元々は旧暦7月7日の夜のことで、昔から年中行事がありましたが、1872年(明治5)の太陽暦への移行後は、七夕祭りとしては、新暦7月7日前後や月遅れの8月7日前後の時期に開催されているところが多くなりました。
起源としては、中国での行事であった七夕が奈良時代に日本へ伝わり、以前からあった日本の棚機津女(たなばたつめ)の伝説と合わさって生まれたと言われています。
貴族社会では星祭りとして行われ、宮中行事ともなっていましたが、近世には民間にも普及し、笹竹に五色の紙や糸を吊るして軒端に立てる風習も広まりました。
現代では、「七夕祭り」として、神事との関わりも薄れていますが、各地で7月7日前後に、東北地方などでは月遅れの8月7日前後に盛大に行われています。
〇「五節句」とは?
五節句の「節」は、中国の唐時代の暦法で決められた季節の変わり目のことでした。奇数(陽)が重なると陰になるとして、暦の中で奇数の重なる日を取り出して、避邪の行事が行われたことから由来しています。
この中国の暦法と、日本の農耕風習が重なって、宮中で邪気を祓う宴会が催されるようになり、この日を「節句」というようになりました。
五節句には、奇数の重なる日が選ばれていますが、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日が五節句の中に入れられています。
制度としては、1873年(明治6)に廃止されましたが、今でも年中行事の一環として定着していて、各地に以下のような色々な風習が残されています。
・1月7日:人日(じんじつ)七草の節句…<風習>七草粥を食べる
・3月3日:上巳(じょうし)桃の節句…<風習>雛人形を飾る、菱餅や白酒など。
・5月5日:端午(たんご)菖蒲の節句 …<風習>五月人形を飾る、菖蒲酒、菖蒲湯、柏餅、粽を食べる
・7月7日:七夕(しちせき)七夕(たなばた)…<風習> 素麺を食べる
・9月9日:重陽(ちょうよう)菊の節句…<風習> 菊を浮かべた酒など
☆主要な「七夕祭り」一覧
<東北>
・八戸七夕まつり(青森県八戸市) 7月 海の日までの金・土・日・月
・盛岡七夕まつり(岩手県盛岡市) 8月4日・5日・6日・7日
・うごく七夕まつり(岩手県陸前高田市) 8月7日
・けんか七夕まつり(岩手県陸前高田市気仙町) 8月7日
・仙台七夕まつり(宮城県仙台市) 8月6日・7日・8日
・能代役七夕(秋田県能代市) 8月6日・7日
・七夕絵どうろうまつり(秋田県湯沢市) 8月5日・6日・7日
・平七夕まつり(福島県いわき市平) 8月6日・7日・8日
<関東>
・水戸黄門まつり(茨城県水戸市) 8月 第1金・土・日
・土浦キララまつり(茨城県土浦市) 8月 第1土・日
・前橋七夕まつり(群馬県前橋市) 7月 第1月の3日後から4日間
・桐生八木節まつり(群馬県桐生市) 8月 第1金・土・日
・入間川七夕まつり(埼玉県狭山市) 8月 第1土・日
・深谷七夕まつり(埼玉県深谷市) 7月 上旬の金・土・日
・上福岡七夕まつり(埼玉県ふじみ野市上福岡) 8月 第1土・日
・小川町七夕まつり(埼玉県小川町) 7月 最終土・日
・茂原七夕まつり(千葉県茂原市) 7月 最終金・土・日
・阿佐谷七夕まつり(東京都杉並区阿佐谷) 8月7日と土曜を含む5日間
・福生七夕まつり(東京都福生市) 8月 第1木・金・土・日
・下町七夕まつり(東京都台東区) 7月 初旬の数日間
・湘南ひらつか七夕まつり(神奈川県平塚市) 7月 第1金・土・日
<中部>
・古町七夕まつり(新潟県新潟市中央区古町) 7月 上旬の9日間
・越後村上七夕祭(新潟県村上市) 8月16日・17日
・戸出七夕まつり(富山県高岡市戸出町) 7月3日・4日・5日・6日・7日
・舟見七夕まつり(富山県入善町舟見) 7月6日・7日
・高岡七夕まつり(富山県高岡市) 8月1日~7日
・尾山の七夕流し(富山県黒部市尾山) 8月7日
・宝立七夕キリコ祭り(石川県珠洲市宝立町) 8月7日
・水都まつり(岐阜県大垣市) 8月 第1木・金・土・日
・清水七夕まつり(静岡県静岡市清水区) 7月 第1土・日
・円頓寺七夕まつり(愛知県名古屋市) 7月 最終水より5日間
・一宮七夕まつり(愛知県一宮市) 7月 最終木・金・土・日
・安城七夕まつり(愛知県安城市) 8月 第1金・土・日
<近畿>
・松阪七夕まつり(三重県松阪市) 8月 第1土
・機物神社七夕まつり(大阪府交野市) 7月6日・7日
<中国・四国>
・山口七夕ちょうちんまつり(山口県山口市) 8月6日・7日
・七夕バルーンリリース(徳島県徳島市) 7月7日7時7分7秒
・三木町いけのべ七夕まつり(香川県三木町) 8月 第1土・日
<九州>
・七夕神社夏祭り(福岡県小郡市) 7月7日、8月5日~8日
・大分七夕まつり(大分県大分市) 8月 第1金・土・日