ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:古都保存法

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 今日は、昭和時代後期の1980年(昭和55)に、「明日香村保存特別措置法」が公布・施行された日です。
 「明日香村保存特別措置法」(あすかむらほぞんとくべつそちほう)は、奈良県高市郡明日香村の史跡保存を目的として制定された特別措置法で、正式名称を「明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法」と言いました。明日香村全域に高松塚古墳をはじめとする重要な歴史的文化遺産が多数集積していることから、地域住民の生活と調和を図りながら歴史的風土を保存するため、に制定されます。
 同法制定以前は、「古都保存法」に基づいて歴史的風土保存区域および歴史的風土特別保存地区に指定されていました。しかし、この法律により、「古都保存法」の特例として第1種及び第2種歴史的風土保存地区を定め村全域にわたる行為規制を行なうとともに、明日香村整備計画に基づく生活環境及び産業基盤の整備等の事業や明日香村整備基金による事業を実施し、明日香村の貴重な歴史的風土の保存と住民生活の安定及び産業振興との調和を図るための特別の措置を講じています。
 以下に、「明日香村保存特別措置法」を掲載しておきましたので、ご参照下さい。

〇「明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法」(昭和55年法律第60号)1980年(昭和55)5月26日

 (目的)

第一条 この法律は、飛鳥地方の遺跡等の歴史的文化的遺産がその周囲の環境と一体をなして、我が国の律令国家体制が初めて形成された時代における政治及び文化の中心的な地域であつたことをしのばせる歴史的風土が、明日香村の全域にわたつて良好に維持されていることにかんがみ、かつ、その歴史的風土の保存が国民の我が国の歴史に対する認識を深めることに配意し、住民の理解と協力の下にこれを保存するため、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)の特例及び国等において講ずべき特別の措置を定めることを目的とする。

 (明日香村歴史的風土保存計画)

第二条 内閣総理大臣は、奈良県、明日香村(奈良県高市郡明日香村をいう。以下同じ。)及び歴史的風土審議会(古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(以下「古都保存法」という。)第十六条第一項の歴史的風土審議会をいう。以下同じ。)の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、古都保存法第五条第一項の歴史的風土保存計画として、明日香村の区域の全部について、歴史的風土の保存に関する計画(以下「明日香村歴史的風土保存計画」という。)を定めなければならない。
2 明日香村歴史的風土保存計画に定める事項は、次のとおりとする。
 一 第一種歴史的風土保存地区と第二種歴史的風土保存地区との区分の基準に関する事項
 二 第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区内における行為の規制に関する事項
 三 歴史的風土の保存に配意した土地利用に関する事項
 四 歴史的風土の保存に関連して必要とされる施設の整備に関する事項
 五 古都保存法第十一条第一項の規定による土地の買入れに関する事項
 六 前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の維持保存に関し特に必要と認められる事項
3 内閣総理大臣は、明日香村歴史的風土保存計画を定めたときは、これを関係行政機関の長、奈良県及び明日香村に送付するとともに、官報で公示しなげればならない。
4 前三項の規定は、明日香村歴史的風土保存計画の変更について準用する。

 (第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区に関する都市計画)

第三条 明日香村の区域については、明日香村歴史的風土保存計画に基づき、当該区域を区分して、都市計画に第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区を定めるものとする。
2 第一種歴史的風土保存地区は、歴史的風土の保存上枢要な部分を構成していることにより、現状の変更を厳に抑制し、その状態において歴史的風土の維持保存を図るべき地域とし、第二種歴史的風土保存地区は、著しい現状の変更を抑制し、歴史的風土の維持保存を図るべき地域とする。
3 第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区は、それぞれ古都保存法第七条の二後段の特別保存地区とする。

 (明日香村整備基本方針等)

第四条 内閣総理大臣は、歴史的風土審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、明日香村における歴史的風土の保存と住民の生活との調和を図るため、明日香村における生活環境及び産業基盤の整備等に関する基本方針(以下「明日香村整備基本方針」という。)を定め、これを奈良県知事に示すものとする。
2 奈良県知事は、前項の規定により示された明日香村整備基本方針に基づき、明日香村の意見を聴いて、明日香村における生活環境及び産業基盤の整備等に関する計画を作成し、内閣総理大臣に承認の申請をすることができる。
3 前項に規定する計画に定める事項は、次のとおりとする。
 一 道路の整備に関する事項
 二 河川の整備に関する事項
 三 下水道の整備に関する事項
 四 都市公園の整備に関する事項
 五 住宅の整備に関する事項
 六 教育施設の整備に関する事項
 七 厚生施設の整備に関する事項
 八 消防施設の整備に関する事項
 九 農地並びに農業用施設及び林業用施設の整備に関する事項
 十 文化財の保護に関する事項
 十一 前各号に掲げるもののほか、明日香村における生活環境及び産業基盤の整備その他歴史的風土の保存と調和が保たれる地域振興に関する事項で特に必要と認められるもの
4 内閣総理大臣は、第二項の規定により申請された計画が適当なものであると認められるときは、これを承認するものとする。この場合において、内閣総理大臣は、歴史的風土審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならない。
5 前三項の規定は、明日香村整備計画(前項の規定により承認を受けた第二項に規定する計画をいう。以下同じ。)の変更について準用する。

 (特別の助成)

第五条 明日香村整備計画に基づいて、昭和五十五年度から昭和六十四年度までの各年度において明日香村が国又は奈良県から負担金又は補助金の交付を受けて行う事業(奈良県から負担金又は補助金の交付を受けて行うものにあつては、奈良県が負担し、又は補助するために要する費用の一部を国が負担し、又は補助するものに限る。)のうち、次に掲げる事業(災害復旧に係るもの、当該事業に係る経費の全額を国又は奈良県が負担するもの及び当該事業に係る経費を明日香村が負担しないものを除く。)で政令で定めるもの(以下「特定事業」という。)に係る経費に対する国の負担又は補助の割合(明日香村に対する負担又は補助のために奈良県が要する費用の一部を国が負担し、又は補助している場合にあつては、国の負担金又は補助金の当該特定事業に係る経費に対する割合)については、首都圏、近畿及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律(昭和四十一年法律第百十四号)第五条の規定の例による。
 一 次の施設の整備に関する事業
  イ 道路
  ロ 下水道
  ハ 都市公園
  ニ 教育施設
  ホ 厚生施設
  ヘ 農地並びに農業用施設及び林業用施設で政令で定めるもの
 二 前号に掲げるもののほか、生活環境及び産業基盤の整備のために必要な事業で政令で定めるもの
2 前項の規定により通常の国の負担割合を超えて国が負担し、又は補助することとなる額の交付に関し必要な事項は、政令で定める。

 (地方債についての配慮)

第六条 奈良県又は明日香村が明日香村整備計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、国は、奈良県又は明日香村の財政状況が許す限り起債できるよう、及び資金事情が許す限り資金運用部資金又は簡易生命保険及郵便年金特別会計の積立金をもつて引き受けるよう特別の配慮をするものとする。

 (財政上及び技術上の配慮)

第七条 国は、前二条に定めるもののほか、明日香村整備計画が円滑に達成されるよう、財政上及び技術上の配慮をしなければならない。

 (明日香村整備基金)

第八条 明日香村が、次に掲げる事業(特定事業を除く。)に要する経費の全部又は一部を支弁するため、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十一条の基金として、明日香村整備基金を設ける場合には、国は、二十四億円を限度として、その財源に充てるために必要な資金の一部を明日香村に対して補助するものとする。
 一 歴史的風土の保存を図るために行われる事業
 二 土地の形質又は建築物その他の工作物の意匠、形態等を歴史的風土と調和させるために行われる事業
 三 住民の生活の安定向上を図り、又は住民の利便を増進させるために行われる事業で歴史的風土の保存に関連して必要とされるもの

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。

 (経過措置)

第二条 この法律の施行の際現に存する古都保存法第五条第一項の規定により決定された歴史的風土保存計画のうち、明日香村の区域に係る部分は、第二条第三項の規定による明日香村歴史的風土保存計画の公示の日以後その効力を失う。

第三条 この法律の施行の際現に存する古都保存法第四条第一項の規定による明日香村の区域内の歴史的風土保存区域の指定は、第三条第一項の都市計画についての都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第二十条第一項の規定による告示の日(以下「告示の日」という。)以後その効力を失う。

2 前項に規定する明日香村の区域内の歴史的風土保存区域に関しては、告示の日の前日までは、古都保存法第七条の規定を適用する。

第四条 この法律の施行の際現に存する古都保存法第六条第一項の規定により定められている明日香村の区域内の歴史的風土特別保存地区に関する都市計画は、告示の日の前日までは、なおその効力を有する。

第五条 告示の日前にした古都保存法又はこれに基づく命令の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

第六条 第五条の規定は、昭和五十五年度分の予算に係る国の負担金及び補助金から適用し、昭和五十四年度以前の年度分の予算に係る国の負担金及び補助金で、昭和五十五年度以後に繰り越されたものについては、なお従前の例による。

 (地方交付税法の一部改正)

第七条 地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の一部を次のように改正する。

  第十四条の二第二号中「特別保存地区」の下に「(同法第七条の二の規定により、特別保存地区として同法の規定が適用される地区を含む。)」を加える。

 (古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法の一部改正)

第八条 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法の一部を次のように改正する。

  第七条の次に次の一条を加える。

 (特別保存地区の特例)

 第七条の二 第二条第一項の規定に基づき古都として定められた市町村のうち、当該市町村における歴史的風土がその区域の全部にわたって良好に維持されており、特に、その区域の全部を第六条第一項の特別保存地区に相当する地区として都市計画に定めて保存する必要がある市町村については、別に法律で定めるところにより、第四条から前条までの規定の特例を設けることができる。この場合において、当該都市計画に定められた地区についてのこの法律の規定(第四条から前条までの規定を除く。)の適用については、当該地区は、第六条第一項の特別保存地区とする。

  第八条第八項を同条第九項とし、同条第七項中「第五項前段」を「第六項前段」に、「みずから行ない」を「自ら行い」に、「行なわせる」を「行わせる」に、「行なう」を「行う」に、「行なわない」を「行わない」に改め、同項を同条第八項とし、同条第四項から第六項までを一項ずつ繰り下げ、同条第三項中「第一項ただし書若しくは同項第七号又は前項」を「第一項又は第二項」に、「きかなければ」を「聴かなければ」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。

 3 前条の法律により、市町村の区域を区分して二以上の特別保存地区が定められたときは、前二項の政令は、その区分の目的に応じてそれぞれ特別保存地区ごとに定めることができる。

  第十八条第二項中「第四項又は第五項前段」を「第五項又は第六項前段」に、「行なう」を「行う」に改める。

  第二十条中「第八条第五項前段」を「第八条第六項前段」に改める。

  第二十一条第二号中「第八条第四項」を「第八条第五項」に、「附せられ」を「付せられ」に改める。

 (首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部改正)

第九条 首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を次のように改正する。

  第六条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。

 3 特定事業で明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)第五条の規定の適用を受けるものに係る国の負担割合については、当該特定事業について前条の規定により算定した国の負担割合が同法同条の規定により算定した国の負担割合を超える場合には前条の規定を、超えない場合には同法同条の規定を適用する。

 (都市計画法の一部改正)

第十条 都市計画法の一部を次のように改正する。

  第八条第一項中第十五号を第十六号とし、第十一号から第十四号までを一号ずつ繰り下げ、第十号の次に次の一号を加える。

  十一 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)第三条第一項の規定による第一種歴史的風土保存地区又は第二種歴史的風土保存地区

  第十三条第三項中「第十五号」を「第十六号」に改める。

  第十五条第一項第二号中「第十二号」を「第十三号」に、「第十五号」を「第十六号」に、「第十一号」を「第十二号」に改める。

 (総理府設置法の一部改正)

第十一条 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

  第六条第十六号の四の次に次の二号を加える。

  十六の五 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)の施行に関すること。

  十六の六 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)の施行に関すること。

  第十五条第一項の表歴史的風土審議会の項中「(昭和四十一年法律第一号)」を「及び明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法」に、「行なう」を「行う」に改める。

 (建設省設置法の一部改正)

第十二条 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条中第六号の八を第六号の九とし、第六号の四から第六号の七までを一号ずつ繰り下げ、第六号の三の次に次の一号を加える。

  六の四 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)による第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区内における歴史的風土の維持保存に関する事務を管理すること。

  第四条第三項中「第六号の六」を「第六号の七」に改め、同条第四項中「第六号の五」を「第六号の六」に、「第六号の七」を「第六号の八」に改める。

 (自治省設置法の一部改正)

第十三条 自治省設置法(昭和二十七年法律第二百六十一号)の一部を次のように改正する。

  第十二条第十八号の次に次の一号を加える。

  十八の二 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)の規定により特定事業に係る経費に対する国の負担割合の引上率を算定し、及び通知すること。

     「衆議院ホームページ」より

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kotohozonhou01

 今日は、昭和時代後期の1966年(昭和41)に、「古都保存法」が公布された日です。
 「古都保存法(ことほぞんほう)」は、古都(京都市・奈良市・鎌倉市その他政令で定める市町村)における、歴史的風土地区の指定、地区内の開発規制、その土地の所有者への補償について規定した法律で、正式には、「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」(昭和41年法律第1号)と言いました。1965年(昭和40)の京都市の京都タワー建設計画、奈良市の奈良公園一角における奈良県庁舎建設計画、鎌倉市の八幡宮の裏山を削る宅地造成計画、翌年の京都市における『徒然草』にゆかりの深い双ヶ岡のホテル建設計画など、各地で歴史的環境の破壊が社会問題となり、鎌倉市では鶴岡八幡宮背後の御谷開発に対する反対運動が地元市民ばかりでなく全国へと広まり、京都市では双ヶ岡や奈良市の若草山の開発計画への反対運動が「古都保存連絡協議会」の設立へと至ります。
 その中で、議員立法によって、この法律が制定され、1966年(昭和41)4月15日に施行されました。現在、京都市、奈良市、鎌倉市、天理市、橿原市、桜井市、奈良県生駒郡斑鳩町、同県高市郡明日香村、逗子市、大津市の10市町村がこの法律に基づく「古都」に指定されていて、これらの市町村においては、歴史的風土保存区域の指定や歴史的風土特別保存地区の都市計画決定等の措置を講じ、区域内での開発行為を規制、歴史的風土特別保存地区では建物の新改築などは原則として許可制とされ、許可を受けられない者には損失補償や土地の買入れがなされること等により、古都における歴史的風土の保存を図っています。
 尚、制定後何度か改正が行われ、1980年(昭和55)には、この法律の特別法として「明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法」(明日香保存特別措置法)が制定されました。
 以下に、「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」(古都保存法)を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」(昭和41年法律第1号)

(目的)

第一条 この法律は、わが国固有の文化的資産として国民がひとしくその恵沢を享受し、後代の国民に継承されるべき古都における歴史的風土を保存するために国等において講ずべき特別の措置を定め、もつて国土愛の高揚に資するとともに、ひろく文化の向上発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「古都」とは、わが国往時の政治、文化の中心等として歴史上重要な地位を有する京都市、奈良市、鎌倉市及び政令で定めるその他の市町村をいう。
2 この法律において「歴史的風土」とは、わが国の歴史上意義を有する建造物、遺跡等が周囲の自然的環境と一体をなして古都における伝統と文化を具現し、及び形成している土地の状況をいう。

(国及び地方公共団体の任務等)

第三条 国及び地方公共団体は、古都における歴史的風土が適切に保存されるように、この法律の趣旨の徹底を図り、かつ、この法律の適正な執行に努めなければならない。
2 一般国民は、この法律の趣旨を理解し、いやしくもこの法律の目的に反することのないように努めるとともに、国及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行なう措置に協力しなければならない。

(歴史的風土保存区域の指定)

第四条 国土交通大臣は、関係地方公共団体及び社会資本整備審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、古都における歴史的風土を保存するため必要な土地の区域を歴史的風土保存区域として指定することができる。この場合において、国土交通大臣は、関係地方公共団体から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。
2 国土交通大臣は、歴史的風土保存区域の指定をするときは、その旨及びその区域を官報で公示しなければならない。
3 前二項の規定は、歴史的風土保存区域の変更について準用する。

(歴史的風土保存計画)

第五条 国土交通大臣は、歴史的風土保存区域の指定をしたときは、関係地方公共団体及び社会資本整備審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、当該歴史的風土保存区域について、歴史的風土の保存に関する計画(以下「歴史的風土保存計画」という。)を決定しなければならない。この場合において、国土交通大臣は、関係地方公共団体から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。
2 歴史的風土保存計画には、次の事項を定めなければならない。
一 歴史的風土保存区域内における行為の規制その他歴史的風土の維持保存に関する事項
二 歴史的風土保存区域内においてその歴史的風土の保存に関連して必要とされる施設の整備に関する事項
三 歴史的風土特別保存地区の指定の基準に関する事項
四 第十一条の規定による土地の買入れに関する事項
3 国土交通大臣は、歴史的風土保存計画を決定したときは、これを関係行政機関の長及び関係地方公共団体に送付するとともに、官報で公示しなければならない。
4 前三項の規定は、歴史的風土保存計画の変更について準用する。

(歴史的風土特別保存地区に関する都市計画)

第六条 歴史的風土保存区域内において歴史的風土の保存上当該歴史的風土保存区域の枢要な部分を構成している地域については、歴史的風土保存計画に基づき、都市計画に歴史的風土特別保存地区(以下「特別保存地区」という。)を定めることができる。
2 府県は、特別保存地区に関する都市計画が定められたときは、その区域内における標識の設置その他の適切な方法により、その区域が特別保存地区である旨を明示しなければならない。
3 特別保存地区内の土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

(歴史的風土保存区域内における行為の届出)

第七条 歴史的風土保存区域(特別保存地区を除く。)内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、政令で定めるところにより、あらかじめ府県知事にその旨を届け出なければならない。ただし、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの及び非常災害のため必要な応急措置として行なう行為については、この限りでない。
一 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
二 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
三 木竹の伐採
四 土石の類の採取
五 前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの
2 府県知事は、前項の届出があつた場合において、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な助言又は勧告をすることができる。
3 国の機関は、第一項の規定により届出を要する行為をしようとするときは、あらかじめ府県知事にその旨を通知しなければならない。

(特別保存地区の特例)

第七条の二 第二条第一項の規定に基づき古都として定められた市町村のうち、当該市町村における歴史的風土がその区域の全部にわたつて良好に維持されており、特に、その区域の全部を第六条第一項の特別保存地区に相当する地区として都市計画に定めて保存する必要がある市町村については、別に法律で定めるところにより、第四条から前条までの規定の特例を設けることができる。この場合において、当該都市計画に定められた地区についてのこの法律の規定(第四条から前条までの規定を除く。)の適用については、当該地区は、第六条第一項の特別保存地区とする。


(特別保存地区内における行為の制限)

第八条 特別保存地区内においては、次の各号に掲げる行為は、府県知事の許可を受けなければ、してはならない。ただし、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの、非常災害のため必要な応急措置として行なう行為及び当該特別保存地区に関する都市計画が定められた際すでに着手している行為については、この限りでない。
一 建築物その他の工作物の新築、改築又は増築
二 宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更
三 木竹の伐採
四 土石の類の採取
五 建築物その他の工作物の色彩の変更
六 屋外広告物の表示又は掲出
七 前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの
2 府県知事は、前項各号に掲げる行為で政令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。
3 前条の法律により、市町村の区域を区分して二以上の特別保存地区が定められたときは、前二項の政令は、その区分の目的に応じてそれぞれ特別保存地区ごとに定めることができる。
4 国土交通大臣は、第一項又は第二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。
5 第一項の許可には、歴史的風土を保存するため必要な限度において、期限その他の条件を附することができる。
6 府県知事は、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、第一項の規定に違反し、又は前項の規定により許可に附せられた条件に違反した者に対して、その保存のため必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。この場合において、当該命ぜられた行為を履行しない場合における代執行に関しては、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところによる。
7 前項前段の規定により原状回復又はこれに代わるべき必要な措置(以下この項において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、府県知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者にこれを行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、府県知事又はその命じた者若しくは委任した者が当該原状回復等を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
8 国の機関が行なう行為については、第一項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ府県知事に協議しなければならない。

(損失の補償)

第九条 前条第一項の許可を得ることができないため損失を受けた者がある場合においては、府県は、その損失を受けた者に対して通常生ずべき損失を補償しなければならない。ただし、次の各号の一に該当する場合における当該許可の申請に係る行為については、この限りでない。
一 前条第一項の許可の申請に係る行為について、第十条に規定する法律(これに基づく命令を含む。以下この号において同じ。)の規定により許可を必要とされている場合において、当該法律の規定により不許可の処分がなされたとき。
二 前条第一項の許可の申請に係る行為が社会通念上特別保存地区に関する都市計画が定められた趣旨に著しく反すると認められるとき。
2 前項の規定による損失の補償については、府県知事と損失を受けた者とが協議しなければならない。
3 前項の規定による協議が成立しない場合においては、府県知事又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条の規定による裁決を申請することができる。

(行為の禁止又は制限に関する他の法律の適用)

第十条 第七条及び第八条の規定は、歴史的風土保存区域内における工作物の新築、改築又は増築、土地の形質の変更その他の行為についての禁止又は制限に関する都市計画法(昭和四十三年法律第百号)、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)、奈良国際文化観光都市建設法(昭和二十五年法律第二百五十号)、京都国際文化観光都市建設法(昭和二十五年法律第二百五十一号)その他の法律(これらに基づく命令を含む。)の規定の適用を妨げるものではない。

(土地の買入れ)

第十一条 府県は、特別保存地区内の土地で歴史的風土の保存上必要があると認めるものについて、当該土地の所有者から第八条第一項の許可を得ることができないためその土地の利用に著しい支障をきたすこととなることにより当該土地を府県において買い入れるべき旨の申出があつた場合においては、当該土地を買い入れるものとする。
2 前項の規定による買入れをする場合における土地の価額は、時価によるものとし、政令で定めるところにより、評価基準に基づいて算定しなければならない。

(買い入れた土地の管理)

第十二条 府県は、前条の規定により買い入れた土地については、この法律の目的に適合するように管理しなければならない。

(歴史的風土保存計画の実施に要する経費)

第十三条 国は、歴史的風土保存計画を実施するため必要な資金の確保を図り、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならない。

(費用の負担及び補助)

第十四条 国は、第九条の規定による損失の補償及び第十一条の規定による土地の買入れに要する費用については、政令で定めるところにより、その一部を負担する。
2 国は、地方公共団体が歴史的風土保存計画に基づいて行なう歴史的風土の維持保存及び施設の整備に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該地方公共団体に対し、その一部を補助することができる。

第十五条 削除

(社会資本整備審議会の調査審議等)

第十六条 社会資本整備審議会は、国土交通大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、歴史的風土の保存に関する重要事項を調査審議する。
2 社会資本整備審議会は、前項に規定する事項に関し、国土交通大臣又は関係大臣に意見を述べることができる。
3 社会資本整備審議会は、この法律及び明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係団体に対し、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

第十七条 削除

(報告、立入調査等)

第十八条 府県知事は、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、特別保存地区内の土地の所有者その他の関係者に対して、第八条第一項各号に掲げる行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
2 府県知事は、第八条第一項、第五項又は第六項前段の規定による権限を行うため必要があると認めるときは、その必要な限度において、その職員をして、特別保存地区内の土地に立ち入り、その状況を調査させ、又は同条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させることができる。
3 前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
4 第二項の規定による立入調査又は立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(大都市の特例)

第十九条 この法律中府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)においては、指定都市が処理するものとする。この場合においては、この法律中府県に関する規定は、指定都市に関する規定として指定都市に適用があるものとする。

(罰則)

第二十条 第八条第六項前段の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

第二十一条 次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
一 第八条第一項の規定に違反した者
二 第八条第五項の規定により許可に付せられた条件に違反した者

第二十二条 次の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。
一 第六条第二項の規定により設置した標識を移動し、汚損し、又は破壊した者
二 第十八条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第十八条第二項の規定による立入調査又は立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第二十三条 第七条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、一万円以下の過料に処する。

第二十四条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して第二十条から第二十二条までに規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

附 則 抄

(施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(以下附則略)

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