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 今日は、昭和時前期の1944年(昭和19)に、小磯国昭内閣により、「国内防衛方策要綱」が閣議決定された日です。
 「国内防衛方策要綱」(こくないぼうえいほうさくようこう)は、太平洋戦争後期に、戦況が悪化する中で、小磯国昭内閣によって、国内防衛態勢の確立についての緊急措置を講じた閣議決定でした。1944年(昭和19)7月にサイパン島が玉砕して、東条英機内閣に代わって小磯国昭内閣となっても、8月にグアム島が陥落する中で、本土への本格的な空襲の危機が迫ります。
 その中で、8月19日に昭和天皇臨席の第12回御前会議(御前に於ける最高戦争指導会議)において、重大時局を克服突破する戦争完遂を決定すると同時に政治決着も考慮するとし、これに基づいて、「捷号作戦」が進められ、フィリピン、台湾、南西諸島、本土、千島の防衛を強化することとされました。それを踏まえて、国内防衛態勢の確立についての緊急措置を講じたもので、①生産機関及び供給施設の防衛、②運輸通信機関の防衛、③重要都市の防衛、④其の他、⑤所要資材の5項目から成っています。
 しかし、11月24日からアメリカ軍のB-29を中心とした本格的な本土空襲が始まり、日本の主要都市は壊滅的な被害を受けることとなりました。
 以下に、「国内防衛方策要綱」を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「国内防衛方策要綱」1944年(昭和19)10月16日閣議決定

一 方針

国内防衛態勢ノ確立ニ付テハ現下ノ情勢ニ鑑ミ差シ当リ特ニ肝要ナル防衛対策ノ本年内急速遂行ヲ目途トシ之ニ対スル緊急措置ヲ講ズ

二 要領

一、生産機関及供給施設ノ防衛
(一)重要生産機関及供給施設要部ノ耐弾其ノ他ノ防護施設等此ノ際特ニ防衛対策ヲ実施スベキ対象ヲ其ノ緩急度ニ従ヒ画定ス
(二)(一)ニ要スル資材ハ現有及転用資材並ニ代用資材ヲ極力活用スルモ必要最少限度ノ資材ハ此ノ際緊急措置トシテ特別ノ配当ヲ受クルモノトス(五参照)
(三)右防空対策ノ実施ハ現有及転用資材ヲ基礎トシ直ニ着手スルモノトシ、其ノ完成期限ハ本年十二月末日ヲ目途トシ各施設ニ付之ヲ定ムルモノトス
二、運輸通信機関ノ防衛
(一)重要運輸通信機関要部ノ耐弾、分散疎開其ノ他防護施設、国土防衛通信施設ノ強化等此ノ際特ニ防衛対策ヲ実施スベキ対象ヲ其ノ緩急度ニ従ヒ画定ス
(二)右防空対策ノ実施計画、所要資材及完成期限ニ付テハ生産機関ノ防衛ノ場合ニ準ズルモノトス
三、重要都市ノ防衛
(一)重要都市ニ於テハ特ニ消防防火ヲ重視スルト共ニ消防、防火、水利、防弾及待避等ノ諸施設ヲ急速ニ整備充実ス
(二)特ニ重要ナル施設及工場ノ周辺ノ建物及間引ノ疎開ハ努メテ之ガ実施ヲ図ルモノトス
四、其ノ他
(一)空襲其ノ他敵襲時ニ於ケル勤労者ノ確保ヲ図ル為従業強制、派遣及配置転換等ニ関スル勤労施策ヲ強化ス
(二)空襲其ノ他敵襲時応急輸送ノ確保ニ資スル為自動車修理用部品及非常用荷車ヲ確保ス
(三)防空救護機関ニ付公的性格ヲ更ニ明確ナラシムルト共ニ要員、設備及資材(医薬品ヲ含ム)ノ整備ヲ強化ス
五、所要資材
本件実施ノ為ニ要スル資材ハ第三、四半期ニ於テ受クベキ一般配当ノ外緊急措置トシテ特別配当スルモノトシ普通鋼鋼材ハ査察ニ依リ取得セラルベキ未稼働物資ノ中ヨリ配当シ其ノ他ノ資材ニ関シテハCヨリ捻出スルモノノ外主トシテABBxDヨリ支援スルモノトス
特別配当資材ノ数量、用途区分概ネ別表ノ如シ

(別表省略)

  「国立国会図書館リサーチ・ナビ」より

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