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 今日は、昭和時代中期の1952年(昭和27)に、ブリヂストン創業者の石橋正二郎より旧日活会館の建物の寄贈を受けて改装し、国立近代美術館(現在の東京国立近代美術館)が中央区京橋に開館した日です。
 東京国立近代美術館(とうきょうこくりつきんだいびじゅつかん)は、東京都千代田区北の丸公園内にある近代美術館です。前身は、1952年(昭和27)にブリヂストン創業者の石橋正二郎より旧日活会館の建物の寄贈を受け、改装して中央区京橋に開館した「国立近代美術館」で、1963年(昭和38)に設置した、京都分館が1967年(昭和42)に「京都国立近代美術館」として独立したため、現名称となりました。
 1969年(昭和44)6月11日に、石橋正二郎個人の寄付により、工学博士谷口吉郎設計の新しい建物が出来、現在地に移転開館します。その跡地は改装され、1970年(昭和45)に付設の「フィルムフィルムセンター」(2018年に独立して「国立映画アーカイブ」となった)が出来ました。
 また、1977年(昭和52)に、北の丸公園内の旧近衛師団司令部庁舎 (国指定重要文化財) を利用して、分館として工芸館(陶磁器、ガラス、染織、漆工、木竹工等収蔵)がオープンします。尚、2001年(平成13)からは、「国立西洋美術館」、「京都国立近代美術館」、「国立国際美術館」と共に、独立行政法人国立美術館の運営となりました。
 2016年(平成28)度時点で、全体の収蔵品は日本画839点、油彩画1,254点、版画3,051点、水彩・素描4089点、彫刻(立体造形)458点、映像56点、書21点、写真2,720点、美術資料666点、合計13,154点におよび、近代日本美術を中心に常設展示すると共に、内外の近・現代美術の動向をとらえた企画展が開催されてきています。

〇「東京国立近代美術館」(本館)の主要な収蔵品

<国指定重要文化財>
・絹本著色『賢首菩薩図』 菱田春草筆(1907年)
・『ゆあみ』(石膏原型) 新海竹太郎作(1907年)
・『南風』和田三造筆(1907年)
・『裸体美人』 萬鐵五郎筆(1912年)
・『切通しの写生』 岸田劉生筆(1915年)
・紙本著色『行く春図』六曲屏風一双 川合玉堂筆(1916年)
・絹本著色『湯女図』二曲屏風一双 土田麦僊筆(1918年)
・絹本著色『日高河清姫図』 村上華岳筆(1919年)
・『エロシェンコ像』 中村彝筆(1920年)
・絹本墨画『生々流転図』1巻 横山大観筆(1923年)
・絹本著色『三遊亭円朝像』 鏑木清方筆(1930年)
・絹本著色『母子』 上村松園筆(1934年)
・紙本著色『黄瀬川陣』六曲屏風一双 安田靫彦筆(1940・41年)

☆国立近代美術館関係略年表

・1952年(昭和27)12月1日 「文部省設置法」(法律第168号)により、東京都中央区京橋の旧日活本社ビルの土地と建物を購入し、国立近代美術館(文部省所轄)として開館する
・1963年(昭和38)4月 京都市に京都分館が開館する
・1967年(昭和42)6月 京都分館が京都国立近代美術館として独立し、東京の本館は「東京国立近代美術館」の名称となる
・1969年(昭和44)6月11日 千代田区北の丸公園の一画に新館を建設し、新たに本館として再開館する
・1970年(昭和45)5月 京橋の旧本館がフィルムセンターとして開館する
・1977年(昭和52)11月15日 工芸館が開館する
・1984年(昭和59)9月 フィルムセンター収蔵庫にて出火、建物の一部と外国映画フィルムの一部を焼失するという事故(フィルムセンター火災)があり、非常に損失しやすい映画フィルムの保存に対して特別施設が必要との声が上がる
・1986年(昭和61)1月 1984年(昭和59年)10月に大蔵省から米軍キャンプ淵野辺跡地の土地所管換がなされたのを受けて、神奈川県相模原市にフィルムセンター相模原分館が完成する
・1991年(平成3)1月 フィルムセンター京橋本館老朽化に伴い建て替え工事が開始される
・1995年(平成7)5月 フィルムセンター京橋本館が再開館(工事は前年に完了)し、同時に「写真部門」を設置する
・1999年(平成11) 本館を移設してから30周年を迎えるにあたり、増築・改修工事を開始する
・2001年(平成13) 「国立西洋美術館」、「京都国立近代美術館」、「国立国際美術館」と共に、独立行政法人国立美術館の運営となる
・2002年(平成14)1月16日 本館が再開館(工事は前年8月に完了)する
・2018年(平成30)4月1日 フィルムセンターが国立美術館の映画専門機関となる「国立映画アーカイブ」として分離する
・2020年(令和2)2月28日 工芸館(東京)が閉館する
・2020年(令和2)10月25日 工芸館(正式名称:東京国立近代美術館工芸館)が金沢に移転して、通称「国立工芸館」として再開館する
・2021年(令和3)4月1日 工芸館の通称であった「国立工芸館」が正式名称に変更される

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

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