通を作成した。その認証謄本は、連合王国政府が国際連合のすべての加盟国に送付する。

 (以下省略。)
  (署名省略)

     「文部科学省ホームページ」より

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sekaichitekishyoyuukenkikan

 今日は、昭和時代後期の1967年(昭和42)に、「世界知的所有権機関を設立する条約」がストックホルムで調印された日です。
 「世界知的所有権機関を設立する条約(せかいちてきしょゆうけんきかんをせつりつするじょうやく)」は、特許権や実用新案権などの工業所有権や、著作権などの知的所有権の保護や関連条約を管理するために、世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organization:略称WIPO)を設立するための条約でした。1883年(明治16)に知的財産権の保護に関する最初の国際条約「工業所有権の保護に関するパリ条約」が作られ、1886年(明治19)には著作権に関する条約「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」が作られ、1892年(明治25)にはこれら両条約の国際事務局を統合して、世界知的所有権機関の前身である知的所有権保護合同国際事務局 (BIRPI) が設立されます。
 その後長い間その活動が続きましたが、1967年(昭和42)7月14日に、発展的に解消して、「世界知的所有権機関を設立する条約」がストックホルムで調印されました。1970年(昭和45)に同条約が発効したことにより、世界知的所有権機関 (WIPO)が設立され、スイス・ジュネーブに本部を置きます。
 1974年(昭和49)には、国際連合の専門機関となり、知的所有権(工業所有権と著作権)の国際的保護のための活動を行ってきました。定例総会は年1回、臨時総会を年1~2回開催してきましたが、日本は1975年(昭和50)に加盟、2018年(平成30)6月現在の加盟国は191ヶ国となっています。
 以下に、「世界知的所有権機関を設立する条約」の日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「世界知的所有権機関を設立する条約」1967年7月14日にストックホルムで署名 1979年9月28日改正

前文

締約国は,各国の主権及び平等の尊重を基礎として、相互の利益のため,諸国間のよりよき理解及び協力に貢献することを希望し、創作活動を助長するため,全世界にわたつて知的所有権の保護を促進することを希望し、工業所有権の保護並びに文学的及び美術的著作物の保護の分野において設立された各同盟の独立性を十分に尊重しつつ、これらの同盟の管理を近代化しかつ一層効果的なものとすることを希望して、次のとおり協定する。

第1条 機関の設立

この条約により世界知的所有権機関を設立する。

第2条 定義

この条約の適用上,
(i) 「機関」とは,世界知的所有権機関(WIPO)をいう。
(ii) 「国際事務局」とは,知的所有権国際事務局をいう。
(iii) 「パリ条約」とは,1883年3月20日に署名された工業所有権の保護に関する条約及びその改正条約をいう。
(iv) 「ベルヌ条約」とは,1886年9月9日に署名された文学的及び美術的著作物の保護に関する条約及びその改正条約をいう。
(v) 「パリ同盟」とは,パリ条約によつて設立された国際同盟をいう。
(vi) 「ベルヌ同盟」とは,ベルヌ条約によつて設立された国際同盟をいう。
(vii) 「同盟」とは,パリ同盟,パリ同盟に関連して作られた特別の同盟及び協定,ベルヌ同盟並びに知的所有権の保護の促進を目的とする他の国際協定であつて機関が第4条
(iii)の規定に基づきその管理を引き受けるものをいう。
(viii) 「知的所有権」とは,文芸,美術及び学術の著作物,実演家の実演,レコード及び放送,人間の活動のすべての分野における発明,科学的発見,意匠,商標,サービス・マーク及び商号その他の商業上の表示,不正競争に対する保護,に関する権利並びに産業,学術,文芸又は美術の分野における知的活動から生ずる他のすべての権利をいう。

第3条 機関の目的

機関の目的は,次のとおりとする。
(i) 諸国間の協力により,及び適当な場合には他の国際機関との協力により,全世界にわたつて知的所有権の保護を促進すること
(ii) 管理に関する同盟間の協力を確保すること

第4条 任務

第3条に定める目的を達成するため,機関は,その適当な内部機関を通じて,各同盟の権限を侵すことなく,
(i) 全世界にわたつて知的所有権の保護を改善すること及びこの分野における各国の国内法令を調和させることを目的とする措置の採用を促進する。
(ii) パリ同盟,パリ同盟に関連して設立された特別の同盟及びベルヌ同盟の管理業務を行う。
(iii) 知的所有権の保護を促進することを目的とする他の国際協定の管理を引き受けること又はその管理に参加することに同意することができる。
(iv) 知的所有権の保護を促進することを目的とする国際協定の締結を奨励する。
(v) 知的所有権の分野において法律に関する技術援助を要請する国に協力する。
(vi) 知的所有権の保護に関して情報を収集し及び広報活動を行い,この分野における研究を行い及び促進し,並びにその研究の成果を公表する。
(vii) 知的所有権の国際的保護を容易にするための役務を提供し,また,適当な場合には,この分野における登録業務を行い及びその登録に係る事項を公表する。
(viii) その他すべての適当な措置をとる。

第5条 加盟国の地位

(1) 機関の加盟国の地位は,第2条(vii)に定義する同盟のいずれかに属する国に対して開放される。
(2) 機関の加盟国の地位は,いずれの同盟にも属しない国に対しても,次のいずれかのことを条件として開放される。
(i) その国が,国際連合,国際連合と連携関係を有する専門機関若しくは国際原子力機関の加盟国であること又は国際司法裁判所規程の当事国であること。
(ii) その国が,一般総会によりこの条約の締約国となるよう招請された国であること。

第6条 一般総会

(1) (a) いずれかの同盟に属するこの条約の締約国で構成する一般総会を設置する。
(b) 各国の政府は,1人の代表によつて代表されるものとし,代表は,代表代理,顧問及び専門家の補佐を受けることができる。
(c) 各代表団の費用は,その代表団を任命した政府が負担する。
(2) 一般総会は,次のことを行う。
(i) 調整委員会の指名に基づいて事務局長を任命すること
(ii) 事務局長の機関に関する報告を検討し及び承認し,並びに事務局長に対しすべての必要な指示を与えること
(iii) 調整委員会の報告及び活動を検討し及び承認し,並びに調整委員会に対し指示を与えること
(iv) 同盟共通経費の2年予算を採択すること
(v) 第4条(iii)に規定する国際協定の管理に関して事務局長が提案する措置を承認すること
(vi) 機関の財政規則を採択すること
(vii) 国際連合の慣行を考慮して事務局の業務用語を決定すること
(viii) 第5条(2)(ii)の国に対しこの条約の締約国となるよう招請すること
(ix) 機関の加盟国でない国並びに政府間機関及び国際的な非政府機関で一般総会の会合にオブザーバーとして出席することを認められるものを決定すること
(x) その他この条約に基づく必要な任務を遂行すること
(3) (a) 各国は,1の同盟に属するか2以上の同盟に属するかを問わず,一般総会において1の票を有する。
(b) 一般総会の構成国の2分の1をもつて定足数とする。
(c) 一般総会は,(b)の規定にかかわらず,いずれの会期においても,代表を出した国の数が一般総会の構成国の2分の1に満たないが3分の1以上である場合には,決定を行うことができる。ただし,その決定は,一般総会の手続に関する決定を除くほか,次の条件が満たされた場合にのみ効力を生ずる。すなわち,国際事務局は,代表を出さなかつた一般総会の構成国に対し,その決定を通知し,その通知の日から3箇月の期間内に賛否又は棄権を書面によつて表明するよう要請する。その期間の満了の時に,賛否又は棄権を表明した国の数が当該会期の定足数の不足を満たすこととなり,かつ,必要とされる多数の賛成がなお存在する場合には,その決定は,効力を生ずる。
(d) (e)及び(f)の規定が適用される場合を除くほか,一般総会は,投じられた票の3分の2以上の多数による議決で決定を行う。
(e) 第4条(iii)に規定する国際協定の管理に関する措置の承認には,投じられた票の4分の3以上の多数による議決を必要とする。
(f) 国際連合憲章第57条及び第63条の規定に基づく国際連合との協定の承認には,投じられた票の10分の9以上の多数による議決を必要とする。
(g) 事務局長の任命((2)(i)),国際協定の管理に関して事務局長が提案する措置の承認((2)(v))及び本部の移転(第10条)については,一般総会においてのみでなくパリ同盟の総会及びベルヌ同盟の総会においても,それぞれ必要とされる多数の賛成が得られなければならない。
(h) 棄権は,投票とみなさない。
(i) 代表は,1の国のみを代表し,その国の名においてのみ投票することができる。
(4) (a) 一般総会は,事務局長の招集により,2年ごとに1回,通常会期として会合する。
(b) 一般総会は,調整委員会の要請又は一般総会の構成国の4分の1以上の要請があつたときは,事務局長の招集により,臨時会期として会合する。
(c) 会合は,機関の本部において開催する。
(5) いずれの同盟にも属しないこの条約の締約国は,一般総会の会合にオブザーバーとして出席することを認められる。
(6) 一般総会は,その手続規則を採択する。

第7条 締約国会議

(1) (a) この条約の締約国(いずれかの同盟に属するかどうかを問わない。)で構成する締約国会議を設置する。
(b) 各国の政府は,1人の代表によつて代表されるものとし,代表は,代表代理,顧問及び専門家の補佐を受けることができる。
(c) 各代表団の費用は,その代表団を任命した政府が負担する。
(2) 締約国会議は,次のことを行う。 (i) 同盟の権限及び自主性を尊重しつつ,知的所有権の分野における一般的な事項について討議し及びそのような事項に関して勧告を採択すること。
(ii) 締約国会議の2年予算を採択すること。
(iii) 締約国会議の予算の範囲内で,法律に関する技術援助の2年計画を定めること。
(iv) 第17条に定めるところに従い,この条約の改正を採択すること。
(v) 機関の加盟国でない国並びに政府間機関及び国際的な非政府間機関で締約国会議の会合にオブザーバーとして出席することを認められるものを決定すること。
(vi) その他この条約に基づく必要な任務を遂行すること。
(3) (a) 各加盟国は,締約国会議において1の票を有する。
(b) 加盟国の3分の1をもつて定足数とする。
(c) 第17条の規定が適用される場合を除くほか,締約国会議は,投じられた票の3分の2以上の多数による議決で決定を行う。
(d) いずれの同盟にも属しないこの条約の締約国の分担金の総額は,投票によつて決定するものとし,その投票には,それらの国の代表のみが参加する権利を有する。
(e) 棄権は,投票とみなさない。
(f) 代表は,1の国のみを代表し,その国の名においてのみ投票することができる。
(4) (a) 締約国会議は,事務局長の招集により,一般総会と同一期間中に同一の場所において通常会期として会合する。
(b) 締約国会議は,加盟国の過半数の要請があつたときは,事務局長の招集により,臨時会期として会合する。
(5) 締約国会議は,その手続規則を採択する。

第8条 調整委員会

(1) (a) この条約の締約国であつて,パリ同盟の執行委員会若しくはベルヌ同盟の執行委員会の構成国であるもの又は双方の執行委員会の構成国であるものから成る調整委員会を設置する。ただし,いずれの執行委員会も,その構成国の数がその執行委員会を選出した総会の構成国の数の4分の1を超える場合には,その執行委員会の構成国の中から,調整委員会の構成国となる国を指定するものとし,その数は,前記の4分の1を超えてはならない。この場合において,その領域内に機関の本部が所在する国は,その4分の1の計算に含めない。
(b) 調整委員会の各構成国の政府は,1人の代表によつて代表されるものとし,代表は,代表代理,顧問及び専門家の補佐を受けることができる。
(c) 調整委員会が,締約国会議の事業計画,予算若しくは議事日程に直接の関係がある事項又はいずれの同盟にも属しないこの条約の締約国の権利若しくは義務に影響を及ぼすようなこの条約の改正の提案を審議する場合には,いずれの同盟にも属しないこの条約の締約国の4分の1が,調整委員会の構成国と同一の権利をもつて調整委員会の会合に参加する。会合に参加すべき国は,締約国会議が各通常会期において指定する。
(d) 各代表団の費用は,その代表団を任命した政府が負担する。
(2) 機関が管理業務を行つている他の同盟がその同盟として調整委員会において代表されることを希望する場合には,その代表者は,調整委員会の構成国の中から任命しなければならない。
(3) 調整委員会は,次のことを行う。
(i) 2以上の同盟に又は1若しくは2以上の同盟と機関とに共通の利害関係のあるすべての管理上及び財政上の事項その他の事項について,特に同盟共通経費の予算について,同盟の内部機関,一般総会,締約国会議及び事務局長に助言を与えること
(ii) 一般総会の議事日程案を作成すること
(iii) 締約国会議の議事日程案,事業計画案及び予算案を作成すること
(iv) 削除
(v) 事務局長の任期が満了する際に又は事務局長が欠けた場合に,一般総会による事務局長の任命のため,候補者を指名すること。一般総会がその候補者を任命しなかつた場合には,調整委員会は,別の候補者を指名する。この手続は,一般総会が指名された候補者を任命するまで繰り返す。
(vi) 一般総会の会期から会期までの間に事務局長が欠けた場合に,新事務局長が就任するまでの間について事務局長臨時代理を任命すること
(vii) その他この条約に基づいて調整委員会に与えられる任務を遂行すること
(4) (a) 調整委員会は,事務局長の招集により,毎年1回,通常会期として会合する。調整委員会は,通常,機関の本部において会合する。
(b) 調整委員会は,事務局長の発意により又は調整委員会の議長若しくはその構成国の4分の1以上の要請に基づき,事務局長の招集により,臨時会期として会合する。
(5) (a) 各国は,(1)(a)に規定する執行委員会のいずれか一方の構成国であるか双方の構成国であるかを問わず,調整委員会において1の票を有する。
(b) 調整委員会の構成国の2分の1をもつて定足数とする。
(c) 代表は,1の国のみを代表し,その国の名においてのみ投票することができる。
(6) (a) 調整委員会は,投じられた票の単純多数による議決で,意見を表明し及び決定を行う。棄権は,投票とみなさない。
(b) 単純多数の賛成が得られた場合にも,調整委員会の構成国は,投票後直ちに,その投票について次のような方法で特別再計算を行うよう要請することができる。すなわち,2の別個の名簿を作成し,その一方にはパリ同盟の執行委員会の構成国の国名を,他方にはベルヌ同盟の執行委員会の構成国の国名を記載する。各国の票は,その国名を記載した名簿ごとに,その国名に対応して記載する。この特別再計算の結果,それぞれの名簿において単純多数の賛成が得られたことが示されない場合には,その投票に係る提案は,採択されたものとされない。
(7) 調整委員会の構成国でない機関の加盟国は,調整委員会の会合にオブザーバーを出席させることができる。オブザーバーは,討議に参加する権利を有するが,投票する権利を有しない。
(8) 調整委員会は,その手続規則を採択する。

第9条 国際事務局

(1) 国際事務局を機関の事務局とする。
(2) 国際事務局は,事務局長が指揮するものとし,事務局長は,2人以上の事務局次長の補佐を受ける。
(3) 事務局長は,一定の任期をもつて任命されるものとし,その任期は,6年以上とする。事務局長は,一定の任期をもつて引き続き任命されることができる。当初の任期及びその後の任期並びに任命に関するその他のすべての条件は,一般総会が定める。
(4) (a) 事務局長は,機関の主席行政官とする。
(b) 事務局長は,機関を代表する。
(c) 事務局長は,機関の内部の及び対外的な問題に関し,一般総会に報告を行い,その指示に従う。
(5) 事務局長は,事業計画案,予算案及び活動に関する定期報告を作成する。事務局長は,それらを関係国政府並びに同盟及び機関の権限のある内部機関に送付する。
(6) 事務局長及びその指名する職員は,一般総会,締約国会議,調整委員会その他委員会又は作業部会のすべての会合に投票権なしで参加する。事務局長又はその指名する職員は,当然にこれらの内部機関の事務局の職務を行う。
(7) 事務局長は,国際事務局の任務の効果的な遂行に必要な職員を任命する。事務局長は,調整委員会の承認を得て事務局次長を任命する。雇用条件は,事務局長の提案に基づいて調整委員会が承認する職員規則で定める。職員の採用及び勤務条件の決定に当たつては,最高水準の能率,能力及び誠実を確保することに最大の考慮を払う。できる限り広い地理的基礎に基づいて職員を採用することが重要であることについても,十分な考慮を払う。
(8) 事務局長及び職員の責任の性質は,専ら国際的なものである。事務局長及び職員は,その任務の遂行に当たつて,いかなる政府又は機関外のいかなる当局にも指示を求めてはならず,また,その指示を受けてはならない。事務局長及び職員は,国際公務員としての立場を損なうおそれのあるいかなる行動をも差し控えるものとする。各加盟国は,事務局長及び職員の責任の専ら国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者に対してその任務の遂行について影響を及ぼそうとしないことを約束する。

第10条 本部

(1) 機関の本部をジュネーヴに置く。
(2) 本部の移転は,第6条(3)(d)及び(g)に定めるところに従つて決定することができる。

第11条 財政

(1) 機関は,同盟共通経費の予算及び締約国会議の予算の2の別個の予算を有する。
(2) (a) 同盟共通経費の予算には,2以上の同盟に関係する経費を計上する。
(b) この予算は,次のものを財源とする。
(i) 同盟の分担金。各同盟の分担金の額は,その同盟の総会が,共通経費からのその同盟の受益の程度を考慮して,決定する。
(ii) 国際事務局がいずれの同盟とも直接の関係なく提供する役務について支払われる料金(国際事務局が法律に関する技術援助の分野において提供する役務について受領するものを除く。)
(iii) 国際事務局の刊行物でいずれの同盟とも直接の関係がないものの販売代金及びこれらの刊行物に係る権利の使用料
(iv) 機関に与えられる贈与,遺贈及び補助金((3)(b)(iv)に規定するものを除く。)
(v) 機関が受領する賃貸料,利子その他の雑収入
(3) (a) 締約国会議の予算には,締約国会議の会期の経費及び法律に関する技術援助計画の費用を計上する。
(b) この予算は,次のものを財源とする。
(i) いずれの同盟にも属しないこの条約の締約国の分担金
(ii) この予算に対する同盟の拠出金。各同盟の拠出金の額は,その同盟の総会が決定するものとし,各同盟は,この予算への拠出を義務づけられない。
(iii) 国際事務局が法律に関する技術援助の分野において提供する役務について受領する料金
(iv) (a)の目的のために機関に与えられる贈与,遺贈及び補助金
(4) (a) いずれの同盟にも属しないこの条約の各締約国は,締約国会議の予算に対する自国の分担額の決定上,次のいずれかの等級に属するものとし,次に定める単位数に基づいて年次分担金を支払う。

等級及び単位数

等級A 10
等級B 3
等級C 1

(b) 上に規定する各国は,第14条(1)の手続を行う際に,自国が属することを欲する等級を指定する。いずれの国も,その等級を変更することができる。一層低い等級を選択する国は,その旨を締約国会議に対しその通常会期において表明しなければならない。その変更は,その会期の年の翌年の初めに効力を生ずる。
(c) 上に規定する各国の年次分担金の額は,その額とそれらのすべての国の締約国会議の予算への分担金の総額との比率が,その国の属する等級の単位数とそれらのすべての国の単位数の総数との比率に等しくなるような額とする。
(d) 分担金は,毎年1月1日に支払の義務が生ずる。
(e) 予算が新会計年度の開始前に採択されなかつた場合には,財政規則の定めるところにより,前年度の予算をもつて予算とする。
(5) いずれの同盟にも属しないこの条約の締約国であつてこの条の規定に基づく分担金の支払が延滞しているもの及びいずれかの同盟に属するこの条約の締約国であつて当該同盟への分担金の支払が延滞しているものは,その未払の額が当該年度に先立つ2年度においてその国について支払の義務の生じた分担金の額以上のものとなつたときは,機関の内部機関で自国が構成国であるものにおいて,投票権を行使することができない。ただし,その内部機関は,支払の延滞が例外的なかつ避けることのできない事情によるものであると認める限り,その国がその内部機関において引き続き投票権を行使することを許すことができる。
(6) 国際事務局が法律に関する技術援助の分野において提供する役務について支払われる料金の額は,事務局長が定めるものとし,事務局長は,それを調整委員会に報告する。
(7) 機関は,調整委員会の承認を経て,政府,公私の組織,団体又は個人から直接に贈与,遺贈及び補助金を受けることができる。
(8) (a) 機関は,同盟及びいずれの同盟にも属しないこの条約の各締約国の1回限りの支払金から成る運転資金を有する。運転資金は,十分でなくなつた場合には,増額される。
(b) 各同盟の1回限りの支払金の額及び運転資金の増額の部分に対する各同盟の分担額は,その同盟の総会が決定する。
(c) いずれの同盟にも属しないこの条約の各締約国の1回限りの支払金の額及び運転資金の増額の部分に対するその国の分担額は,運転資金が設けられ又はその増額が決定された年のその国の分担金に比例する。その比率及び支払の条件は,締約国会議が,事務局長の提案に基づきかつ調整委員会の助言を受けた上で定める。
(9) (a) その領域内に機関の本部が所在する国との間で締結される本部協定には,運転資金が十分でない場合にその国が立替えをすることを定める。立替えの額及び条件は,その国と機関との間の別個の取極によつてその都度定める。その国は,立替えの義務を有する限り,当然に調整委員会に議席を有する。
(b) (a)の国及び機関は,それぞれ,書面による通告により立替えをする約束を廃棄する権利を有する。廃棄は,通告が行われた年の終わりから3年を経過した時に効力を生ずる。
(10) 会計検査は,財政規則の定めるところにより,1若しくは2以上の加盟国又は外部の会計検査専門家が行う。これらの加盟国又は会計検査専門家は,一般総会がこれらの加盟国又は会計検査専門家の同意を得て指定する。

第12条 法律上の能力並びに特権及び免除

(1) 機関は,各加盟国の領域において,その国の法令に従い,機関の目的の達成及びその任務の遂行に必要な法律上の能力を享有する。
(2) 機関は,スイス連邦(後に本部が他の国に置かれた場合には,その国)との間で本部協定を締結する。
(3) 機関は,機関,その職員及びすべての加盟国の代表者が機関の目的の達成及びその任務の遂行に必要な特権及び免除を享有することができるように,前項の国以外の加盟国との間で二者間協定又は多数者間協定を締結することができる。
(4) 事務局長は,(2)及び(3)に規定する協定を交渉することができるものとし,また,調整委員会の承認を得た上で機関のためにそれらの協定を締結し,署名する。

第13条 他の機関との関係

(1) 機関は,適当な場合には,他の政府間機関との間に業務上の連携を設定し,これと協力する。このためにそれらの機関との間で締結される一般協定は,事務局長が調整委員会の承認を得た上で締結する。
(2) 機関は,その権限内の事項に関し,国際的な非政府機関と,及び関係政府の同意を得て国内の政府機関又は民間団体と協議し及び協力するため,適当な取決めを行うことができる。そのような取決めは,事務局長が調整委員会の承認を得た上で行う。

第14条 この条約の締約国となるための手続

(1) 第5条に規定する国は,次のいずれかの手続により,この条約の締約国となり,機関の加盟国となることができる。 (i) 批准を条件としないで署名すること
(ii) 批准を条件として署名し,その後に批准書を寄託すること
(iii) 加入書を寄託すること
(2) パリ条約,ベルヌ条約又はその双方の条約の締約国は,この条約の他のいかなる規定にもかかわらず,同時に次のいずれかの条約を批准し若しくはそれに加入する場合又はそれを批准し若しくはそれに加入した後においてのみ,この条約の締約国となることができる。
パリ条約のストックホルム改正条約(その全体又はその第20条(1)(b)(i)に定める制限のみを付したもの)
ベルヌ条約のストックホルム改正条約(その全体又はその第28条(1)(b)(i)に定める制限のみを付したもの)
(3) 批准書又は加入書は,事務局長に寄託する。

第15条 この条約の効力発生

(1) この条約は,パリ同盟の10の同盟国及びベルヌ同盟の7の同盟国が第14条(1)の手続を行つた後3箇月で効力を生ずる。いずれかの国が双方の同盟に属している場合には,その国は,双方の同盟国に数えられるものとする。これらの2の同盟のいずれにも属しない国であつて,この条約の効力発生の日の3箇月前までに第14条(1)の手続を行つたものについても,この条約は,同じ日に効力を生ずる。
(2) この条約は,その他の国については,その国が第14条(1)の手続を行つた日の後3箇月で効力を生ずる。

第16条 留保

この条約に対するいかなる留保も,認められない。

第17条 改正

(1) この条約の改正の提案は,加盟国,調整委員会又は事務局長が行うことができる。その提案は,遅くとも締約国会議による審議の6箇月前までに,事務局長が加盟国に送付する。
(2) 改正は,締約国会議が採択する。改正がいずれの同盟にも属しないこの条約の締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものである場合には,それらの国も,投票権を有する。他のすべての改正案については,いずれかの同盟に属するこの条約の締約国のみが投票権を有する。改正は,投じられた票の単純多数による議決で採択される。ただし,締約国会議は,パリ同盟の総会及びベルヌ同盟の総会がそれぞれの条約の管理規定の修正の採択について適用される各自の規則に従つてあらかじめ採択した改正の提案についてのみ投票を行う。
(3) 改正は,締約国会議がその改正を採択した時に(2)の規定に基づき改正の提案について投票権を有していた機関の加盟国の4分の3から,それぞれの憲法上の手続に従つて行われた受諾についての書面による通告を事務局長が受領した後1箇月で効力を生ずる。このようにして受諾された改正は,その改正が効力を生ずる時に機関の加盟国であるすべての国又はその後に機関の加盟国となるすべての国を拘束する。ただし,加盟国の財政上の義務を増大する改正は,その改正の受諾を通告した国のみを拘束する。

第18条 廃棄

(1) いずれの加盟国も,事務局長にあてた通告により,この条約を廃棄することができる。
(2) 廃棄は,事務局長がその通告を受領した日の後6箇月で効力を生ずる。

第19条 通告

事務局長は,すべての加盟国政府に対し次の事項を通告する。
(i) この条約の効力発生の日
(ii) 署名及び批准書又は加入書の寄託
(iii) この条約の改正の受諾及びその改正が効力を生ずる日
(iv) この条約の廃棄

第20条 最終規定

(1) (a) この条約は,ひとしく正文である英語,フランス語,ロシア語及びスペイン語による本書1通について署名するものとし,スウェーデン政府に寄託する。
(b) この条約は,1968年1月13日まで,ストックホルムにおいて署名のために開放しておく。
(2) 事務局長は,関係政府と協議の上,ドイツ語,イタリア語,ポルトガル語及び締約国会議が指定する他の言語による公定訳文を作成する。
(3) 事務局長は,パリ同盟又はベルヌ同盟の同盟国政府に対し,他の国がこの条約に加入する際にその国の政府に対し,及び要請があつたときはその他の国の政府に対し,この条約及び締約国会議が採択した改正の認証謄本2通を送付する。これらの政府に送付されるこの条約の署名本書の謄本は,スウェーデン政府が認証する。
(4) 事務局長は,この条約を国際連合事務局に登録する。

第21条 経過規定

(1) 最初の事務局長が就任するまでは,この条約において国際事務局又は事務局長というときは,それぞれ,工業的,文学的及び美術的所有権の保護のための合同国際事務局(知的所有権保護合同国際事務局(BIRPI)とも称する。)又はその事務局長をいうものとする。
(2) (a) いずれかの同盟に属する国であつてこの条約の締約国となつていないものは,希望するときは,この条約の効力発生の日から5年間,この条約国の締約国となつた場合と同一の権利を行使することができる。それらの権利を行使することを希望する国は,その旨の書面による通告を事務局長に寄託するものとし,その通告は,その受領の日に効力を生ずる。それらの国は,その5年の期間が満了するまで,一般総会及び締約国会議の構成国とみなされる。
(b) それらの国は,この5年の期間が満了したときは,一般総会,締約国会議及び調整委員会において投票権を有しない。
(c) それらの国は,この条約の締約国となつたときは,再び投票権を有する。
(3) (a) パリ同盟及びベルヌ同盟のすべての同盟国がこの条約の締約国とならない限り,国際事務局及び事務局長は,それぞれ,工業的,文学的及び美術的所有権の保護のための合同国際事務局及びその事務局長としての任務をも行う。
(b) この条約の効力発生の日に上にいう合同国際事務局に雇用されている職員は,(a)の経過期間中,国際事務局にも雇用されているものとみなす。
(4) (a) パリ同盟のすべての同盟国が機関の加盟国となつたときは,パリ同盟事務局の権利,義務及び財産は,機関の国際事務局が承継する。
(b) ベルヌ同盟のすべての同盟国が機関の加盟国となつたときは,ベルヌ同盟事務局の権利,義務及び財産は,機関の国際事務局が承継する。

          「特許庁ホームページ」より

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