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 今日は、鎌倉時代の1216年(建保4)に、歌人・随筆家鴨長明の亡くなった日ですが、新暦では7月26日となります。
 鴨長明(かも の ちょうめい)は、平安時代後期の1155年(久寿2)頃に、京都下鴨神社禰宜であった父・鴨長継の次男として生まれましたが、名は「ながあきら」と読みました。1161年(応保元)に7歳で従五位下に叙爵され、二条天皇中宮高松院の北面に伺候するなどしましたが、1172年(承安2)頃に父を亡くし、後ろ盾をなくします。
 その後、琵琶を中原有安に,和歌を俊恵 (しゅんえ) に学び、1181年(養和元)頃に歌集『鴨長明集』を編纂しました。勅撰集『千載和歌集』(1187年成立)に1首入集し、初めて勅撰歌人となり、以降、石清水宮若宮社歌合、新宮撰歌合、和歌所撰歌合、三体和歌、俊成卿九十賀宴、元久詩歌合などに出詠します。
 その中で、後鳥羽院に歌才を認められ、1200年(正治2)『正治二年院第二度百首』の歌人に選ばれ、翌年には『新古今集』編纂のための和歌所寄人となりました。しかし、1204年(元久元)に河合社(ただすのやしろ)の禰宜の職に就くことに失敗し、1204年(元久元)に50歳で出家、法名を蓮胤 (れんいん) と号して、後に日野の外山に隠棲します。
 そこで、日本の三大随筆の一つとされる『方丈記』(1212年成立)、歌論書『無名抄』(1211年以後成立?)、仏教説話集『発心集(ほっしんしゅう)』(1215年頃成立?)を著しました。歌人としても、『千載和歌集』以下の勅撰集に25首が入集していますが、1216年(建保4)閏6月10日(8日とも)に京都において、数え年62歳?で亡くなっています。

〇鴨長明の主要な著作

・歌集『鴨長明集』(1181年)
・紀行文『伊勢記』(1186年)散逸し完本はない
・歌論書『無名抄』(1211年以後成立?)
・随筆『方丈記』(1212年成立)
・仏教説話集『発心集(ほっしんしゅう)』(1215年頃成立?)