daihyattkajiten01
 今日は、昭和時代前期の1931年(昭和6)に、平凡社が『大百科事典』の刊行を開始した日です。
 『大百科事典』(だいひゃっかじてん)は、平凡社を設立した下中弥三郎が中心となって編纂された日本の代表的百科事典です。下中弥三郎は、1930年(昭和5)秋に、総合的な百科事典の編纂を行うことを決意し、木村久一を編集長に任命、1931年(昭和6)6月に、百科事典編纂に着手しました。
 大量の編集者を動員するなどして、同年11月25日に、第1巻を刊行し、1935年(昭和10)までに全28巻(本巻26巻・索引1巻・補遺1巻)を刊行して、完結します。その後何度か、改訂版や縮刷版などが出されましたが、1955年(昭和30)からは、林達夫を編集長とし、『世界大百科事典』と名称変更して刊行を開始し、1960年(昭和35)までに全33巻(本巻31巻・索引1巻・補遺1巻)が完結しました。
 その後、1964年(昭和39)~1968年(昭和43)にかけて、索引1巻、地図2巻を含めた計26巻の新版を刊行し、さらに、1972年には全35巻(索引1巻、地図2巻を含む)の改訂新版が刊行されます。1988年(昭和63)に、加藤周一を編集長とし、項目体系、記述を一新した新版(全35巻)を刊行、これを元にして、1998年(平成10)には、日本の大型百科事典としては初めて本格的なCD-ROM版が作成されました。
 2007年(平成19)には、加藤周一を編集長として、1998年(平成10)以来の大規模な改訂を行い『改訂新版世界大百科事典』全34巻(本巻30巻・索引1巻・地図帳2巻・百科便覧1巻)を刊行しています。

〇平凡社の『大百科事典』『世界大百科事典』刊行の歴史

・1931年版(1931年~1935年)『大百科事典』全28巻(本巻26巻・索引1巻・補遺1巻)平凡社初の大百科事典
・1936年版(1936年~1940年)『大百科事典』全29巻(本巻26巻・索引1巻・補遺1巻・新補1巻)1931年版の改訂版
・1943年版(1936年~ )『新輯版大百科事典』7巻にて刊行中止(本巻7巻) 1936年版の戦時改訂版。
・1947年版(1947年~ )『大百科事典』全29巻(本巻26巻・索引1巻・補遺1巻・新補1巻)1931年版の改訂復刊版。1950年までに追加の新補3巻を刊行。
・1951年版(1951年~ )『大百科事典』全16巻(本巻13巻・索引1巻・補遺1巻・新補1巻)1931年版の縮刷版(A5判)。
・1955年版(1955年~1960年)『世界大百科事典』全33巻(本巻31巻・索引1巻・補遺1巻)1963年に補遺1巻も刊行される
・1964年版(1964年~1968年)『世界大百科事典』全26巻(本巻23巻・索引1巻・地図帳2巻)1955年版の改訂新版
・1972年版(1972年)『世界大百科事典』全35巻(本巻32巻・索引補遺1巻・地図帳2巻か地図帳1巻+世界大百科年鑑1巻)1964年版の改訂新装版
・1975年版(1975年)『世界大百科事典』全35巻(本巻32巻・索引補遺1巻・地図帳1巻・世界大百科年鑑1巻)カスタム版
・1981年版(1981年)『世界大百科事典』全36巻(本巻32巻・索引補遺1巻・現代巻1巻・地図帳1巻・世界大百科年鑑1巻)1972年版の新装版。
・1984年版(1984年)『大百科事典』全16巻(本巻15巻・索引1巻)
・1988年版(1988年)『世界大百科事典』全35巻(本巻30巻・索引1巻・地図帳2巻・百科便覧1巻・百科年鑑1巻かアルマナック1巻)1984年版大百科事典を世界大百科事典に書名変更し増補改訂
・2006年版(2006年~ )『改訂版世界大百科事典』全35巻(本巻30巻・索引1巻・地図帳2巻・百科便覧1巻・アルマナック1巻)1988年版の改訂版
・2007年版(2007年~ )『改訂新版世界大百科事典』全34巻(本巻30巻・索引1巻・地図帳2巻・百科便覧1巻)1988年初版以来20年ぶりの大規模改訂版

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

記念日国連総会で定められた「女性に対する暴力撤廃の国際デー」の日詳細
1253年(建長5)鎌倉幕府第5代執権北條時頼が建長寺を創建し落慶法要を挙行(新暦12月24日)詳細
1557年(弘治3)戦国武将毛利元就が子の隆元・元春・隆景に「三子教訓状(十四箇条の遺訓)」を記す(新暦12月15日)詳細
1819年(文政2)江戸幕府の老中・陸奥平藩主安藤信正の誕生日(新暦1820年1月10日)詳細
1876年(明治9)福澤諭吉著『学問のすゝめ』の最終刊・第17篇が刊行される詳細
1936年(昭和11)ドイツのベルリンで「日独防共協定」が調印される詳細
1970年(昭和45)小説家三島由紀夫の命日(憂国忌)詳細