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 今日は、平成時代の1998年(平成10)に、国および阪神高速道路公団との間に、西淀川公害訴訟の和解が成立した日です。
 西淀川公害訴訟(にしよどがわこうがいそしょう)は、大阪市西淀川区の公害病認定患者たちが、国と阪神高速道路公団および関西電力など企業10社を相手に、環境基準を超える大気汚染物質の排出差し止めと総額約123億円の損害賠償を求めて提訴した訴訟です。1978年(昭和53)4月20日に、大阪地裁に一次訴訟(112名)、1984年(昭和59)7月7日に二次訴訟(470名)、1985年(昭和60)5月15日に三次訴訟(143名)、1992年(平成4)4月30日に四次訴訟(1名)が提訴された、大規模裁判でした。
 硫黄酸化物の排出原因者である企業に加えて、当時、自動車交通量の増加にともなって深刻化していた自動車排気ガスによる大気汚染をも視野に入れた訴訟であった点が特徴的とされます。1991年(平成3)3月29日の一次訴訟地裁判決は、被告企業の共同不法行為と、「公害健康被害補償法」の不備が認められ、賠償を勝ち取るものの、公害の原因として自動車排ガスである二酸化窒素と、差止請求については認められませんでした。
 1995年(平成7)3月2日の被告企業との和解により、一次~四次訴訟の原告全員に対して解決金39億9千万円が支払われ、そのうち15億円を「原告らの環境保健、生活環境の改善、西淀川地域の再生などに使用する」ことが和解条件とされます。この解決金を原資とした、財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)が、1996年9月11日に環境庁から許可されました。
 一方、一次提訴分の国および阪神高速道路公団に対する控訴審に加えて、1995年(平成7)8月2日、二次・三次訴訟について国と公団が控訴します。1998年(平成10)7月29日に、国および公団との間に交通負荷の軽減、総合的な環境対策の実施、「西淀川地区道路沿道環境に関する連絡会」の設置などを条件とする和解が成立し、訴訟が終わりました。

〇西淀川公害訴訟関係略年表

・1960年頃 この頃から、尼崎市や此花区などの大工場で重油などを燃やす時に発生する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が西淀川区に飛散し(もらい公害)、区内の工場排煙と合わさって深刻な被害をもたらす
・1970年(昭和45) 西淀川が公害地域に指定され、大阪市は西淀川区公害特別機動隊を派遣する
・1973年(昭和48) 西淀川工業協会は、患者救済のために、西淀川区の企業101社から総額3億円にのぼる拠出金(汚染付加量賦課金)を集めて、大阪市に寄付、これを財源として大阪市は「公害被害者の救済に関する規則」を制定、西淀川区の公害患者に生活費を給付する
・1975年(昭和50) 大阪弁護士会公害対策委員会が「大気汚染―大阪西淀川における実態調査報告」を作成し、西淀川公害の法的責任追及の可能性を示す
・1978年(昭和53)4月20日 大阪地裁に西淀川公害の一次訴訟(112名)が提訴される
・1984年(昭和59)7月7日 西淀川公害の二次訴訟(470名)が提訴される
・1985年(昭和60)5月15日 西淀川公害の三次訴訟(143名)が提訴される
・1991年(平成3)3月29日 一次訴訟地裁判決は、被告企業の共同不法行為と、「公害健康被害補償法」の不備が認められ、賠償を勝ち取るものの、公害の原因として自動車排ガスである二酸化窒素と、差止請求については認められなかった
・1992年(平成4)4月30日 西淀川公害の四次訴訟(1名)が提訴される
・1995年(平成7)3月2日 一次~四次訴訟で、企業側が大気汚染の責任を認め、解決金として総額約40億円を支払うという内容で和解する
・1995年(平成7)7月5日 二次訴訟地裁判決が下され、国・公団の道路設置管理の責任が認められ、損害賠償を命じられたが、差止請求については棄却される
・1995年(平成7)8月2日、二次・三次訴訟について国と公団が控訴する
・1996年(平成8)7月22日 一次訴訟控訴審が再開する
・1996年(平成8)9月11日 解決金を原資として財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)の設立が環境庁から許可される
・1996年(平成8)12月5日 二~四次控訴審が開始し、裁判から国・公団との和解への道を模索する
・1998年(平成10)6月 公害地域再生センター(あおぞら財団)が、「西淀川道路環境再生プラン」を発表する
・1998年(平成10)7月29日 国・公団との和解が成立し、沿道環境の改善とともに、新しい施策への取り組みや、「西淀川地区沿道環境に関する連絡会」の設置を国と公団に約束させる
・2011年(平成23)7月 公害地域再生センター(あおぞら財団)が、公益財団法人に移行する

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1855年(安政2)矢田堀景蔵、勝海舟らが長崎海軍伝習所の一期生に選ばれる(新暦9月10日)詳細
1871年(明治4)「日清修好条規」が調印される(新暦9月13日)詳細
1899年(明治32)第1回万国平和会議(於:オランダ・ハーグ)が終了し、「ハーグ陸戦条約」が締結される詳細
1905年(明治38)「桂・タフト協定」が締結される詳細
1957年(昭和32)「国際原子力機関憲章(IAEA憲章)」が発効し、国際原子力機関(略称:IAEA)が設立される詳細
1969年(昭和44)冶金学者・化学者村上武次郎の命日詳細
1989年(平成元)小説家森敦の命日詳細
1999年(平成11)小説家・フランス文学者辻邦生の命日詳細
2006年(平成18)考古学者網干善教の命日詳細