ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:国際協定

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 今日は、昭和時代後期の1974年(昭和49)に、「日韓大陸棚協定」が締結(発効は1978年6月22日)された日です。
 「日韓大陸棚協定」(にっかんたいりくだなきょうてい)は、日本と韓国との間に存在する大陸棚の石油・天然ガス資源の開発や境界について定めた国際協定で、正式名称は、「日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定」と言います。
 二つの協定と付属文書より成り、一つは、「北部境界画定協定」(日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定)で、対馬海峡西水道の日韓間の大陸棚の境界線を35の座標で示しており、この線は、日本側の壱岐、対馬を考慮に入れた日韓の中間線となっていました。もう一つは、「南部共同開発協定」(日本国と大韓民県との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定)で、東シナ海における石油資源(天然ガスを含む)の日韓の共同開発区域を20の座標で示し、開発の方法、開発に関する協力などを規定しています。
 日本の国会では、承認が難航して、政府は、1977年(昭和52)春の通常国会で自然承認に持込んだものの、関連国内法の成立が遅れ、翌年5月に、ようやく成立するに至りました。しかし、南部大陸棚に関しては、今後に、その大陸棚部分を中国大陸からの自然の延長と主張する中国との間で紛争が生ずる可能性が指摘されています。
 以下に、「北部境界画定協定」、「南部共同開発協定」と付属文書を掲載しておきますので、ご参照ください。

〇「北部境界画定協定」(日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の北部の境界画定に関する協定)1974年(昭和49)1月30日締結、1978年(昭和53)6月22日発効

<日本語訳>

 日本国と大韓民国は,
 両国の間に存在する友好関係を助長することを希望し,
 鉱物資源の探査及び採掘のために日本国と大韓民国がそれぞれ主権的権利を行使する両国に隣接する大陸棚{前1文字だなとルビ}の北部の境界を画定することを希望して,
 次のとおり協定した。

    第一条

1 両国に隣接する大陸棚の北部において,日本国に属する大陸棚{前1文字だなとルビ}と大韓民国に属する大陸棚{前1文字だなとルビ}の境界線は,次の座標の各点を順次に結ぶ直線とする。
  座標一 北緯三十二度五十七・〇分東経百二十七度四十一・一分
  座標二 北緯三十二度五十七・五分東経百二十七度四十一・九分
  座標三 北緯三十三度一・三分東経百二十七度四十四・〇分
  座標四 北緯三十三度八・七分東経百二十七度四十八・三分
  座標五 北緯三十三度十三・七分東経百二十七度五十一・六分
  座標六 北緯三十三度十六・二分東経百二十七度五十二・三分
  座標七 北緯三十三度四十五・一分東経百二十八度二十一・七分
  座標八 北緯三十三度四十七・四分東経百二十八度二十五・五分
  座標九 北緯三十三度五十・四分東経百二十八度二十六・一分
  座標十 北緯三十四度八・二分東経百二十八度四十一・三分
  座標十一 北緯三十四度十三・〇分東経百二十八度四十七・六分
  座標十二 北緯三十四度十八・〇分東経百二十八度五十二・八分
  座標十三 北緯三十四度十八・五分東経百二十八度五十三・三分
  座標十四 北緯三十四度二十四・五分東経百二十八度五十七・三分
  座標十五 北緯三十四度二十七・六分東経百二十八度五十九・四分
  座標十六 北緯三十四度二十九・二分東経百二十九度〇・二分
  座標十七 北緯三十四度三十二・一分東経百二十九度〇・八分
  座標十八 北緯三十四度三十二・六分東経百二十九度〇・八分
  座標十九 北緯三十四度四十・三分東経百二十九度三・一分
  座標二十 北緯三十四度四十九・七分東経百二十九度十二・一分
  座標二十一 北緯三十四度五十・六分東経百二十九度十三・〇分
  座標二十二 北緯三十四度五十二・四分東経百二十九度十五・八分
  座標二十三 北緯三十四度五十四・三分東経百二十九度十八・四分
  座標二十四 北緯三十四度五十七・〇分東経百二十九度二十一・七分
  座標二十五 北緯三十四度五十七・六分東経百二十九度二十二・六分
  座標二十六 北緯三十四度五十八・六分東経百二十九度二十五・三分
  座標二十七 北緯三十五度一・二分東経百二十九度三十二・九分
  座標二十八 北緯三十五度四・一分東経百二十九度四十・七分
  座標二十九 北緯三十五度六・八分東経百三十度七・五分
  座標三十 北緯三十五度七・〇分東経百三十度十六・四分
  座標三十一 北緯三十五度十八・二分東経百三十度二十三・三分
  座標三十二 北緯三十五度三十三・七分東経百三十度三十四・一分
  座標三十三 北緯三十五度四十二・三分東経百三十度四十二・七分
  座標三十四 北緯三十六度三・八分東経百三十一度八・三分
  座標三十五 北緯三十六度十・〇分東経百三十一度十五・九分
2 境界線をこの協定に附属する地図に表示する。

    第二条

 海底下の鉱物の単一の地質構造が境界線にまたがつて存在し,かつ,当該地質構造のうち境界線の一方の側に存在する部分の全体又は一部を境界線の他方の側から採掘することができる場合には,両締約国は,当該地質構造を最も効果的に採掘するための方法について合意に達するよう努力する。当該地質構造を最も効果的に採掘するための方法に関連して両締約国間で合意することができないすべての問題は,いずれか一方の締約国の要請があつたときは,第三者による仲裁に付託する。この仲裁の決定は,両締約国を拘束する。

    第三条

 この協定は,上部水域又はその上空の法的地位に影響を及ぼすものではない。

    第四条

 この協定は,批准されなければならない。批准書は,できる限り速やかに東京で交換されるものとする。この協定は,批准書の交換の日から効力を生ずる。

 以上の証拠として,下名は,各自の政府から正当に委任を受けて,この協定を署名した。

 千九百七十四年一月三十日にソウルで,英語により本書二通を作成した。

 日本国のために
   後宮虎郎

 大韓民国のために
    金東祚

(附属の地図省略)

   外務省条約局編「主要条約集(昭和五十五年版)」より

〇「南部共同開発協定」(日本国と大韓民県との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定)1974年(昭和49)1月30日締結、1978年(昭和53)6月22日発効

<日本語訳>

 日本国と大韓民国は,
 両国の間に存在する友好関係を助長することを希望し,
 両国に隣接する大陸棚{前1文字だなとルビ}の南部において共同して石油資源を探査し及び採掘することが両国に共通の利益であることを考慮し,
 その石油資源の開発の問題について最終的な実際的解決に到達することを決意して,
 次のとおり協定した。

    第一条

 この協定の適用上,
 (1) 「天然資源」とは,石油資源(天然ガス資源を含む。)及びこれに付随して産出されるその他の地下の鉱物をいう。
 (2) 「開発権者」とは,いずれか一方の締約国により,当該一方の締約国の法令に基づき,共同開発区域において天然資源を探査し又は採掘することを認可された者をいう。
 (3) 「両締約国の開発権者」とは,共同開発区域内の同一の小区域についてそれぞれ認可された一方の締約国の開発権者及び他方の締約国の開発権者をいう。
 (4) 「事業契約」とは,共同開発区域において天然資源を探査し及び採掘するために両締約郡の開発権者の間で締結される契約をいう。
 (5) 「操業管理者」とは,共同開発区域内の一の小区域につき,事業契約の下で,操業管理者として指定され及び行動する開発権者をいう。

    第二条

1 共同開発区域は,次の座標の各点を順次に結ぶ直線によつて囲まれる大陸棚{前1文字だなとルビ}の区域とする。
  座標一 北緯三十二度五十七・〇分東経百二十七度四十一・一度
  座標二 北緯三十二度五十三・四分東経百二十七度三十六・三分
  座標三 北緯三十二度四十六・二分東経百二十七度二十七・八分
  座標四 北緯三十二度三十三・六分東経百二十七度十三・一分
  座標五 北緯三十二度十・五分東経百二十六度五十一・五分
  座標六 北緯三十度四十六・二分東経百二十五度五十五・五分
  座標七 北緯三十度三十三・三分東経百二十六度〇・八分
  座標八 北緯三十度十八・二分東経百二十六度五・五分
  座標九 北緯二十八度三十六・〇分東経百二十七度三十八・〇分
  座標十 北緯二十九度十九・〇分東経百二十八度〇・〇分
  座標十一 北緯二十九度四十三・〇分東経百二十八度三十八・〇分
  座標十二 北緯三〇度十九・〇分東経百二十九度九・〇分
  座標十三 北緯三十度五十四・〇分東経百二十九度四・〇分
  座標十四 北緯三十一度十三・○分東経百二十八度五十・〇分
  座標十五 北緯三十一度四十七・〇分東経百二十八度五十・〇分
  座標十六 北緯三十一度四十七・〇分東経百二十八度十四・〇分
  座標十七 北緯三十二度十二・〇分東経百二十七度五十・〇分
  座標十八 北緯三十二度二十七・〇分東経百二十七度五十六・〇分
  座標十九 北緯三十二度二十七・〇分東経百二十八度十八・〇分
  座標二十 北緯三十二度五十七・〇分東経百二十八度十八・〇分
2 共同開発区域を囲む直線をこの協定に附属する地図に表示する。

    第三条

l 共同開発区域は,小区域に分割することができる。各小区域においては,両締約国の開発権者が探査及び採掘を行うものとする。
2 各小区域に番号を付し,この協定の付表において地理上の座標によつてその範囲を定める。付表は,両締約国の間の合意により,この協定を改正することなく,修正することができる。

    第四条

1 各締約国は,この協定の効力発生の日の後三箇月以内に,各小区域について一又は二以上の開発権者を認可する。締約国が一の小区域について二以上の開発権者を認可した場合には,それらの開発権者は,分割することができない利益を有するものとし,この協定の適用上,一の開発権者によつて代表される。開発権者又は小区域の変更に際しては,関係締約国は,できる限り速やかに,一又は二以上の新たな開発権者を認可する。
2 各締約国は,他方の締約国に対し,自国の開発権者を遅滞なく通知する。

    第五条

1 両締約国の開発権者は,共同開発区域において天然資源を共同して探査し及び採掘するために,事業契約を締結する。事業契約においては,特に,次の事項について定める。
 (a) 第九条の規定に基づく天然資源の分配及び費用の分担に関する詳細
 (b) 操業管理者の指定
 (c) 単独危険負担操業の取扱い
 (d) 漁業上の利益との調整
 (e) 紛争の解決
2 事業契約及びその修正は,両締約国の承認を得たときに効力を生ずる。両締約国の承認は,事業契約又はその修正が承認を得るため両締約国に提出された後二箇月以内にいずれか一方の締約国が事業契約又はその修正を明示的に否認しない限り,与えられたものとされる。
3 両締約国は,前条1の規定により両締約国の開発権者が認可された後六箇月以内に事業契約が効力を生ずることを確保するよう努力する。

    第六条

1 操業管理者は,両締約国の開発権者の間の合意によつて指定される。両締約国の開発権者がその認可の後三箇月以内に操業管理者の指定について合意に達することができなかつた場合には,両締約国は,操業管理者の指定について協議する。その協議が開始された後二箇月以内に操業管理者が指定されなかつた場合には,両締約国の開発権者は,くじ引によつて操業管理者を決定する。
2 操業管理者は,事業契約に基づくすべての操業の唯一の管理者であり,操業に必要なすべての人員を雇用し,操業に関連して要するすべての費用を支払い及び操業に必要なすべての資産(装置,資材及び需品を含む。)を調達する。

    第七条

 一方の締約国の開発権者は,他方の締約国の法令に従い,共同開発区域における天然資源の探査又は採掘に必要な建物,プラットフォーム,貯蔵庫,パイプライン,終点施設その他の施設を,当該他方の締約国の領域内で取得し,建設し,維持し,使用し又は処分することができる。

    第八条

 一方の締約国の開発権者は,他方の締約国の開発権者が当該他方の締約国の法令に基づく義務を履行する場合において,その義務がこの協定に適合するものである限り,その履行を妨げてはならない。

    第九条

1 両締約国の開発権者は,それぞれ,共同開発区域において採取される天然資源につき等分の分配を受ける権利を有する。
2 1の天然資源の探査及び採掘のために要すると合理的に認められる費用は,両締約国の開発権者の間で等しい割合で分担される。

    第十条

1 この協定に基づく開発権者の権利は,探査権及び採掘権とする。
2 探査権の存続期間は,4(3)の規定が適用される場合を除くほか,事業契約の効力発生の日から八年とする。
3 採掘権の存続期間は,採掘権の設定の日から三十年とする.両締約国の開発権者は,それぞれ自国に対し,更に五年間の期間の延長を申請することができる。この延長の申請は,必要に応じ,何回でも行うことができる。両締約国は,その申請があつたときは,その申請を承認するかどうかを決定するため相互に協議する。
4(1) 探査権の存続期間中に天然資源の商業的発見があつたときは,両締約国の開発権者は,それぞれ自国に対し,採掘権の設定を申請することができる。両締約国は,その申請があつたときは,速やかに協議し,その申請を遅滞なく承認する。
 (2) 両締約国が商業的発見があつたと認めるときは,各締約国は,自国の関係開発権者に対し,採掘権の設定の申請を行うよう要請することができる。当該開発権者は,その要請を受けた後三箇月以内に採掘権の設定の申請を行わなければならない。
 (3) 探査権の存続期間中に採掘権が設定されたときは,探査権の存続期間は,採掘権の設定の日に満了する。
5 一方の締約国の開発権者に変更があつたときは,新たな開発権者の探査権又は採掘権の存続期間は,当初の開発権者の探査権又は採掘権の存続期間の満了の日に満了する。
6 開発権者の探査権又は採掘権は,その開発権者を認可した締約国の承認及び同一の小区域について認可された他方の開発権者の同意を得て,当該小区域の全体について移転することができる。ただし,この協定及び事業契約に基づくその開発権者の権利及び義務が,全体として移転されることを条件とする。

    第十一条

1 両締約国の開発権者は,両締約国の間で行われる別個の取極に従い,探査権の存続期間中に一定の数の坑井を掘さくすることを要する。この場合において,各小区域において掘さくすべきものとされる坑井の最低数は,事業契約の効力発生の日から最初の三年の期間,次の三年の期間及び残余の二年の期間について,それぞれ二を超えないものとする。両締約国は,各小区域において掘さくすべきものとされる坑井の最低数を合意するに当たつては,当該小区域の水深及び大きさを考慮に入れるものとする。
2 両締約国の開発権者がlに規定する期間のいずれかにおいて所定の数を超えて坑井を掘さくした場合には,超過して掘さくされた坑井は,当該期間に続く一又は二の期間において掘さくされたものとみなす。

    第十二条

 両締約国の開発権者は,探査権又は採掘権の設定の日から六箇月以内に操業に着手しなければならず,かつ,引き続き六箇月以上操業を停止してはならない。

    第十三条

1 2の規定に従うことを条件として,両締約国の開発権者は,事業契約の効力発生の日から起算して,三年以内に当初の当該小区域の二十五パーセント,六年以内に当初の当該小区域の五十パーセント,八年以内に当初の当該小区域の七十五パーセントを放棄しなければならない。
2 放棄される区域の大きさ,形状及び位置並びに放棄の時期は,両締約国の開発権者の間の合意によつて決定される。ただし,3の規定が適用される場合を除くほか,七十五平方キロメートルよりも小さい区域に分割して放棄してはならない。
3(1) 両締約国の開発権者が1の規定に従つて放棄すべき区域について合意することができない場合には,両締約国の開発権者は,当該放棄期間の満了の日に,共通して放棄が提案されている区域に加えて,それぞれ放棄が提案されている区域の五十パーセントずつを,放棄される区域が全体として可能な限り単一の区域となるように,放棄する。
 (2) 共通して放棄が提案されている区域がないときは,両締約国の開発権者は,それぞれ放棄が提案されている区域の五十パーセントずつを放棄する。
4 両締約国の開発権者は,2の規定に従うことを条件として,いかなる区域をも任意に放棄することができる。
5 2の規定にかかわらず,一の開発権者は,事業契約の効力発生の日から二年が経過した後は,単独で当該小区域を全体として放棄することができる。

    第十四条

1 いずれの一方の締約国も,自国の開発権者がこの協定又は事業契約に基づく義務を履行しない場合には,他方の締約国と協議した後,自国の法令に定める開発権者の保護に関する手続により,その開発権者の探査権又は採掘権を取り消すことができる。
2 いずれか一方の締約国が自国の法令に従つて自国の開発権者の探査権又は採掘権を取り消そうとする場合には,当該一方の締約国は,lの規定が適用される場合を除くほか,遅くとも取消しの十五日前までに他方の締約国にその意図を通知する。
3 一方の締約国による探査権又は採掘権の取消しは,遅滞なく他方の締約国に通知されるものとする。

    第十五条

1 一方の締約国の開発権者が第十三条5の規定に基づいて小区域を単独で放棄した場合,一方の締約国の開発権者の探査権若しくは採掘権が前条の規定に基づいて取り消された場合又は一方の締約国の開発権者が存在しなくなつた場合(これらの開発権者を以下「前の開発権者」という。)には,残存する開発権者は,当該小区域において,前の開発権者を認可した締約国が新たな開発権者を認可するまての間,その残存する開発権者と前の開発権者とが当事者であつた事業契約の単独危険負担条項の規定及び他の関連する諸規定に従つて,天然資源の探査又は採掘を行うことができる。ただし,前の開発権者を認可した締約国の承認を得ることを条件とする。
2 lの規定の適用上,残存する開発権者は,自己の開発権者としての地位を保持しつつ,開発権者の権利及ぴ義務に関し,前の開発権者を認可した締約国の開発権者とみなされる。ただし,1の規定に基づく天然資源の探査又は採掘から生ずる所得につき残存する開発権者に対して行われる課税については,この限りでない。
3 新たな開発権者が一方の締約国によつて認可されたときは,その新たな開発権者と残存する開発権者は,新たな事業契約が効力を生ずるまでの間,その残存する開発権者と前の開発権者とが当事者であつた事業契約に拘束される。もつとも,1の規定に基づき天然資源の探査又は採掘を開始した残存する開発権者は,その残存する開発権者と前の開発権者とが当事者であつた事業契約の単独危険負担条項の規定に従つて,新たな事業契約が効力を生ずるまての間,その探査又は採掘を継続することができる。

    第十六条

 共同開発区域において採取される天然資源に対する各締約国の法令の適用上,その天然資源のうち第九条の規定に基づき一方の締約国の開発権者が権利を有する部分は,当該一方の締約国が主権的権利を有する大陸棚{前1文字だなとルビ}において採取された天然資源とみなす。

    第十七条

1 いずれの一方の締約国(地方公共団体を含む。)も,他方の締約国の開発権者に対し,
 (a) 共同開発区域における探査活動若しくは採掘活動
 (b) (a)に規定する活動から生ずる所得
 (c) (a)に規定する活動を行うために必要な固定資産の共同開発区域における所有又は
 (d) その者が認可を受けた小区域
 について,租税その他の課徴金を課してはならない。
2 各締約国(地方公共団体を含む。)は,自国の開発権者に対し,
 (a) 共同開発区域における探査活動又は採掘活動
 (b) (a)に規定する活動を行うために必要な固定資産の共同開発区域における所有及び
 (c) その者が認可を受けた小区域
 について,租税その他の課徴金を課することができる。

    第十八条

 各締約国の関税,輸入及び輸出に関する法令の適用上,
(1) 共同開発区域において天然資源を探査し若しくは採掘するために必要な装置,資材その他の物品(以下「装置」という。)の共同開発区域への搬入,装置の共同開発区域におけるその後の使用又は装置の共同開発区域からの搬出は,輸入又は輸出とみなされない。
(2) 一方の締約国の管轄の下にある区域から共同開発区域への装置の搬出は,当該一方の締約国において輸入又は輸出とみなされない。
(3) いずれの一方の締約国も,その管轄の下にある区域から共同開発区域に搬入された装置を共同開発区域内で使用する者に対し,その装置の使用についての報告を提出するよう要求することができる。
(4) (1)の規定にかかわらず,(3)に規定する装置の共同開発区域から当該一方の締約国の管轄の下にある区域以外の区域への搬出は,当該一方の締約国において輸出とみなされる。

    第十九条

 この協定に別段の定めがある場合を除くほか,一方の締約国の法令は,当該一方の締約国が認可した開発権者が操業管理者として指定され及び行動する小区域において,天然資源の探査又は採掘に関連する事項について適用される。

    第二十条

 両締約国は,共同開発区域における天然資源の探査又は採掘に関連する活動から生ずる海洋における衝突の防止並びにそれらの活動から生ずる海洋の汚染の防止及び除去のためにとるべき措置について合意する。

    第二十一条

1 いずれか一方の締約国の国民又はいずれか一方の締約国の領域内に居住する他の者が共同開発区域における天然資源の探査又は採掘によつて生ずる損害を受けた場合には,当該国民又は当該他の者は,その損害の賠償請求の訴えを,(a)その損害が発生した領域が属する一方の締約国の裁判所,(b)当該国民若しくは当該他の者が居住している一方の締約国の裁判所又は(c)その損害の原因となつた事故が発生した小区域において操業管理者として指定され及び行動している開発権者を認可した一方の締約国の裁判所のいずれかに提起することができる。
2 1の規定に基づき1に規定する損害の賠償請求の訴えの提起を受けた一方の締約国の裁判所は,当該一方の締約国の法令を適用する。
3(1) 1に規定する損害が海底及びその下の掘さく又は坑水若しくは廃水の放流によつて生じた場合には,次に掲げる者は,2の規定に基づいて適用される法令に従い,連帯してその損害の賠償の責任を負う。
  (a) その損害の発生の時に当該小区域について探査権又は採掘権を有していた両締約国の開発権者
  (b) その損害の発生の時に当該小区域について探査権又は採掘権を有する開発権者がいなかつたときは,当該小区域について最も近い時期に探査権又は採掘権を有していた双方の開発権者
  (c) その損害の発生の時に当該小区域について一の開発権者のみが探査権又は採掘権を有していたときは,その一の開発権者及び第十五条lに定義する前の開発権者
 (2) (1)の規定の適用上,(1)に規定する損害の発生の後に探査権又は採掘権の譲渡があつた場合には,探査権又は採掘権を譲渡した開発権者及び探査権又は採掘権を譲り受けた開発権者は,連帯して賠償の責任を負う。

    第二十二条

1 各締約国は,共同開発区域における天然資源の探査又は採掘のための固定施設上の無線局に周波数を割り当てるときは,その割当ての前に,できる限り速やかに,周波数,電波発射の型式,空中線電力,無線局の位置その他必要な事項を他方の締約国に通報する。各締約国は,これらの事項のその後の変更についても,同様に他方の締約国に通報する。
2 両締約国は,いずれか一方の締約国の要請があつたときは,これらの事項に関して必要な調整を行うために協議する。

    第二十三条

1 天然資源の単一の地質構造が第二条1に規定する線にまたがつて存在し,かつ,当該地質構造のうちその線の一方の側に存在する部分の全体又は一部をその線の他方の側から採掘することができる場合には,締約国により当該地質構造を採掘することを認可された開発権者及び他の者(以下「開発権者及び他の者」という。)は,協議により,当該地質構造の最も効果的な採掘方法について合意に達するよう努力する。
2(1) 開発権者及び他の者が1に規定する方法について協議を開始した後六箇月以内に合意に達することができなかった場合には,両締約国は,協議により,合理的な期間内にその方法に関する共同提案を開発権者及び他の者に対して行うよう努力する。
 (2) すべての又は一部の開発権者及び他の者の間でlに規定する方法について合意に達した場合には,その合意(その修正を含む。)は,両締約国の承認を得たときに効力を生ずる。その合意においては,3の規定に基づく天然資源の分配及び費用の分担に関する詳細について定める。
3 2(2)に規定する合意に基づく採掘の場合には,当該地質構造から採取される天然資源及びその天然資源の採掘のために要すると合理的に認められる費用は,当該地質構造のうち開発権者及び他の者が締約国から認可を受けたそれぞれの区域に存在する部分の生産可能な埋蔵量に比例して,開発権者及び他の者の間で配分される。
4 1から3までの規定は,共同開発区域内の小区域を囲む線にまたがつて存在する天然資源の単一の地質構造の採掘について準用する。
5(l) 第十六条の規定の適用上,共同開発区域において採取される天然資源のうち,一方の締約国によって認可された者(開発権者を除く。)が3の規定及び2(2)に規定する合意に基づいて権利を有する部分は,当該一方の締約国の開発権者が権利を有する天然資源の部分とみなす。
 (2) 第十七条の規定の適用上,一方の締約国によつて認可された者(開発権者を除く。)であつて2(2)に規定する合意の当事者であるものは,当該一方の締約国の開発権者とみなす。
 (3)いずれの一方の締約国(地方公共団体を含む。)も,他方の締約国の開発権者に対し,
  (a) 2(2)に規定する合意に従つて共同開発区域の外で行う採掘活動
  (b) (a)に規定する活動から生ずる所得又は
  (c) (a)に規定する活動を行うために必要な固定資産の所有について,租税その他の課徴金を課してはならない。

    第二十四条

l 両締約国は,この協定の実施に関する事項について協議するための機関として,日韓共同委員会(以下「委員会」という。)を設置し及び維持する。
2 委員会は,二の国別委員部で構成し,各国別委員部は,それぞれの締約国が任命する二人の委員で構成する。
3 委員会のすべての決議,勧告その他の決定は,国別委員部の間の合意によつてのみ行うものとする。
4 委員会は,その会議の手続規則を採択し,必要があるときは,これを修正することができる。
5 委員会は,毎年少なくとも一回会合し,また,いずれか一方の国別委員部の要請によつて会合する。
6 委員会は,その第一回会議において,議長及び副議長を異なる国別委員部から選定する。議長及ぴ副議長の任期は,一年とする。国別委員部からの議長及び副議長の選定は,それぞれの締約国がそれらの地位に順番に代表されるように行う。
7 委員会の下に,その事務を遂行するため常設の事務局を設置することができる。
8 委員会の公用語は,日本語,韓国語及ぴ英語とする。提案及び資料は,いずれの公用語によつても提出することができる。
9 委員会が共同の経費が必要であると決定したときは,その共同の経費は,委員会が勧告し,かつ,両締約国が承認するところに従つて両締約国が負担する分担金により,委員会が支払う。

    第二十五条

1 委員会は,次の任務を遂行する。
 (a) この協定の運用について検討し並びに,必要と認めるときは,この協定の運用を改善するためにとるべき措置について討議し及び両締約国に勧告すること。
 (b) 開発権者の技術上及び財務上の報告を受領すること。この報告は,両締約国が毎年提出するものとする。
 (c) 開発権者によつては解決することができない紛争を解決するためにとるべき措置について両締約国に勧告すること。
 (d) 操業管理者の操業及び共同開発区域における天然資源の探査又は採掘のための設備その他の施設を視察すること。
 (e) この協定の効力発生の時に予想されなかつた問題(両締約国の法令の適用に関連する問題を含む。)について研究し及び,必要と認めるときは,それらの問題を解決するための適当な措置について締約国に勧告すること。
 (f) 両締約国により公布された法令で共同開発区域における天然資源の探査又は採掘に関連するものに関し,両締約国からの通報を受領すること。
 (g) この協定の実施に関連するその他の事項について討議すること。
2 両締約国は,1の規定に基づいて委員会が行う勧告をできる限り尊重する。

    第二十六条

l この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は,まず,外交上の経路を通じて解決するものとする。
2 1の規定によつて解決することができなかつた紛争は,いずれか一方の締約国が他方の締約国から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国が任命する各一人の仲裁委員と,このようにして選定された二人の仲裁委員がその後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又はその二人の仲裁委員が当該期間内に合意する第三国の政府が任命する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員から成る仲裁委員会に決定のため付託する。ただし,第三の仲裁委員は,いずれの締約国の国民でもない者とする。
3 各締約国が任命した仲裁委員が2に規定するその後の三十日の期間内に第三の仲裁委員又は第三国について合意しなかつた場合には,両締約国は,国際司法裁判所長に対し,いずれの締約国の国民でもない第三の仲裁委員を任命するよう要請する。
4 いずれか一方の締約国の要請があつたときは,仲裁委員会は,緊急の場合には,裁定を行う前に暫定的な命令を発することができる。両締約国は,その命令を尊重する。
5 両締約国は,この条の規定に基づく仲裁委員会の裁定に服するものとする。

    第二十七条

 共同開発区域における天然資源の探査及び採掘は,共同開発区域及びその上部水域における航行,漁業等の他の正当な活動が不当に影響されることのないように行うものとする。

    第二十八条

 この協定のいかなる規定も,共同開発区域の全部若しくは一部に対する主権的権利の問題を決定し又は大陸棚の境界画定に関する各締約国の立場を害するものとみなしてはならない。

    第二十九条

 両締約国は,いずれか一方の締約国の要請があつたときは,この協定の実施について協議を行う。

    第三十条

 両締約国は,この協定を実施するため,すべての必要な国内的措置をとる。

    第三十一条

l この協定は,批准されなければならない。批准書は,できる限り速やかに東京で交換されるものとする。この協定は,批准書の交換の日から効力を生ずる。
2 この協定は,五十年間効力を有するものとし,その後は,3の規定に従つて終了する時まで効力を存続する。
3 いずれの一方の締約国も,三年前に他方の締約国に対して書面による予告を与えることにより,最初の五十年の期間の終わりに又はその後いつでもこの協定を終了させることができる。
4 2の規定にかかわらず,いずれか一方の締約国が,共同開発区域において天然資源を採掘することが経済上の見地からもはや不可能であると認める場合には,両締約国は,この協定を改正するか又は終了させるかどうかについて協議する。この協定の改正又は終了について合意に達しないときは,この協定は,2に定める期間中効力を存続する。

 以上の証拠として,下名は,各自の政府から正当に委任を受けて,この協定に署名した。

 千九百七十四年一月三十日にソウルで,英語により本書二通を作成した。

 日本国のために
   後宮虎郎

 大韓民国のために
   金東祚

(附属の地図省略)

   外務省条約局編「主要条約集(昭和五十五年版)」より

〇「日韓大陸棚協定」交換公文(韓国との大陸棚南部共同開発協定 交換公文)1974年(昭和49)1月30日交換

<日本語訳>

(掘さく義務に関する交換公文)

(韓国側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本長官は、本日署名された大韓民国と日本国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定(以下「協定」という。)第十一条に言及するとともに、大韓民国政府に代わつて、開発権者が探査権の存続期間中に履行すべき掘さく義務に関する次の取極を確認する光栄を有します。
1(1)協定の付表に定める各小区域について認可された両締約国の開発権者は、最初の三年の期間、次の三年の期間及び残余の二年の期間中に、それぞれ、一の坑井を掘さくする。
 (2)(1)の規定の適用上、単独危険負担操業は、両締約国の開発権者によつて行われたものとみなす。
 (3)(1)の規定の適用上、第一小区域及び第九小区域は、単一の小区域を構成するものとみなす。
 (4)(1)の規定にかかわらず、第八小区域について認可された開発楮者は、最初の三年の期間中は(1)の規定に基づく義務を免除されるものとし、第二小区域、第三小区域、第四小区域又は第六小区域について認可された開発権者は、(1)の規定に基づく義務を免除される。
2 この取極は、協定の効力発生の日から適用される。
本長官は、更に、この書簡及び日本国政府に代わって前記の取極を確認する閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。
本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十四年一月三十日にソウルで
外務部長官 金東祚閣下

大韓民国駐在日本国
特命全権大使 後宮虎郎閣下

(日本側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(韓国側書簡)

本使は、更に、日本国政府に代わつて閣下の書簡に盛られた取極を確認するとともに、閣下の書簡及びこの書簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十四年一月三十日にソウルで

大韓民国駐在日本国
特命全権大使 後宮虎郎
大韓民国外務部長官 金東祚閣下

(海洋における衝突の防止に関する交換公文)

(韓国側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本長官は、本日署名された大韓民国と日本国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定(以下「協定」という。)第二十条に言及するとともに、大韓民国政府に代わつて、海洋における衝突の防止に関する次の取極を確認する光栄を有します。

1 いずれの締約国の政府も、自国が認可した開発権者が操業管理者として指定され及び行動する共同開発区域内の小区域において次の措置をとる。
(1)(a)協定に基づく探査が水上航行船舶によりそれらの小区域において行われる場合には、当該政府は、速やかに、その探査活動が行われる海域及び期間を他方の政府及び航海者に通報する。
   (b)航行の危険となるおそれのある固定施設(以下「固定施設」という。)が設置される場合には、当該政府は、速やかに、その固定施設の正確な位置その他航行の安全のために必要な事項(例えば、固定施設の設置中にこれに備え付けられる標識)を他方の政府及び航海者に通報する。当該政府は、固定施設が撤去され又は移転される場合にも、同様の措置をとる。
(2)固定施設であつてその上端が水面より上にあるものが設置された場合には、当該政府は次の措置がとられることを確保する。
   (a)当該固定施設には、夜間は一個以上の白燈を掲げ、そのうち少なくとも一個は周囲から視認することができるようにする。これらの燈火は、平均高潮面上十五メートル以上の高さに掲げられるものとし、モールス符号のUの信号(- - ―)に相当するせん光を最大周期十五秒で発する。これらの燈火の光度は、六千カンデラ以上とする。
   (b)当該固定施設の翼端及び上端には、夜間は三百カンデラ以上の光度を有する紅燈を掲げる。
   (c)当該固定施設には、一個以上の音響信号器を備え、その音響信号が周囲から聴取することができるようにする。これらの音響信号器は、二海里以上の通常音達距離を有するものとし、モールス符号のUの信号(- - ―)に相当する音響信号を三十秒の周期で発する。音響信号器は、気象学的視程が二海里に達しないときに用いる。
   (d)レーダー・レフレクターは、当該固定施設に近づく船舶が、その接近方向のいかんを問わず、少なくとも十海里の距離から、レーダーにより当該固定施設の存在を明確に探知することができるように設置する。
   (e)当該固定施設には、航空機との衝突を防止するため適当な標識を掲げる。
(3)水中抗井、パイプライン等の水中固定施設が設置された場合には、当該政府は、その水中固定施設に適当な標示が掲げられることを確保する。
(4)(a)二以上の固定施設の位置が相互に近接しており、(2)(a)、(b)、(c)及び(d)に規定する信号装置を固定施設のそれぞれに設置しなくとも航行の安全が確保される場合には、それらの固定施設は(2)(a)、(b)、(c)及び(d)の規定の適用上、単一の固定施設を構成するものとみなすことができる。
   (b)固定施設自体が(2)(d)に規定する条件を満たすレーダー反射効果を有する場合には、レーダー・レフレクターの設置を省略することができる。
2 この取極は、協定の效力発生の日から適用される。
3 この取極は、いずれか一方の政府が他方の政府に対し一年前に書面による予告を与えることによつて、終了させることができる。
4 両政府は、この取極が3の規定に従つて終了する前に、将来の取極を決定するために会合する。
本長官は、更に、この書簡及び日本国政府に代わつて前記の取極を確認する閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。
本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十四年一月三十日にソウルで

外務部長官 金東祚
大韓民国駐在日本国
特命全権大使 後宮虎郎閣下

(日本側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(韓国側書簡)

本使は、更に、日本国政府に代わつて閣下の書簡に盛られた取極を確認するとともに、閣下の書簡及びこの書簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。
千九百七十四年一月三十日にソウルで

大韓民国駐在日本国
特命全権大使 後宮虎郎
大韓民国外務部長官 金東祚

(海洋の汚染の防止及び除去に関する交換公文)

(日本側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本使は、本日署名された日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚の南部の共同開発に関する協定(以下「協定」という。)第二十条に言及するとともに、日本国政府に代わつて、共同開発区域における天然資源の探査又は採掘に関連する活動から生ずる海洋の汚染の防止及び除去に関する次の取極を確認する光栄を有します。

I

いずれの締約国の政府も、(a)自国が認可した開発権者が操業管理者として指定され及び行動する共同開発区域内の小区域における天然資源の探査又は採掘に関連する坑井及び海洋施設並びに(b)自国の国旗を掲げる船舶で共同開発区域における天然資源の探査又は採掘に関連する活動に従事しているもの(以下「船舶」という。)に関して、次の措置がとられることを確保する。

1 噴出防止装置等
(1)(a)堀さく井には、油又は天然ガスの噴出のおそれがある場合には、噴出防止装置を備える。
   (b)(a)の規定は、試油作業又は改修作業を行う場合であつて自噴採収装置を備えたときは、適用しない。
(2)(1)にいう噴出防止装置については、次の要件が満たされなければならない。
   (a)坑口に備える噴出防止装置は、開閉式のものであり、速やかに作動することができる遠隔操作式のものであつて、かつ、専用の動力源を有すること。
   (b)坑口に備える噴出防止装置の非常用の作動装置又は警報装置をドローウォークスを操縦する者の付近に備えること。
   (c)坑口に備える噴出防止装置の払線から流出する油又は天然ガスの量を調節するため、フロービーンその他の装置を備えること。
   (d)掘管、チュービングパイプ又はケーシングパイプの内部からの油又は天然ガスの噴出を防止することができる装置を備えること。
(3)(a)坑井の掘さく作業又は試油作業を行うときは、非常用の泥水又はその材料及び重泥水の作成又は泥水の性質の調整のため必要な材料を掘さく作業現場に準備する。
   (b)(a)の規定は、自噴採収装置を備えたときは、適用しない。
(4)噴出防止装置、自噴採収装置その他の坑口装置は、少なくともこの書簡の付表に定める圧力に耐えることができるものでなければならない。
(5)掘さく作業を行うときは、次の要件が満たされなければならない。
   (a)適当な深度まで坑井の掘さくを行つたときは、速やかにケーシングパイプの挿入及びセメンチングを行うこと。
   (b)セメンチングを行つたときは、加圧その他の方法によりその有効性を確認すること。
   (c)循環泥水タンク内の泥水量の異常な増減を直ちに知ることができる装置を備えておくこと。
(6)噴出防止装置につき、一箇月に少なくとも一回適当な圧力を加えた耐圧試験を行う。
(7)気象状況により掘さく施設の位置を保持することが困難になつたため、又は事故が発生し若しくは発生するおそれがあるため堀さく作業を停止する場合には、噴出防止装置を閉鎖する。
2 油の排出
(1)(a)原油、重油、重ディーゼル油、潤滑油又はこれらの油を含有する混合物(以下「油」という。)を船舶又は海洋施設から排出してはならない。
   (b)(a)の規定は、次の排出については、適用しない。
     (ⅰ)タンカー以外の船舶からの油の排出又はタンカーからのビルジの排出で、次の条件がすべて満たされるもの
      ⅰ)当該船舶又は当該タンカーが航行中であること。
      ⅱ)油分の瞬間排出率が一海里当たり六十リットル以下であること。
      ⅲ)排出する油の油分がその排出量の百万分の百未満であること。
     (ⅱ)タンカーからの油の排出で、次の条件がすべて満たされるもの
      ⅰ)当該タンカーが航行中であること。
      ⅱ)油分の瞬間排出率が一海里当たり六十リットル以下であること。
      ⅲ)一回のバラスト航海において排出される油の総量が総貨物艙積載容積の一万五千分の一以下であること。
      ⅳ)最も近い陸地から当該タンカーまでの距離が五十海里を超えていること。
     (ⅲ)洗浄された貨物油タンクからの水バラストの排出。ただし、その貨物油タンクは、そこからの排水が晴天の日に停止中のタンカーから清浄かつ平穏な海中に排出された場合に視認することができる油膜を海面に生じないほど、十分に洗浄されていることを条件とする。
(2)(1)の規定は、次のものには適用しない。
   (a)船舶若しくは海洋施設の安全を確保し、船舶、海洋施設若しくは船舶の積荷の損傷を防止し又は海上において人命を救助するための油の排出
   (b)船舶若しくは海洋施設の損傷又はやむを得ない漏出に起因する油の流出。ただし、その損傷の発生又は漏出の発見の後に、流出を防止し又は減少させるためすべての適当な措置がとられていることを条件とする。
   (c)海洋施設からの油の排出。ただし、排出する油の油分がその排出量の百万分の十未満であることを条件とする。
   (d)総トン数百五十トン未満のタンカー又はタンカー以外の総トン数五百トン未満の船舶からの油の排出
3 廃棄物の排出
(1)船舶又は海洋施設からの廃棄物を排出してはならない。
(2)(1)の規定は、次の排出については適用しない。
   (a)船舶又は海洋施設内にある者の日常生活に伴い生ずるごみ、ふん尿若しくは汚水又はこれらに類する廃棄物の排出
   (b)海洋の汚染が生ずるおそれがない方法による掘くず又は汚水の排出
   (c)海洋の汚染が生ずるおそれがない方法により、かつ、廃棄物の排出によつて海洋環境の保全が妨げられるおそれがない海域においてする船舶からの廃棄物(掘くず及び汚水を除く。)の排出
   (d)船舶若しくは海洋施設の安全を確保し、船舶、海洋施設若しくは船舶の積荷の損傷を防止し又は海上において人命を救助するための廃棄物の排出
   (e)船舶若しくは海洋施設の損傷に起因する廃棄物の排出又はやむを得ない排出。ただし、その損傷の発生又は排出の発見の後に、排出を防止し又は減少させるためすべての適当な措置がとられていることを条件とする。
4 汚染の防止及び除去
船舶又は海洋施設から大量の油が排出されたときは、汚染のひろがり及び引き続く油の排出を防止し並びに排出された油を除去するため、速やかに、措置をとらなければならない。
5 坑井の廃止
坑井を廃止するときは、坑井からの坑水その他の物質の漏出を防止するため、坑井の密閉その他の措置をとらなければならない。

1 一方の政府は、次のいずれかの事態が発生した場合には、他方の政府に対し、入手することができるすべての情報を速やかに提供しなければならない。
(a)船舶又は海洋施設からの大量の油の排出
(b)海洋施設と船舶又は他の物体との衝突
(c)危険な気象状況その他の緊急事態による海洋施設からの人員の退去
2 1(a)の事態に関する情報を提供するときは、当該政府は、他方の政府に対し、Ⅰ4の規定に従つてとられた措置をも通報する。

1 各政府は、特別な事情があるときは、Ⅰ1(2)(a)、(b)、(c)又は(d)の規定の適用について例外を認めることができる。
2 各政府は、深さ千五百メートルを超える坑井については、Ⅰ1(4)の規定の適用について例外を認めることができる。

いずれの政府も、Ⅰ4の規定に従つて措置がとられなかつた場合又はとられた措置のみによつては海洋の汚染を防止し若しくは除去するために十分ではないと認める場合には、海洋の汚染を防止し又は除去するため、必要な措置をとることができる。

両政府は、この取極の効果的な実施のため緊密に協力する。

1 この取極は、協定の效力発生の日の後六箇月を経過したとき又は両政府間で合意するこれよりも早い日から、適用される。
2 この取極は、いずれか一方の政府が他方の政府に対し一年前に書面による予告を与えることによつて、終了させることができる。
3 両政府は、この取極が2の規定に従つて終了する前に、将来の取極を決定するために会合する。

本使は、更に、この書簡及び大韓民国政府に代わつて前記の取極を確認する閣下の返簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことを提案する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

大韓民国駐在日本国
特命全権大使 後宮虎郎
大韓民国外務部長官 金東祚閣下

 付表
  圧力
堀さくする油層又は天然ガス層の性質 噴出防止装置 噴出防止装置以外の装置
油層又は遊離形天然ガス層であつて、その圧力が判明しているもの 密閉抗底圧力の一・五倍に相当する圧力 密閉抗口圧力の二倍に相当する圧力 
油層又は遊離形天然ガス層であつて、その圧力が判明していないもの 毎平方センチメートルにつき目的層の深度のメートル数を十で除した数の一・五倍に相当する数値の重量キログラム 密閉抗口圧力の二倍に相当する圧力 
水溶形天然ガス層 毎平方センチメートルにつき目的層の深度のメートル数を十で除した数の〇・五倍に相当する数値の重量キログラム 密閉抗口圧力の二倍に相当する圧力
     
(韓国側書簡)

(訳文)

書簡をもつて啓上いたします。本長官は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。

(日本側書簡)

本長官は、更に、大韓民国政府に代わつて閣下の書簡に盛られた取極を確認するとともに、閣下の書簡及びこの書簡が両政府間の合意を構成するものとみなすことに同意する光栄を有します。
本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かつて敬意を表します。

千九百七十四年一月三十日にソウルで

外務部長官 金東祚
大韓民国駐在日本国
特命全権大使 後宮虎郎閣下

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 今日は、昭和時代中期の1955年(昭和30)に、日本が「関税および貿易に関する一般協定」(GATT)に正式加盟した日です。
 「関税および貿易に関する一般協定」(かんぜいおよびぼうえきにかんするいっぱんきょうてい)は、第2次世界大戦後に、世界各国が国際貿易を自由化し、拡大する意図のもとに結んだ国際協定でした。戦前の世界経済のブロック化が、戦争の原因になったという反省の上に立って、自由、無差別、多角主義の原則の下で、関税引下げや輸出入制限の撤廃によって、世界貿易と各国の雇用を拡大することを目的としたものです。国際通貨基金(IMF)、国際復興開発銀行(世界銀行・IBRD)と共に、戦後の世界経済秩序を支える三本柱の一つとされ、事務局本部をジュネーブに置いていました。1947年(昭和22)10月30日に、ジュネーヴにおいて署名開放され、翌年1月に発効しましたが、発足当時の加盟国数は23ヶ国であり、日本は、1955年(昭和30)6月7日に関税交渉が完了し、9月10日に正式加盟しています。1994年(平成6)に、モロッコのマラケシュで開催された閣僚会議で世界貿易機関(WTO)の設立が決定し、「関税および貿易に関する一般協定」(GATT)は、発展的に解消して、1995年(平成7)1月から世界貿易機関(WTO)に引き継がれました。以下に、「関税および貿易に関する一般協定」(GATT)の日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「関税及び貿易に関する一般協定」(日本語訳)

前文

オーストラリア連邦、ベルギー王国、ブラジル合衆国、ビルマ、カナダ、セイロン、チリ共和国、中華民国、キューバ共和国、チェッコスロヴァキア共和国、フランス共和国、インド、レバノン、ルクセンブルグ大公国、オランダ王国、ニュー・ジーランド、ノールウェー王国、パキスタン、南ローデシア、シリア、南アフリカ連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国の政府は、
貿易及び経済の分野における締約国間の関係が、生活水準を高め、完全雇用並びに高度のかつ着実に増加する実質所得及び有効需要を確保し、世界の資源の完全な利用を発展させ、並びに貨物の生産及び交換を拡大する方向に向けられるべきであることを認め、
関税その他の貿易障害を実質的に軽減し、及び国際通商における差別待遇を廃止するための相互的かつ互恵的な取極を締結することにより、これらの目的に寄与することを希望して、
それぞれの代表者を通じて次のとおり協定した。

第一部

第一条 一般的最恵国待遇
1.いずれかの種類の関税及び課徴金で、輸入若しくは輸出について若しくはそれらに関連して課され、又は輸入若しくは輸出のための支払手段の国際的移転について課せられるものに関し、それらの関税及び課徴金の徴収の方法に関し、輸入及び輸出に関連するすべての規則及び手続に関し、並びに第三条2及び4に掲げるすべての事項に関しては、いずれかの締約国が他国の原産の産品又は他国に仕向けられる産品に対して許与する利益、特典、特権又は免除は、他のすべての締約国の領域の原産の同種の産品又はそれらの領域に仕向けられる同種の産品に対して、即時かつ無条件に許与しなければならない。
2.前項の規定は、輸入税又は輸入に関する課徴金についての特恵で、4に定める限度をこえずかつ次に掲げるところに該当するものの廃止を要求するものではない。
(a)附属書Aに掲げる地域のうちの二以上の地域の間にのみ有効な特恵。ただし、同附属書に定める条件に従わなければならない。
(b)千九百三十九七月一日に共通の主権又は保護関係若しくは宗主権関係によつて結合されていた二以上の地域で、附属書B、C及びDに掲げるものの間にのみ有効な特恵。ただし、それらの附属書に定める条件に従わなければならない。
(c)アメリカ合衆国とキューバ共和国との間にのみ有効な特恵
(d)附属書E及びFに掲げる隣接国の間にのみ有効な特恵
3.1の規定は、以前オットマン帝国の一部であり、かつ、千九百二十三年七月二十四日に同帝国から分離した諸国間の特恵には適用しない。ただし、その特恵は、この点について第二十九条1の規定に照らして適用される第二十五条5(a)の規定に基いて承認されなければならない。
4.2の規定に基いて特恵を許与される産品に対する特恵の限度は、この協定に附属する該当の譲許表に特恵の最高限度が明示的に定められていない場合には、次のものをこえてはならない。
前記の譲許表に掲げる産品に対する輸入税又は課徴金については、その譲許表に定める最恵国税率と特恵税率との間の差。特恵税率が定められていない場合には、特恵税率は、この4の規定の適用上、千九百四十七年四月十日に有効であつたものとし、また、最恵国税率が定められていない場合には、その限度は、千九百四十七年四月十日における最恵国税率と特恵税率との間の差をこえてはならない。
該当の譲許表に掲げられていない産品に対する輸入税又は課徴金については、千九百四十七年四月十日における最恵国税率と特恵税率との間の差
附属書Gに掲げる締約国の場合には、(a)及び(b)の千九百四十七年四月十日という日付は、同附属書に定めるそれぞれの日付と置き替える。

第二条 譲許表
1.
(a)各締約国は、他の締約国の通商に対し、この協定に附属する該当の譲許表の該当の部に定める待遇より不利でない待遇を許与するものとする。
(b)いずれかの締約国の譲許表の第一部に掲げる産品に該当する他の締約国の領域の産品は、その譲許表が関係する領域への輸入に際し、その譲許表に定める条件又は制限に従うことを条件として、その譲許表に定める関税をこえる通常の関税を免除される。これらの産品は、また、輸入について又は輸入に関連して課せられるその他のすべての種類の租税又は課徴金で、この協定の日付の日に課せられているものをこえるもの又はその日にその輸入領域において有効である法令によりその後課することを直接にかつ義務的に要求されているものをこえるものを免除される。
(c)いずれかの締約国の譲許表の第二部に掲げる産品に該当するもので、その譲許表が関係する領域への輸入に際して特恵待遇を受ける権利を前条の規定によつて与えられている領域の産品であるものは、その輸入領域への輸入に際し、その譲許表に定める条件又は制限に従うことを条件として、その譲許表の第二部に定める関税をこえる通常の関税を免除される。これらの産品は、また、輸入について又は輸入に関連して課せられるその他のすべての種類の租税又は課徴金で、この協定の日付の日に課せられているものをこえるもの又はその日にその輸入領域において有効である法令によりその後課することを直接にかつ義務的に要求されているものをこえるものを免除される。この条のいかなる規定も、特恵税率による産品の輸入のための適格要件については、締約国がこの協定の日付の日に存在する要件を維持することを妨げるものではない。
2.この条のいかなる規定も、締約国が産品の輸入に際して次のものを随時課することを妨げるものではない。
(a)同種の国内産品について、又は当該輸入産品の全部若しくは一部がそれから製造され若しくは生産されている物品について次条2の規定に合致して課せられる内国税に相当する課徴金
(b)第六条の規定に合致して課せられるダンピング防止税又は相殺関税
(c)提供された役務の費用に相応する手数料その他の課徴金
3.締約国は、課税価額の決定の方法又は通貨換算の方法をこの協定に附属する該当の譲許表に定める譲許の価値を減ずるように変更してはならない。
4.締約国が、この協定に附属する該当の譲許表に掲げるいずれかの産品の輸入の独占を、正式に又は事実上、設定し、維持し、又は認可するときは、その独占は、その譲許表に別段の定がある場合又は直接に当該譲許を交渉した当事国の間に別段の取極がある場合を除くほか、その譲許表に定める保護の量を平均してこえるように運用してはならない。この項の規定は、締約国がこの協定の他の規定により認められるいずれかの形式の援助を国内生産者に与えることを制限するものではない。
5.締約国は、他の締約国が、いずれかの産品に対して、この協定に附属する該当の譲許表に定める譲許によつて意図されていると考えられる待遇を与えていないと認めるときは、その問題について直接にその締約国の注意を喚起しなければならない。その締約国が、注意を喚起した締約国の要求に同意はするが、その締約国の関税に関する法律に基いてこの協定に意図された待遇を許与するように当該産品を分類することができないと裁判所その他の権限のある機関が裁定したためにその待遇を許与することができないと宣言するときは、これらの二締約国及び実質的に利害関係を有するその他の締約国は、その問題の補償的調整のための交渉を直ちに開始しなければならない。
6.
(a)国際通貨基金の加盟国たる締約国の譲許表に含まれている従量税及び従量課徴金並びにそれらの締約国が維持する従量税及び従量課徴金に関する特恵の限度は、この協定の日付の日に同基金が受諾し又は暫定的に認めた平価における該当の通貨により表示する。したがつて、その平価が国際通貨基金協定に従つて二十パーセントをこえて引き下げられる場合には、その従量税及び従量課徴金並びに特恵の限度は、その引下げを考慮して調整することができる。ただし、締約国団(第二十五条の規定に従つて共同して行動する締約国をいう。)が、その調整の必要性又は緊急性に影響を及ぼすすべての要素を考慮に入れた上、その調整が該当の譲許表又はこの協定の他の部分に定める譲許の価値を減じないものであることに同意することを条件とする。
(b)同基金の加盟国でない締約国は、同基金の加盟国となる日又はその締約国が第十五条に従つて特別為替取極を締結する日から、(a)の規定の適用を受ける。
7.協定附属譲許表は、この協定の第一部の不可分の一体をなす。

第二部

第三条 内国の課税及び規則に関する内国民待遇
1.締約国は、内国税その他の内国課徴金と、産品の国内における販売、販売のための提供、購入、輸送、分配又は使用に関する法令及び要件並びに特定の数量又は割合による産品の混合、加工又は使用を要求する内国の数量規則は、国内生産に保護を与えるように輸入産品又は国内産品に適用してはならないことを認める。
2.いずれかの締約国の領域の産品で他の締約国の領域に輸入されるものは、同種の国内産品に直接又は間接に課せられるいかなる種類の内国税その他の内国課徴金をこえる内国税その他の内国課徴金も、直接であると間接であるとを問わず、課せられることはない。さらに、締約国は、前項に定める原則に反するその他の方法で内国税その他の内国課徴金を輸入産品又は国内産品に課してはならない。
3.現行の内国税で、前項の規定に反するが、千九百四十七年四月十日に有効であり、かつ、当該課税産品に対する輸入税を引き上げないように固定している貿易協定に基いて特に認められているものに関しては、それを課している締約国は、その貿易協定の義務を免除されてその内国税の保護的要素を撤廃する代償として必要な限度までその輸入税を引き上げることができるようになるまでは、その内国税に対する前項の規定の適用を延期することができる。
4.いずれかの締約国の領域の産品で他の締約国の領域に輸入されるものは、その国内における販売、販売のための提供、購入、輸送、分配又は使用に関するすべての法令及び要件に関し、国内原産の同種の産品に許与される待遇より不利でない待遇を許与される。この項の規定は、輸送手段の経済的運用にのみ基き産品の国籍には基いていない差別的国内輸送料金の適用を妨げるものではない。
5.締約国は、特定の数量又は割合による産品の混合、加工又は使用に関する内国の数量規則で、産品の特定の数量又は割合を国内の提供源から供給すべきことを直接又は間接に要求するものを設定し、又は維持してはならない。さらに、締約国は、1に定める原則に反するその他の方法で内国の数量規則を適用してはならない。
6.前項の規定は、締約国の選択により、千九百三十九年七月一日、千九百四十七年四月十日又は千九百四十八年三月二十四日にいずれかの締約国の領域において有効である内国の数量規則には適用されない。ただし、これらの規則で前項の規定に反するものは、輸入に対する障害となるように修正してはならず、また、交渉上は関税とみなして取り扱うものとする。
7.特定の数量又は割合による産品の混合、加工又は使用に関する内国の数量規則は、その数量又は割合を国外の供給源別に割り当てるような方法で適用してはならない。
8.
(a)この条の規定は、商業的再販売のため又は商業的販売のための貨物の生産に使用するためではなく政府用として購入する産品の政府機関による調達を規制する法令又は要件には適用しない。
(b)この条の規定は、国内生産者のみに対する補助金(この条の規定に合致して課せられる内国税又は内国課徴金の収入から国内生産者に交付される補助金及び政府の国内産品購入の方法による補助金を含む。の交付を妨げるものではない。
9.締約国は、内国の最高価格統制措置が、この条の他の規定に合致していてもなお、輸入産品を供給する締約国の利益に不利な影響を及ぼすことがあることを認める。よつて、その措置を執つている締約国は、その不利な影響をできる限り避けるため、輸出締約国の利益を考慮しなければならない。
10.この条の規定は、締約国が、露出済映画フィルムに関する内国の数量規則で第四条の要件に合致するものを設定し、又は維持することを妨げるものではない。

第四条 露出済映画フィルムに関する特別規定
締約国が露出済映画フィルムに関する内国の数量規則を設定し、又は維持するときは、その規則は、次の要件に合致する映写時間割当の方式を採らなければならない。
(a)映写時間割当は、すべての映画フィルム(原産地のいかんを問わない。)の商業的上映のため一年以上の一定期間に実際に利用される総映写時間のうち、最少限度の一定割合の時間国内原産フィルムを上映するように要求することができ、それは、各劇場当りの年間映写時間又はこれに相当するものを基礎として計算されなければならない。
(b)映写時間割当に基いて国内原産フィルムのために保留された映写時間を除くほか、映写時間(国内原産フィルムのために保留された映写時間のうち行政的措置によつて解除された部分を含む。)は、法令上も事実上も供給源別に割り当ててはならない。
(c)(b)の規定にかかわらず、締約国は、(a)の要件に合致する映写時間割当で、その映写時間割当を課している締約国以外の特定の原産地のフィルムのため最少限度の割合の映写時間を保留するものを維持することができる。ただし、映写時間のこの最少限度の割合は、千九百四十七年四月十日現在の水準をこえてはならない。
(d)映写時間割当の制限、緩和又は廃止については、交渉を行うことができる。

第五条 通過の自由
1.貨物(手荷物を含む。)及び船舶その他の輸送手段は、一締約国の領域のそれらの通過が、積換、倉入れ、荷分け又は輸送方法の変更を伴うかどうかを問わず、その締約国の国境外から始まり国境外に終るその通過の全行程の一部にすぎないときは、その領域を通過しているものとみなす。この種の運送は、この条において「通過運送」という。
2.他の締約国の領域へ向かうか又は他の締約国の領域から来る通過運送に対しては、国際通過に最も便利な経路によつて各締約国の領域を通過する自由を与えなければならない。船舶の国籍、原産地、仕出地、入国地、出国地若しくは仕向地による差別、又は貨物若しくは船舶その他の輸送手段の所有の事情に基く差別を設けてはならない。
3.締約国は、自国の領域を通る通過運送について関係税関で所定の手続に従うことを要求することはできるが、関税に関して適用される法令を遵守しなかつた場合を除くほか、他の締約国の領域から来るか又は他の締約国の領域へ向かう通過運送を不必要に遅延させ、又は制限してはならず、また、その通過運送について、輸送料金又は通過に伴う行政的経費若しくは提供された役務の費用に相応する課徴金を除くほか、関税及びすべての通過税その他の通過に関して課せられる課徴金を免除しなければならない。
4.他の締約国の領域へ向かうか又は他の締約国の領域から来る通過運送について締約国が課するすべての課徴金及び規則は、その運送の条件を考慮した合理的なものでなければならない。
5.各締約国は、通過に関するすべての課徴金、規則及び手続に関し、他の締約国の領域へ向かうか又は他の締約国の領域から来る通過運送に対し、第三国へ向かうか又は第三国から来る通過運送に許与する待遇より不利でない待遇を許与しなければならない。
6.各締約国は、他の締約国の領域を通過してくる産品に対し、その産品が当該領域を通過しないで原産地から仕向地へ輸送される場合に許与する待遇より不利でない待遇を許与しなければならない。もつとも、締約国は、直接運送が特恵税率による輸入のための適格要件となつている場合又は当該締約国の関税上の評価方法と関連がある場合の貨物に関し、この協定の日付の日に存在する直接運送の要件を維持することができる。
7.この条の規定は、航空機の通過航行には適用しないが、貨物(手荷物を含む。)の空路による通過には適用する。

第六条 ダンピング防止税及び相殺関税
1.締約国は、ある国の産品をその正常な価額より低い価額で他国の商業へ導入するダンピングが締約国の領域における確立された産業に実質的な損害を与え若しくは与えるおそれがあり、又は国内産業の確立を実質的に遅延させるときは、そのダンピングを非難すべきものと認める。この条の規定の適用上、ある国から他国へ輸出される産品の価格が次のいずれかの価格より低いときは、その産品は、正常の価額より低い価額で輸入国の商業に導入されるものとみなす。
(a)輸出国における消費に向けられる同種の産品の通常の商取引における比較可能の価格
(b)前記の国内価格がない場合には、
 (ⅰ)第三国に輸出される同種の産品の通常の商取引における比較可能の最高価格
 (ⅱ)原産国における産品の生産費に妥当な販売経費及び利潤を加えたもの
販売条件の差異、課税上の差異及び価格の比較に影響を及ぼすその他の差異に対しては、それぞれの場合について妥当な考慮を払わなければならない。
2.締約国は、ダンピングを相殺し又は防止するため、ダンピングされた産品に対し、その産品に関するダンピングの限度をこえない金額のダンピング防止税を課することができる。この条の適用上、ダンピングの限度とは、1の規定に従つて決定される価格差をいう。
3.いずれかの締約国の領域の産品で他の締約国の領域に輸入されるものは、原産国又は輸出国においてその産品の製造、生産又は輸出について直接又は間接に与えられていると認められる奨励金又は補助金(特定の産品の輸送に対する特別の補助金を含む。)の推定額に等しい金額をこえる相殺関税を課せられることはない。「相殺関税」とは、産品の製造、生産又は輸出について直接又は間接に与えられる奨励金又は補助金を相殺する目的で課する特別の関税をいう。
4.いずれかの締約国の領域の産品で他の締約国の領域に輸入されるものは、その産品が原産国若しくは輸出国における消費に向けられる同種の産品が課せられる租税を免除されることを理由として、又はその租税の払いもどしを受けることを理由としてダンピング防止税又は相殺関税を課せられることはない。
5.いずれかの締約国の領域の産品で他の締約国の領域に輸入されるものは、ダンピング又は輸出補助金から生ずる同一の事態を補償するためにダンピング防止税と相殺関税とを併課されることはない。
6.
(a)締約国は、他の締約国のダンピング又は補助金の影響が、自国の確立された国内産業に実質的な損害を与え若しくは与えるおそれがあり、又は自国の国内産業の確立を実質的に遅延させるものであると決定する場合を除くほか、当該他の国の領域の産品の輸入についてダンピング防止税又は相殺関税を課してはならない。
(b)締約国団は、締約国が、輸入締約国の領域に当該産品を輸出する第三国たる締約国の領域における産業に実質的な損害を与え又は与えるおそれがあるダンピング又は補助金の交付を相殺するため当該産品の輸入にダンピング防止税又は相殺関税を課することができるように、(a)の要件を免除することができる。締約国団は、補助金が輸入締約国の領域に当該産品を輸出する第三国たる締約国の領域における産業に実質的な損害を与え又は与えるおそれがあると認める場合には、相殺関税を課することができるように、(a)の要件を免除しなければならない。
(c)もつとも、遅延すれば回復しがたい損害を生ずるような特別の場合においては、締約国は、(b)の目的のため、締約国団の事前の承認を得ないで相殺関税を課することができる。ただし、この措置は、直ちに締約国団に報告しなければならず、かつ、締約国団が否認するときは、相殺関税は、直ちに撤回されるものとする。
7.輸出価格の変動に関係なく、一次産品の国内価格又は国内生産者の収入を安定させるための制度であつて、同種の産品についての国内市場の買手に対する比較可能の価格より低い価格で当該産品を輸出のために販売することがあるものは、当該産品について実質的な利害関係を有する締約国間の協議によつて次の事実が確定されるときは、前項の規定の意味において実質的な損害を与えることになるものとみなさない。
その制度が、また、同種の産品についての国内市場の買手に対する比較可能の価格より高い価格で当該産品を輸出のため販売することにもなつたこと及び
その制度が、生産の実効的な規制その他の方法により不当に輸出を促進しないように、又はその他の締約国の利益を著しく害しないように運用されていること

第七条 関税上の評価
1.締約国は、次の諸項に定める関税上の評価の一般原則が妥当であることを認め、かつ、輸入及び輸出に関する関税その他の課徴金又は制限で価額に基くか又はなんらかの方法で価額によつて規制されるものを課せられるすべての産品について、それらの原則を実施することを約束する。さらに、締約国は、他の締約国の要請を受けたときは、関税上の価額に関する法令の実施について、前記の原則に照らして検討しなければならない。締約国団は、締約国に対し、この条の規定に従つて締約国が執つた措置に関する報告を提出するように要請することができる。
2.
(a)輸入貨物の関税上の価額は、関税を課せられる輸入貨物又は同種の貨物の実際の価額に基くものでなければならず、国内原産の産品の価額又は任意の若しくは架空の価額に基くものであつてはならない。
(b)「実際の価額」とは、輸入国の法令で定める時に、及びその法令で定める場所で、その貨物又は同種の貨物が通常の商取引において完全な競争的条件の下に販売され、又は販売のために提供される価格をいう。その貨物又は同種の貨物の価格が特定の取引の数量によつて支配される限り、考慮される価格は、(i)比較可能の数量又は(ii)輸出国と輸入国との間の貿易において一層多量の貨物が販売される場合の数量より輸入業者にとつて不利でない数量のいずれかに関連を有するものでなければならない。
(c)実際の価額を(b)の規定に従つて確定することができないときは、関税上の価額は、その価額に最も近い相当額に基くものでなければならない。
3.輸入産品の関税上の価額は、原産国又は輸出国において課せられる内国税で、当該輸入産品が免除されたもの又は払いもどしを受けたもの若しくはその後受けるものの金額を含まないものでなければならない。
4.
(a)この4に別段の定がある場合を除くほか、2の規定の適用上締約国が他国の通貨により表示された価格を自国の通貨に換算することを必要とする場合には、使用すべき為替換算率は、各関係通貨につき、国際通貨基金協定に従つて設定された平価、同基金により認められた為替相場又はこの協定の第十五条の規定に基いて締結される特別為替取極に従つて設定された平価に基くものでなければならない。
(b)前記の平価が設定されておらず、また、前記の為替相場が認められていないときは、換算率は、商取引における当該通貨の現在の価値を実効的に反映したものでなければならない。
(c)締約国団は、国際通貨基金との取極により、国際通貨基金協定に合致して維持されている複数為替相場に基き締約国が行う外国通貨の換算を規制する規則を定めなければならない。締約国は、その外国通貨に関し、2の規定の適用上、平価を基礎とする代りに、その規則を適用することができる。締約国団がその規則を採択するまでの間、締約国は、その外国通貨に関し、2の規定の適用上、商取引におけるその外国通貨の価値を実効的に反映させるような換算規則を適用することができる。
(d)この4のいかなる規定も、この協定の日付の日に締約国の領域において適用されている関税上の通貨換算方法の変更が関税の額を全般的に増加する効果を有する場合には、その変更を締約国に要求するものと解してはならない。
価額に基くか又は何らかの方法で価額によつて規制される関税その他の課徴金又は制限を課せられる産品の価額を決定するための基準及び方法は、安定したものでなければならず、また、貿易業者が相当の確実性をもつて関税上の価額を推定することができるように十分に公表されなければならない。

第八条 輸入及び輸出に関する手数料及び手続
1.
(a)性質のいかんを問わず締約国が輸入若しくは輸出について又はそれらに関連して課するすべての手数料及び課徴金(輸入税、輸出税及び第三条の規定の範囲内の租税を除く。)は、提供された役務の概算の費用にその額を限定しなければならず、かつ、国内産品に対する間接的保護又は輸入若しくは輸出に対する財政上の目的のための課税となるものであつてはならない。
(b)締約国は、(a)に掲げる手数料及び課徴金の数及び種類を減少する必要を認める。
(c)締約国は、また、輸入及び輸出の手続の範囲及び複雑性を局限し、並びに輸入及び輸出の所要書類を少くしかつ簡易化する必要を認める。
2.締約国は、他の締約国又は締約国団の要請を受けたときは、この条の規定に照らして自国の法令の実施について検討しなければならない。
3.締約国は、税関規則又は税関手続上の要件の軽微な違反に対して、重い罰を課してはならない。特に、税関書類中の脱落又は誤記で、容易に訂正することができ、かつ、明らかに不正の意図又ははなはだしい怠慢によるものでないものに対する罰は、単に警告に相当するものをこえてはならない。
4.この条の規定は、輸入及び輸出に関連して政府機関が課する手数料、課徴金、手続及び要件(次の事項に関するものを含む。)についても適用する。
(a)領事送状及び領事証明書等の領事手続
(b)数量制限
(c)許可
(d)為替管理
(e)統計事務
(f)書類作成、書類交付及び証明
(g)分析及び検査
(h)検疫、衛生検査及び消毒

第九条 原産地表示
1.各締約国は、他の締約国の領域の産品の表示の要件に関し、第三国の同種の産品に許与する待遇より不利でない待遇を許与しなければならない。
2.締約国は、原産地表示に関する法令の制定及び実施に当り、虚偽の表示又は誤解のおそれのある表示から消費者を保護する必要について妥当な考慮を払つた上で、そのような措置が輸出国の商業及び産業にもたらす困難及び不便を局限しなければならないことを認める。
3.締約国は、行政上可能なときはいつでも、所定の原産地表示を輸入の時に附することを許可しなければならない。
4.輸入産品の表示に関する締約国の法令は、産品に著しい損害を与えることなく、その価値を実質的に減ずることなく、又はその価格を過度に引き上げることなく、遵守することができるものでなければならない。
5.締約国は、表示の訂正が不当に遅延し、虚偽の表示が附され、又は所定の表示が故意に省かれた場合を除くほか、輸入前に表示の要件に従わなかつたことに対しては、原則として、特別税又は罰を課してはならない。
6.締約国は、産品の真の原産地を誤認させるような方法、すなわち、他の締約国の領域の産品の特殊の地方的の又は地理的の名称でその国の法令によつて保護されているものを侵害するような方法による商標の使用を防止するため相互に協力しなければならない。各締約国は、他の締約国が自国に通告した産品の名称に対する前記の侵害に関して当該他の締約国が行う要請又は申入れに対して、十分かつ好意的な考慮を払わなければならない。

第十条 貿易規則の公表及び施行
1.締約国が実施する一般に適用される法令、司法上の判決及び行政上の決定で、産品の関税上の分類若しくは評価に関するもの、関税、租税その他の課徴金の率に関するもの、輸入、輸出若しくはそれらの支払手段の移転の要件、制限若しくは禁止に関するもの又は産品の販売、分配、輸送、保険、倉入れ、検査、展示、加工、混合その他の使用に影響を及ぼすものは、諸政府及び貿易業者が知ることができるような方法により、直ちに公表しなければならない。また、国際貿易政策に影響を及ぼす取極で、いずれかの締約国の政府又は政府機関と他の締約国の政府又は政府機関との間で効力を有するものも、公表しなければならない。この項の規定は、締約国に対し、法令の実施を妨げ、公共の利益に反し、又は公的若しくは私的の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような秘密の情報の提供を要求するものではない。
2.締約国が執る一般に適用される措置で、確立された統一的慣行に基いて輸入について課せられる関税その他の課徴金の率を増加し、又は輸入について若しくは輸入のための支払手段の移転について新たな若しくは一層重い要件、制限若しくは禁止を課するものは、その正式の公表前に実施してはならない。
3.
(a)各締約国は、1に掲げる種類のすべての法令、判決及び決定を一律の公平かつ合理的な方法で実施しなければならない。
(b)各締約国は、特に、関税事項に関する行政上の措置をすみやかに審査し、及び是正するため、司法裁判所、調停裁判所若しくは行政裁判所又はそれらの訴訟手続を維持し、又はできる限りすみやかに設定しなければならない。これらの裁判所又は訴訟手続は、行政上の実施の任に当る機関から独立していなければならず、その判決は、輸入業者がその控訴のために定められた期間内に上級の裁判所に控訴しない限り、前記の機関により実施されるものとし、また、前記の機関の行動を規制するものとする。ただし、その機関の中央行政官庁は、その決定を法令の確立された原則又は事実と一致しないと信ずる十分な理由があるときは、その問題について他の手続による審査を受けるため措置を執ることができる。
(c)(b)の規定は、この協定の日付の日に締約国の領域において有効である訴訟手続で、行政上の実施の任に当る機関から完全に又は正式に独立していないが行政上の措置の客観的なかつ公平な審査について事実上規定しているものの廃止又は代替を要求するものではない。その訴訟手続を採用している締約国は、要請を受けたときは、その訴訟手続がこの(c)の要件に合致するかどうかを締約国団が決定することができるように、その訴訟手続に関する完全な情報を締約国団に提供しなければならない。

第十一条 数量制限の一般的廃止
1.締約国は、他の締約国の領域の産品の輸入について、又は他の締約国の領域に仕向けられる産品の輸出若しくは輸出のための販売について、割当によると、輸入又は輸出の許可によると、その他の措置によるとを問わず、関税その他の課徴金以外のいかなる禁止又は制限も新設し、又は維持してはならない。
2.前項の規定は、次のものには適用しない。
(a)輸出の禁止又は制限で、食糧その他輸出締約国にとつて不可欠の産品の危機的な不足を防止し、又は緩和するために一時的に課するもの
(b)輸入及び輸出の禁止又は制限で、国際貿易における産品の分類、格付又は販売に関する基準又は規則の適用のために必要なもの
(c)農業又は漁業の産品に対して輸入の形式のいかんを問わず課せられる輸入制限で、次のことを目的とする政府の措置の実施のために必要なもの
 (ⅰ)販売若しくは生産を許された同種の国内産品の数量又は、同種の産品の実質的な国内生産がないときは、当該輸入産品をもつて直接に代替することができる国内産品の数量を制限すること。
 (ⅱ)同種の国内産品の一時的な過剰又は、同種の産品の実質的な国内生産がないときは、当該輸入産品をもつて直接に代替することができる国内産品の一時的な過剰を、無償で又は現行の市場価格より低い価格で一定の国内消費者の集団に提供することにより、除去すること。
 (ⅲ)生産の全部又は大部分を輸入産品に直接に依存する動物産品について、当該輸入産品の国内生産が比較的にわずかなものである場合に、その生産許可量を制限すること。
この(c)の規定に従つて産品の輸入について制限を課している締約国は、将来の特定の期間中に輸入することを許可する産品の総数量又は総価額及びその数量又は価額の変更を公表しなければならない。さらに、(i)の規定に基いて課せられる制限は、輸入の総計と国内生産の総計との割合を、その制限がない場合に両者の間に成立すると合理的に期待される割合より小さくするものであつてはならない。締約国は、この割合を決定するに当り、過去の代表的な期間に存在していた割合について、及び当該産品の取引に影響を及ぼしたか又は影響を及ぼしている特別の要因について、妥当な考慮を払わなければならない。

第十二条 国際収支の擁護のための制限
1.前条1の規定にかかわらず、締約国は、自国の対外資金状況及び国際収支を擁護するため、この条の次の諸項の規定に従うことを条件として、輸入を許可する商品の数量又は価額を制限することができる。
2.
(a)この条の規定に基いて締約国が新設し、維持し、又は強化する輸入制限は、次のいずれかの目的のために必要な限度をこえてはならない。
 (ⅰ)自国の貨幣準備の著しい減少の急迫した脅威の予防又はそのような減少の阻止
 (ⅱ)きわめて低い貨幣準備を有する締約国の場合には、その貨幣準備の合理的な率による増加
 前記のいずれの場合においても、当該締約国の貨幣準備又はその貨幣準備の必要性に影響を及ぼしていると思われる特別の要因(その締約国が外国の特別の信用その他の資金を利用することができる場合には、その信用又は資金の適当な使用のための準備の必要性を含む。)について妥当な考慮を払わなければならない。
(b)(a)の規定に基く制限を課している締約国は、(a)に定める状態がその制限を課することを正当とする限度においてのみこれを維持するものとし、その状態が改善されるにしたがつてその制限を漸次緩和しなければならない。その締約国は、(a)の規定に基く制限の新設又は維持をもはや正当としないような状態になつたときは、その制限を廃止しなければならない。
3.
(a)締約国は、国内政策の実施に当り、自国の国際収支の均衡を健全かつ永続的な基礎の上に維持し、又は回復することの必要性について、及び生産資源の非経済的利用を防止することが望ましいことについて、妥当な考慮を払うことを約束する。締約国は、この目的を達成するため、国際貿易の縮少ではなくその拡大のための措置をできる限り採用することが望ましいことを認める。
(b)この条の規定に基く制限を課している締約国は、一層重要な産品の輸入に優先権を与えるように、産品別又は産品の種類別に輸入に対する制限の範囲を定めることができる。
(c)この条の規定に基く制限を課している締約国は、次のことを約束する。
 (ⅰ)他の締約国の商業上又は経済上の利益に対する不必要な損害を避けること。
 (ⅱ)いずれかの種類の貨物の商業上の最少限度の数量の輸入でそれを排除すれば正常な交易を阻害することとなるものを不当に妨げるような制限を課さないこと。
 (ⅲ)商業上の見本の輸入を妨げ、又は特許権、商標権若しくは著作権に関する手続若しくは他の類似の手続に従うことを妨げるような制限を課さないこと。
(d)締約国は、完全かつ生産的な雇用の達成及び維持又は経済資源の開発をめざす国内政策の結果として、いずれかの締約国において、2(a)にいうような貨幣準備に対する脅威をもたらす高水準の輸入需要が生ずることがあることを認める。よつて、この条の規定に従つている締約国は、これらの政策を変更すればこの条の規定に基いて自国が課している制限が不必要になるであろうということを理由として制限を撤回し又は修正するように要求されることはない。
4.
(a)新たな制限を課し、又は、この条の規定に基いて適用している措置の実質的な強化により、自国の現行の制限の全般的水準を引き上げる締約国は、その制限を新設し、若しくは強化した後直ちに(又は事前の協議が実際上可能な場合には、その制限を新設し、若しくは強化する前に)、自国の国際収支上の困難の性質、執ることができる代りの是正措置及びその制限が他の締約国の経済に及ぼす影響について、締約国団と協議しなければならない。
(b)締約国団は、締約国団が定める日に、この条の規定に基いてその日に課せられているすべての制限を審査しなければならない。この条の規定に基く輸入制限を課している締約国は、前記の日から一年が経過した後は、毎年、(a)の規定の例による協議を締約国団と行わなければならない。
(c)
 (ⅰ)締約国団は、(a)又は(b)の規定に基く締約国との協議において、制限がこの条又は第十三条の規定(第十四条の規定を留保する。)に合致しないと認めるときは、その不一致の性質を指摘しなければならず、又、その制限を適当に修正するように助言することができる。
 (ⅱ)もつとも、締約国団は、協議の結果、制限がこの条又は第十三条の規定(第十四条の規定を留保する。)に著しく反するような方法で課せられており、かつ、それがいずれかの締約国の貿易に損害を与え又は与えるおそれがあると決定するときは、その制限を課している締約国にその旨を通報し、かつ、その締約国が特定の期間内に前記の規定に従うようにするため適当な勧告を行わなければならない。その締約国が特定の期間内に前記の勧告に従わなかつたときは、締約国団は、その制限により貿易に悪影響を受けた締約国について、その制限を課している締約国に対するこの協定に基く義務で締約国団が状況により適当であると決定するものを免除することができる。
(d)締約国団は、この条の規定に基く制限を課している締約国に対し、その制限がこの条又は第十三条の規定(第十四条の規定を留保する。)に反すること及びそれにより自国の貿易が悪影響を受けていることを一見して明白に立証することができる他の締約国から要請を受けたときは、締約国団と協議するように勧誘しなければならない。もつとも、この勧誘は、関係締約国間の直接の討議が成功しなかつたことを締約国団が確認した場合でなければ行うことはできない。締約国団との協議の結果、合意に達することができず、かつ、制限が前記の規定に反して課せられていること及びその制限がこの手続を開始した締約国の貿易に損害を与え又は与えるおそれがあることを締約国団が決定するときは、締約国団は、その制限の撤回又は修正を勧告しなければならない。締約国団が定める期間内に制限が撤回され、又は修正されないときは、締約国団は、この手続を開始した締約国について、当該制限を課している締約国に対するこの協定に基く義務で締約国団が状況により適当であると決定するものを免除することができる。
(e)締約国団は、この4の規定に基く手続を執るに際し、制限を課している締約国の輸出貿易に悪影響を及ぼしている特別の外的要因に妥当な考慮を払わなければならない。
(f)この4の規定に基く決定は、すみやかに、できれば協議の開始の日から六十日以内に行わなければならない。
5.この条の規定に基く輸入制限が持続的かつ広範囲に課せられており、国際貿易を制限するような一般的不均衡の存在を示しているときは、締約国団は、不均衡の根本原因を除去する目的をもつて、国際収支が逆調に向つている締約国、国際収支が異常に順調に向つている締約国又は適当な政府間機関のいずれかが他の措置を執りうるかどうかについて考慮するための討議を開始しなければならない。締約国は締約国団の勧誘を受けたときは、その討議に参加しなければならない。

第十三条 数量制限の無差別適用
1.締約国は、他の締約国の領域の産品の輸入又は他の締約国の領域に仕向けられる産品の輸出について、すべての第三国の同種の産品の輸入又はすべての第三国に仕向けられる同種の産品の輸出が同様に禁止され、又は制限される場合を除くほか、いかなる禁止又は制限も課してはならない。
2.締約国は、産品に対して輸入制限を課するに当り、その制限がない場合に諸締約国が獲得すると期待される取分にできる限り近づくようにその産品の貿易量を配分することを目標としなければならず、このため次の規定を遵守しなければならない。
(a)可能なときはいつでも、輸入許可品の総量を表わす割当量(供給国間に割り当てられているかどうかを問わない。)を決定し、かつ、その総量を3(b)の規定に従つて公表しなければならない。
(b)割当量の決定が不可能である場合には、割当量を定めない輸入の許可又は免許によつて制限を課することができる。
(c)締約国は、(d)の規定に従つて割り当てられる割当量を実施する場合を除くほか、当該産品を特定の国又は供給源から輸入するために輸入の許可又は免許を利用することを要求してはならない。
(d)供給国間に割当量を割り当てる場合には、制限を課している締約国は、割当量の割当について、当該産品の供給について実質的な利害関係を有する他のすべての締約国と合意することができる。この方法が事実上実行不可能な場合には、関係締約国は、その産品の供給について実質的な利害関係を有する締約国に対し、その産品の貿易に影響を及ぼしたか又は及ぼしているすべての特別の要因に妥当な考慮を払い、過去の代表的な期間中にその締約国がその産品の輸入の総数量又は総価額に対して供給した割合に基いてその産品の取分を割り当てなければならない。いずれかの締約国が前記の総数量又は総価額のうち自国に割り当てられた取分の全部を使用することを妨げるような条件又は手続は、課してはならない。ただし、輸入が当該割当量に関する所定の期間内に行われることを条件とする。
3.
(a)輸入制限に関連して輸入許可証を発給する場合には、制限を課している締約国は、当該産品の貿易について利害関係を有する締約国の要請があつたときは、その制限の実施、最近の期間について与えられた輸入許可証及び供給国間におけるその許可証の配分に関するすべての関係情報を提供しなければならない。ただし、輸入又は供給を行なう企業の名称に関する情報を提供する義務を負わない。
(b)輸入制限が割当量の決定を伴う場合には、制限を課している締約国は、将来の特定の期間中に輸入することを許可する産品の総数量又は総価額及びその総数量又は総価額の変更を公表しなければならない。公表が行われた時に輸送の途中にあつた当該産品の輸入は、拒否してはならない。ただし、実行可能な場合には、当該期間中に輸入することを許可する数量からこれを差し引いて計算することができ、また、必要な場合には、その次の一又は二以上の期間中に輸入することを許可する数量からこれを差し引いて計算することもできる。さらに、締約国が、前記の公表の日の後三十日の期間内に消費のため輸入され、又は消費のため保税倉庫から引き取られる産品について、慣習的に前記の制限を免除するときは、その慣習は、この(b)の規定に完全に合致するものと認める。
(c)供給国間に割当量を割り当てる場合には、制限を課している締約国は、その時に供給国間に割り当てた割当量の取分の数量又は価額を当該産品の供給について利害関係を有する他のすべての締約国に直ちに通報しなければならず、かつ、これを公表しなければならない。
4.2(d)の規定又は第十一条2(c)の規定に基いて課せられる制限に関し、産品に関する代表的な期間の選定及び産品の貿易に影響を及ぼしている特別の要因の評価は、当該制限を課している締約国が最初に行わなければならない。ただし、その締約国は、その産品の供給について実質的な利害関係を有する他の締約国又は締約国団の要請を受けたときは、決定した割当若しくは選定した基準期間の調整の必要について、関係のある特別の要因の再評価の必要について、又は適当な割当量の割当若しくはその割当の無制限使用に関して一方的に設定した条件、手続その他の規定の廃止の必要について、当該他の締約国又は締約国団と直ちに協議しなければならない。
5.この条の規定は、締約国が設定し、又は維持する関税割当に適用するものとし、この条の原則は、できる限り輸出制限にも適用するものとする。

第十四条 無差別待遇の原則の例外
1.第十二条又は第十八条Bの規定に基く制限を課する締約国は、その制限を課するに当り、国際通貨基金協定第八条若しくは第十四条の規定に基き又はこの協定の第十五条6の規定により締結した特別為替取極の類似の規定に基き当該時にその締約国が経常的国際取引のための支払及び資金移動について課することができる制限と等しい効果を有するような方法で、第十三条の規定から逸脱することができる。
2.第十二条又は第十八条Bの規定に基く輸入制限を課している締約国は、自国の対外貿易の一小部分に関し、関係締約国の受ける利益が他の締約国の貿易に与える損害より実質的に大きいときは、締約国団の同意を得て、一時的に第十三条の規定から逸脱することができる。
3.第十三条の規定は、国際通貨基金において共同の割当額をもつ一群の地域が、相互間の輸入にではなく他国からの輸入に対し、第十二条又は第十八条Bの規定に従つて制限を課することを妨げるものではない。ただし、その制限は、他のすべての点で第十三条の規定に合致するものでなければならない。
4.第十二条又は第十八条Bの規定に基く輸入制限を課している締約国は、第十三条の規定から逸脱しないで使用しうる通貨の獲得を増加するように自国の輸出を導く措置を実施することを、この協定の第十一条から第十五条までの規定又は第十八条Bの規定によつて、妨げられることはない。
5.締約国は、次のいずれかの数量制限を課することを、この協定の第十一条から第十五条までの規定又は第十八条Bの規定によつて、妨げられることはない。
(a)国際通貨基金協定第七条第三項(b)の規定に基づいて許可された為替制限と等しい効果を有する数量制限
(b)この協定の附属書Aに定める交渉が成立するまでの間、同附属書に定める特恵取極に基く数量制限

第十五条 為替取極
1.締約国団は、締約国団及び国際通貨基金が、同基金の権限内の為替上の問題並びに締約国団の権限内の数量制限の問題及び貿易上のその他の措置に関して調整された政策を遂行することができるように、同基金との協力に努めなければならない。
2.締約国団は、貨幣準備、国際収支又は外国為替取極に関する問題を審査し、又は処理することを求められるすべての場合に、国際通貨基金と十分に協議しなければならない。その協議において、締約国団は、外国為替、貨幣準備及び国際収支について同基金が提示する統計その他の事実に関するすべての認定を受諾しなければならず、また、為替上の事項に関するいずれかの締約国の措置が国際通貨基金協定又は当該いずれかの締約国と締約国団との間の特別為替取極の条項に従つているかどうかについての同基金の決定を受諾しなければならない。締約国団は、第十二条2(a)又は第十八条9に定める基準に基いて最終的決定をするときは、締約国の貨幣準備の著しい減少、その貨幣準備のきわめて低い水準又はその貨幣準備の合理的な率による増加が何によるものであるかについての同基金の決定及びその場合に協議の対象となるその他の事項の金融的な面に関する同基金の決定を受諾しなければならない。
3.締約国団は、前項の規定に基く協議のための手続について、国際通貨基金との取極の締結を求めなければならない。
4.締約国は、為替上の措置によつてこの協定の規定の趣旨を没却してはならず、また、貿易上の措置によつて国際通貨基金協定の規定の趣旨を没却してはならない。
5.締約国団は、いずれかの締約国が数量制限に関しこの協定で定める例外に反する方法で輸入に関連する支払及び移転について為替制限を課していると認めるときはいつでも、その問題について国際通貨基金に報告しなければならない。
6.国際通貨基金の加盟国でない締約国は、締約国団が同基金と協議して定める期間内に、同基金の加盟国とならなければならず、それが不可能なときは、締約国団と特別為替取極を締結しなければならない。同基金の加盟国でなくなつた締約国は、直ちに締約国団と特別為替取極を締結しなければならない。この項の規定に基いて締約国が締結した特別為替取極は、その締結の時に、その締約国のこの協定に基く義務の一部となる。
7.
(a)前項の規定に基く締約国と締約国団との間の特別為替取極は、当該締約国の為替上の事項に関する措置の結果この協定の目的が没却されないことについて締約国団が必要と認める規定を含まなければならない。
(b)前記の取極の条項は、為替上の事項について国際通貨基金協定が国際通貨基金の加盟国に課する義務より全般的に一層制限的な義務をその締約国に課するものであつてはならない。
8.国際通貨基金の加盟国でない締約国は、国際通貨基金協定第八条第五項の規定の一般的範囲内の情報であつて締約国団がこの協定に基くその任務の遂行のため要求するものを提供しなければならない。
9.この協定のいかなる規定も、次のことを妨げるものではない。
(a)締約国が、国際通貨基金協定又は自国と締約国団との間の特別為替取極に従う為替管理又は為替制限を実施すること。
(b)締約国が、第十一条、第十二条、第十三条及び第十四条の規定に基いて認められる効果のほか前記の為替管理又は為替制限を実効的にする効果がある輸入又は輸出の制限又は統制を実施すること。

第十六条 補助金
A 補助金一般
1.締約国は、補助金(なんらかの形式による所得又は価格の支持を含む。)で、直接又は間接に自国の領域からの産品の輸出を増加させ又は自国の領域への産品の輸入を減少させるものを許与し、又は維持するときは、当該補助金の交付の範囲及び性格について、自国の領域に輸入され又は自国の領域から輸出される産品の数量に対して当該補助金の交付が及ぼすと推定される効果について、並びにその補助金の交付を必要とする事情について、書面により締約国団に通告しなければならない。その補助金が他の締約国の利益に重大な損害を与え、又は与えるおそれがあると決定された場合には、補助金を許与している締約国は、要請を受けたときは、その補助金を制限する可能性について他の関係締約国又は締約国団と討議しなければならない。
B 輸出補助金に関する追加規定
2.締約国団は、締約国によるいずれかの産品に対する輸出補助金の許与が、他の輸入締約国及び輸出締約国に有害な影響を与え、それらの締約国の通常の商業上の利益に不当な障害をもたらし、及びこの協定の目的の達成を阻害することがあることを認める。
3.よつて、締約国は、一次産品の輸出補助金の許与を避けるように努めなければならない。ただし、締約国が自国の領域からの一次産品の輸出を増加するようないずれかの形式の補助金を直接又は間接に許与するときは、その補助金は、過去の代表的な期間における当該産品の世界輸出貿易におけるその締約国の取分及びこのような貿易に影響を与えたか又は与えていると思われる特別の要因を考慮して、当該産品の世界輸出貿易における当該締約国の衡平な取分をこえて拡大するような方法で与えてはならない。
4.さらに、締約国は、千九百五十八年一月一日に、又はその後のできる限り早い日に、一次産品以外の産品の輸出に対し、国内市場の買手が負担する同種の産品の比較可能な価格より低い価格で当該産品を輸出のため販売することとなるようないかなる形式の補助金も、直接であると間接であるとを問わず、許与することを終止するものとする。締約国は、千九百五十七年十二月三十一日までの間、補助金の交付の範囲を、補助金を新設することにより、又は現行の補助金を拡大することにより、千九百五十五年一月一日現在の補助金の交付の範囲をこえて拡大してはならない。
5.締約国団は、この条の規定が、この協定の目的の助長に対し、及び締約国の貿易又は利益に著しく有害な補助金の交付の防止に対し、有効であるかどうかを実際の経験に照らして審査するため、その規定の運用を随時検討しなければならない。

第十七条 国家貿易企業
1.
(a)各締約国は、所在地のいかんを問わず国家企業を設立し、若しくは維持し、又はいずれかの企業に対して排他的な若しくは特別の特権を正式に若しくは事実上許与するときは、その企業を、輸入又は輸出のいずれかを伴う購入又は販売に際し、民間貿易業者が行う輸入又は輸出についての政府の措置に関してこの協定に定める無差別待遇の一般原則に合致する方法で行動させることを約束する。
(b)(a)の規定は、前記の企業が、この協定の他の規定に妥当な考慮を払つた上で、商業的考慮(価格、品質、入手の可能性、市場性、輸送等の購入又は販売の条件に対する考慮をいう。)のみに従つて前記の購入又は販売を行い、かつ、他の締約国の企業に対し、通常の商慣習に従つて前記の購入又は販売に参加するために競争する適当な機会を与えることを要求するものと了解される。
(c)締約国は、自国の管轄権の下にある企業((a)に定める企業であるかどうかを問わない。)が(a)及び(b)の原則に従つて行動することを妨げてはならない。
2.1の規定は、再販売するため又は販売のための貨物の生産に使用するための産品ではなく政府が直接に又は最終的に消費するための産品の輸入には、適用しない。その輸入については、各締約国は、他の締約国の貿易に対して公正かつ衡平な待遇を許与しなければならない。
3.締約国は、1(a)に定める種類の企業の運営が貿易に著しい障害を与えることがあること、よつて、その障害を制限し、又は減少するための相互的かつ互恵的な基礎における交渉が国際貿易の拡大のため重要であることを認める。
4.
(a)締約国は、1(a)に定める種類の企業により自国の領域に輸入され、又はそこから輸出される産品を締約国団に通告しなければならない。
(b)第二条の規定に基く譲許の対象とならない産品について輸入独占を設定し、維持し、又はその特権を与える締約国は、当該産品について実質的数量の貿易を行う他のいずれかの締約国の要請を受けたときは、最近の代表的な期間における当該産品の輸入差益を締約国団に通報しなければならず、その通報を行うことが不可能なときは、当該産品の再販売に当り課せられる価格を通報しなければならない。
(c)締約国団は、この協定に基く自国の利益が1(a)に定める種類の企業の運営により悪影響を受けていると信ずべき根拠を有する締約国から要請を受けたときは、その企業を設立し、維持し、又はこれに特権を与えている締約国に対し、その企業の運営に関する情報でこの協定の規定の実施に関連のあるものを提供するように要請することができる。
(d)この4の規定は、締約国に対し、法令の実施を妨げ、公共の利益に反し、又は特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような秘密の情報の提供を要求するものではない。

第十八条 経済開発に対する政府の援助
1.締約国は、この協定の目的の達成が、締約国、特に、経済が低生活水準を維持することができるにすぎず、かつ、開発の初期の段階にある締約国の経済の漸進的開発により容易にされることを認める。
2.締約国は、さらに、これらの締約国が、その国民の一般的生活水準を引き上げるための経済開発の計画及び政策を実施するため、輸入に影響する保護措置その他の措置を必要とする場合があること並びにそれらの措置が、この協定の目的の達成を容易にする限り、正当とされることを認める。よつて、締約国は、前記の締約国が、(a)特定の産業の確立のため必要な関税上の保護を与えることができるように、自国の関税構造に十分な弾力性を維持すること及び(b)自国の経済開発計画の実施により予想される継続的な高度の輸入需要を十分に考慮して国際収支のための数量制限を課することを可能ならしめる追加的便益を享有することに同意する。
3.締約国は、最後に、A及びBに定める追加的便益が与えられれば、この協定の規定が締約国にとつてその経済開発の要件を満たすために通常十分であることを認める。もつとも、締約国は、経済開発の過程にある締約国がその国民の一般的生活水準の引上げの意図をもつてする特定の産業の確立を促進するため必要な政府援助を許与するためには、A及びBの規定に合致するいかなる措置も実際上執りえないような事態が存在するかもしれないことに同意する。このような事態に対処するため、C及びDに特別の手続を定める。
4.
(a)よつて、経済が低生活水準を維持することができるにすぎず、かつ、開発の初期の段階にある締約国は、A、B及びCに定めるとおり、この協定の他の条項の規定から一時的に逸脱することができるものとする。
(b)経済が開発の過程にあるが(a)の規定の範囲内にはいらない締約国は、締約国団に対し、Dの規定に基く申請を行うことができる。
5.締約国は、経済が4(a)及び(b)にいう形態をそなえ、かつ、少数の一次産品の輸出に依存する締約国の輸出収入が、その産品の販売の低下により、著しく減少することがあることを認める。よつて、このような締約国は、自国の一次産品の輸出が他の締約国の執つた措置により著しい影響を受けるときは、この協定の第二十二条の協議規定を援用することができる。
6.締約国団は、毎年、C及びDの規定に従つて執られるすべての措置を審査しなければならない。
7.
(a)4(a)の規定の範囲内にはいる締約国は、その国民の一般的生活水準を引き上げる意図をもつて特定の産業の確立を促進するため、この協定に附属する該当の譲許表に含まれる譲許を修正し、又は撤回することが望ましいと考えるときは、その旨を締約国団に通告し、かつ、その譲許について直接に交渉を行つた締約国及びその譲許について実質的な利害関係を有すると締約国団により決定された他の締約国と交渉を行わなければならない。これらの関係締約国の間で合意が成立したときは、これらの締約国は、その合意(関係する補償的調整を含む。)を実施するため、この協定の該当の譲許表に基く譲許を修正し、又は撤回することができるものとする。
(b)(a)に定める通告の日の後六十日以内に合意が成立しなかつたときは、譲許の修正又は撤回を申し出た締約国は、その問題を締約国団に付託することができ、締約国団は、直ちにその問題を審査しなければならない。譲許の修正又は撤回を申し出た締約国が合意に達するためあらゆる努力を払つたこと及びその締約国が提案する補償的調整が適当なものであることを締約国団が認めるときは、その締約国は、同時にその補償的調整を実施することを条件として、その譲許を修正し、又は撤回することができるものとする。締約国団が、譲許の修正又は撤回を申し出た締約国の提案する補償が適当なものであるとは認めないが、その締約国が適当な補償を提案するためあらゆる妥当な努力を払つたことを認めるときは、その締約国は、その修正又は撤回を行うことができるものとする。このような措置が執られたときは、(a)に掲げる他のいずれの締約国も、その措置を執つた締約国と直接に交渉した譲許のうちその措置と実質的に等価値の譲許を修正し、又は撤回することができるものとする。
8.締約国は、4(a)の規定の範囲内にはいる締約国が急速な開発過程にあるときは、そのような締約国においては、その国内市場を拡大するための努力及びその交易条件の不安定性から主として起る国際収支上の困難が生ずることを認める。
9.4(a)の規定の範囲内にはいる締約国は、自国の対外資金状況を擁護するため、及び自国の経済開発計画の実施のために十分な貨幣準備を確保するため、10から12までの規定に従うことを条件として、輸入を許可される商品の数量又は価格を制限することにより輸入の全般的水準を統制することができる。ただし、このようにして新設され、維持され、又は強化される輸入制限は、次のいずれかの目的のために必要な限度をこえてはならない。
(a)自国の貨幣準備の著しい減少の脅威の予防又はそのような減少の阻止
(b)十分な貨幣準備を有しない締約国の場合には、その貨幣準備の合理的な率による増加
 前記のいずれの場合においても、当該締約国の貨幣準備又はその貨幣準備の必要性に影響を及ぼしていると思われる特別の要因(その締約国が外国の特別の信用その他の資金を利用することができる場合には、その信用又は資金の適当な使用のための準備の必要性を含む。)について妥当な考慮を払わなければならない。
10.締約国は、これらの制限を課するに当り、自国の経済開発政策に照らして一層重要な産品の輸入に優先権を与えるように、産品別又は産品の種類別に輸入に対する制限の範囲を定めることができる。ただし、その制限は、他の締約国の商業上又は経済上の利益に対する不必要な損害を避けるように、かつ、いずれかの種類の貨物の商業上の最少限度の数量の輸入でそれを排除すれば正常な交易を阻害することとなるものを不当に妨げないように課さなければならず、また、商業上の見本の輸入を妨げ、又は特許権、商標権若しくは著作権に関する手続若しくは他の類似の手続に従うことを妨げるように課してはならない。
11.締約国は、国内政策の実施に当り、自国の国際収支の均衡を健全かつ永続的な基礎の上に回復することの必要性について、及び生産資源の経済的利用を確保することが望ましいことについて、妥当な考慮を払わなければならない。締約国は、このBの規定に基いて課する制限を、9の条件に基き必要とされる限度においてのみ維持するものとし、状態が改善されるにしたがつて漸次緩和しなければならず、また、その制限の維持をもはや正当としないような状態になつたときは、その制限を廃止しなければならない。ただし、締約国は、その開発政策を変更すればこのBの規定に基いて自国が課している制限が不必要になるであろうということを理由としてその制限を撤回し又は修正するように要求されることはない。
12.
(a)新たな制限を課し、又は、このBの規定に基いて適用している措置の実質的な強化により、自国の現行の制限の全般的水準を引き上げる締約国は、その制限を新設し、若しくは強化した後直ちに(又は事前の協議が実際上可能な場合には、その制限を新設し、若しくは強化する前に)、自国の国際収支上の困難の性質、執ることができる代りの是正措置及びその制限が他の締約国の経済に及ぼす影響について、締約国団と協議しなければならない。
(b)締約国団は、締約国団が定める日に、このBの規定に基いてその日に課せられているすべての制限を審査しなければならない。このBの規定に基く制限を課している締約国は、前記の日から二年を経過した後は、締約国団が毎年作成する計画に従つて大体二年ごとに(その間隔は、二年より短くてはならない。)、(a)の規定の例による協議を締約国団と行わなければならない。ただし、この(b)の規定に基く協議は、この12の他の規定に基く一般的性質の協議の終結の後二年以内に行うことはできない。
(c)
 (ⅰ)締約国団は、(a)又は(b)の規定に基く締約国との協議において、制限がこのB又は第十三条の規定(第十四条の規定を留保する。)に合致しないと認めるときは、その不一致の性質を指摘しなければならず、また、その制限を適当に修正するように助言することができる。
 (ⅱ)もつとも、締約国団は、協議の結果、制限がこのB又は第十三条の規定(第十四条の規定を留保する。)に著しく反するような方法で課せられており、かつ、それがいずれかの締約国の貿易に損害を与え又は与えるおそれがあると決定するときは、その制限を課している締約国にその旨を通報し、かつ、その締約国が特定の期間内に前記の規定に従うようにするため適当な勧告を行わなければならない。その締約国が特定の期間内に前記の勧告に従わなかつたときは、締約国団は、その制限により貿易に悪影響を受けた締約国について、当該制限を課している締約国に対するこの協定に基く義務で締約国団が状況により適当であると決定するものを免除することができる。
(d)締約国団は、このBの規定に基く制限を課している締約国に対し、その制限がこのB又は第十三条の規定(第十四条の規定を留保する。)に反すること及びそれにより自国の貿易が悪影響を受けていることを一見して明白に立証することができる他の締約国から要請を受けたときは、締約国団と協議するように勧誘しなければならない。もつとも、この勧誘は、関係締約国間の直接の討議が成功しなかつたことを締約国団が確認した場合でなければ行うことはできない。締約国団との協議の結果、合意に達することができず、かつ、制限が前記の規定に反して課せられていること及びその制限がこの手続を開始した締約国の貿易に損害を与え又は与えるおそれがあることを締約国団が決定するときは、締約国団は、その制限の撤回又は修正を勧告しなければならない。締約国団が定める期間内に制限が撤回され、又は修正されないときは、締約国団は、この手続を開始した締約国について、当該制限を課している締約国に対するこの協定に基く義務で締約国団が状況により適当であると決定するものを免除することができる。
(e)(c)(ii)又は(d)のいずれかの最後の文の規定に従つて執られた措置の適用を受けている締約国は、締約国団が認める義務の免除により自国の経済開発の計画及び政策の運営が悪影響を受けると認めるときは、その措置が執られた後六十日以内に、締約国団の書記局長に対し、この協定から脱退する意思を書面により通告することができるものとし、その脱退は、同書記局長がその通告書を受領した日の後六十日目に効力を生ずる。
(f)締約国団は、この12の規定に基く手続を執るに際し、2に掲げる要因に妥当な考慮を払わなければならない。この12の規定に基く決定は、すみやかに、できれば協議の開始の日から六十日以内に行わなければならない。
13.4(a)の規定の範囲内にはいる締約国は、その国民の一般的生活水準を引き上げる意図をもつて特定の産業の確立を促進するため、政府の援助が必要であるが、この目的のためにはこの協定の他の規定に合致するいかなる措置も実際上執りえないと認めるときは、このCの規定及び手続を援用することができる。
14.締約国は、13に定める目的を達成するに当つて生ずる特別の困難を締約国団に通告しなければならず、かつ、その困難を除去するために自国が執ることを申し出る特別の措置で輸入に影響を及ぼすものを示さなければならない。その締約国は、前記の措置を、15若しくは17に定める期間の満了前には、又は、その措置がこの協定に附属する該当の譲許表に含まれる譲許の対象たる産品の輸入に影響を及ぼすものであるときは、18の規定に従い締約国団の同意を得ない限り、執ることができない。ただし、援助を受けている産業がすでに生産を開始しているときは、当該締約国は、締約国団に通報した後、当該産品の輸入が通常の水準をこえて実質的に増加することを防ぐための措置を必要とする期間中執ることができる。
15.前記の措置の通告の日の後三十日以内に、締約国団が当該締約国に対して締約国団と協議するように要請しなかつたときは、その締約国は、申し出た措置を執るために必要な限度において、この協定の他の条項の該当の規定から逸脱することができるものとする。
16.締約国団の要請を受けたときは、当該締約国は、申し出た措置の目的、この協定に基いて執ることができる代りの措置並びに申し出た措置が他の締約国の商業上及び経済上の利益に及ぼす影響について、締約国団と協議しなければならない。その協議の結果、締約国団が、この協定の他の規定に合致する措置で13に定める目的の達成のために実際上執ることができるものがないことを認め、かつ、申し出られた措置に同意するときは、当該締約国は、その措置を執るために必要な限度において、この協定の他の条項の該当の規定に基く義務を免除されるものとする。
17.14の規定に基く申し出られた措置の通告の日の後九十日以内に、締約国団がその措置に同意しないときは、当該締約国は、締約国団に通報した後、申し出た措置を執ることができる。
18.申し出た措置がこの協定に附属する該当の譲許表に含まれる譲許の対象たる産品に影響を及ぼすものであるときは、当該締約国は、その譲許について直接に交渉を行つた他の締約国及びその譲許について実質的な利害関係を有すると締約国団により決定された他の締約国と協議を行なわなければならない。締約国団は、この協定の他の規定に合致する措置で13に定める目的の達成のために実際上執ることができるものがないこと及び次のいずれかのことを認めるときは、前記の措置に同意しなければならない。
(a)前記の協議の結果、これらの他の締約国との合意が成立したこと。
(b)締約国団が14に定める通告を受領した日の後六十日以内に、合意が成立しなかつたときは、このCの規定を援用する締約国が合意に達するためあらゆる妥当な努力を払つたこと及び他の締約国の利益が十分に擁護されていること。
このCの規定を援用する締約国は、前記の措置を執るために必要な限度において、この協定の他の条項の該当の規定に基く義務を免除される。
19.13の規定の例による申し出られた措置が、この協定の該当の規定に基いて関係締約国が国際収支上の目的で課した制限によつて附随的に与えられた保護によりその確立が初期において容易にされた産業に関係があるときは、その締約国は、このCの規定及び手続を援用することができる。ただし、その締約国は、締約国団の同意がなければ、申し出た措置を執つてはならない。
20.このCの前諸項のいかなる規定も、この協定の第一条、第二条及び第十三条の規定からの逸脱を認めるものではない。10のただし書は、このCの規定に基くすべての制限に適用する。
21.17の規定に基く措置が執られている間はいつでも、その措置により実質的な影響を受けた締約国は、このCの規定を援用している締約国の貿易に対し、その協定に基く実質的に等価値の譲許その他の義務であつてその適用の停止を締約国団が否認しないものの適用を停止することができる。ただし、影響を受ける締約国に実質的に不利となるように前記の措置が執られ、又は変更された後六箇月以内に、その停止について六十日の事前の通告を締約国団に対して行なわなければならない。この停止を行う締約国は、この協定の第二十二条の規定に従い協議のための適当な機会を与えなければならない。
22.4(b)の規定の範囲内にはいる締約国は、自国の経済の開発のため、特定の産業の確立に関し13の規定の例による措置を執ることを希望するときは、その措置について承認を得るため締約国団に申請することができる。締約国団は、当該締約国と直ちに協議しなければならず、また、決定を下すに当つては、16に定める事項について考慮を払わなければならない。申し出られた措置に締約国団が同意したときは、当該締約国は、その措置を執るために必要な限度において、この協定の他の条項の該当の規定に基く義務を免除される。申し出られた措置が、この協定に附属する該当の譲許表に含まれる譲許の対象たる産品に影響を及ぼすものであるときは、18の規定が適用される。
23.このDの規定に基いて執られる措置は、20の規定に従わなければならない。

第十九条 特定の産品の輸入に対する緊急措置
1.
(a)締約国は、事情の予見されなかつた発展の結果及び自国がこの協定に基いて負う義務(関税譲許を含む。)の効果により、産品が、自国の領域内における同種の産品又は直接的競争産品の国内生産者に重大な損害を与え又は与えるおそれがあるような増加した数量で、及びそのような条件で、自国の領域内に輸入されているときは、その産品について、前記の損害を防止し又は救済するために必要な限度及び期間において、その義務の全部若しくは一部を停止し、又はその譲許を撤回し、若しくは修正することができる。
(b)特恵譲許の対象となつている産品が締約国の領域内に(a)に定める事情の下に輸入され、その結果、その特恵を受けているか又は受けていた他の締約国の領域内における同種の産品又は直接的競争産品の国内生産者に重大な損害を与え又は与えるおそれがある場合において、当該他の締約国の要請を受けたときは、輸入締約国は、当該産品について、前記の損害を防止し又は救済するために必要な限度及び期間において、該当の義務の全部若しくは一部を停止し、又は譲許を撤回し、若しくは修正することができる。
2.締約国は、1の規定に従つて措置を執るに先だち、提案する措置についてできる限り早目に書面により締約国団に通告しなければならず、また、自国と協議する機会を、締約国団及び当該産品の輸出国として実質的に利害関係を有する締約国に与えなければならない。特恵譲許について前記の通告を行うときは、その通告には、その措置を要請した締約国の名を掲げなければならない。遅延すれば回復しがたい損害を生ずるような急迫した事態においては、1の規定に基く措置は、事前の協議を行うことなく暫定的に執ることができる。ただし、その措置を執つた後直ちに協議を行うことを条件とする。
3.
(a)前記の措置について関係締約国間に合意が成立しなかつた場合にも、締約国は、希望するときは、その措置を執り、又は継続することができる。また、その措置が執られ、又は継続されるときは、それによつて影響を受ける締約国は、その措置が執られた後九十日以内に、かつ、締約国団が停止の通告書を受領した日から三十日の期間が経過した時に、その措置を執つている締約国の貿易に対し、又は1(b)に定める場合にはその措置を要請している締約国の貿易に対し、この協定に基く実質的に等価値の譲許その他の義務で締約国団が否認しないものの適用を停止することができる。
(b)(a)の規定にかかわらず、締約国は、事前の協議を行うことなく2の規定に基いて措置が執られ、かつ、その措置がその影響を受ける産品の国内生産者に対して自国の領域内において重大な損害を与え又は与えるおそれがある場合において、遅延すれば回復しがたい損害を生ずるおそれがあるときは、その措置が執られると同時に、及び協議の期間を通じて、損害を防止し又は救済するために必要な譲許その他の義務を停止することができる。

第二十条 一般的例外
この協定の規定は、締約国が次のいずれかの措置を採用すること又は実施することを妨げるものと解してはならない。ただし、それらの措置を、同様の条件の下にある諸国の間において任意の若しくは正当と認められない差別待遇の手段となるような方法で、又は国際貿易の偽装された制限となるような方法で、適用しないことを条件とする。
(a)公徳の保護のために必要な措置
(b)人、動物又は植物の生命又は健康の保護のために必要な措置
(c)金又は銀の輸入又は輸出に関する措置
(d)この協定の規定に反しない法令(税関行政に関する法令、第二条4及び第十七条の規定に基いて運営される独占の実施に関する法令、特許権、商標権及び著作権の保護に関する法令並びに詐欺的慣行の防止に関する法令を含む。)の遵守を確保するために必要な措置
(e)刑務所労働の産品に関する措置
(f)美術的、歴史的又は考古学的価値のある国宝の保護のために執られる措置
(g)有限天然資源の保存に関する措置。ただし、この措置が国内の生産又は消費に対する制限と関連して実施される場合に限る。
(h)締約国団に提出されて否認されなかつた基準に合致する政府間商品協定又は締約国団に提出されて否認されなかつた政府間商品協定のいずれかに基く義務に従つて執られる措置
(i)国内原料の価格が政府の安定計画の一部として国際価格より低位に保たれている期間中、国内の加工業に対してその原料の不可欠の数量を確保するために必要な国内原料の輸出に制限を課する措置。ただし、この制限は、国内産業の産品の輸出を増加するように、又は国内産業に与えられる保護を増大するように運用してはならず、また、無差別待遇に関するこの協定の規定から逸脱してはならない。
(j)一般的に又は地方的に供給が不足している産品の獲得又は分配のために不可欠の措置。ただし、このような措置は、すべての締約国が当該産品の国際的供給について衡平な取分を受ける権利を有するという原則に合致するものでなければならず、また、この協定の他の規定に反するこのような措置は、それを生ぜしめた条件が存在しなくなつたときは、直ちに終止しなければならない。締約国団は、千九百六十年六月三十日以前に、この(j)の規定の必要性について検討しなければならない。

第二十一条 安全保障のための例外
この協定のいかなる規定も、次のいずれかのことを定めるものと解してはならない。
(a)締約国に対し、発表すれば自国の安全保障上の重大な利益に反するとその締約国が認める情報の提供を要求すること。
(b)締約国が自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要であると認める次のいずれかの措置を執ることを妨げること。
 (ⅰ)核分裂性物質又はその生産原料である物質に関する措置
 (ⅱ)武器、弾薬及び軍需品の取引並びに軍事施設に供給するため直接又は間接に行なわれるその他の貨物及び原料の取引に関する措置
 (ⅲ)戦時その他の国際関係の緊急時に執る措置
(c)締約国が国際の平和及び安全の維持のため国際連合憲章に基く義務に従う措置を執ることを妨げること。

第二十二条 協議
1.各締約国は、この協定の運用に関して他の締約国が行う申立に対し好意的な考慮を払い、かつ、その申立に関する協議のため適当な機会を与えなければならない。
2.締約国団は、いずれかの締約国の要請を受けたときは、前項の規定に基く協議により満足しうる解決が得られなかつた事項について、いずれかの一又は二以上の締約国と協議することができる。

第二十三条 無効化又は侵害
1.締約国は、(a)他の締約国がこの協定に基く義務の履行を怠つた結果として、(b)他の締約国が、この協定の規定に抵触するかどうかを問わず、なんらかの措置を適用した結果として、又は(c)その他のなんらかの状態が存在する結果として、この協定に基き直接若しくは間接に自国に与えられた利益が無効にされ、若しくは侵害され、又はこの協定の目的の達成が妨げられていると認めるときは、その問題について満足しうる調整を行うため、関係があると認める他の締約国に対して書面により申立又は提案をすることができる。この申立又は提案を受けた締約国は、その申立又は提案に対して好意的な考慮を払わなければならない。
2.妥当な期間内に関係締約国間に満足しうる調整が行われなかつたとき、又は困難が前項(c)に掲げるものに該当するときは、その問題を締約国団に付託することができる。締約国団は、このようにして付託された問題を直ちに調査し、かつ、関係があると認める締約国に対して適当な勧告を行い、又はその問題について適当に決定を行わなければならない。締約国団は、必要と認めるときは、締約国、国際連合経済社会理事会及び適当な政府間機関と協議することができる。締約国団は、事態が重大であるためそのような措置が正当とされると認めるときは、締約国に対し、この協定に基く譲許その他の義務でその事態にかんがみて適当であると決定するものの他の締約国に対する適用の停止を許可することができる。当該他の締約国に対するいずれかの譲許その他の義務の適用が実際に停止されたときは、その締約国は、停止の措置が執られた後六十日以内に、この協定から脱退する意思を書面により締約国団の書記局長に通告することができ、この脱退は、同書記局長がその脱退通告書を受領した日の後六十日目に効力を生ずる。

第三部

第二十四条 適用地域―国境貿易―関税同盟及び自由貿易地域
1.この協定の規定は、締約国の本土関税地域及び第二十六条の規定に基いてこの協定が受諾され、又は第三十三条の規定に基いて若しくは暫定的適用に関する議定書に従つてこの協定が適用されている他の関税地域に適用する。これらの関税地域は、この協定の適用地域に関する場合に限り、それぞれ一締約国として取り扱うものとする。ただし、この項の規定は、単一の締約国が第二十六条の規定に基いてこの協定を受諾しており、又は第三十三条の規定に基いて若しくは暫定的適用に関する議定書に従つてこの協定を適用している二以上の関税地域の間になんらかの権利又は義務を発生させるものと解してはならない。
2.この協定の適用上、関税地域とは、当該地域とその他の地域との間の貿易の実質的な部分に対して独立の関税その他の通商規則を維持している地域をいう。
3.この協定の規定は、次のものを妨げるものと解してはならない。
(a)締約国が国境貿易を容易にするため隣接国に与える利益
(b)トリエステ自由地域の隣接国が同地域との貿易に与える利益。ただし、その利益が第二次世界戦争の結果締結された平和条約に抵触しないことを条件とする。
4.締約国は、任意の協定により、その協定の当事国間の経済の一層密接な統合を発展させて貿易の自由を増大することが望ましいことを認める。締約国は、また、関税同盟又は自由貿易地域の目的が、その構成領域間の貿易を容易にすることにあり、そのような領域と他の締約国との間の貿易に対する障害を引き上げることにはないことを認める。
5.よつて、この協定の規定は、締約国の領域の間で、関税同盟を組織し、若しくは自由貿易地域を設定し、又は関税同盟の組織若しくは自由貿易地域の設定のために必要な中間協定を締結することを妨げるものではない。ただし、次のことを条件とする。
(a)関税同盟又は関税同盟の組織のための中間協定に関しては、当該関税同盟の創設又は当該中間協定の締結の時にその同盟の構成国又はその協定の当事国でない締約国との貿易に適用される関税その他の通商規則は、全体として、当該関税同盟の組織又は当該中間協定の締結の前にその構成地域において適用されていた関税の全般的な水準及び通商規則よりそれぞれ高度なものであるか又は制限的なものであつてはならない。
(b)自由貿易地域又は自由貿易地域の設定のための中間協定に関しては、各構成地域において維持されている関税その他の通商規則で、その自由貿易地域の設定若しくはその中間協定の締結の時に、当該地域に含まれない締約国又は当該協定の当事国でない締約国の貿易に適用されるものは、自由貿易地域の設定又は中間協定の締結の前にそれらの構成地域に存在していた該当の関税その他の通商規則よりそれぞれ高度なものであるか又は制限的なものであつてはならない。
(c)(a)及び(b)に掲げる中間協定は、妥当な期間内に関税同盟を組織し、又は自由貿易地域を設定するための計画及び日程を含むものでなければならない。
6.5(a)の要件を満たすに当り、締約国が第二条の規定に反して税率を引き上げることを提案したときは、第二十八条に定める手続を適用する。補償的調整を決定するに当つては、関税同盟の他の構成国の対応する関税の引下げによつてすでに与えられた補償に対して妥当な考慮を払わなければならない。
7.
(a)関税同盟若しくは自由貿易地域又は関税同盟の組織のため若しくは自由貿易地域の設定のために締結される中間協定に参加することを決定する締約国は、その旨を直ちに締約国団に通告し、かつ、締約国団が適当と認める報告及び勧告を締約国に対して行うことができるようにその関税同盟又は自由貿易地域に関する情報を締約国団に提供しなければならない。
(b)締約国団は、5に掲げる中間協定に含まれる計画及び日程をその中間協定の当事国と協議して検討し、かつ、(a)の規定に従つて提供された情報に妥当な考慮を払つた後、その協定の当事国の意図する期間内に関税同盟が組織され若しくは自由貿易地域が設定される見込がないか又はその期間が妥当でないと認めたときは、その協定の当事国に対して勧告を行わなければならない。当事国は、その勧告に従つてその中間協定を修正する用意がないときは、それを維持し、又は実施してはならない。
(c)5(c)に掲げる計画又は日程の実質的な変更は、締約国団に通報しなければならない。締約国団は、その変更が関税同盟の組織又は自由貿易地域の設定を危くし、又は不当に遅延させるものであると認めるときは、関係締約国に対し、締約国団と協議するように要請することができる。
8.この協定の適用上、
(a)関税同盟とは、次のことのために単一の関税地域をもつて二以上の関税地域に替えるものをいう。
 (ⅰ)関税その他の制限的通商規則(第十一条、第十二条、第十三条、第十四条、第十五条及び第二十条の規定に基いて認められるもので必要とされるものを除く。)を同盟の構成地域間の実質上のすべての貿易について、又は少くともそれらの地域の原産の産品の実質上のすべての貿易について、廃止すること。
 (ⅱ)9の規定に従うことを条件として、同盟の各構成国が、実質的に同一の関税その他の通商規則をその同盟に含まれない地域の貿易に適用すること。
(b)自由貿易地域とは、関税その他の制限的通商規則(第十一条、第十二条、第十三条、第十四条、第十五条及び第二十条の規定に基いて認められるもので必要とされるものを除く。)がその構成地域の原産の産品の構成地域間における実質上のすべての貿易について廃止されている二以上の関税地域の集団をいう。
9.第一条2に掲げる特恵は、関税同盟の組織又は自由貿易地域の設定によつて影響を受けるものではないが、これによつて影響を受ける締約国との交渉によつて廃止し、又は調整することができる。影響を受ける締約国とのこの交渉の手続は、特に、8(a)(i)及び(b)の規定に合致するために必要とされる特恵の廃止に適用するものとする。
10.締約国団は、5から9までに定める要件に完全には合致しない提案を三分の二の多数によつて承認することができる。ただし、その提案は、この条の規定の意味における関税同盟の組織又は自由貿易地域の設定のためのものでなければならない。
11.締約国は、インド及びパキスタンの独立国としての確立の結果生ずる例外的な事態を考慮し、かつ、両国が長期にわたつて単一の経済単位を構成してきたことを認めるので、両国間の貿易関係が確定的な基礎の上に確立されるまでの間は、この協定の規定が、両国間の貿易に関する両国間の特別の取極の締結を妨げるものではないことに同意する。
12.各締約国は、自国の領域内の地域的な及び地方的な政府及び機関によるこの協定の規定の遵守を確保するため、執ることができる妥当な措置を講ずるものとする。

第二十五条 締約国の共同行動
1.締約国の代表者は、この協定の規定であつて、共同行動を伴うものを実施するため、並びに一般にこの協定の運用を容易にし、及びその目的を助長するため、随時会合しなければならない。この協定において、共同して行動する締約国を指すときはいつでも、締約国団という。
2.国際連合事務総長は、締約国団の第一回会合を招集するように要請される。その会合は、千九百四十八年三月一日以前に行うものとする。
3.各締約国は、締約国団のすべての会合において、一個の投票権を有する。
4.この協定に別段の定がある場合を除くほか、締約国団の決定は、投票の過半数によつて行うものとする。
5.締約国団は、この協定に規定されていない例外的な場合には、この協定により締約国に課せられる義務を免除することができる。ただし、その決定が投票の三分の二の多数により承認されること及びその多数には半数をこえる締約国を含むことを条件とする。締約国団は、また、このような表決方法により、次のことを行うことができる。
 (ⅰ)義務の免除のため他の投票の要件が適用されるべき例外的場合の若干の種類を定めること。
 (ⅱ)この5の規定の適用のため必要な基準を定めること。

第二十六条 受諾、効力発生及び登録
1.この協定の日付は、千九百四十七年十月三十日とする。
2.この協定は、千九百五十五年三月一日にこの協定の締約国であつたか、又はこの協定への加入のため交渉を行つていた締約国による受諾のため、開放される。
3.この協定は、ともに正文である英語及びフランス語の原本一通により作成され、国際連合事務総長に寄託されるものとし、同事務総長は、その認証謄本をすべての関係政府に送付するものとする。
4.この協定を受諾する各政府は、締約国団の書記局長に受諾書を寄託しなければならず、同書記局長は、各受諾書の寄託の日及びこの協定が6の規定に基いて効力を生ずる日をすべての関係政府に通報するものとする。
5.
(a)この協定を受諾する各政府は、その本土領域及びその政府が国際的責任を有する他の地域についてこの協定を受諾するものとする。ただし、受諾の時に締約国団の書記局長に通告される独立の関税地域は、除外する。
(b)(a)のただし書に基いて同書記局長に前記の通告を行つた政府は、自国の受諾が、除外された独立の関税地域のいずれかについて適用される旨をいつでも同書記局長に通告することができ、その通告は、同書記局長がそれを受領した日の後三十日目に効力を生ずる。
(c)いずれかの関税地域で締約国がそれについてこの協定を受諾しているものは、その対外通商関係及びこの協定で定める他の事項の処理について完全な自治権を保持しているか又は取得したときは、責任を有する締約国の当該事実を確証する宣言による提唱に基いて締約国とみなされる。
6.この協定は、附属書Hの該当の欄の百分率に従つて算定して、同附属書に掲げる政府の領域の対外貿易総額の八十五パーセントを占める政府により受諾書が締約国団の書記局長に寄託された日の後三十日目に、この協定を受諾している政府の間で効力を生ずる。その他の各政府の受諾書は、それが寄託された日の後三十日目に効力を生ずる。
7.国際連合は、この協定が効力を生じた後直ちに、この協定を登録する権限を有する。

第二十七条 譲許の停止又は撤回
締約国は、この協定に附属する該当の譲許表に定める譲許で、締約国とならなかつた政府又は締約国でなくなつた政府と直接に交渉した譲許であると決定するものについては、いつでもその全部又は一部を停止し、又は撤回することができる。この措置を執る締約国は、その旨を締約国団に通告しなければならず、また、要請を受けたときは、当該産品について実質的な利害関係を有する締約国と協議しなければならない。

第二十八条 譲許表の修正
1.締約国(以下この条において「申請締約国」という。)は、この協定に附属する該当の譲許表に含まれる譲許を、その譲許について直接に交渉した締約国及び主要供給国としての利害関係を有すると締約国団により決定された他の締約国(これらの二種類の締約国は、申請締約国とともに、以下この条において「主要関係締約国」という。)と交渉し、かつ、合意することにより、及びその譲許について実質的な利害関係を有すると締約国団が決定する他の締約国と協議することを条件として、千九百五十八年一月一日から始まる各三年の期間の最初の日(又は締約国団が投票の三分の二の多数決により定めるその他の期間の最初の日)に、修正し、又は撤回することができる。
2.前記の交渉及び合意(他の産品に関する補償的調整の規定を含むことができる。)において、関係締約国は、その交渉前におけるこの協定に定められた水準より貿易にとつて不利でない相互的かつ互恵的な譲許の一般的水準を維持するように努めなければならない。
3.
(a)千九百五十八年一月一日前に、又は1にいう期間の満了前に、主要関係締約国の間に合意が成立しなかつた場合においても、前記の譲許の修正又は撤回を申し出る締約国は、その修正又は撤回を行うことができ、この措置が執られた場合には、その譲許について直接に交渉した締約国、1の規定に基き主要供給国としての利害関係を有すると決定された締約国及び1の規定に基き実質的な利害関係を有すると決定された締約国は、申請締約国と直接に交渉した譲許のうちその措置と実質的に等価値の譲許の撤回を行なうことができる。ただし、その措置が執られた後六箇月以内に、その撤回について、締約国団が三十日の事前の通告書を受領していることを条件とする。
(b)主要関係締約国の間に合意が成立した場合において、1の規定に基き実質的な利害関係を有すると決定された他の締約国がそれに満足しないときは、当該他の締約国は、申請締約国と直接に交渉した譲許のうち実質的に等価値の譲許の撤回を行うことができる。ただし、前記の合意に基く措置が執られた後六箇月以内に、その撤回について、締約国団が三十日の事前の通告書を受領していることを条件とする。
4.締約国団は、特別の事情があるときはいつでも、次の手続及び条件に従うことを条件として、締約国が、この協定に附属する該当の譲許表に含まれる譲許の修正又は撤回のための交渉を開始することを承認することができる。
(a)この交渉及びそれに関連する協議は、1及び2の規定に従つて行わなければならない。
(b)交渉において主要関係締約国の間に合意が成立したときは、3(b)の規定が適用される。
(c)交渉を開始することが承認された日の後六十日の期間内に又は締約国団が定めるそれより長い期間内に主要関係締約国の間に合意が成立しなかつたときは、申請締約国は、その問題を締約国団に付託することができる。
(d)締約国団は、前記の問題を付託されたときは、直ちにその問題を審査し、かつ、解決を得るために締約国団の見解を主要関係締約国に提示しなければならない。解決が得られたときは、主要関係締約国の間に合意が成立した場合と同様に、3(b)の規定が適用される。主要関係締約国の間で解決が得られなかつたときは、申請締約国は、適当な補償を提案しなかつたことが不当であると締約国団により決定されない限り、当該譲許を修正し、又は撤回することができる。この措置が執られたときは、その譲許について直接に交渉した締約国、(a)の規定に基き主要供給国としての利害関係を有すると決定された締約国及び(a)の規定に基き実質的な利害関係を有すると決定された締約国は、申請締約国と直接に交渉した譲許のうちその措置と実質的に等価値の譲許の修正又は撤回を行うことができる。ただし、その措置が執られた後六箇月以内に、その修正又は撤回について、締約国団が三十日の事前の通告書を受領していることを条件とする。
5.締約国は、締約国団に通告することにより、千九百五十八年一月一日前に、又は1にいう期間の満了前に、該当の譲許表を、次の期間中、1から3までに定める手続に従つて修正する権利を留保することができる。いずれかの締約国がこの権利を留保するときは、他の締約国は、当該期間中、その締約国と直接に交渉した譲許を、同一の手続に従つて修正し、又は撤回する権利を有する。

第二十八条の二 関税交渉
1.締約国は、関税がしばしば貿易に対する著しい障害となること、したがつて、関税その他輸入及び輸出に関する課徴金の一般的水準の実質的な引下げ、特に、最少限度の数量の輸入をも阻害するような高関税の引下げをめざし、かつ、この協定の目的及び各締約国の異なる必要に妥当な考慮を払つて行われる相互的かつ互恵的な交渉が国際貿易の拡大のためきわめて重要であることを認める。よつて、締約国団は、このような交渉を随時主催することができる。
2.
(a)この条の規定に基く交渉は、個個の産品について、又は関係締約国が受諾する多角的手続を適用して、行うことができる。この交渉は、関税の引下げ、関税の現行水準におけるすえ置又は個個の関税若しくは特定の部類の産品に対する平均関税が特定の水準をこえてはならないという約束を目的とすることができる。低関税又は無税のすえ置は、原則として、高関税の引下げと等価値の譲許とみなされる。
(b)締約国は、多角的交渉の成功が、相互間で行う貿易が自国の対外貿易の相当の部分を占めるすべての締約国の参加に依存するものであることを認める。
3.交渉は、次のことを十分に考慮して行わなければならない。
(a)各締約国及び各産業の必要
(b)低開発国がその経済開発を助長するため関税による保護を一層弾力的に利用することの必要及びこれらの国が歳入上の目的で関税を維持することの特別の必要
(c)その他関連のあるすべての事情(関係締約国の財政上、開発上、戦略上その他の必要を含む。

第二十九条 この協定とハヴァナ憲章との関係
1.締約国は、自国の憲法上の手続に従つてハヴァナ憲章を受諾するまでの間、同憲章の第一章から第六章まで及び第九章の一般原則を行政上の権限の最大限度まで遵守することを約束する。
2.この協定の第二部は、ハヴァナ憲章が効力を生ずる日に停止する。
3.千九百四十九年九月三十日までにハヴァナ憲章が効力を生じなかつたときは、締約国は、この協定を改正し、補足し、又は維持すべきかどうかについて合意するため、千九百四十九年十二月三十一日前に会合しなければならない。
4.ハヴァナ憲章が効力を失つたときはいつでも、締約国は、この協定を補足し、改正し、又は維持すべきかどうかについて合意するため、その後できる限りすみやかに会合しなければならない。その合意が成立するまでの間、この協定の第二部の協定は、再び効力を生ずる。ただし、第二十三条の規定以外の第二部の規定は、必要な修正を加えて、当該時におけるハヴァナ憲章の本文と置き替えるものとし、また、締約国は、ハヴァナ憲章が効力を失つた時に自国を拘束していなかつた規定によつて拘束されることはない。
5.ハヴァナ憲章が効力を生ずる日までにいずれかの締約国が同憲章を受諾していないときは、締約国団は、この協定がその締約国と他の締約国との関係に影響を及ぼす限り、この協定を補足し、又は改正すべきかどうかについて、また、補足し、又は改正すべきであればその方法について合意するため、協議しなければならない。その合意が成立するまでの間、この協定の第二部の規定は、2の規定にかかわらず、前記の締約国と他の締約国との間に引き続き適用される。
6.国際貿易機関の加盟国たる締約国は、ハヴァナ憲章の規定の適用を妨げるようにこの協定を援用してはならない。国際貿易機関の加盟国ではない締約国に対するこの項の原則の適用については、前項の規定に基く合意によつて定めるものとする。

第三十条 改正
1.この協定に修正のための別段の定がある場合を除くほか、この協定の第一部の規定又は第二十九条若しくはこの条の規定の改正は、すべての締約国がそれを受諾した時に効力を生ずる。この協定のその他の改正は、締約国の三分の二がその改正を受託した時に、それを受諾した締約国について効力を生じ、その後は、他の各締約国についてその受諾の時に効力を生ずる。
2.この協定の改正を受諾する締約国は、締約国団が定める期間内に、国際連合事務総長に受諾書を寄託しなければならない。締約国団は、この条の規定に基いて効力を生じた改正が、締約国団の定める期間内にそれを受諾しなかつた締約国がこの協定から脱退しうる性格のものであるか、又は締約国団の同意を得て締約国としてとどまりうることができる性格のものであるかを決定することができる。

第三十一条 脱退
締約国は、第十八条12、第二十三条又は第三十条2の規定の適用を妨げることなく、この協定から脱退し、又は自国が国際的責任を有しかつ当該時に対外通商関係及びこの協定で定めるその他の事項の処理について完全な自治権を有する独立の関税地域のために各別に脱退することができる。脱退は、国際連合事務総長が脱退通告書を受領した日から六箇月が経過した時に効力を生ずる。

第三十二条 締約国
1.この協定の締約国とは、第二十六条若しくは第三十三条の規定に基いて又は暫定的適用に関する議定書に従つてこの協定の規定を適用している政府をいう。
2.第二十六条4の規定に従つてこの協定を受諾した締約国は、この協定が第二十六条6の規定に従つて効力を生じた後はいつでも、この協定を受諾しなかつた締約国が締約国でなくなることを決定することができる。

第三十三条 加入
この協定の当事国でない国の政府又は対外通商関係及びこの協定で定めるその他の事項の処理について完全な自治権を有する独立の関税地域のために行動する政府は、その政府自身のため、又は当該関税地域のために、その政府と締約国団との間で合意される条件によりこの協定に加入することができる。この条の規定に基く締約国団の決定は、締約国の三分の二の多数により行われる。

第三十四条 附属書
この協定の附属書は、この協定と不可分の一体をなす。

第三十五条 特定締約国間における協定の不適用
1.この協定又はこの協定の第二条の規定は、次の場合には、いずれかの締約国と他のいずれかの締約国との間には適用されないものとする。
(a)両締約国が相互間の関税交渉を開始しておらず、かつ、
(b)両締約国の一方が締約国となる時にそのいずれかの締約国がその適用に同意しない場合
2.締約国団は、締約国の要請を受けたときは、特定の場合におけるこの条の規定の運用を検討し、及び適当な勧告をすることができる。

第四部 貿易及び開発

第三十六条 原則及び目的
1.締約国は、
(a)この協定の基本的な目的がすべての締約国の生活水準の引上げ及び経済の漸進的開発を含むことを想起し、また、この目的の達成が低開発締約国にとつて特に緊急なものであることを考慮し、
(b)低開発締約国の輸出収入がこれらの締約国の経済開発において決定的な役割を果たすことができること並びにこの寄与の程度が低開発締約国により不可欠な輸入に対して支払われる価格、これらの締約国の輸出の数量及びこれらの輸出に対して支払われる価格にかかつていることを考慮し、
(c)低開発国における生活水準と他の国における生活水準との間に大きい格差があることに留意し、
(d)低開発締約国の経済開発を促進し、かつ、これらの国における生活水準の急速な引上げをもたらすため、個別行動及び共同行動が不可欠であることを認め、
(e)経済的及び社会的な発展を達成する手段としての国際貿易が、この条に定める目的に合致する規則及び手続並びにそのような規則及び手続に適合する措置によつて規律されるべきであることを認め、
(f)低開発締約国がその貿易及び開発を促進するための特別の措置を執ることを締約国団が認めることができることに留意して、次のとおり協定する。
2.低開発締約国の輸出収入の急速かつ持続的な増大が、必要である。
3.成長する国際貿易において低開発締約国がその経済開発上の必要に相応した取分を占めることを確保することを意図した積極的な努力が、必要である。
4.多くの低開発締約国が限られた範囲の一次産品の輸出に引き続き依存しているので、これらの産品の世界市場への進出のための一層有利な条件であつて受諾可能なものを可能な最大限度において設けることが必要であり、また、適当な場合にはいつでも、経済開発のための一層多くの資源をこれらの国に提供するために世界の貿易及び需要の拡大並びにこれらの国の実質的な輸出収入の不断のかつ着実な増大を可能にするように、これらの産品についての世界市場の条件の安定及び改善を意図した措置(特に、価格を安定した、衡平な、かつ、採算のとれるものにすることを意図した措置を含む。)を講ずることが必要である。
5.低開発締約国の経済の急速な拡大は、その経済構造の多様化及び一次産品の輸出に対する過度の依存の回避によつて容易にされる。したがつて、低開発締約国が輸出について特別の関心を現に有し又は将来有することがある加工品及び製品の有利な条件による市場への進出を可能な最大限度において増進することが、必要である。
6.低開発締約国における輸出収入その他の外国為替収入の慢性的な不足のため、貿易と開発のための資金上の援助との間には、重要な相互関係がある。したがつて、締約国団及び国際的な融資機関が、これらの低開発締約国によるその経済開発のための負担を軽減するために最も効果的に貢献することができるように、緊密かつ継続的な協力を行なうことが、必要である。
7.締約国団並びに低開発国の貿易及び経済開発に関連がある活動を行なつている他の政府間機関及び国際連合の諸機関が適切な協力を行なうことが、必要である。
8.先進締約国は、貿易交渉において行なつた関税その他低開発締約国の貿易に対する障害の軽減又は廃止に関する約束について相互主義を期待しない。
9.これらの原則及び目的を具体化するための措置を執ることは、締約国が個個に、及び共同して、目的意識をもつて努力すべき問題である。

第三十七条 約束
1.先進締約国は、可能な最大限度において、すなわち、やむを得ない理由(法的な理由を含む。)によつて不可能である場合を除くほか、次の規定を実施しなければならない。
(a)低開発締約国が輸出について特別の関心を現に有し又は将来有することがある産品についての障害(加工されていない産品と加工された産品との間に不当な差別を設けるような関税その他の制限を含む。)の軽減及び廃止に高度の優先権を与えること。
(b)低開発締約国が輸出について特別の関心を現に有し又は将来有することがある産品について関税又は関税以外の輸入障害を新設し又は強化することを差し控えること。
(c)全部又は大部分が低開発締約国の領域内で生産される一次産品(加工されているといないとを問わない。)の消費の増大を著しく阻害する財政措置で特にこれらの産品に適用されるものについて、
 (ⅰ)そのような財政措置を新たに執ることを差し控えること。
 (ⅱ)財政政策の調整の際に、そのような財政措置の軽減及び廃止に高度の優先権を与えること。
(d)低開発締約国の経済開発を促進し、かつ、これらの国における生活水準の急速な引上げをもたらすため、個別行動及び共同行動が不可欠であることを認め、
(e)経済的及び社会的な発展を達成する手段としての国際貿易が、この条に定める目的に合致する規則及び手続並びにそのような規則及び手続に適合する措置によつて規律されるべきであることを認め、
(f)低開発締約国がその貿易及び開発を促進するための特別の措置を執ることを締約国団が認めることができることに留意して、次のとおり協定する。
2.
(a)1(a)、(b)又は(c)のいずれかの規定が実施されていないと認められるときはいつでも、その問題は、当該規定を実施していない締約国又は他の関係締約国によつて締約国団に報告されなければならない。
(b)
 (ⅰ)締約国団は、いずれかの関係締約国から要請を受けたときは、この問題に関し、当該関係締約国及び他のすべての関係締約国と、第三十六条に定める目的を助長するためにすべての関係締約国にとつて満足な解決に到達することを目的として、協議しなければならない。この協議は、二国間協議を妨げるものではない。これらの協議においては、1(a)、(b)又は(c)の規定が実施されなかつた場合におけるその理由が検討されるものとする。
 (ⅱ)他の先進締約国と共同で行動することによつて1(a)、(b)又は(c)の規定の個個の締約国による実施が一層容易に達成される場合があるので、前記の協議は、適当な場合には、そのような行動を目的として行なうことができる。
 (ⅲ)締約国団による協議は、また、適当な場合には、第二十五条1に定めるこの協定の目的を助長するための共同行動についての合意を目的として行なうことができる。
3.先進締約国は、
(a)全部又は大部分が低開発締約国の領域内で生産される産品の再販売価格を政府が直接又は間接に決定する場合には、販売差益を衡平な水準に維持するため、あらゆる努力を払わなければならない。
(b)低開発締約国からの輸入の増進の可能性を増大させることを意図した他の措置を執ることを積極的に検討し、かつ、このため、適切な国際活動を行なうことに協力しなければならない。
(c)特定の問題に対処するためにこの協定によつて許されている他の措置を執ることを検討する場合には、低開発締約国の貿易上の利益を特に考慮しなければならず、また、これらの措置がこれらの締約国の重大な利益に影響を及ぼすようなものであるときは、これを執るに先だつて、可能なすべての建設的な救済措置を検討しなければならない。
4.低開発締約国は、第四部の規定の実施にあたり、過去における貿易の推移及び低開発締約国全体の貿易上の利害関係を考慮して、現在及び将来における自国の開発上、資金上及び貿易上の必要に合致する限りにおいて、他の低開発締約国の貿易上の利益のために適切な措置を執ることに同意する。
5.各締約国は、1から4までに規定する約束の実施にあたり、生ずることがある問題又は困難に関してこの協定の通常の手続による協議を行なう十分な機会を直ちに他の関係締約国に与えなければならない。

第三十八条 共同行動
1.締約国は、第三十六条に定める目的を助長するため、この協定の枠わく内で、又は適当な場合には他の態様で、共同して行動しなければならない。
2.特に、締約国団は、
(a)適当な場合には、低開発締約国が特別の関心を有する一次産品の世界市場への進出のための改善された条件であつて受諾可能なものを設けるため、並びにこれらの産品についての世界市場の条件の安定及び改善を意図した措置(これらの産品の輸出のための価格を安定した、衡平な、かつ、採算のとれるものにすることを意図した措置を含む。)を講ずるための行動(国際取極による行動を含む。)をしなければならない。
(b)貿易及び開発の政策の問題に関し、国際連合及びその諸機関(国際連合貿易開発会議の勧告に従つて設立される機関を含む。)と適切な協力を行なうように努めなければならない。
(c)個個の低開発締約国の開発の計画及び政策を分析すること並びに潜在的な輸出能力の開発を促進し、及びそのようにして開発された産業の産品の輸出市場への進出を容易にするための具体的な措置を講ずるために貿易と援助との関係を検討することに協力しなければならず、また、この点に関し、個個の低開発締約国の貿易と援助との関係の組織的研究であつて、潜在的な輸出能力、市場の見通し及びさらに必要となることがある行動を明確に分析することを目的とするものにおいて、各国政府及び国際機関(特に、経済開発のための資金上の援助に関して権限のある機関)と適切な協力を行なうように努めなければならない。
(d)低開発締約国の貿易の成長率を特に考慮しつつ世界貿易の推移を絶えず検討し、かつ、締約国に対し、その状況において適当と認められる勧告を行なわなければならない。
(e)各国の政策及び規則の国際的な調和及び調整により、生産、輸送及び市場取引に関する技術上及び商業上の基準の設定により、並びに貿易に関する情報の供給の増大及び市場調査の発達のための措置を通ずる輸出の促進によつて経済開発のために貿易を拡大することにつき、実行可能な方法を求めることに協力しなければならない。
(f)第三十六条に定める目的を助長し、かつ、この部の規定を実施するために必要な制度上の措置を講じなければならない。

(附属書は略)

   「外務省ホームページ」より

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