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 今日は、昭和時代後期の1966年(昭和41)に、英国海外航空(BOAC)911便が富士山上空で山岳波により空中分解(英国海外航空機空中分解事故)し、乗員・乗客124名全員が死亡した日です。
 英国海外航空機空中分解事故(えいこくかいがいこうくうきくうちゅうぶんかいじこ)は、昭和時代後期の1966年(昭和41)3月5日に、英国海外航空(BOAC)のボーイング707-436型機が富士山付近の上空で乱気流に巻き込まれ、空中分解して墜落した航空機事故です。羽田空港を離陸し巡航高度に上昇中の14時15分頃、静岡県御殿場市上空付近15,000フィート (4,600m)を飛行中、乱気流に遭遇して右翼が分断されるなどして機体は空中分解し、御殿場市の富士山麓・太郎坊付近に落下、乗客113人と乗員11人の計142人全員が死亡するという痛ましい事故でした。
 日本では、この年の2月4日に、全日空羽田沖墜落事故(乗員乗客133人全員死亡)が発生、続いて、3月4日に羽田空港でカナダ太平洋航空機墜落事故(乗員乗客72人中64人が死亡)が起き、その翌日に発生した本事故は3件目となります。さらに、8月26日に日本航空羽田空港墜落事故(乗員5人死亡)、11月13日には、全日空松山沖墜落事故(乗員乗客50人全員死亡)と計5件の航空機事故が続けて起きました。

〇戦後の日本における重大航空機事故(死者30名以上)一覧

・1952年(昭和27)4月9日 日本航空301便(もく星号) 機種:マーチン2-0-2
 状況: 伊豆大島の三原山山頂付近に墜落。乗員乗客37人全員が死亡。
・1958年(昭和33)8月12日 全日本空輸25便 機種:ダグラスDC-3
 状況: エンジントラブルのため羽田空港に引き返そうとしたが、利島近海に墜落。乗員乗客33人全員が死亡。
・1966年(昭和41)2月4日 全日本空輸60便 機種:ボーイング727-81
 状況: 羽田空港着陸直前に東京湾に墜落(原因不明)。乗員乗客133人全員が死亡。
・1966年(昭和41)3月4日 カナダ太平洋航空402便 機種:ダグラスDC-8-43
 状況: 濃霧の中、羽田空港への着陸に失敗し爆発炎上。乗員乗客72人中64人が死亡。
・1966年(昭和41)3月5日 英国海外航空 (BOAC) 911便 機種:ボーイング707-436
 状況: 富士山上空で乱気流に巻き込まれて機体が空中分解し墜落。乗員乗客124人全員が死亡。
・1966年(昭和41)11月13日 全日本空輸533便 機種:日本航空機製造YS-11-111
 状況: 松山空港への着陸に失敗したため、着陸復行したが瀬戸内海沖合に墜落。乗員乗客50人全員が死亡。
・1971年(昭和46)7月3日 東亜国内航空63便(ばんだい号) 機種:日本航空機製造YS-11A-217
 状況: 函館空港への着陸アプローチ中に山間部に墜落。乗員乗客68人全員が死亡。
・1971年(昭和46)7月30日 全日本空輸58便と航空自衛隊訓練機 機種:ボーイング727-281とノースアメリカンF-86Fセイバー
 状況: 岩手県雫石町上空で空中衝突。全日空機の乗員乗客162人全員が死亡。
・1985年(昭和60)8月12日 日本航空123便 機種:ボーイング747SR-46
 状況: 1978年6月の尻もち事故の際にボーイング社が修理ミスを起こしたために、飛行中に圧力隔壁が破壊され、操縦系統が破損し操縦不能に陥り迷走した後に墜落。乗員乗客524人中520人が死亡。
・1994年(平成6)4月26日 中華航空140便 機種:エアバスA300B4-622R
 状況:名古屋空港への着陸復行の際に操縦士と機体制御システムが相反したあげく、失速し墜落。乗員乗客271人中264人が死亡。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

765年(天平神護元)称徳天皇が「墾田永年私財法」の停止(加墾禁止令)を勅する
(新暦3月30日)
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1870年(明治3)日本3番目の洋式灯台である品川灯台が初点灯する(新暦4月5日)詳細
1897年(明治30)法学者・中国現代史研究者・平和運動家平野義太郎の誕生日詳細
1926年(大正15)「労働農民党」(委員長:杉山元治郎)が結成される詳細
1929年(昭和4)社会運動家・政治家・生物学者山本宣治の命日詳細
1951年(昭和26)無着成恭編『山びこ学校』が刊行される詳細
1970年(昭和45)「核拡散防止条約」(略称:NPT)が発効する詳細