
イタイイタイ病(イタイイタイびょう)は、大正時代から昭和時代にかけて、富山県の神通川流域で起きた公害病でした。岐阜県神岡町(現在の飛騨市)の三井金属鉱業神岡事業所(神岡鉱山)から排出されたカドミウム汚染によって、引き起こされ、激痛や病的骨折に襲われて運動不能状態となり、さらに進行すると死に至るもので、1968年(昭和43)5月8日に、日本の公害病第1号に認定されています。
患者が「いたい、いたい」と骨の痛みを訴えて死ぬことから「イタイイタイ病」と名付けられ、「公害健康被害補償法」によって認定された患者数は194人(うち死亡者188人)となっていて、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくと共に四大公害病の一つひとつとされてきました。患者らは三井金属を相手に損害賠償訴訟を起こし、1972年(昭和47)に勝訴し、公害防止協定などに基づき患者への補償、神岡鉱業の環境対策、土壌の復元が進み、2013年(平成25)に被害者団体と企業が「全面解決」で合意しています。
尚、イタイイタイ病裁判の勝利を記念して、1976年(昭和51)5月にイタイイタイ病対策協議会が婦中町萩島(現:富山市婦中町萩島)の被害地域に「清流会館」を建設し、館内にイタイイタイ病の闘いの年表や写真などの資料が展示されていました。これは、2012年(平成24)4月29日に開館した「富山県立イタイイタイ病資料館」へ引き継がれています。
患者が「いたい、いたい」と骨の痛みを訴えて死ぬことから「イタイイタイ病」と名付けられ、「公害健康被害補償法」によって認定された患者数は194人(うち死亡者188人)となっていて、水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそくと共に四大公害病の一つひとつとされてきました。患者らは三井金属を相手に損害賠償訴訟を起こし、1972年(昭和47)に勝訴し、公害防止協定などに基づき患者への補償、神岡鉱業の環境対策、土壌の復元が進み、2013年(平成25)に被害者団体と企業が「全面解決」で合意しています。
尚、イタイイタイ病裁判の勝利を記念して、1976年(昭和51)5月にイタイイタイ病対策協議会が婦中町萩島(現:富山市婦中町萩島)の被害地域に「清流会館」を建設し、館内にイタイイタイ病の闘いの年表や写真などの資料が展示されていました。これは、2012年(平成24)4月29日に開館した「富山県立イタイイタイ病資料館」へ引き継がれています。
〇イタイイタイ病関係年表
・1955年(昭和30)8月4日 熊野村の開業医の萩野昇が執筆した「イタイイタイ病」を紹介する記事が富山新聞に掲載される
・1957年(昭和32)12月 萩野昇は富山県医学会で「鉱毒説」を発表
・1961年(昭和36)1月 萩野昇と農学者の吉岡金市がイタイイタイ病の原因はカドミウムであることを発表する
・1961年(昭和36)12月 富山県が原因究明に乗り出す、
・1963年(昭和38)6月 厚生省及び文部省が独自に原因究明に乗り出す
・1966年(昭和41)11月 被害者の家族や遺族らがイタイイタイ病対策協議会(略称:イ対協)を結成する
・1967年(昭和42)3月 富山県イタイイタイ病患者審査委員会は、患者73人、要観察者150人を認定する
・1968年(昭和43)3月9日 患者や遺族の計28人が原告となって、原因企業の三井金属鉱業に損害賠償を提訴(第1次訴訟)
・1968年(昭和43)5月8日 イタイイタイ病は政府によって認定された公害病の第1号になる
・1968年(昭和43)10月8日 第2次訴訟提訴(訴訟件数:148件)
・1969年(昭和44)3月10日 第3次訴訟提訴(訴訟件数:14件)
・1969年(昭和44)11月20日 第4次訴訟提訴(訴訟件数:4件)
・1970年(昭和45)2月1日 「健康被害救済法(公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法)」が施行され、公害病患者96名が認定される
・1970年(昭和45)2月20日 第5次訴訟提訴(訴訟件数:13件)
・1971年(昭和46)5月7日 第6次訴訟提訴(訴訟件数:8件)
・1971年(昭和46)6月30日 富山地方裁判所が第1次訴訟の1審判決を下し、原告側の勝訴となるが、三井金属鉱業は即日控訴する
・1971年(昭和46)7月3日 第7次訴訟提訴(訴訟件数:1件)
・1971年(昭和46)7月 第2次~第7次訴訟は併合され、第1次訴訟が出た後に審理が始まる
・1972年(昭和47)8月9日 名古屋高等裁判所金沢支部は被告側の控訴を棄却するとともに、原告側の附帯控訴を認め、慰謝料額を倍増させ、原告側のほぼ全面勝訴となる
・1974年(昭和49)8月 神通川左岸の67.4haが「農用地汚染防止法」に基づく汚染地域に指定される
・1976年(昭和51)5月 イタイイタイ病対策協議会が「清流会館」を建設する
・1979年(昭和54)汚染地域の土壌復元事業が始まる
・2008年(平成20)10月現在で、イタイイタイ病認定患者は192人となる
・2012年(平成24)3月17日 汚染地域の土壌復元事業が完了する
・2012年(平成24)4月29日 「富山県立イタイイタイ病資料館」が開館する
・2013年(平成25)12月17日 神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会が原因企業の三井金属と全面解決の合意書を交わす