今日は、平成時代の2006年(平成18)に、兵庫県神戸市に神戸空港(愛称:マリンエア)が開港した日です。
神戸空港(こうべくうこう)は、神戸市がポートアイランド沖に建設した海上空港で、大阪国際空港、関西国際空港と共に、関西三空港の一つとされてきました。太平洋戦争後から神戸市での空港建設の構想はありましたが、1970年代には大阪国際空港に代わる関西圏での新空港建設の候補地として、泉州沖等と争ったものの、現在の関西国際空港(1994年開港)に先を越されます。
1995年(平成7)1月17日の阪神・淡路大震災以後の「神戸市復興計画」策定の中でも神戸空港の整備が盛り込まれましたが、住民の中に根強い反対運動も起こりました。それを振り切って、1999年(平成11)に神戸空港島埋立てに着工、2006年(平成18)2月2日に、市街地と連絡する神戸スカイブリッジの一般供用を開始し、ポートライナー延伸部分が開業、同年2月16日に神戸空港開港へと至ります。
海上都市ポートアイランドの沖合約1キロメートルに造成された人工島(156.5ha)に2,500m滑走路1本が建設され、総事業費は3,140億円かかりました。しかし、開港後の利用者は予測を下回り、借金返済の負担による赤字経営が続き、2018年(平成30)4月1日には、関西エアポート神戸株式会社による運営に完全移行しています。
〇神戸空港関係略年表
・1946年(昭和21) 空港建設計画が「市復興基本計画要綱」に初めて登場する
・1971年(昭和46)7月 神戸市がポートアイランド沖空港試案発表する
・1971年(昭和46)10月 航空審議会で関西国際空港部会が設置される
・1973年(昭和48)3月 神戸市会で、関空神戸沖案に宮崎辰雄市長が反対表明する
・1980年(昭和55)11月 石井試案(遠くて高コストの泉州沖をやめて阪神沖(神戸沖)に関空を建設という内容)が発表される
・1982年(昭和57)5月 神戸市議会が神戸沖空港建設を求める決議をする
・1982年(昭和57)6月 「神戸沖新空港計画試案」(3000m×1、将来拡張して2本)が発表される
・1982年(昭和57)12月 運輸大臣が坂井兵庫県知事と神戸空港に関して会談し、新国際空港の必要性で合意する
・1984年(昭和59)6月 兵庫県が泉州沖案(三点セット)に合意、このとき兵庫県が要求する神戸空港の実現の調査協力に運輸省が合意する
・1985年(昭和60)5月 神戸市会、第5次空港整備5箇年計画(5次空整)への神戸空港組み入れ要望を議決する
・1986年(昭和61)6月 5次空整へ神戸空港の調査計画が、欄外記載の形で組み入れられる
・1990年(平成2)3月 神戸市会、第6次空港整備5箇年計画(6次空整)への神戸空港組み入れ要望を全会一致で議決する
・1991年(平成3)11月 国の6次空整で「予定事業」化する
・1993年(平成5)8月 新規事業へ格上げされる
・1994年(平成6)12月 着工準備調査費が1995年度政府予算に計上される
・1995年(平成7)1月17日 阪神・淡路大震災が起きる
・1995年(平成7)6月 「神戸市復興計画」策定:神戸空港の整備を盛り込む
・1995年(平成7)10月 神戸空港及び空港島を含む神戸港の港湾計画の変更の環境アセスメントを開始する
・1996年(平成8)11月 神戸港港湾計画の変更、飛行場許可を申請する
・1997年(平成9)2月19日 国による飛行場設置が認可される
・1997年(平成9)3月 国による港湾計画が認可される
・1997年(平成9)10月 神戸市長選挙。オール与党体制から共産党が離脱して推薦した、空港反対の大西和雄候補が22万5千票を集めるものの現職の笹山幸俊候補(27万1千票)に敗れる。
・1998年(平成10)3月 神戸空港・住民投票の会が成立する
・1998年(平成10)10月 埋め立てに係わる環境アセスメント(公有水面埋立)の評価書提出・縦覧する
・1998年(平成10)10月 住民投票署名で有効署名数30万7797人(市選管発表)が集まる
・1998年(平成10)11月 臨時市議会で建設の是非を問う住民投票条例案を市議会が否決する
・1999年(平成11)9月 神戸空港島埋立てが着工する
・2000年(平成12)5月 市長リコール署名は有効約8万7000筆で不成立となる
・2001年(平成13)11月 神戸市長選挙。反対派候補が分裂し、推進派の矢田現市長が約21万票を集め当選。木村史暁約12万票、吉田順一約6万票、池上徹約4万票、上野泰昭約1万5千。
・2004年(平成16)3月 空港への支出返還訴訟で、神戸地裁が棄却する
・2005年(平成17)11月 JAL、ANA、SKYの航空3社が運航ダイヤを発表、7路線に1日27便(往復)就航が決定する
・2006年(平成18)2月2日 神戸スカイブリッジ一般供用開始、ポートライナー延伸部分が開業する
・2006年(平成18)2月16日 神戸空港が開港する
・2006年(平成18)9月28日 C(税関)・I(出入国管理)・Q(検疫)との調整により、初の国際便(セスナ・サイティーションを使ったビジネスジェット)が就航する
・2017年(平成29)9月26日 関西エアポート神戸株式会社と神戸市の間で「神戸空港特定運営事業等公共施設等運営権実施契約」を締結する
・2018年(平成30)4月1日 関西エアポート神戸株式会社による運営に完全移行(2059年度まで)する
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
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