ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:世界文化遺産

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 今日は、明治時代前期の1880年(明治13)に、太政官布達に基づき奈良公園が開設された日です。
 奈良公園(ならこうえん)は、奈良県奈良市市街地の東部にある日本最大の都市公園です。明治時代前期の1877年(明治10)11月に堺県へ奈良公園設立を願い出て、1880年(明治13)2月14日に、太政官布達に基づいて、開設されました。
 1889年(明治22)には、春日野や浅茅ヶ原等の名勝地、東大寺や氷室神社等の社寺境内地、若草山や春日山等の山野を含む新奈良公園地(奈良県立奈良公園)が告示され、日本最大の都市公園(面積約502ha)となります。1892年(明治25)に興福寺と東大寺旧境内に、桜や楓など数百本を植樹、1895年(明治28)に花山・芳山・春日山に杉と松を大々的に植樹、帝国奈良博物館が開館、1897年(明治30)に公園平坦地、芳山に楓、桜、柳、松、百日紅、杉などを植樹して整備が進みました。
 1900年(明治33)に春日山周遊道路が開通、1902年(明治35)に奈良県物産陳列所、1903年(明治36)に奈良県公会堂(1号館)、1908年(明治41)に奈良公園蓬莱池(鷺池)、1910年(明治43)には、春日野運動場が完成しています。1922年(大正11)に奈良公園が国の名勝、1923年(大正12)に春日大社ナギ樹林、知足院ナラノヤエザクラが国の天然記念物、1924年(大正13)には、春日山原始林が国の天然記念物に指定(1956年に特別天然記念物に昇格)されました。
 太平洋戦争後、1954年(昭和29)に「奈良県立公園条例」、「奈良県立公園条例施行規則」が施行され、1957年(昭和32)に「奈良のシカ」が天然記念物に指定、1960年(昭和35)には、「都市公園法」に基づく都市公園として公園の名称、位置及び区域が定められます。1966年(昭和41)に奈良公園一帯を含む奈良市歴史的風土保存区域に春日山地区などが指定され、1967年(昭和42)には、春日大社、興福寺、東大寺、奈良公園一帯を含む春日山歴史的風土特別保存地区が指定され、興福寺旧境内が史跡に指定されました。
 1988年(昭和63)に奈良公園一帯と平城宮跡を会場として、なら・シルクロード博が開催され、1989年(平成元)に「日本の都市公園100選」、1990年(平成2)に「日本さくら名所100選」に選定されています。1998年(平成10)には、世界文化遺産「古都奈良の文化財」として奈良公園一帯(春日大社、興福寺、東大寺、春日山原始林)が登録されました。
 現在は、鹿(約1200頭)が群をなして遊び、奈良観光のメインとなっており、修学旅行生や外国人の姿も多く見られます。

〇奈良公園関係略年表

・1877年(明治10)11月 堺県へ奈良公園設立を願い出る
・1880年(明治13)2月14日 太政官布達に基づいて、奈良公園が開設される
・1889年(明治22) 春日野や浅茅ヶ原等の名勝地、東大寺や氷室神社等の社寺境内地、若草山や春日山等の山野を含む新奈良公園地(奈良県立奈良公園)を告示する
・1892年(明治25) 興福寺と東大寺旧境内に、桜や楓など数百本を植樹する
・1895年(明治28) 花山・芳山・春日山に杉と松を大々的に植樹、帝国奈良博物館が開館する
・1897年(明治30) 公園平坦地、芳山に楓、桜、柳、松、百日紅、杉などを植樹する
・1900年(明治33) 春日山周遊道路の開通式が行われる
・1902年(明治35) 奈良県物産陳列所が完成する
・1903年(明治36) 奈良県公会堂(1号館)が完成する
・1908年(明治41) 奈良公園蓬莱池(鷺池)が完成する
・1910年(明治43) 春日野運動場が完成する
・1922年(大正11) 奈良公園が国の名勝に指定される
・1923年(大正12) 春日大社ナギ樹林、知足院ナラノヤエザクラが国の天然記念物に指定される
・1924年(大正13) 春日山原始林が国の天然記念物に指定される
・1928年(昭和3) 春日山周遊道路自動車道が開通する
・1932年(昭和7) ルーミスシジミ棲息地が天然記念物に指定され、東大寺旧境内が史跡に指定される
・1937年(昭和12) 春奈良公園を含む箇所が風致地区に指定される
・1939年(昭和14) 若草山麓車道が開通する
・1940年(昭和15) 興福寺および東大寺境内地を奈良公園区域から除外する
・1947年(昭和22) 奈良公園区域から興福寺・東大寺・手向山八幡宮等の境内地を除籍する
・1954年(昭和29) 「奈良県立公園条例」「奈良県立公園条例施行規則」を公布する
・1956年(昭和31) 春日山原始林が特別天然記念物に指定される
・1957年(昭和32) 「奈良のシカ」が天然記念物に指定される
・1960年(昭和35) 「都市公園法」に基づく都市公園として公園の名称、位置及び区域が定められる
・1966年(昭和41) 奈良公園一帯を含む奈良市歴史的風土保存区域に春日山地区などが指定される
・1967年(昭和42) 春日大社、興福寺、東大寺、奈良公園一帯を含む春日山歴史的風土特別保存地区が指定され、興福寺旧境内が史跡に指定される
・1980年(昭和55) 奈良公園開設百周年記念展を県文化会館で開催する
・1987年(昭和62) 奈良県新公会堂が竣工する
・1988年(昭和63) 奈良公園一帯と平城宮跡を会場として、なら・シルクロード博が開催される
・1989年(平成元)7月28日 「日本の都市公園100選」に選定される
・1990年(平成2) 「日本さくら名所100選」に選定される
・1998年(平成10) 世界文化遺産「古都奈良の文化財」として奈良公園一帯(春日大社、興福寺、東大寺、春日山原始林)が登録される
・2015年(平成27) 新公会堂の名称を「奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~」に変更し、シルクロード交流館との一体化改修工事を経て、リニューアルオープンする
・2019年(平成31) 奈良公園バスターミナルがオープンする

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

741年(天平13)聖武天皇が「国分寺建立の詔」を出す(新暦3月5日)詳細
940年(天慶3)平将門が下野の豪族藤原秀郷と平貞盛らの軍勢により、猿島の北山で討たれる(新暦3月25日)詳細
1893年(明治26)洋画家・歌人・詩人・随筆家中川一政の誕生日詳細
1896年(明治29)日本画家徳岡神泉の誕生日詳細
1945年(昭和20)近衛文麿が昭和天皇に対して、上奏文(近衛上奏文)を出す詳細
1951年(昭和26)奄美大島日本復帰協議会(議長:泉芳朗)が結成される詳細
1967年(昭和42)小説家山本周五郎の命日詳細
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 今日は、江戸時代末期の1865年(元治2)に、長崎に大浦天主堂が完成(西洋建築の木造三廊)し、献堂式が挙行された日ですが、新暦では2月19日となります。
 大浦天主堂(おおうらてんしゅどう)は、長崎県長崎市に建立された日本最古の現存するキリスト教建築物でした。フランス人宣教師プティジャンらの指導により建設されたもので、正式名称は日本二十六聖殉教者堂といいました。
 教会完成後、浦上地区の村民たちが、ここのプチジャン司教を訪ね、カトリックの信者(江戸時代の間信仰を守った隠れキリシタン)であることを告白し、「信徒発見」とよばれる歴史的事件となります。1979年(明治12)には、木造からレンガ造りに改築(五廊式1塔の煉瓦壁漆喰塗)され、洋風のゴシック様式建造物となりました。
 現存する日本最古の洋風建造物として、とても貴重なので、1933年(昭和8)に、「国宝保存法」に基づき旧国宝(現行法の重要文化財に相当)となり、1953年(昭和28)には、「文化財保護法」に基づき国宝に指定されます。さらに、2018年(平成30)には、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する文化財の1つとして、世界文化遺産に登録されました。

〇大浦天主堂関係略年表(明治5年以前の日付は旧暦です)

・1862年(文久2年) フランスのパリ外国宣教会宣教師で日本教区長のジラール神父の命により、横浜にいたフランス人司祭(神父)フューレが長崎に赴任、司祭館と教会堂の建築準備に着手する
・1863年(文久3年) プティジャン神父(後に司教)が長崎に着任、フューレを補助し、天主堂建設に尽力する
・1864年(元治元年12月1日) 大浦天主堂が竣工(西洋建築の木造三廊)する
・1865年(元治2年1月24日) ジラール神父を始め、フランス領事、長崎港内に停泊中のフランス、ロシア、オランダ、イギリス各国の軍艦艦長臨席のもとに荘厳に献堂式が挙行される
・1865年(元治2年2月12日) 浦上の潜伏キリシタンが大浦天主堂を訪ね、プティジャン神父に密かに信仰者であることを名乗る(信徒発見)
・1868年(慶応4年6月7日) フランス人神父ド・ロがペルーズ号で来航し、大浦天主堂に入る
・1875年(明治8年) ポアリエ神父の設計で、天主堂の大規模な増改築を開始する
・1879年(明治12年) 天主堂の大規模な増改築が完成し、九州初の煉瓦造構造(五廊式1塔の煉瓦壁漆喰塗)となる
・1891年(明治24年) カトリック長崎司教区(現・カトリック長崎大司教区)の司教座聖堂となる
・1933年(昭和8年)1月23日 当時の「国宝保存法」に基づき国宝(旧国宝:現行法の重要文化財に相当)に指定される
・1945年(昭和20年)8月9日 長崎市への原爆投下によって破損したが、爆心地から比較的離れていたため倒壊・焼失は免れる
・1952年(昭和27年)6月30日 原爆被害の修理が完了する
・1953年(昭和28年)3月31日 「文化財保護法」に基づき国宝に指定される(洋風建築としては初の国宝指定)
・1962年(昭和37年)1月1日 カトリック長崎大司教区の司教座聖堂が浦上教会に変更される
・1962年(昭和37年)6月8日 日本二十六聖人列聖記念100年祭のミサが執り行われる
・1962年(昭和37年)6月10日 西坂公園で記念式典を挙行、国内外よりカトリック信徒約1万人が参列する
・1965年(昭和40年)2月21日 大浦天主堂創建100周年記念式典が挙行される
・1965年(昭和40年)3月16日 キリスト信者発見100周年記念祭が開催。信者発見記念碑「聖母像」の除幕式が挙行される
・1965年(昭和40年)3月17日 ローマ教皇特使マレラ枢機卿が長崎を訪れ、大浦天主堂で荘厳ミサが執り行われる
・1975年(昭和50年)11月3日 天主堂に登る石段横の隣接地にカトリック大浦教会が新築される
・2007年(平成19年) 建立当初の設計図(平面図と側面図)がパリ外国宣教会本部古文書局の保管資料から発見される
・2016年(平成28年) 教皇庁典礼秘跡省長官ロベール・サラ枢機卿による4月26日付公式文書により、日本初の小バシリカとなる
・2018年(平成30年)4月1日 「キリシタン博物館」が開設される
・2018年(平成30年)6月 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する文化財の1つとして、世界文化遺産に登録される

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1632年(寛永9)武将・江戸幕府第2代将軍徳川秀忠の命日(新暦3月14日)詳細
1869年(明治2)詩人・随筆家・評論家大町桂月の誕生日(新暦3月6日)詳細
1871年(明治4)「書状ヲ出ス人ノ心得」、「郵便賃銭切手高並代銭表」等の太政官布告が出される(新暦3月14日)詳細
1960年(昭和35)小説家火野葦平の命日詳細
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