
「犯罪被害者保護法」(はんざいひがいしゃほごほう)は、平成時代の2000年(平成12)5月19日に公布(施行は同年11月1日)された、犯罪被害者の刑事手続における負担の軽減を主目的とする法律(平成12年法律第75号)で、正式名称を「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」と言います。刑事裁判の手続きにおいて、犯罪の被害を被った人やその家族の心情を尊重し、またその被害の回復に資する措置を定めるなど、被害者などの権利利益の保護を図ることを目的としたもので、「刑事訴訟法」と「検察審査会法」も併せて改正されました。
被害者の公判傍聴に対する配慮(第2条)、刑事裁判終了前の公判記録の閲覧・謄写などを規定(第3条)、「刑事訴訟法」改正では、証人尋問の際の証人への付き添い、証人を被告や傍聴人から遮蔽する措置、別室からのテレビモニターを介した証言などを認め、また親告罪である性犯罪の告訴期限を撤廃、被害者が死亡した場合に検察の不起訴処分に親族らが不服申立てをしたときには,検察審査会はその審査を行わなければならないことなどを規定しています。その後、犯罪被害者等(その家族や遺族を含む)の権利利益を保護するために、2004年(平成16)12月8日には、「犯罪被害者等基本法」が公布(施行は2005年4月1日)されました。
以下に、「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」(平成12年法律第75号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。
被害者の公判傍聴に対する配慮(第2条)、刑事裁判終了前の公判記録の閲覧・謄写などを規定(第3条)、「刑事訴訟法」改正では、証人尋問の際の証人への付き添い、証人を被告や傍聴人から遮蔽する措置、別室からのテレビモニターを介した証言などを認め、また親告罪である性犯罪の告訴期限を撤廃、被害者が死亡した場合に検察の不起訴処分に親族らが不服申立てをしたときには,検察審査会はその審査を行わなければならないことなどを規定しています。その後、犯罪被害者等(その家族や遺族を含む)の権利利益を保護するために、2004年(平成16)12月8日には、「犯罪被害者等基本法」が公布(施行は2005年4月1日)されました。
以下に、「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」(平成12年法律第75号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。
〇「犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律」(平成12年法律第75号) 2000年(平成12)5月19日公布、同年11月1日施行
(目的)
第一条 この法律は、犯罪により害を被った者(以下「被害者」という。)及びその遺族がその被害に係る刑事事件の審理の状況及び内容について深い関心を有するとともに、これらの者の受けた身体的、財産的被害その他の被害の回復には困難を伴う場合があることにかんがみ、刑事手続に付随するものとして、被害者及びその遺族の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、もってその保護を図ることを目的とする。
(公判手続の傍聴)
第二条 刑事被告事件の係属する裁判所の裁判長は、当該被告事件の被害者等(被害者又は被害者が死亡した場合若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹をいう。以下同じ)又は当該被害者の法定代理人から、当該被告事件の公判手続の傍聴の申出があるときは、傍聴席及び傍聴を希望する者の数その他の事情を考慮しつつ、申出をした者が傍聴できるよう配慮しなければならない。
(公判記録の閲覧及び謄写)
第三条 刑事被告事件の係属する裁判所は、第一回の公判期日後当該被告事件の終結までの間において、当該被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、当該被告事件の訴訟記録の閲覧又は謄写の申出があるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、当該被害者等の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合その他正当な理由がある場合であって、犯罪の性質、審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときは、申出をした者にその閲覧又は謄写をさせることができる。
2 裁判所は、前項の規定により謄写をさせる場合において、謄写した訴訟記録の使用目的を制限し、その他適当と認める条件を付することができる。
3 第一項の規定により訴訟記録を閲覧し又は謄写した者は、閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり、不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し、又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければならない。
(民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解)
第四条 刑事被告事件の被告人と被害者等は、両者の間における民事上の争い(当該被告事件に係る被害についての争いを含む場合に限る。)について合意が成立した場合には、当該被告事件の係属する第一審裁判所又は控訴裁判所に対し、共同して当該合意の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。
2 前項の合意が被告人の被害者等に対する金銭の支払を内容とする場合において、被告人以外の者が被害者等に対し当該債務について保証する旨又は連帯して責任を負う旨を約したときは、その者も、同項の申立てとともに、被告人及び被害者等と共同してその旨の公判調書への記載を求める申立てをすることができる。
3 第二項の規定による申立ては、弁論の終結までに、公判期日に出頭し、当該申立てに係る合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実を記載した書面を提出してしなければならない。
4 第一項又は第二項の規定による申立てに係る合意を公判調書に記載したときは、その記載は、裁判上の和解と同一の効力を有する。
(和解記録)
第五条 前条第一項若しくは第二項の規定による申立てに基づき公判調書に記載された合意をした者又は利害関係を疎明した第三者は、第三条及び刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第四十九条の規定にかかわらず、裁判所書記官に対し、当該公判調書(当該合意及びその合意がされた民事上の争いの目的である権利を特定するに足りる事実が記載された部分に限る。)、当該申立てに係る前条第三項の書面その他の当該合意に関する記録(以下「和解記録」という。)の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付を請求することができる。ただし、和解記録の閲覧及び謄写の請求は、和解記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときは、することができない。
2 前項に規定する和解記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の請求に関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てについては民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百二十一条の例により、和解記録についての秘密保護のための閲覧等の制限の手続については同法第九十二条の例による。
3 和解記録は、刑事被告事件の終結後は、当該被告事件の第一審裁判所において保管するものとする。
(民事訴訟法の準用)
第六条 前二条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続については、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編第三章第一節(選定当事者及び特別代理人に関する規定を除く。)及び第四節(第六十条を除く。)の規定を準用する。
(執行文付与の訴え等の管轄の特則)
第七条 第四条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に係る執行文付与の訴え、執行文付与に対する異議の訴え及び請求異議の訴えは、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第三十三条第二項(同法第三十四条第三項及び第三十五条第三項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該被告事件の第一審裁判所(第一審裁判所が簡易裁判所である場合において、その和解に係る請求が簡易裁判所の管轄に属しないものであるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所)の管轄に専属する。
(手数料)
第八条 第三条第一項の規定による訴訟記録の閲覧又は謄写の手数料及び第五条第一項の規定による和解記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は和解に関する事項の証明書の交付の手数料については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)第七条から第十条まで及び別表第二の一から三までの項の規定(別表第二の一の項上欄中「(事件の係属中に当事者等が請求するものを除く。)」とある部分を除く。)を準用する。
2 第四条及び第五条に規定する民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解に関する手続の手数料については、民事訴訟法第二百七十五条の規定による訴え提起前の和解の例による。
(最高裁判所規則)
第九条 この法律に定めるもののほか、公判記録の閲覧及び謄写並びに民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解について必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(刑事確定訴訟記録法の一部改正)
2 刑事確定訴訟記録法(昭和六十二年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「記録」の下に「(犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(平成十二年法律第七十五号)第五条第一項に規定する和解記録については、その謄本)」を加える。
(法務・内閣総理大臣署名)
「衆議院ホームページ」より
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
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1560年(永禄3) | 桶狭間の戦いで、織田信長が今川義元を急襲して討ち取る(新暦6月12日) | 詳細 |
1565年(天文15) | 室町幕府第13代将軍足利義輝が松永久秀に攻められ自害する(新暦6月17日) | 詳細 |
1636年(寛永13) | 江戸幕府により「寛永十三年五月令」(第四次鎖国令)が出される(新暦6月22日) | 詳細 |
1877年(明治10) | 詩人・随筆家薄田泣菫の誕生日 | 詳細 |
1919年(大正8) | 大正8年米沢大火で、死者1名、焼失1,071戸(棟数にして1385棟)を出す | 詳細 |
1946年(昭和21) | 東京の皇居前広場で食糧メーデー(飯米獲得人民大会)が開催される | 詳細 |
1995年(平成7) | 「地方分権推進法」(平成7年法律第96号)が公布(同年7月3日施行)される | 詳細 |
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