ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:保存灯台

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 今日は、明治時代前期の1871年(明治4)に、日本8番目の洋式灯台である江埼灯台が初点灯した日ですが、新暦では6月14日となります。
 江埼灯台(えさきとうだい)は、淡路島の江崎に立つ白亜の石造の大型灯台です。周辺は、瀬戸内海国立公園に指定され、明石海峡大橋を望む風光明媚の地として知られてきました。また、建設当初の姿を伝え、歴史的文化財的価値が高いので、Aランクの保存灯台ともなっています。
 1867年(慶応3)4月、幕府と英国公使は兵庫開港(同年12月)に備えて大坂約定(大坂条約)で、5つの灯台建設を約束しましたが、この灯台はその最初として、1871年(明治4)6月14日<旧暦では4月27日>に初点灯しました。かの、「灯台の父」と呼ばれるR・H・ブラントンの設計による石造灯台で、日本の洋式灯台では、8番目のものです。
 以後、そのままの姿で活躍してきましたが、1995年(平成7)1月17日の阪神・淡路大震災で、大きな被害を被ってしまいました。その後、灯台は復旧されたものの、付属の旧退息所は、四国村に移築保存され、2000年(平成12)に国の登録有形文化財となっています。現在の灯塔高(地上~塔頂)は8.27m、標高(平均海面~灯火)は48.5mで、第3等不動フレネル式レンズを使い、光度は、白光6万2千カンデラ、赤光2万4千カンデラ、光達距離は白光18海里(約33km)、赤光16海里(約30km)です。
 尚、2018年(平成30年)に、土木学会選奨土木遺産に選ばれ、2022年(令和4年)には、国の重要文化財にも指定されました。

〇初点灯の古い洋式灯台ベスト20 

① 観音埼灯台[神奈川県横須賀市]1869年2月11日(旧暦:明治2年1月1日) 
② 野島埼灯台[千葉県南房総市]1870年1月19日(旧暦:明治2年12月18日) 
③ 品川灯台[旧:東京都品川区]1870年4月5日(旧暦:明治3年3月5日) 
④ 樫野埼灯台[和歌山県串本町]1870年7月8日(旧暦:明治3年6月10日) 
⑤ 城ヶ島灯台[神奈川県三浦市]1870年9月8日(旧暦:明治3年8月13日) 
⑥  神子元島灯台[静岡県下田市] 1871年1月1日(旧暦:明治3年11月11日)  
⑦ 剱埼灯台[神奈川県三浦市]1871年3月1日(旧暦:明治4年1月11日) 
⑧ 江埼灯台[兵庫県北淡町]1871年6月14日(旧暦:明治4年4月27日) 
⑨ 伊王島灯台[長崎県長崎市]1871年9月14日(旧暦:明治4年7月30日) 
⑩ 石廊埼灯台[静岡県南伊豆町]1871年10月5日(旧暦:明治4年8月21日) 
⑪ 佐多岬灯台[鹿児島県佐多町]1871年11月30日(旧暦:明治4年10月18日) 
⑫ 六連島灯台[山口県下関市]1872年1月1日(旧暦:明治4年11月21日) 
⑬ 部埼灯台[福岡県北九州市]1872年3月1日(旧暦:明治5年1月22日) 
⑭ 友ヶ島灯台[和歌山県和歌山市]1872年8月1日(旧暦:明治5年6月27日) 
⑮ 納沙布岬灯台[北海道根室市]1872年8月15日(旧暦:明治5年7月12日) 
⑯ 和田岬灯台[兵庫県神戸市]1872年10月1日(旧暦:明治5年8月29日) 
⑯ 天保山灯台[大阪府大阪市]1872年10月1日(旧暦:明治5年8月29日) 
⑱ 鍋島灯台[香川県坂出市]1872年12月15日(旧暦:明治5年11月15日) 
⑲ 安乗埼灯台[三重県阿児町]1873年(明治6)4月1日 
⑳ 釣島灯台[愛媛県松山市]1873年(明治6)6月15日 

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1874年(明治7)浜松明治7年大火「小野組火事」が起き、死者3名、焼失家数1,335軒を出す詳細
1897年(明治30)帝国図書館官制が公布され、上野の東京図書館を帝国図書館とする詳細
1907年(明治40)国際的に活躍した版画家斎藤清の誕生日詳細
1948年(昭和23)衆議院不当財産取引委員会で昭和電工への復金融資をめぐる贈収賄(昭和電工事件)が問題化する詳細
2013年(平成25)推理作家・評論家佐野洋の命日詳細
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 今日は、明治時代前期の1874年(明治7)に、犬吠埼灯台が完成して、初点灯した日です。
 犬吠埼灯台(いぬぼうさきとうだい)は、千葉県銚子市のはずれ、犬吠埼の突端に立つ白亜の大型灯台で、周辺は、水郷筑波国定公園の一部となっていて、太平洋に臨む景勝地となってきました。また、世界灯台100選に選ばれた灯台 であり、「日本の灯台50選」にも選ばれている日本を代表する灯台で、歴史的文化財的価値が高いので、Aランクの保存灯台ともなっています。
 この灯台は、明治初期に、江戸条約によって建設された一群の洋式灯台(条約灯台ともいう)の中には入っていませんでしたが、それに続く重要な灯台として建設が決まりました。というのも、この付近一帯は、小島・岩礁が多く、昔から海の難所とされてきたからです。そして、1868年(慶応4)8月21日、幕府の軍艦美加保丸が、暴風雨に遭い、ここの黒生(くろはえ)岩礁に乗り上げて座礁沈没、乗組員13名が死亡するという事故も起きていました。
 そのような中で、イギリスから招いた灯台技師、R・H・ブラントンの設計、施工監督のもと、1872年(明治5年9月2日)に着工、1874年(明治7)11月15日に完成し、初点灯されました。建設当初より、白色塔形(円形)のレンガ造灯台ですが、このレンガは日本製で、19万3千枚もが積み上げられています。それでいて、148年もの風雪に耐え、レンガ製の建造物としては、尻屋埼灯台に次ぐ、日本第2位の灯塔高を誇ってきました。
 現在の灯塔高(地上から塔頂まで)31.3mと高く、標高(平均海面~灯火)51.80m、光度110万カンデラ(実効光度)、光達距離は、19.5海里(約40km) で、日本に6ヶ所しかない第1等フレネル式レンズを使用した第1等灯台です。また過去には、霧信号所(エアサイレン)や無線方位信号所(中波標識局、レーマークビーコン)、ディファレンシャルGPS局も併設されていて、いろいろな役割も担ってきました。
 一般公開(大人300円、小人無料)されている参観灯台で、上まで登ることができますが、螺旋階段の数が九十九里海岸にちなんで、99段となっているのが面白いです。灯台上からは、太平洋を一望の下にすることが出来、地球を丸く感じることが出来るところです。
 また、灯台資料展示館も併設されていて、この灯台の歴史、機能・役割などを学べますし、初代犬吠埼灯台レンズ(フレネル式第1等8面閃光レンズ)をはじめ、貴重な資料が多数展示されています。尚、2020年(令和2年)12月23日に、灯台、旧霧笛舎、旧倉庫が国の重要文化財に指定されました。

〇犬吠埼灯台関係略年表(明治5年以前の日付は旧暦です)

・1872年(明治5年9月2日) 犬吠埼灯台が着工される
・1874年(明治7年)11月15日 竣工し初点灯する
・1878年(明治11年)1月1日 気象観測業務を開始する
・1907年(明治40年)10月1日 船舶通報事務取扱を開始する
・1910年(明治43年)4月1日 霧信号所霧笛舎竣工し、霧笛号業務を開始する
・1923年(大正12年)5月27日 これまでの石油灯を電気灯火とし、燭光数を変更する
・1930年(昭和5年)2月25日 灯器改造工事のため等級、灯質、燭光数変更(仮灯に変更)する
・1930年(昭和5年)3月25日 灯器改造工事が完成し、灯質変更、光力増大の上点灯する
・1932年(昭和7年)12月15日 無線方位信号所業務を開始(無線標識)する
・1941年(昭和16年)3月11日 構内に犬吠埼電信局を設置する
・1945年(昭和20年)8月10日 7機の米軍戦闘機による攻撃を受け破損し、技術員1名が殉職する
・1945年(昭和20年)11月10日 修復して、再点灯する
・1951年(昭和26年)3月31日 戦災復旧工事が完了し、初点灯より使用していた初代レンズ(仏製1等八面閃光レンズ)が退役する
・1951年(昭和26年)9月1日 暴風標識信号所を設置する
・1953年(昭和28年)8月1日 航路標識事務所を設置する
・1956年(昭和31年)10月15日 光力を増大し、200万カンデラとなる
・1962年(昭和37年)9月1日 レーマークビーコン業務を開始する
・1973年(昭和48年)2月12日 灯塔を鉄筋にて補強工事を実施し完工する
・1987年(昭和62年)12月10日 灯塔をPC工法で耐震補強工事を実施し完工する
・2002年(平成14年)3月20日 灯台資料展示館開館し、明治村(愛知県)にて保存されていた初代レンズが戻る
・2006年(平成18年)8月2日 無線方位信号所(中波帯)が廃止される
・2008年(平成20年)3月31日 犬吠埼霧信号所廃止に伴い、最後の霧笛を鳴らすお別れ式典が挙行される
・2009年(平成21年)4月10日 無線方位信号所が廃止される
・2010年(平成22年)4月28日 灯台が国の登録有形文化財に登録される
・2012年(平成24年)12月19日 旧犬吠埼霧信号所霧笛舎が国の登録有形文化財に登録される
・2016年(平成28年)9月30日 灯台放送(船舶気象通報)及び灯台に併設する犬吠埼ディファレンシャルGPS局の気象通報が廃止される
・2019年(平成31年)3月1日 ディファレンシャルGPS局が廃止される
・2020年(令和2年)12月23日 灯台、旧霧笛舎、旧倉庫が国の重要文化財に指定される

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1653年(承応2)歌人・歌学者・俳人・貞門俳諧の祖松永貞徳の命日(新暦1654年1月3日)詳細
1867年(慶応3)京都で坂本龍馬・中岡慎太郎が暗殺される(新暦12月10日)詳細
1872年(明治5)「国立銀行条例」が制定される(新暦12月15日)詳細
1903年(明治36)平民社から週刊「平民新聞」が発刊される詳細
1914年(大正3) 東洋経済新報社説に石橋湛山の「青島は断じて領有すべからず」が掲載される詳細
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