ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

タグ:トキ

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 今日は、昭和時代中期の1960年(昭和35)に、東京で開催されていた第12回国際鳥類保護会議(ICBP)で、トキ(鴾)が国際保護鳥に指定された日です。
 国際保護鳥(こくさいほごちょう)は、絶滅のおそれのある貴重な鳥類で、国際間で保護するように、国際鳥類保護会議(ICBP)が認定したものでした。1949年(昭和24)にアメリカのレーク・サクセスで開催された国際連合教育科学文化機関(UNESCO)と国際自然保護連合(IUCN) の会議で、絶滅の危機に瀕している生物種の調査・指定を行うべきだという国際鳥類保護会議(ICBP)の提言が認められ、それを受けて13種(ハワイガン、バライロガモ、レイサンマガモ、マリアナガモ、キジインコ、ハシジロキツツキ、バミューダミズナギドリ、マリアナツカツクリ、カリフォルニアコンドル、エスキモーコシャクシギ、アメリカシロヅル、カグー、アラビアダチョウ)が選定されます。
 その後、1958年(昭和33)の国際鳥類保護会議(ICBP)第6回総会(於:アデン)でアホウドリが追加され、さらに、1960年(昭和35)の第12回国際鳥類保護会議(於:東京)で、3種(レイサンマガモ、マリアナガモ、アラビアダチョウ)が削除され、2種(トキ、フクロウオウム)が追加され、差し引き13種となりました。1962年(昭和37)の国際鳥類保護会議(ICBP)第9回総会(於:ニューヨーク)でも追加が検討されましたが、見送られて現在に至っています。
 尚、1966年(昭和41)に国際自然保護連盟(IUCN)の「レッド・リスト」が作成され、鳥類を含めて、絶滅のおそれのある動植物がいくつかのランクに分けて掲載されるようになり、その後更新されてきました。
 以下に、国際保護鳥一覧を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇国際保護鳥一覧(指定から外されたものも含む)

・ハワイガン(英名:Hawaiian Goose)カモ目カモ科
・バライロガモ(英名:Pink-headed Duck)カモ目カモ科
・レイサンマガモ(英名:Laysan Mallard)カモ目カモ科 絶滅の危機を脱したと判断され、第12回国際鳥類保護会議で削除
・マリアナガモ(英名:Mariana Mallard)カモ目カモ科 交雑種でありまだ固定されていないとの研究が認められ、第12回国際鳥類保護会議で削除、その後絶滅
・キジインコ(英名:Ground Parrot)オウム目インコ科
・フクロウオウム(英名:Kakapo)オウム目インコ科 第12回国際鳥類保護会議で追加
・ハシジロキツツキ(英名:Ivory-billed Woodpecker)キツツキ目キツツキ科
・バミューダミズナギドリ(英名:Bermuda Petrel)ミズナギドリ目ミズナギドリ科
・アホウドリ(英名:Short-tailed Albatross)ミズナギドリ目アホウドリ科 国際鳥類保護会議第6回総会で追加
・マリアナツカツクリ(英名:Micronesian Scrubfowl)キジ目ツカツクリ科
・カリフォルニアコンドル(英名:California condor)タカ目コンドル科
・エスキモーコシャクシギ(英名:Eskimo Curlew)チドリ目シギ科
・アメリカシロヅル(英名:Whooping Crane)ツル目ツル科
・カグー(英名:Kagu)ツル目カグー科
・トキ(英名:Crested Ibis)コウノトリ目トキ科 第12回国際鳥類保護会議で追加
・アラビアダチョウ(英名:Arabian Ostrich)ダチョウ目ダチョウ科 絶滅したため、第12回国際鳥類保護会議で削除

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1119年(元永2)第75代天皇とされる崇徳天皇の誕生日(新暦7月7日)詳細
1634年(寛永11)江戸幕府が長崎の出島の造成を命じる(新暦6月23日)詳細
1635年(寛永12)江戸幕府により、「寛永十二年五月令」(第三次鎖国令)が布告される(新暦7月12日)詳細
1927年(昭和2)「山東派兵に関する政府声明」が出されて、第一次山東出兵が始まる詳細
1953年(昭和28)小説家堀辰雄の命日(辰雄忌)詳細
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 今日は、昭和時代中期の1952年(昭和27)に、阿寒湖のマリモ、タンチョウ、トキ、オオサンショウウオなど44件が初の特別天然記念物に指定された日です。
 特別天然記念物(とくべつてんねんきねんぶつ)は、「文化財保護法」によって指定された天然記念物のうち、特に、重要なものとして文部科学大臣が指定した天然記念物のことです。「文化財保護法」は、昭和時代中期の1950年(昭和25)5月30日に公布、同年8月29日に施行されましたが、その中で、記念物(遺跡・名勝地・動物・植物・地質鉱物など )も指定の対象として保護することとしていました。
 そして、天然記念物の指定基準は現在の文部科学省が管轄の1951年(昭和26)5月10日の「国宝及び重要文化財指定基準並びに特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準」(昭和26年文化財保護委員会告示第2号)により定められ、天然記念物のうち、世界的にまた国家的に価値が高いとみなされるものは、特別天然記念物に指定されることとなります。そして、翌年3月29日に、阿寒湖のマリモ、アポイ岳高山植物群落、野幌原始林、小湊のハクチョウおよびその渡来地、根反の大珪化木、焼走り熔岩流、鬼首の雌釜および雄釜間歇温泉、玉川温泉の北投石、コウシンソウ自生地、日光杉並木街道附並木寄進碑、浅間山熔岩樹型、田島ヶ原サクラソウ自生地、大島のサクラ株、ホタルイカ群遊海面、薬師岳の圏谷群、鳴沢熔岩樹型、上高地、白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石、根尾谷断層、根尾谷の菊花石、狩宿の下馬ザクラ、湧玉池、長岡のゲンジボタルおよびその発生地、大山のダイセンキャラボク純林、大根島の熔岩隧道、秋芳洞、八釜の甌穴群、高知市のミカドアゲハおよびその生息地、杉の大スギ、古処山ツゲ原始林、相良のアイラトビカズラ、青島亜熱帯性植物群落、内海のヤッコソウ発生地、都井岬ソテツ自生地、鹿児島県のソテツ自生地、鹿児島県のツルおよびその渡来地、蒲生のクス、喜入のリュウキュウコウガイ産地、白馬連山高山植物帯、野田のサギ及びその繁殖地(1984年指定解除)、土佐のオナガドリ、タンチョウ、トキ、オオサンショウウの44件が初の特別天然記念物に指定されました。
 その後、指定が増やされていき、2021年(令和3)末現在では、計75件(動物21件、植物30件、地質・鉱物20件、天然保護区域4件)となっています。
 
〇「文化財保護法」第109条
 
文部科学大臣は、記念物のうち重要なものを史跡、名勝又は天然記念物(以下「史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
2 文部科学大臣は、前項の規定により指定された史跡名勝天然記念物のうち特に重要なものを特別史跡、特別名勝又は特別天然記念物(以下「特別史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。
3 前二項の規定による指定は、その旨を官報で告示するとともに、当該特別史跡名勝天然記念物又は史跡名勝天然記念物の所有者及び権原に基づく占有者に通知してする。

〇特別天然記念物一覧(75件)

<動物>(21件)

・カモシカ
・カワウソ
・イリオモテヤマネコ
・アマミノクロウサギ
・トキ
・コウノトリ
・タンチョウ
・アホウドリ
・カンムリワシ
・ライチョウ
・ノグチゲラ
・メグロ
・オオサンショウウオ
・土佐のオナガドリ
・小湊のハクチョウおよびその渡来地 : 青森県
・鯛の浦タイ生息地 : 千葉県
・ホタルイカ群遊海面 : 富山県
・長岡のゲンジボタルおよびその発生地 : 滋賀県
・八代のツルおよびその渡来地 : 山口県
・高知市のミカドアゲハおよびその生息地 : 高知県
・鹿児島県のツルおよびその渡来地 : 鹿児島県

<植物>(30件)

・阿寒湖のマリモ : 北海道
・野幌原始林 : 北海道
・アポイ岳高山植物群落 : 北海道
・早池峰山および薬師岳の高山帯・森林植物群落 : 岩手県
・羽黒山のスギ並木 : 山形県
・東根の大ケヤキ : 山形県
・コウシンソウ自生地 : 栃木県
・日光杉並木街道 附 並木寄進碑 : 栃木県
・田島ヶ原サクラソウ自生地 : 埼玉県
・牛島のフジ : 埼玉県
・大島のサクラ株 : 東京都
・白馬連山高山植物帯 : 長野県・新潟県・富山県
・狩宿の下馬ザクラ : 静岡県
・石徹白のスギ : 岐阜県
・春日山原始林 : 奈良県
・大山のダイセンキャラボク純林 : 鳥取県
・加茂の大クス: 徳島県
・宝生院のシンパク : 香川県
・杉の大スギ : 高知県
・古処山ツゲ原始林 : 福岡県
・立花山クスノキ原始林 : 福岡県
・相良のアイラトビカズラ : 熊本県
・青島亜熱帯性植物群落 : 宮崎県
・都井岬ソテツ自生地 : 宮崎県
・内海のヤッコソウ発生地 : 宮崎県
・喜入のリュウキュウコウガイ産地 : 鹿児島県
・枇榔島亜熱帯性植物群落 : 鹿児島県
・蒲生のクス : 鹿児島県
・鹿児島県のソテツ自生地 : 鹿児島県
・屋久島スギ原始林 : 鹿児島県

<地質・鉱物>(20件)

・昭和新山:北海道
・夏油温泉の石灰華 : 岩手県
・焼走り熔岩流 : 岩手県
・根反の大珪化木 : 岩手県
・玉川温泉の北投石 : 秋田県
・鬼首の雌釜および雄釜間歇温泉 : 宮城県
・浅間山熔岩樹型 : 群馬県
・御岳の鏡岩 : 埼玉県
・魚津埋没林 : 富山県
・薬師岳の圏谷群:富山県
・岩間の噴泉塔群:石川県
・鳴沢熔岩樹型 : 山梨県
・白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石 : 長野県
・根尾谷断層 : 岐阜県
・根尾谷の菊花石 : 岐阜県
・湧玉池 : 静岡県
・大根島の熔岩隧道 : 島根県
・秋芳洞 : 山口県
・秋吉台 : 山口県
・八釜の甌穴群 : 愛媛県

<天然保護区域>(4件)

・大雪山 : 北海道
・尾瀬 : 福島県・群馬県・新潟県
・黒部峡谷附猿飛ならびに奥鐘山 : 富山県
・上高地 : 長野県

☆特別天然記念物の指定基準

 次に掲げる動物および植物のうち学術上貴重でわが国の自然を記念するもの(天然記念物)のうち、世界的にまた国家的に価値が特に高いもの

ア 動 物
(1)日本特有の動物で著名なものおよびその棲息地
(2)特有の産ではないが、日本著名の動物としてその保存を必要とするものおよびその棲息地
(3)自然環境における特有の動物または動物群衆
(4)日本に特有な畜養動物
(5)家畜以外の動物で海外よりわが国に移殖され現時野生の状態にある著名なものおよびその棲息地
(6)特に貴重な動物の標本

イ 植 物
(1)名木、巨樹、老樹、畸形木、栽培植物の原木、並木、社叢
(2)代表的原始林、稀有の森林植物相
(3)代表的高山植物帯、特殊岩石地植物群落
(4)代表的な原野植物群落
(5)海岸および沙地植物群落の代表的なもの
(6)泥炭形成植物の発生する地域の代表的なもの
(7)洞穴に自生する植物群落
(8)池泉、温泉、湖沼、河、海などの珍奇な水草類、藻類、蘚苔類、微生物などの生ずる地域
(9)着生草木の著しく発生する岩石または樹木
(10)著しい植物分布の限界地
(11)著しい栽培植物の自生地
(12)珍奇または絶滅に瀕した植物の自生地

ウ 地質鉱物
(1)岩石、鉱物及び化石の産出状況
(2)地層の整合及び不整合
(3)地層の褶曲及び衝上
(4)生物の働きによる地質現象
(5)地震断層など地塊運動に関する現象
(6)洞穴
(7)岩石の組織
(8)温泉並びにその沈殿物
(9)風化及び浸蝕に関する現象
(10)硫気孔及び火山活動によるもの
(11)氷雪霜の営力による現象
(12)特に貴重な岩石、鉱物及び化石の標本

エ 保護すべき天然記念物に富んだ代表的一定の地域(天然保護区域)

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1401年(応永8)第101代の天皇とされる称光天皇の誕生日(新暦5月12日)詳細
1897年(明治30)金本位制の「貨幣法」が公布される詳細
1933年(昭和8)「米穀統制法」が公布される詳細
1939年(昭和14)詩人・建築家立原道造の命日詳細
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