
「家庭用品品質表示法」(かていようひんひんしつひょうじほう)は、昭和時代中期の1962年(昭和37)5月4日に公布(施行は同年10月1日)された、家庭用品の品質に関する表示の適正化を定め、一般消費者の利益を保護するための法律です。1955年(昭和30)8月15日に公布された、「繊維製品品質表示法」を拡大したもので、一般消費者がその購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、かつ、その品質を識別することが特に必要であると認められるものとして、繊維製品・合成樹脂加工品・電気機械器具・雑貨工業品の表示を義務付けてきました。
これらについて、表示者の名称と連絡先、成分、性能、用途、貯蔵法その他の表示を製造業者等に義務付けています。1996年(平成8)以降、通産省(後に消費者庁)は品目の指定や表示内容を実態に合わせて大幅に見直してきました。対象品目の表示が適正に行われず、消費者の利益が損なわれるときは、誰でもその旨を内閣総理大臣または経済産業大臣に申し出ることができます。
以下に、制定当初の「家庭用品品質表示法」(昭和37年法律第104号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。
これらについて、表示者の名称と連絡先、成分、性能、用途、貯蔵法その他の表示を製造業者等に義務付けています。1996年(平成8)以降、通産省(後に消費者庁)は品目の指定や表示内容を実態に合わせて大幅に見直してきました。対象品目の表示が適正に行われず、消費者の利益が損なわれるときは、誰でもその旨を内閣総理大臣または経済産業大臣に申し出ることができます。
以下に、制定当初の「家庭用品品質表示法」(昭和37年法律第104号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。
〇「家庭用品品質表示法」(昭和37年法律第104号) 1962年(昭和37)5月4日公布、同年10月1日施行
(目的)
第一条 この法律は、家庭用品の品質に関する表示の適正化を図り、一般消費者の利益を保護することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律で「家庭用品」とは、次に掲げる商品をいう。
一 一般消費者が通常生活の用に供する繊維製品、合成樹脂加工品、電気機械器具及び雑貨工業品のうち、一般消費者がその購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、かつ、その品質を識別することが特に必要であると認められるものであつて政令で定めるもの
二 前号の政令で定める繊維製品の原料又は材料たる繊維製品のうち、需要者がその購入に際し品質を識別することが著しく困難であり、かつ、同号の政令で定める繊維製品の品質に関する表示の適正化を図るにはその品質を識別することが特に必要であると認められるものであつて政令で定めるもの
2 この法律で「製造業者」とは、家庭用品の製造又は加工の事業を行なう者をいい、「販売業者」とは、家庭用品の販売の事業を行なう者をいい、「表示業者」とは、製造業者又は販売業者の委託を受けて家庭用品に次条の規定により告示された同条第一号に掲げる事項を表示する事業を行なう者をいう。
(表示の標準)
第三条 通商産業大臣は、家庭用品の品質に関する表示の適正化を図るため、家庭用品ごとに、次に掲げる事項につき表示の標準となるべき事項を定め、これを告示するものとする。
一 成分、性能、用途、貯法その他品質に関し表示すべき事項
二 表示の方法その他前号に掲げる事項の表示に際して製造業者、販売業者又は表示業者が遵守すべき事項
(指示等)
第四条 通商産業大臣は、前条の規定により告示された同条第一号に掲げる事項(以下「表示事項」という。)を表示せず、又は同条の規定により告示された同条第二号に掲げる事項(以下「遵守事項」という。)を遵守しない製造業者、販売業者又は表示業者があるときは、当該製造業者、販売業者又は表示業者に対して、表示事項を表示し、又は遵守事項を遵守すべき旨の指示をすることができる。
2 通商産業大臣は、前項の指示に従わない製造業者、販売業者又は表示業者があるときは、その旨を公表することができる。
(表示に関する命令)
第五条 通商産業大臣は、家庭用品の品質に関する表示の適正化を図るため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、通商産業省令で、製造業者、販売業者又は表示業者に対し、当該家庭用品に係る表示事項について表示をする場合には、当該表示事項に係る遵守事項に従つてすべきことを命ずることができる。
第六条 通商産業大臣は、生活必需品又はその原料若しくは材料たる家庭用品について、表示事項が表示されていないものが広く販売されており、これを放置しては一般消費者の利益を著しく害すると認めるときは、政令で定めるところにより、通商産業省令で、製造業者又は販売業者に対し、当該家庭用品に係る表示事項を表示したものでなければ販売し、又は販売のために陳列してはならないことを命ずることができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による命令をする場合には、当該表示事項に関し、現に前条の規定による命令をしている場合を除き、あわせて同条の規定による命令をしなければならない。
第七条 通商産業大臣は、前条第一項に規定する場合において、製造業者、販売業者又は表示業者によつては当該家庭用品に係る表示事項を適正に表示することが著しく困難であると認めるときは、政令で定めるところにより、通商産業省令で、製造業者又は販売業者に対し、当該家庭用品については、通商産業大臣が表示事項を表示したものでなければ販売し、又は販売のために陳列してはならないことを命ずることができる。
第八条 前条の規定の適用については、家庭用品ごとに、通商産業大臣の認可を受けた者のした当該表示事項の表示は、同条の規定により通商産業大臣がしたものとみなす。
2 通商産業大臣は、前項の認可の申請をした者が、当該申請に係る家庭用品の品質を識別する能力があり、かつ、同項に規定する表示を公正に行なう者であると認めるときは、その者が次の各号の一に該当する場合を除き、同項の認可をしなければならない。
一 この法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 次項の規定により認可を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 法人であつて、その業務を行なう役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
3 通商産業大臣は、第一項の認可を受けた者がこの法律の規定に違反したとき、又は不正な手段により同項の認可を受けたときは、その認可を取り消すことができる。
4 第一項の認可を受けた者は、当該認可に係る家庭用品の品質を識別するには、通商産業省令で定める方法によらなければならない。
5 第一項の認可を受けた者は、当該認可に係る家庭用品について表示事項を表示する場合には、当該表示事項に係る遵守事項に従つてしなければならない。
(命令の変更又は取消し)
第九条 通商産業大臣は、第五条から第七条までの規定による命令をした後において、その命令をする要件となつた事実が変更し、又は消滅したと認めるときは、その命令を変更し、又は取り消さなければならない。
(通商産業大臣に対する申出)
第十条 何人も、家庭用品の品質に関する表示が適正に行なわれていないため一般消費者の利益が害されていると認めるときは、通商産業大臣に対して、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
2 通商産業大臣は、前項の規定による申出があつたときは、必要な調査を行ない、その申出の内容が事実であると認めるときは、第三条から第七条までに規定する措置その他適当な措置をとらなければならない。
(家庭用品品質表示審議会)
第十一条 通商産業省に、家庭用品品質表示審議会を置く。
第十二条 家庭用品品質表示審議会(以下「審議会」という。)は、通商産業大臣の諮問に応じ、家庭用品の品質に関する表示の適正化に関する重要事項を調査審議する。
2 通商産業大臣は、第三条の規定により表示の標準となるべき事項を定め、又は第五条から第七条までの規定による命令をしようとするときは、審議会に諮問しなければならない。
第十三条 審議会は、委員三十人以内で組織する。
第十四条 委員は、学識経験のある者のうちから、通商産業大臣が任命する。
2 通商産業大臣は、委員のうち一人を会長として指名し、会務を総理させる。
第十五条 委員の任期は、二年とする。
第十六条 委員は、非常勤とする。
第十七条 前六条に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、通商産業省令で定める。
(手数料)
第十八条 通商産業大臣に第七条の規定による表示をすることを求めようとする者は、同条の規定による命令に係る家庭用品の価格の百分の一をこえない範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。
2 第八条第一項の認可を申請する者は、一万円をこえない範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。
(報告及び立入検査)
第十九条 通商産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、製造業者、販売業者若しくは表示業者から報告を徴し、又はその職員に、これらの者の工場、事業場、店舗、営業所、事務所若しくは倉庫に立ち入り、家庭用品、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(権限の委任)
第二十条 この法律の規定により通商産業大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、通商産業局長又は都道府県知事に行なわせることができる。
(罰則)
第二十一条 第五条から第七条までの規定による命令又は第八条第五項の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。
第二十二条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 第八条第四項の規定に違反した者
二 第十九条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第十九条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
(両罰規定)
第二十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。
附 則
1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
2 繊維製品品質表示法(昭和三十年法律第百六十六号)は、廃止する。
3 通商産業大臣は、旧繊維製品品質表示法第七条の規定により繊維製品品質表示審議会に諮問した事項については、この法律の施行後一月間は、第十二条第二項の規定にかかわらず、家庭用品品質表示審議会に諮問することを要しない。
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
5 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。
第二十五条第一項の表中繊維製品品質表示審議会の項を削り、割賦販売審議会の項の次に次のように加える。
家庭用品品質表示審議会 | 家庭用品の品質に関する表示の適正化に関する重要事項を調査審議すること。 |
(通商産業・内閣総理大臣署名)
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1550年(天文19) | 室町幕府12代将軍足利義晴の命日(新暦5月20日) | 詳細 |
1881年(明治14) | 「小学校教則綱領」が制定される | 詳細 |
1895年(明治28) | 三国干渉により、閣議で、日本が遼東半島の全面放棄の勧告を受諾することを決める | 詳細 |
1913年(大正2) | 函館大正2年大火で、1,532戸が焼失する | 詳細 |
1949年(昭和24) | GHQにより「国税行政の再編成に関する覚書」 (SCAPIN-2001) が出される | 詳細 |
1950年(昭和25) | 現行の「生活保護法」が公布・施行される | 詳細 |
1976年(昭和51) | 30件の郷土芸能が初の重要無形民俗文化財に指定される | 詳細 |