日本のラジオ放送は、1923年(大正12)12月に、逓信省が「放送用私設無線電話規則」を制定、翌年に東京、名古屋、大阪の3地域で1事業者ずつ、公益法人としてラジオ放送事業を許可する方針を打ち出したことに始まりました。
東京では、1925年(大正14)3月22日に、芝浦の東京高等工芸学校内に設けた放送施設から仮放送を開始(放送記念日)し、同年7月12日に東京府東京市芝区(現在の東京都港区)の愛宕山からの本放送が開始(出力1kWのWE社製送信機を使用)されました。
また、大阪放送局では、その年の6月1日から仮放送を開始、社団法人名古屋放送局も同年7月15日に放送を開始しています。
翌年8月6日に、政府の指令により、この3局が一本化して社団法人日本放送協会が設立され、その後、日本各地に放送局が設立されて、全国でラジオ放送が聞けるようになっていきました。
太平洋戦争後の1951年(昭和26)9月1日に民間放送が誕生するまで、同協会が日本における唯一の放送事業体としてラジオ放送を担うことになります。
〇日本放送協会(NHK)とは?
日本で唯一の公共放送を担う事業者で、略称を「NHK(エヌ・エイチ・ケイ)」と呼んでいます。1925年(大正14)3月22日、社団法人東京放送局が仮放送を開始し、同年中に大阪、名古屋も開局しましたが、1926年(大正15)8月6日、政府の指令により、3局が一本化して社団法人日本放送協会が設立されました。
その後、日本各地に放送局が設立されて、全国でラジオ放送が聞けるようになっていきます。しかし、戦時下での国家統制により、銃後を担う宣伝媒体ともされました。
戦後は、連合国軍総司令部(GHQ)の管理下に置かれ、放送制度改革が進められたのです。そして、1950年(昭和25)6月に制定された「放送法」により、特殊法人として再出発することになりました。
1953年(昭和28)2月から日本初のテレビ本放送を開始し、1957年12月からはFM実験放送を開始、1959年1月には教育テレビを開局します。
1960年(昭和35)9月には、カラーテレビ本放送も始まり、1987年(昭和62)から衛星放送を開始しました。さらに、2000年(平成12)に衛星デジタルテレビ放送を始め、2003年(平成15)には、地上デジタルテレビ放送も開始されます。
現在、国内放送では、<ラジオ>NHKラジオ第1放送、NHKラジオ第2放送、<テレビ>NHK-FM放送、NHK総合テレビジョン、NHKEテレ、NHK BS1、NHK BSプレミアム 、海外放送では、NHKワールド・ラジオ日本、NHKワールドTV(英語放送専門)、NHKワールドプレミアム(日本語放送専門)が放映されています。