今日は、明治時代前期の1872年(明治5)に、歌人・国文学者佐佐木信綱(ささき のぶつな)の生まれた日ですが、新暦では7月8日となります。
佐佐木信綱は、三重県鈴鹿郡石薬師村(現在の鈴鹿市石薬師町)で、歌人・国学者佐々木弘綱の長男として生まれました。
幼いころから父に歌学・国学を学び、11歳で父と共に上京して、高崎正風に入門します。1884年(明治17)に東京帝国大学文学部古典講習科に進学し、1888年(明治21)16歳で卒業しました。
その後、父と共編で『日本歌学全書』全12冊(1890~91年)を刊行します。1896年(明治29)、森鴎外の『めざまし草』に歌を発表し、歌誌『いささ川』を創刊しました。
父の死後は、「竹柏会」を継承して歌誌『こころの華』 (のち『心の花』と改題) を主宰して、『思草』(1903年)、『新月』(1912年)、『豊旗雲』(1929年)など12歌集を出すと共に、石榑千亦、木下利玄、川田順、片山広子、柳原白蓮、相馬御風ら多くの歌人を育成します。
一方、万葉集の研究や和歌の史的研究などに励み、1905年(明治38)から26年間、東京大学で『万葉集』、歌学史、和歌史を講じ、『歌学論叢』 (1908年) 、『近世和歌史』 (1923年) などを著しました。
さらに、橋本進吉,武田祐吉らとの共編で『校本万葉集』25巻 (1924~25年) などの著作を残し、これらの業績によって、1934年(昭和9)に帝国学士院会員、1937年(昭和12)には芸術院会員となり、第1回文化勲章も受章しています。
太平洋戦争後も、歌集『山と水と』(1951年)を出したり、1952年(昭和27)に上代文学会の設立に関わったりしましたが、1963年(昭和38)12月2日に、静岡県熱海市において、91歳で亡くなりました。
尚、童謡『雀(すずめ)』、唱歌『夏は来ぬ』、『勇敢なる水兵』などの作詞でも知られています。
<佐佐木信綱の代表的な歌>
・「ゆく秋の大和(やまと)の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲」(「新月」より)
・「願はくはわれ春風に身をなして憂(うれひ)ある人の門(かど)をとはばや」
・「幼きは幼きどちのものがたり葡萄(ぶどう)のかげに月かたぶきぬ」
・「大門(だいもん)のいしずゑ苔(こけ)にうづもれて七堂伽藍(がらん)ただ秋の風」
・「白雲は空に浮べり谷川の石みな石のおのづからなる」
〇佐佐木信綱の主要な著作
・『日本歌学全書』12巻(父との共著・1890~91年)
・『続日本歌学全書』12巻(1897~1900年)
・歌集「思草(おもいぐさ)」(1903年)
・論文集『歌学論叢』(1908年)
・研究書『日本歌学史』(1910年)
・歌集『新月』(1912年)
・歌集『常盤木』(1922年)
・研究書『近世和歌史』(1923年)
・『校本万葉集』25巻(共編・1924~25年)
・歌集『豊旗雲』(1929年)
・研究書『国文秘籍解説』(1944年)
・歌集『山と水と』(1951年)
・『万葉集事典』(1956年)
佐佐木信綱は、三重県鈴鹿郡石薬師村(現在の鈴鹿市石薬師町)で、歌人・国学者佐々木弘綱の長男として生まれました。
幼いころから父に歌学・国学を学び、11歳で父と共に上京して、高崎正風に入門します。1884年(明治17)に東京帝国大学文学部古典講習科に進学し、1888年(明治21)16歳で卒業しました。
その後、父と共編で『日本歌学全書』全12冊(1890~91年)を刊行します。1896年(明治29)、森鴎外の『めざまし草』に歌を発表し、歌誌『いささ川』を創刊しました。
父の死後は、「竹柏会」を継承して歌誌『こころの華』 (のち『心の花』と改題) を主宰して、『思草』(1903年)、『新月』(1912年)、『豊旗雲』(1929年)など12歌集を出すと共に、石榑千亦、木下利玄、川田順、片山広子、柳原白蓮、相馬御風ら多くの歌人を育成します。
一方、万葉集の研究や和歌の史的研究などに励み、1905年(明治38)から26年間、東京大学で『万葉集』、歌学史、和歌史を講じ、『歌学論叢』 (1908年) 、『近世和歌史』 (1923年) などを著しました。
さらに、橋本進吉,武田祐吉らとの共編で『校本万葉集』25巻 (1924~25年) などの著作を残し、これらの業績によって、1934年(昭和9)に帝国学士院会員、1937年(昭和12)には芸術院会員となり、第1回文化勲章も受章しています。
太平洋戦争後も、歌集『山と水と』(1951年)を出したり、1952年(昭和27)に上代文学会の設立に関わったりしましたが、1963年(昭和38)12月2日に、静岡県熱海市において、91歳で亡くなりました。
尚、童謡『雀(すずめ)』、唱歌『夏は来ぬ』、『勇敢なる水兵』などの作詞でも知られています。
<佐佐木信綱の代表的な歌>
・「ゆく秋の大和(やまと)の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲」(「新月」より)
・「願はくはわれ春風に身をなして憂(うれひ)ある人の門(かど)をとはばや」
・「幼きは幼きどちのものがたり葡萄(ぶどう)のかげに月かたぶきぬ」
・「大門(だいもん)のいしずゑ苔(こけ)にうづもれて七堂伽藍(がらん)ただ秋の風」
・「白雲は空に浮べり谷川の石みな石のおのづからなる」
〇佐佐木信綱の主要な著作
・『日本歌学全書』12巻(父との共著・1890~91年)
・『続日本歌学全書』12巻(1897~1900年)
・歌集「思草(おもいぐさ)」(1903年)
・論文集『歌学論叢』(1908年)
・研究書『日本歌学史』(1910年)
・歌集『新月』(1912年)
・歌集『常盤木』(1922年)
・研究書『近世和歌史』(1923年)
・『校本万葉集』25巻(共編・1924~25年)
・歌集『豊旗雲』(1929年)
・研究書『国文秘籍解説』(1944年)
・歌集『山と水と』(1951年)
・『万葉集事典』(1956年)