ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

2025年12月

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 今日は、昭和時代前期の1943年(昭和18)に、政治学者・歴史学者五百籏頭眞の生まれた日です。
 五百籏頭眞(いおきべ まこと)は、昭和時代前期の1943年(昭和18)12月16日に、兵庫県西宮市において、神戸大学教授・五百籏頭眞治郎の5男(8人兄弟の6番目)として生まれました。私立六甲学院中学校・高等学校わ経て、1962年(昭和37)に、京都大学法学部に入学します。
 1967年(昭和42)に同大学を卒業し、大学院修士課程へ進み、1969年(昭和44)に修士課程(政治学専攻)を修了し、広島大学政経学部助手(政治史・外交史)となりました。1972年(昭和47)に講師、1976年(昭和51)に助教授、1977年(昭和52)に教授に昇任し、ハーバード大学客員研究員(~1979年)ともなっています。
 1981年(昭和56)に神戸大学法学部教授(日本政治史・政策過程論)に転じ、1985年(昭和60)に『米国の日本占領政策』で、サントリー学芸賞を受賞、1987年(昭和62)には、学位論文『米国の日本占領政策 : 戦後日本の設計図』を京都大学に提出して、法学博士の学位を取得しました。1990年(平成2)に『日米戦争と戦後日本』で第19回吉田茂賞を受賞、ロンドン大学客員研究員となり、1998年(平成10)に『占領期―首相たちの新日本』で、第16回吉野作造賞、1999年(平成11)には、共著『戦後日本外交史』で、第29回吉田茂賞を受賞しています。
 2000年(平成12)に神戸大学法学研究科・国際協力研究科教授となり、2002年(平成14)にハーバード大学客員研究員(~2003年)、2003年(平成15)には、日本学術会議会員となりました。2006年(平成12)に神戸大学法学研究科・国際協力研究科教授を辞め、防衛大学校長に就任、2009年(平成21)には、『歴史としての現代日本 五百旗頭真書評集成』で、第7回毎日書評賞を受賞しています。
 2011年(平成23)に「東日本大震災復興構想会議」議長となり、文化功労者に選ばれ、2012年(平成24)には、防衛大学校長を退任し、熊本県立大学理事長、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長に就任しました。2020年(令和2)には、宮内庁参与に任じられたものの、2024年(令和6)3月6日に、兵庫県神戸市内の病院において、急性大動脈解離のため80歳で亡くなり、従三位、瑞宝大綬章を追贈されています。

<五百籏頭眞の主要な著作>

・『政治史 2』(1984年)
・『米国の日本占領政策 戦後日本の設計図(上・下)』(1985年)サントリー学芸賞受賞
・『日米戦争と戦後日本』(1989年)第19回吉田茂賞受賞
・『秩序変革期の日本の選択「米・欧・日」三極システムのすすめ』(1991年)
・『占領期 首相たちの新日本』(1997年)第16回吉野作造賞受賞
・共著『戦後日本外交史』(1999年)第29回吉田茂賞受賞
・『戦争・占領・講和 1941~1955』(2001年)
・『歴史としての現代日本 五百旗頭真書評集成』(2008年)第7回毎日書評賞受賞
・『NHKさかのぼり日本史』 1巻(2011年)
・『日本は衰退するのか』(2014年)
・『大災害の時代』(2016年)

〇五百籏頭眞関係略略年表

・1943年(昭和18)12月16日 兵庫県西宮市において、神戸大学教授・五百籏頭眞治郎の5男(8人兄弟の6番目)として生まれる
・1962年(昭和37) 六甲高等学校を卒業し、京都大学法学部に入学する
・1967年(昭和42) 京都大学法学部を卒業し、大学院修士課程へ進む
・1969年(昭和44) 京都大学法学研究科修士課程(政治学専攻)を修了し、広島大学政経学部助手(政治史・外交史)となる
・1972年(昭和47) 広島大学政経学部講師(政治史・外交史)となる
・1976年(昭和51) 広島大学政経学部助教授(政治史・外交史)となる
・1977年(昭和52) 広島大学法学部教授となり、ハーバード大学客員研究員となる
・1979年(昭和54) ハーバード大学客員研究員を辞める
・1981年(昭和56) 神戸大学法学部教授(日本政治史・政策過程論)となる
・1985年(昭和60) 『米国の日本占領政策』で、サントリー学芸賞を受賞する
・1987年(昭和62) 学位論文『米国の日本占領政策 : 戦後日本の設計図』を京都大学に提出して、法学博士の学位を取得する
・1990年(平成2) 『日米戦争と戦後日本』で第19回吉田茂賞を受賞、ロンドン大学客員研究員となる
・1998年(平成10) 『占領期―首相たちの新日本』で、第16回吉野作造賞を受賞する
・1999年(平成11) 『戦後日本外交史』で、第29回吉田茂賞を受賞する
・2000年(平成12) 神戸大学法学研究科・国際協力研究科教授を務める
・2002年(平成14) ハーバード大学客員研究員となる
・2003年(平成15) ハーバード大学客員研究員を辞め、日本学術会議会員となる
・2006年(平成12) 神戸大学法学研究科・国際協力研究科教授を辞め、防衛大学校長に就任する
・2009年(平成21) 『歴史としての現代日本 五百旗頭真書評集成』で、第7回毎日書評賞を受賞する
・2011年(平成23) 「東日本大震災復興構想会議」議長となり、文化功労者に選ばれる
・2012年(平成24) 防衛大学校長を退任し、熊本県立大学理事長、公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構理事長に就任する
・2020年(令和2) 宮内庁参与に任じられる
・2024年(令和6)3月6日 兵庫県神戸市内の病院において、急性大動脈解離のため80歳で亡くなり、従三位、瑞宝大綬章を追贈される

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1884年(明治17)彫刻家北村西望の誕生日詳細
1890年(明治23)東京市内と横浜市内の間で日本初の電話事業が開始する(電話創業の日)詳細
1907年(明治40)洋画家浅井忠の命日詳細
1932年(昭和7)東京市日本橋で白木屋大火災が起きる詳細
1966年(昭和41)国際連合総会で「国際人権規約」が採択される詳細
1971年(昭和46)全国4番目の地下鉄の札幌市営地下鉄初の北二四条駅~真駒内駅間(南北線)が開業する詳細
1972年(昭和47)全国5番目の地下鉄の横浜市営地下鉄初の伊勢佐木長者町駅~上大岡駅間(1号線)が開業する詳細
1988年(昭和63)洋画家小磯良平の命日詳細
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 今日は、平成時代の1989年(平成元)に、第44回国連総会で「死刑廃止条約(自由権規約の第2選択議定書)」が採択された日です。
 「死刑廃止条約」(しけいはいしじょうやく)は、平成時代の1989年(平成元)12月15日に、第44回国連総会にて採択され、1991年(平成3)7月11日に発効した国際条約で、正式名称は、「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書」と言います。「国際人権規約B規約 (自由権規約)」 第6条で、生命に対する権利が規定され、死刑廃止が望ましい旨強く示唆されているのを受けたもので、第1条で死刑廃止を定めました。
 1980年(昭和55)の第35回国連総会で、死刑廃止を目的とする選択議定書の起草についての検討が開始され、1987年(昭和62)に、国連差別防止・少数者保護小委員会から任命された特別報告者が小委員会に議定書の草案を提出し、賛否両論のまま採択に至りましたが、日本、米国、中国、イスラム諸国などが反対したものの、賛成59、反対26、棄権48で可決されました。2025年(令和7)3月現在、署名国は40か国、締約国は92か国となっていますが、日本など未署名・未締約の各国はいずれも死刑制度を存置しています。
 以下に、「死刑廃止条約」の英語版原文と日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書(死刑廃止条約)」1989年(平成元)12月15日に第44回国連総会で採択

<英語版原文>

Entry into force: 11 July 1991, in accordance with article 8

The States Parties to the present Protocol,
Believing that abolition of the death penalty contributes to enhancement of human dignity and progressive development of human rights,
Recalling article 3 of the Universal Declaration of Human Rights, adopted on 10 December 1948, and article 6 of the International Covenant on Civil and Political Rights, adopted on 16 December 1966,
Noting that article 6 of the International Covenant on Civil and Political Rights refers to abolition of the death penalty in terms that strongly suggest that abolition is desirable,
Convinced that all measures of abolition of the death penalty should be considered as progress in the enjoyment of the right to life,
Desirous to undertake hereby an international commitment to abolish the death penalty,
Have agreed as follows:

Article 1
No one within the jurisdiction of a State Party to the present Protocol shall be executed.
Each State Party shall take all necessary measures to abolish the death penalty within its jurisdiction.

Article 2
No reservation is admissible to the present Protocol, except for a reservation made at the time of ratification or accession that provides for the application of the death penalty in time of war pursuant to a conviction for a most serious crime of a military nature committed during wartime.
The State Party making such a reservation shall at the time of ratification or accession communicate to the Secretary-General of the United Nations the relevant provisions of its national legislation applicable during wartime.
The State Party having made such a reservation shall notify the Secretary-General of the United Nations of any beginning or ending of a state of war applicable to its territory.

Article 3
The States Parties to the present Protocol shall include in the reports they submit to the Human Rights Committee, in accordance with article 40 of the Covenant, information on the measures that they have adopted to give effect to the present Protocol.

Article 4
With respect to the States Parties to the Covenant that have made a declaration under article 41, the competence of the Human Rights Committee to receive and consider communications when a State Party claims that another State Party is not fulfilling its obligations shall extend to the provisions of the present Protocol, unless the State Party concerned has made a statement to the contrary at the moment of ratification or accession.

Article 5
With respect to the States Parties to the first Optional Protocol to the International Covenant on Civil and Political Rights adopted on 16 December 1966, the competence of the Human Rights Committee to receive and consider communications from individuals subject to its jurisdiction shall extend to the provisions of the present Protocol, unless the State Party concerned has made a statement to the contrary at the moment of ratification or accession.

Article 6
The provisions of the present Protocol shall apply as additional provisions to the Covenant.
Without prejudice to the possibility of a reservation under article 2 of the present Protocol, the right guaranteed in article 1, paragraph 1, of the present Protocol shall not be subject to any derogation under article 4 of the Covenant.

Article 7
The present Protocol is open for signature by any State that has signed the Covenant.
The present Protocol is subject to ratification by any State that has ratified the Covenant or acceded to it. Instruments of ratification shall be deposited with the Secretary-General of the United Nations.
The present Protocol shall be open to accession by any State that has ratified the Covenant or acceded to it.
Accession shall be effected by the deposit of an instrument of accession with the Secretary-General of the United Nations.
The Secretary-General of the United Nations shall inform all States that have signed the present Protocol or acceded to it of the deposit of each instrument of ratification or accession.

Article 8
The present Protocol shall enter into force three months after the date of the deposit with the Secretary-General of the United Nations of the tenth instrument of ratification or accession.
For each State ratifying the present Protocol or acceding to it after the deposit of the tenth instrument of ratification or accession, the present Protocol shall enter into force three months after the date of the deposit of its own instrument of ratification or accession.

Article 9
The provisions of the present Protocol shall extend to all parts of federal States without any limitations or exceptions.

Article 10
The Secretary-General of the United Nations shall inform all States referred to in article 48, paragraph 1, of the Covenant of the following particulars:
Reservations, communications and notifications under article 2 of the present Protocol;
Statements made under articles 4 or 5 of the present Protocol;
Signatures, ratifications and accessions under article 7 of the present Protocol:
The date of the entry into force of the present Protocol under article 8 thereof.

Article 11
The present Protocol, of which the Arabic, Chinese, English, French, Russian and Spanish texts are equally authentic, shall be deposited in the archives of the United Nations.
The Secretary-General of the United Nations shall transmit certified copies of the present Protocol to all States referred to in article 48 of the Covenant.

<日本語訳>

死刑の廃止をめざす、市民的及び政治的権 利に関する国際規約の第二選択議定書 (自由権規約第二選択議定書)

 この議定書の締約国は、
 死刑の廃止が人間の尊厳の向上 (enhancement of human dignity) と人権の漸進 的発展 (progressive development; [仏] developpement progressif) に寄与す ることを信じ、
  一九四八年一二月一〇日に採択された世界人権宣言の第三条及び一九六六年一二月一六日に採択された「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の第六条を想 起し、
  「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の第六条が、死刑の廃止が望ましい ことを強く示唆する文言をもって死刑の廃止に言及していることに留意し、死刑の廃止のあ らゆる措置が生命に対する権利 (right to life; [仏] droit a la vie)の享受における前進 (progress; [仏] progres) と考えられるべきであることを確信し、
  このようにして死刑を廃止するという国際的な公約(commitment; [仏] engage- ment)を企図することを願って、次のとおり協定した。

第一条
1 何人も、この選択議定書の締約国の管轄内にある者は、死刑を執行されない。
2 各締約国は、その管内において死刑を廃止するためのあらゆる必要な措置を とらなければならない。

第二条
1 批准又は加入の際にされた留保であって、戦時中に犯された軍事的性格をも つ極めて重大な犯罪に対する有罪判決によって、戦争の際に死刑を適用するこ とを規定するものを除くほか、この選択議定書にはいかなる留保も許されない。
2 このような留保をする締約国は、批准又は加入の際に、戦時に適用される国 内法の関連規定を国際連合事務総長に通報 (communicate) するものとする。
3 このような留保をした締約国は、その領域に適用される戦争状態の開始又は 終了について国際連合事務総長に通告 (notify) するものとする。

第三条
 この選択議定書の締約国は、規約の第四〇条の規定に従って人権委員会 (Human Rights Committee) に提出する報告書に、この議定書を実施するため にとった措置に関する情報を含めなければならない。

第四条
 規約の第四一条の規定による宣言 (declaration) をした規約締結国に関し ては、当該締約国が批准又は加入の際に別段の声明 (statement) をしたのでな い限り、一締結国から他の締約国がその義務を履行していない旨を主張してい るという通報について、人権委員会が受理しかつ審議する権限は、この議定書 の規定にも拡張されるものとする。

第五条
 一九六六年一二月一六日に採択された「市民的及び政治的権利に関する国際 規約」についての(第一)選択議定書の締約国に関しては、当該締約国が批准 又は加入の際に別段の声明をしたのでない限り、その管轄権に服する個人から の通報 (communications) を人権委員会が受理しかつ審議する権限は、この議 定書の規定にも拡張されるものとする。

第六条
1 この議定書の規定は、規約の追加規定として適用されるものとする。
2 この議定書の第二条に定める留保の可能性を害することなく、この議定書の 第1条第1項において保障される権 利は、規約の第四条によるいかなる廃止措 置 (derogation; [仏] derogation) をも受けることがないものとする。

第七条
1 この議定書は、規約に署名したすべての国による署名のために開放される。
2 この議定書は、規約を批准し又はこれに加入したすべての国により批准され なければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託されるものとする。
3 この議定書は、規約を批准し又はこれに加入したすべての国による加入のた めに開放される。
4 加入は、国際連合事務総長に加入書を寄託することによって行われる。
5 国際連合事務総長は、この議定書に署名し又は加入したすべての国に対し、各批准書または加入書の寄託を通知する。

第八条
1 この議定書は、一〇番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託され た日の後3箇月で効力を生ずる。
2 一〇番目の批准書又は加入書が寄託された後に本議定書を批准し又はこれに 加入する国については、この議定書は、その国の批准書又は加入書が寄託され た日の後三箇月で効力を生ずる。

第九条
 この議定書の規定は、いかなる制限又は例外もなしに、連邦国家のすべての 地域について適用する。

第一〇条
 国際連合事務総長は、規約の第四八条第一項に規定するすべての国に、次の 事項について通知 (inform) するものとする。
(a) この議定書の第二条の規定による留保、通報 (communications) 及び通告 (notifications)
(b) この議定書の第四条又は第五条の規定によってされた声明 (statements)
(c) この議定書の第七条の規定による署名、批准及び加入
(d) この議定書の第八条の規定によるこの議定書の効力発生の日

第一一条
1 この議定書は、アラビア後、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペ イン語を等しく正文とし、国際連合に寄託される。
2 国際連合事務総長は、この議定書の認証謄本を規約の第四八条に規定するす べての国に送付する。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

827年(天長5)空海が京都九条の教王護国寺(東寺)の東隣に綜芸種智院を創設する(新暦828年1月23日)詳細
1914年(大正3)方城炭鉱(福岡県)で爆発事故があり、死者・行方不明者671人を出す詳細
1937年(昭和12)第一次人民戦線事件で政府が労農派などの関係者446人を一斉逮捕する詳細
1942年(昭和17)大政翼賛会が「海ゆかば」を国歌につぐ国民の歌として各種会合に斉唱するよう通達する詳細
1945年(昭和20)GHQが「宗教指令(神道指令)」(SCAPIN-448)を指令する詳細
1981年(昭和56)北海道の北炭夕張炭鉱が会社更生法の適用を申請し事実上倒産する詳細
1988年(昭和63)俳人・随筆家・鉱山学者山口青邨の命日詳細
1994年(平成6)京都府(京都市・宇治市)、滋賀県大津市の「古都京都の文化財」が世界遺産(文化遺産)に登録される詳細
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shinryaskusensou01
 今日は、昭和時代後期の1974年(昭和49)に、第29回国際連合総会において、「侵略の定義に関する決議」(国連総会決議3314)が採択された日です。
 「侵略の定義に関する決議」(しんりゃくのていぎにかんするけつぎ)は、昭和時代後期の1974年(昭和49)12月14日に、第29回国際連合総会において採択された国連総会決議3314です。その第1条で侵略を「国家が他国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対して武力を行使すること、又はこの定義に定める国際連合憲章に抵触するその他の方法により武力を行使することをいう」と定義し、第2条では侵略を認定するのは国連の安全保障理事会と定めました。
 さらに、具体的な侵略行為にあたるものとして、第3条に軍隊による侵入、攻撃、占領、併合などの他、7項目を挙げています。2010年(平成22)6月11日に、カンパラで開かれたローマ規程再検討会議において、侵略の定義に関する決議の内容に一致した定義に規程独自の定義を付加し、管轄権行使の諸要件と手続きをも含めた改正条項を採用する決議が参加国111カ国のコンセンサスにより採択されましたが、同改正は現在までに、発効していません。
 以下に、「侵略の定義に関する決議」の英語版原文と日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「侵略の定義に関する決議」1974年(昭和49)12月14日第29回国際連合総会で採択

<英語版原文>

DEFINITION OF AGGRESSION GENERAL ASSEMBLY RESOLUTION 3314 (XXIX) 14 December 1974 

The General Assembly, 
Basing itself on the fact that one of the fundamental purposes of the United Nations is to maintain international peace and security and to take effective collective measures for the prevention and removal of threats to the peace, and for the suppression of acts of aggression or other breaches of the peace, 
Recalling that the Security Council, in accordance with Article 39 of the Charter of the United Nations, shall determine the existence of any threat to the peace, breach of the peace or act of aggression and shall make recommendations, or decide what measures shall be taken in accordance with Articles 41 and 42, to maintain or restore international peace and security,… 
Considering also that, since aggression is the most serious and dangerous form of the illegal use of force, being fraught, in the conditions created by the existence of all types of weapons of mass destruction, with the possible threat of a world conflict and all its catastrophic consequences, aggression should be defined at the present stage,… 
Convinced that the adoption of a definition of aggression ought to have the effect of deterring a potential aggressor, would simplify the determination of acts of aggression and the implementation of measures to suppress them and would also facilitate the protection of the rights and lawful interests of, and the rendering of assistance to, the victim, 
Believing that, although the question whether an act of aggression has been committed must be considered in the light of all the circumstances of each particular case, it is nevertheless desirable to formulate basic principles as guidance for such determination, Adopts the following Definition of Aggression: 

Article I 
Aggression is the use of armed force by a State against the sovereignty, territorial integrity or political independence of another State, or in any other manner inconsistent with the Charter of the United Nations, as set out in this Definition. Explanatory note: In this Definition the term "State": 
(a) Is used without prejudice to questions of recognition or to whether a State is a member of the United Nations; 
(b) Includes the concept of a "group of States" where appropriate. 

Article 2 
The First use of armed force by a State in contravention of the Charter shall constitute prima facie evidence of an act of aggression although the Security Council may, in conformity with the Charter, conclude that a determination that an act of aggression has been committed would not be justified in the light of other relevant circumstances, including the fact that the acts concerned or their consequences are not of sufficient gravity. 

Article 3 
Any of the following acts, regardless of a declaration of war, shall, subject to and in accordance with the provisions of article 2, qualify as an act of aggression: 
(a) The invasion or attack by the armed forces of a State of the territory of another State, or any military occupation, however temporary, resulting from such invasion or attack, or any annexation by the use of force of the territory of another State or part thereof, 
(b) Bombardment by the armed forces of a State against the territory of another State or the use of any weapons by a State against the territory of another State; 
(c) The blockade of the ports or coasts of a State by the armed forces of another State; 
(d) An attack by the armed forces of a State on the land, sea or air forces, or marine and air fleets of another State; 
(e) The use of armed forces of one State which are within the territory of another State with the agreement of the receiving State, in contravention of the conditions provided for in the agreement or any extension of their presence in 
such territory beyond the termination of the agreement; 
(f) The action of a State in allowing its temtory, which it has placed at the disposal of another State, to be used by that other State for perpetrating an act of aggression against a third State; 
(g) The sending by or on behalf of a State of armed bands, groups, irregulars or mercenaries, which carry out acts of armed force against another State of such gravity as to amount to the acts listed above, or its substantial involvement 
therein. 

Article 4 
The acts enumerated above are not exhaustive and the Security Council may determine that other acts constitute aggression under the provisions of the Charter. 

Article 5 
1. No consideration of whatever nature, whether political, economic, military or otherwise, may serve as a justification for aggression. 
2. A war of aggression is a crime against international peace. Aggression gives rise to international responsibility. 
3. No territorial acquisition or special advantage resulting from aggression is or shall be recognized as lawful. 

Article 6 
Nothing in this Definition shall be construed as in any way enlarging or diminishing the scope of the Charter, including its provisions concerning cases in which the use of force is lawful. 

Article 7 
Nothing in this Definition, and in particular article 3, could in any way prejudice the right to self-determination, freedom and independence, as derived from the Charter, of peoples forcibly deprived of that right and referred to in the Declaration on Principles of International Law concerning Friendly Relations and Cooperation among States in accordance with the Charter of the United Nations, particularly peoples under colonial and racist regimes or other forms of alien domination: nor the right of these peoples to struggle to that end and to seek and receive support, in accordance with the principles of the Charter and in conformity with the above-mentioned Declaration. 

Article 8 
In their interpretation and application the above provisions are interrelated and each provision should be construed in the context of the other provisions.

<日本語訳>

総会は、
国際連合の根本目的の一つが国際の平和と安全を維持し、平和に対する脅威の防止及び除去、並びに侵略行為その他の平和破壊の抑止のための効果的な集団的措置をとることであるという事実に立脚し、
安全保障理事会は、国際連合憲章第39条に基づき、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、第41条及び第42条に基づき、国際の平和及び安全の維持又は回復のため、勧告を行い、又はいかなる措置をとるべきかを決定することを想起し、…
また、侵略は、あらゆる種類の大量破壊兵器の存在によって生み出される状況下において、世界紛争の潜在的脅威及びそのあらゆる破滅的結果をはらんでいることから、違法な武力の行使の最も深刻かつ危険な形態であることを考慮し、…
侵略の定義を採択することは、侵略行為は、潜在的な侵略者を抑止する効果を持つべきであり、侵略行為の認定とそれを抑制する措置の実施を簡素化し、また、被害者の権利と合法的な利益の保護、ならびに被害者への援助の提供を容易にするであろう。
侵略行為が行われたかどうかの問題は、個々の事案のすべての状況に照らして検討されなければならないが、それでもなお、そのような認定のための指針として基本原則を策定することが望ましいと考え、以下の侵略の定義を採用する。

第1条
侵略とは、国家が他国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対して武力を行使すること、又はこの定義に定める国際連合憲章に抵触するその他の方法により武力を行使することをいう。
注釈:この定義において、「国家」という用語は、次の意味を有する。
(a) 承認の問題又は国家が国際連合の加盟国であるか否かという問題に影響を与えることなく使用される。
(b) 適切な場合には、「国家集団」という概念を含む。

第2条
国際連合憲章に違反して国家が最初に武力を行使した場合、それは侵略行為の明白な証拠となる。ただし、安全保障理事会は、国際連合憲章に従い、当該行為又はその結果が十分に重大ではないという事実を含む他の関連する状況に照らして、侵略行為が行われたとの決定は正当化されないと結論することができる。

第3条
宣戦布告の有無にかかわらず、次に掲げる行為は、第2条の規定に従い、かつ、これに従って、侵略行為とみなされる。
(a) 一国の軍隊による他国の領域への侵略もしくは攻撃、またはかかる侵略もしくは攻撃の結果として生じる、いかに一時的なものであろうと軍事占領、または他国の領域もしくはその一部の武力行使による併合。
(b) 一国の軍隊による他国の領域への砲撃、または一国による他国の領域への武器の使用。
(c) 一国の港湾または海岸の他国の軍隊による封鎖。
(d) 一国の軍隊による他国の陸軍、海軍もしくは空軍、または海上艦隊および航空艦隊への攻撃。
(e) 受入国の同意を得て他国の領域内にある一国の軍隊を、当該協定に定められた条件に違反して使用すること、または、協定の終了後も当該領域における軍隊の駐留を継続すること。
(f) 他国に委ねている自国の領土を、当該他国が第三国に対する侵略行為を行うために使用することを、ある国が認める行為。
(g) 他国に対し、上記に掲げる行為に相当する重大な武力行為を行う武装集団、武装集団、非正規兵または傭兵を、ある国が、または当該国に代わって派遣すること。

第4条
上記に列挙した行為は網羅的なものではなく、安全保障理事会は、憲章の規定に基づき、その他の行為も侵略を構成すると決定することができる。

第5条
1. 政治的、経済的、軍事的、その他いかなる性質の考慮も、侵略を正当化する理由とはならない。
2. 侵略戦争は国際平和に対する犯罪である。侵略は国際責任を生じさせる。
3. 侵略の結果として生じる領土の獲得または特別な利益は、合法と認められず、また認められてはならない。

第6条
この定義のいかなる規定も、武力の行使が合法である場合に関する規定を含め、憲章の適用範囲をいかなる形でも拡大または縮小するものと解釈してはならない。

第7条
この定義、特に第3条のいかなる規定も、国際連合憲章に基づく国家間の友好関係及び協力に関する国際法の原則に関する宣言に規定され、強制的にその権利を奪われた人民、特に植民地主義、人種差別主義体制又はその他の形態の外国による支配の下にある人民の、憲章に由来する自決、自由及び独立の権利を害するものではない。また、これらの人民が憲章の原則に従い、かつ、前述の宣言に従って、この目的のために闘争し、支援を求め、かつ、受ける権利を害するものでもない。

第8条
上記の規定は、その解釈及び適用において相互に関連しており、各規定は他の規定の文脈において解釈されるべきである。

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chihoukoumuin01
 今日は、昭和時代中期の1950年(昭和25)に、「地方公務員法」が公布(施行は翌年2月13日)された日です。
 「地方公務員法」(ちほうこうむいんほう)は、昭和時代中期の1950年(昭和25)12月13日公布、翌年2月13日施行された、地方公共団体の人事機関や地方公務員の一般職の任用・職階制・給与・勤務時間・勤務成績の評定・服務・懲戒処分等について定めた一般職の地方公務員に関する基本法です。一般職の地方公務員すべてに適用されますが、特別職の地方公務員については、法律に特別の定めがある場合を除き適用されません。
 国家公務員法に準じ、職階制を根幹とする科学的人事行政の制度化を定めていますが、具体的な規定は「地方自治法」に基づき、地方公共団体の自主的規律(条例)に任されています。尚、公営企業の職員には本法は適用されず、地方公営企業労働関係法が適用されてきました。
 この法律の特色は、資格任用制その他近代的人事行政の理念を取入れている点、および具体的な定めについて地方公共団体の条例にかなり大幅な自主性、自律性を認めている点にあるとされています。地方公共団体の行政が民主的、能率的に運営されることなどを目的としてきました。
 本法の付属法としては、「教育公務員特例法」、「地方公営企業法」、「地方公営企業労働関係法」、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」、「地方公務員災害補償法」、「地方公務員等共済組合法」などがあります。
 以下に、制定当初の「地方公務員法」(昭和25年法律第261号)を掲載しておきますので、ご参照ください。

〇「地方公務員法」(昭和25年法律第261号) 1950年(昭和25)12月13日公布、翌年2月13日施行

  第一章 総則

 (この法律の目的)
第一条 この法律は、地方公共団体の人事機関並びに地方公務員の任用、職階制、給与、勤務時間その他の勤務条件、分限及び懲戒、服務、研修及び勤務成績の評定、福祉及び利益の保護並びに団体等人事行政に関する根本基準を確立することにより、地方公共団体の行政の民主的且つ能率的な運営を保障し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを目的とする。

 (この法律の効力)
第二条 地方公務員(地方公共団体のすべての公務員をいう。以下同じ。)に関する従前の法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程の規定がこの法律の規定にてい触する場合には、この法律の規定が、優先する。

 (一般職に属する地方公務員及び特別職に属する地方公務員)
第三条 地方公務員の職は、一般職と特別職とに分ける。
2 一般職は、特別職に属する職以外の一切の職とする。
3 特別職は、左に掲げる職とする。
 一 就任について公選又は地方公共団体の議会の選挙、議決若しくは同意によることを必要とする職
 二 法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程により設けられた委員及び委員会(審議会その他これに準ずるものを含む。)の構成員の職で臨時又は非常勤のもの
 三 臨時又は非常勤の顧問、参与及びこれらの者に準ずる者の職
 四 地方公共団体の長、議会の議長その他地方公共団体の機関の長の秘書の職で条例で指定するもの
 五 非常勤の消防団員及び水防団員の職
 六 失業対策事業及び公共事業のため公共職業安定所から失業者として紹介を受けて地方公共団体が雇用した者で、技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者以外のものの職

 (この法律の適用を受ける地方公務員)
第四条 この法律の規定は、一般職に属するすべての地方公務員(以下「職員」という。)に適用する。
2 この法律の規定は、法律に特別の定がある場合を除く外、特別職に属する地方公務員には適用しない。

 (人事委員会及び公平委員会並びに職員に関する条例の制定)
第五条 地方公共団体は、法律に特別の定がある場合を除く外、この法律に定める根本基準に従い、条例で、人事委員会又は公平委員会の設置、職員に適用される基準の実施その他職員に関する事項について必要な規定を定めるものとする。但し、その条例は、この法律の精神に反するものであつてはならない。
2 第七条第一項又は第二項の規定により人事委員会を置く地方公共団体においては、前項の条例を制定し、又は改廃しようとするときは、当該地方公共団体の議会において、人事委員会の意見を聞かなければならない。  第二章 人事機関

 (任命権者)
第六条 地方公共団体の長、議会の議長、選挙管理委員会、監査委員、公安委員会(特別区公安委員会を含む。)、教育委員会、人事委員会及び公平委員会並びに市町村の警察長及び消防長(特別区が連合して維持する警察の警察長及び特別区が連合して維持する消防の消防長を含む。)その他法令又は条例に基く任命権者は、法律に特別の定がある場合を除く外、この法律並びにこれに基く条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、それぞれ職員の任命、休職、免職及び懲戒等を行う権限を有するものとする。
2 前項の任命権者は、同項に規定する権限の一部をその補助機関たる上級の地方公務員に委任することができる。

 (人事委員会又は公平委員会の設置)
第七条 都道府県、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十五条第二項の市及び特別市は、条例で人事委員会を置くものとする。
2 地方自治法第百五十五条第二項の市以外の市は、条例で人事委員会を置き、又は議会の議決を経て定める規約により地方自治法第百五十五条第二項の市以外の他の市と共同して人事委員会を置くことができる。
3 第一項又は前項の規定により人事委員会を置く地方公共団体(以下「人事委員会を置く地方公共団体」と総称する。)以外の地方公共団体(以下「人事委員会を置かない地方公共団体」という。)は、条例で公平委員会を置くものとする。但し、人事委員会を置かない地方公共団体は、議会の議決を経て定める規約により共同して公平委員会を置くことを妨げない。

 (人事委員会又は公平委員会の権限)
第八条 人事委員会は、左に掲げる事務を処理する。
 一 人事行政に関する事項について調査し、人事記録に関することを管理し、及びその他人事に関する統計報告を作成すること。
 二 給与、勤務時間その他の勤務条件、厚生福利制度、公務災害補償その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会若しくは長又は任命権者に提出すること。
 三 人事機関及び職員に関する条例の制定又は改廃に関し、地方公共団体の議会及び長に意見を申し出ること。
 四 人事行政の運営に関し、任命権者に勧告すること。
 五 職員の競争試験及び選考並びにこれらに関する事務を行うこと。
 六 職階制に関する計画を立案し、及び実施すること。
 七 職員の給与がこの法律及びこれに基く条例に適合して行われることを確保するため必要な範囲において、職員に対する給与の支払を監理すること。
 八 職員の研修及び勤務成績の評定に関する総合的企画を行うこと。
 九 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。
 十 職員に対する不利益な処分を審査し、及び必要な措置を執ること。
 十一 前各号に掲げるものを除く外、法律又は条例に基きその権限に属せしめられた事務。
2 公平委員会は、左に掲げる事務を処理する。
 一 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。
 二 職員に対する不利益な処分を審査し、及び必要な措置を執ること。
3 人事委員会は、第一項第九号及び第十号並びに第四項に掲げるものを除き、この法律に基くその権限で人事委員会規則で定めるものを当該地方公共団体の他の機関又は人事委員会の事務局長に委任することができる。
4 人事委員会又は公平委員会は、法律又は条例に基きその権限に属せしめられた事項に関し、人事委員会規則又は公平委員会規則を制定することができる。
5 人事委員会又は公平委員会は、法律又は条例に基くその権限の行使に関し必要があるときは、証人を喚問し、又は書類若しくはその写の提出を求めることができる。
6 人事委員会又は公平委員会は、人事行政に関する技術的及び専門的な知識、資料その他の便宜の授受のため、国又は他の地方公共団体の機関との間に協定を結ぶことができる。
7 第一項第九号及び第十号又は第二項各号の規定により人事委員会又は公平委員会に属せしめられた権限に基く人事委員会又は公平委員会の決定(判定を含む。)及び処分は、人事委員会規則又は公平委員会規則で定める手続により、人事委員会又は公平委員会によつてのみ審査される。
8 前項の規定は、法律問題につき裁判所に出訴する権利に影響を及ぼすものではない。

 (人事委員会又は公平委員会の委員)
第九条 人事委員会又は公平委員会は、三人の委員をもつて組織する。
2 委員は、人格が高潔で、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、且つ、人事行政に関し識見を有する者のうちから、議会の同意を得て、地方公共団体の長が選任する。
3 第十六条各号(第四号を除く。)の一に該当する者又は第五章に規定する罪を犯し刑に処せられた者は、委員となることができない。
4 委員の選任については、そのうちの二人が、同一の政党に属する者となることとなつてはならない。
5 委員のうち二人以上が同一の政党に属することとなつた場合においては、これらの者のうち一人を除く他の者は、地方公共団体の長が議会の同意を得て罷免するものとする。但し、政党所属関係について異動のなかつた者を罷免することはできない。
6 地方公共団体の長は、委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、議会の同意を得て、これを罷免することができる。この場合においては、議会の常任委員会又は特別委員会において公聴会を開かなければならない。
7 委員は、前二項の規定による場合を除く外、その意に反して罷免されることがない。
8 委員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、その職を失う。
9 委員は、他の地方公務員の職を兼ねることができない。
10 第三章第六節の規定は、委員の服務に準用する。
11 委員の任期は、四年とする。但し、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
12 人事委員会の委員は、常勤又は非常勤とし、公平委員会の委員は、非常勤とする。
13 地方自治法第二百四条から第二百六条までの規定は、常勤の人事委員会の委員に、同法第二百三条及び第二百六条の規定は、非常勤の人事委員会の委員及び公平委員会の委員に準用する。

 (人事委員会又は公平委員会の委員長)
第十条 人事委員会又は公平委員会は、委員のうちから委員長を選挙しなければならない。
2 委員長は、委員会に関する事務を処理し、委員会を代表する。
3 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、委員長の指定する委員が、その職務を代理する。

 (人事委員会又は公平委員会の議事)
第十一条 人事委員会又は公平委員会は、委員全員が出席しなければ会議を開くことができない。
2 人事委員会又は公平委員会の議事は、出席委員の過半数で決する。
3 人事委員会又は公平委員会の議事は、議事録として記録して置かなければならない。
4 前三項に定めるものを除く外、人事委員会又は公平委員会の議事に関し必要な事項は、人事委員会又は公平委員会が定める。

 (人事委員会の事務局及び事務職員並びに公平委員会の事務職員)
第十二条 人事委員会に事務局を置き、事務局に事務局長その他の事務職員を置く。
2 人事委員会は、第九条第九項の規定にかかわらず、委員長に事務局長の職を兼ねさせることができる。
3 事務局長は、人事委員会の指揮監督を受け、事務局の局務を掌理する。
4 公平委員会に、事務職員を置く。
5 第一項又は前項の事務職員は、人事委員会又は公平委員会がそれぞれ任免する。
6 第一項の事務局の組織は、人事委員会が定める。
7 第一項及び第四項の事務職員の定数は、条例で定める。
8 地方自治法第二百四条から第二百六条までの規定は、第一項及び第四項の事務職員に準用する。

   第三章 職員に適用される基準

    第一節 通則

 (平等取扱の原則)
第十三条 すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、人種、信条、性別、社会的身分若しくは門地によつて、又は第十六条第五号に規定する場合を除く外、政治的意見若しくは政治的所属関係によつて差別されてはならない。

 (情勢適応の原則)
第十四条 地方公共団体は、この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。

    第二節 任用

 (任用の根本基準)
第十五条 職員の任用は、この法律の定めるところにより、受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならない。

 (欠格条項)
第十六条 左の各号の一に該当する者は、条例で定める場合を除く外、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
 一 禁治産者及び準禁治産者
 二 禁こ以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
 三 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
 四 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第五章に規定する罪を犯し刑に処せられた者
 五 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

 (任命の方法)
第十七条 職員の職に欠員を生じた場合においては、任命権者は、採用、昇任、降任又は転任のいずれか一の方法により、職員を任命することができる。
2 人事委員会を置く地方公共団体においては、人事委員会は、前項の任命の方法のうちのいずれによるべきかについての一般的基準を定めることができる。
3 人事委員会を置く地方公共団体においては、職員の採用及び昇任は、競争試験によるものとする。但し、人事委員会の定める職について人事委員会の承認があつた場合は、選考によることを妨げない。
4 人事委員会を置かない地方公共団体においては、職員の採用及び昇任は、競争試験又は選考によるものとする。
5 人事委員会(人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者とする。以下第十八条、第十九条及び第二十二条第一項において同じ。)は、正式任用になつてある職についていた職員が、職制若しくは定数の改廃又は予算の減少に基く廃職又は過員によりその職を離れた後において、再びその職に復する場合における資格要件、任用手続及び任用の際における身分に関し必要な事項を定めることができる。

 (競争試験及び選考)
第十八条 競争試験又は選考は、人事委員会が行うものとする。但し、人事委員会は、他の地方公共団体の機関との協定によりこれと共同して、又は国若しくは他の地方公共団体の機関との協定によりこれらの機関に委託して、競争試験又は選考を行うことができる。
2 人事委員会は、その定める職員の職について第二十一条第一項に規定する任用候補者名簿がなく、且つ、人事行政の運営上必要であると認める場合においては、その職の競争試験又は選考に相当する国又は他の地方公共団体の競争試験又は選考に合格した者を、その職の選考に合格した者とみなすことができる。

 (受験資格)
第十九条 競争試験は、人事委員会の定める受験の資格を有するすべての国民に対して平等の条件で公開されなければならない。試験機関に属する者その他職員は、受験を阻害し、又は受験に不当な影響を与える目的をもつて特別若しくは秘密の情報を提供してはならない。
2 人事委員会は、受験者に必要な資格として職務の遂行上必要な最少且つ適当の限度の客観的且つ画一的要件を定めるものとする。
3 昇任試験を受けることができる者の範囲は、人事委員会の指定する職に正式に任用された職員に制限されるものとする。

 (競争試験の目的及び方法)
第二十条 競争試験は、職務遂行の能力を有するかどうかを正確に判定することをもつてその目的とする。競争試験は、筆記試験により、若しくは口頭試問及び身体検査並びに人物性行、教育程度、経歴、適性、知能、技能、一般的知識、専門的知識及び適応性の判定の方法により、又はこれらの方法をあわせ用いることにより行うものとする。

 (任用候補者名簿の作成及びこれによる任用の方法)
第二十一条 人事委員会を置く地方公共団体における競争試験による職員の任用については、人事委員会は、試験ごとに任用候補者名簿(採用候補者名簿又は昇任候補者名簿)を作成するものとする。
2 採用候補者名簿又は昇任候補者名簿には、採用試験又は昇任試験において合格点以上を得た者の氏名及び得点をその得点順に記載するものとする。
3 採用候補者名簿又は昇任候補者名簿による職員の採用又は昇任は、当該名簿に記載された者について、採用し、又は昇任すべき者一人につき人事委員会の提示する採用試験又は昇任試験における高点順の志望者五人のうちから行うものとする。
4 採用候補者名簿又は昇任候補者名簿に記載された者の数が人事委員会の提示すべき志望者の数よりも少いときは、人事委員会は、他の最も適当な採用候補者名簿又は昇任候補者名簿に記載された者を加えて提示することを妨げない。
5 前四項に定めるものを除く外、任用候補者名簿の作成及びこれによる任用の方法に関し必要な事項は、人事委員会規則で定めなければならない。

 (条件附任用及び臨時的任用)
第二十二条 臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を除き、職員の採用又は昇任は、すべて条件附のものとし、その職員がその職において六月を勤務し、その間その職務を良好な成績で遂行したときに正式任用になるものとする。この場合において、人事委員会は、条件附任用の期間を一年に至るまで延長することができる。
2 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、緊急の場合、臨時の職に関する場合又は任用候補者名簿がない場合においては、人事委員会の承認を得て、六月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、その任用は、人事委員会の承認を得て、六月をこえない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。
3 前項の場合において、人事委員会は、臨時的任用につき、任用される者の資格要件を定めることができる。
4 人事委員会は、前二項の規定に違反する臨時的任用を取り消すことができる。
5 人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者は、緊急の場合又は臨時の職に関する場合においては、六月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、任命権者は、その任用を六月をこえない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。
6 臨時的任用は、正式任用に際して、いかなる優先権をも与えるものではない。
7 前五項に定めるものの外、臨時的に任用された者に対しては、この法律を適用する。

    第三節 職階制

 (職階制の根本基準)
第二十三条 人事委員会を置く地方公共団体は、職階制を採用するものとする。
2 職階制に関する計画は、条例で定める。
3 職階制に関する計画の実施に関し必要な事項は、前項の条例に基き人事委員会規則で定める。
4 人事委員会は、職員の職を職務の種類及び複雑と責任の度に応じて分類整理しなければならない。
5 職階制においては、同一の内容の雇用条件を有する同一の職級に属する職については、同一の資格要件を必要とするとともに、当該職についている者に対しては、同一の幅の給料が支給されるように、職員の職の分類整理がなされなければならない。
6 職階制に関する計画を実施するに当つては、人事委員会は、職員のすべての職をいずれかの職級に格付しなければならない。
7 人事委員会は、随時、職員の職の格付を審査し、必要と認めるときは、これを改訂しなければならない。
8 職階制を採用する地方公共団体においては、職員の職について、職階制によらない分類をすることができない。但し、この分類は、行政組織の運営その他公の便宜のために、組織上の名称又はその他公の名称を用いることを妨げるものではない。
9 職階制に関する計画を定め、及び実施するに当つては、国及び他の地方公共団体の職階制に照応するように適当な考慮が払われなければならない。

    第四節 給与、勤務時間その他の勤務条件

 (給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)
第二十四条 職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。
2 前項の規定の趣旨は、できるだけすみやかに達成されなければならない。
3 職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。
4 職員は、他の職員の職を兼ねる場合においても、これに対して給与を受けてはならない。
5 職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。
6 職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。

 (給与に関する条例及び給料額の決定)
第二十五条 職員の給与は、前条第六項の規定による給与に関する条例に基いて支給されなければならず、又、これに基かずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない。
2 給与に関する条例には、左の事項を規定するものとする。
 一 給料表
 二 昇給の基準に関する事項
 三 時間外勤務、夜間勤務及び休日勤務に対する給与に関する事項
 四 特別地域勤務、危険作業その他特殊な勤務に対する手当及び扶養親族を有する職員に対する手当を支給する場合においては、これらに関する事項
 五 非常勤職員の職及び生活に必要な施設の全部又は一部を公給する職員の職その他勤務条件の特別な職があるときは、これらについて行う給与の調整に関する事項
 六 職階制を採用する地方公共団体においては、その職に職階制が始めて適用される場合の給与に関する事項
 七 前各号に規定するものを除く外、給与の支給方法及び支給条件に関する事項
3 人事委員会は、必要な調査研究を行い、職階制に適合する給料表に関する計画を立案し、これを地方公共団体の議会及び長に同時に提出しなければならない。
4 職階制を採用する地方公共団体においては、給料表には、職階制において定められた職級ごとに明確な給料額の幅を定めていなければならない。
5 職階制を採用する地方公共団体においては、職員には、その職につき職階制において定められた職級について給料表に定める給料額が支給されなければならない。

 (給料表に関する報告及び勧告)
第二十六条 人事委員会は、毎年少くとも一回、給料表が適当であるかどうかについて、地方公共団体の議会及び長に同時に報告するものとする。給与を決定する諸条件の変化により、給料表に定める給料額を増減することが適当であると認めるときは、あわせて適当な勧告をすることができる。

    第五節 分限及び懲戒

 (分限及び懲戒の基準)
第二十七条 すべて職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。
2 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、若しくは免職されず、この法律又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職されず、又、条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して降給されることがない。
3 職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない。

 (分限)
第二十八条 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
 一 勤務実績が良くない場合
 二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
 三 前二号に規定する場合の外、その職に必要な適格性を欠く場合
 四 職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
2 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反してこれを休職することができる。
 一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合
 二 刑事事件に関し起訴された場合
3 職員の意に反する降任、免職、休職及び降給の手続及び効果は、法律に特別の定めがある場合を除く外、条例で定めなければならない。
4 前条第二項及び第一項から前項までの規定は、左に掲げる職員には適用しない。
 一 条件附採用期間中の職員
 二 臨時的に任用された職員
5 前項各号に掲げる職員の分限については、条例で必要な事項を定めることができる。
6 職員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う。

 (懲戒)
第二十九条 職員が左の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
 一 この法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
 二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
 三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
2 職員の懲戒の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。

    第六節 服務

 (服務の根本基準)
第三十条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

 (服務の宣誓)
第三十一条 職員は、条例の定めるところにより、服務の宣誓をしなければならない。

 (法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)
第三十二条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

 (信用失墜行為の禁止)
第三十三条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

 (秘密を守る義務)
第三十四条 職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。

 (職務に専念する義務)
第三十五条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

 (政治的行為の制限)
第三十六条 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。
2 職員は、特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、左に掲げる政治的行為をしてはならない。但し、公立学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する公立学校をいう。以下同じ。)に勤務する職員以外の職員は、当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第百五十五条第二項の市の区に勤務する者であるときは、当該支庁若しくは地方事務所又は区の所管区域)外において、公立学校に勤務する職員は、その学校の設置者たる地方公共団体の区域(当該学校が学校教育法に規定する小学校、中学校又は幼稚園であつて、その設置者が地方自治法第百五十五条第三項の市であるときは、その学校の所在する区の区域)外において、第一号から第三号まで及び第五号に掲げる政治的行為をすることができる。
 一 公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。
 二 署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。
 三 寄附金その他の金品の募集に関与すること。
 四 文書又は図画を地方公共団体の庁舎、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。
 五 前各号に定めるものを除く外、条例で定める政治的行為
3 何人も前二項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め、職員をそそのかし、若しくはあおつてはならず、又は職員が前二項に規定する政治的行為をなし、若しくはなさないことに対する代償若しくは報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益若しくは不利益を与え、与えようと企て、若しくは約束してはならない。
4 職員は、前項に規定する違法な行為に応じなかつたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。
5 本条の規定は、職員の政治的中立性を保障することにより、地方公共団体の行政の公正な運営を確保するとともに職員の利益を保護することを目的とするものであるという趣旨において解釈され、及び運用されなければならない。

 (争議行為等の禁止)
第三十七条 職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。
2 職員で前項の規定に違反する行為をしたものは、その行為の開始とともに、地方公共団体に対し、法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に基いて保有する任命上又は雇用上の権利をもつて対抗することができなくなるものとする。

 (営利企業等の従事制限)
第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる。

    第七節 研修及び勤務成績の評定

 (研修)
第三十九条 職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。
2 前項の研修は、任命権者が行うものとする。
3 人事委員会は、研修に関する計画の立案その他研修の方法について任命権者に勧告することができる。

 (勤務成績の評定)
第四十条 任命権者は、職員の執務について定期的に勤務成績の評定を行い、その評定の結果に応じた措置を講じなければならない。
2 人事委員会は、勤務成績の評定に関する計画の立案その他勤務成績の評定に関し必要な事項について任命権者に勧告することができる。

    第八節 福祉及び利益の保護

 (福祉及び利益の保護の根本基準)
第四十一条 職員の福祉及び利益の保護は、適切であり、且つ、公正でなければならない。

     第一款 厚生福利制度

 (厚生制度)
第四十二条 地方公共団体は、職員の保健、元気回復その他厚生に関する事項について計画を樹立し、これを実施しなければならない。

 (共済制度)
第四十三条 職員の公務に因らない死亡、廃疾、負傷及び疾病並びに分べん及び災厄その他の事故並びにその被扶養者のこれらの事故に関する共済制度は、すみやかに実施されなければならない。
2 前項の共済制度を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。
3 第一項の共済制度は、健全な保険数理を基礎として定められなければならない。

 (退職年金及び退職一時金の制度)
第四十四条 職員が相当年限忠実に勤務して退職し、又は死亡した場合におけるその者又はその者の遺族に対する退職年金又は退職一時金の制度は、すみやかに実施されなければならない。
2 公務に因る負傷若しくは疾病に因り死亡し、若しくは退職した職員又はこれらの者の遺族に対しても、退職年金又は退職一時金の制度が実施されることができる。
3 前項の規定による退職年金又は退職一時金の制度の実施に当つては、第四十五条の規定による公務災害補償との間に適当な調整が図られなければならない。
4 第一項及び第二項の退職年金及び退職一時金の制度を定めるに当つては、国及び他の地方公共団体との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。
5 前条第三項の規定は、第一項及び第二項の退職年金及び退職一時金の制度について準用する。

     第二款 公務災害補償

 (公務災害補償)
第四十五条 職員が公務に因り死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は公務に因る負傷若しくは疾病により死亡し、若しくは廃疾となつた場合においてその者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害は、補償されなければならない。

     第三款 勤務条件に関する措置の要求

 (勤務条件に関する措置の要求)
第四十六条 職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、人事委員会又は公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置が執られるべきことを要求することができる。

 (審査及び審査の結果執るべき措置)
第四十七条 前条に規定する要求があつたときは、人事委員会又は公平委員会は、事案について口頭審理その他の方法による審査を行い、事案を判定し、その結果に基いて、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、当該事項に関し権限を有する地方公共団体の機関に対し、必要な勧告をしなければならない。

 (要求及び審査、判定の手続等)
第四十八条 前二条の規定による要求及び審査、判定の手続並びに審査、判定の結果執るべき措置に関し必要な事項は、人事委員会規則又は公平委員会規則で定めなければならない。

     第四款 不利益処分に関する審査の請求

 (不利益処分に関する説明書の交付及び審査の請求)
第四十九条 任命権者は、職員に対し、懲戒その他その意に反すると認める不利益な処分を行う場合においては、その際、その職員に対し処分の事由を記載した説明書を交付しなければならない。
2 職員は、その意に反して不利益な処分を受けたと思うときは、任命権者に対し処分の事由を記載した説明書の交付を請求することができる。
3 前項の規定による請求を受けた任命権者は、その日から十五日以内に、同項の説明書を交付しなければならない。
4 第一項及び第三項の説明書の交付を受けた職員は、その日から三十日以内に、前項の期間内に説明書の交付を受けなかつた職員は、その期限経過後三十日以内に、それぞれ人事委員会又は公平委員会に対し、当該処分の審査を請求することができる。
5 前四項の規定は、第二十八条第四項各号に掲げる職員には適用しない。

 (審査及び審査の結果執るべき措置)
第五十条 前条第四項に規定する請求を受理したときは、人事委員会又は公平委員会は、直ちにその事案を審査しなければならない。この場合において、処分を受けた職員から請求があつたときは、口頭審理を行わなければならない。口頭審理は、その職員から請求があつたときは、公開して行わなければならない。
2 人事委員会又は公平委員会は、前項に規定する審査の結果に基いて、その処分を承認し、修正し、又は取り消し、及び必要がある場合においては、任命権者にその職員の受けるべきであつた給与その他の給付を回復するため必要で且つ適切な措置をさせる等その職員がその処分によつて受けた不当な取扱を是正するための指示をしなければならない。

 (請求及び審査の手続等)
第五十一条 前二条の規定による請求及び審査の手続並びに審査の結果執るべき措置に関し必要な事項は、人事委員会規則又は公平委員会規則で定めなければならない。

    第九節 職員団体

 (職員団体の組織)
第五十二条 職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し当該地方公共団体の当局と交渉するための団体(以下本節中「単位職員団体」という。)を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。
2 単位職員団体は、当該地方公共団体の他の単位職員団体と連合体を結成し、又は当該地方公共団体の他の単位職員団体が結成する単位職員団体の連合体に加入することができる。又、単位職員団体の連合体は、当該地方公共団体の他の単位職員団体の連合体と連合体を結成し、又は当該地方公共団体の他の単位職員団体の連合体に加入することができる。
3 前項の規定は、単位職員団体又は単位職員団体の連合体(以下本節中「職員団体」と総称する。)が他の地方公共団体の職員団体その他の公務員の団体との連合組織を事実上結成し、又は他の地方公共団体の職員団体その他の公務員の団体が結成する連合組織に事実上加入することを妨げるものではない。
4 警察職員及び消防職員は、職員団体を結成し、及びこれに加入することができない。
5 職員は、地方公共団体から給与を受けながら、職員団体のためその事務を行い、又は活動してはならない。

 (職員団体の登録)
第五十三条 職員団体は、条例で定めるところにより、規約(法人に係る場合においては、その定款とする。以下本条中同じ。)を添えて人事委員会(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の長とする。以下本節中同じ。)に登録を申請することができる。この場合において、人事委員会は、登録を申請した職員団体がこの法律及びこれに基く条例の規定に適合するものである場合においては、条例で定めるところにより、規約とともにこれを登録し、当該職員団体にその旨を通知しなければならない。
2 前項に規定する職員団体の規約には、少くとも左に掲げる事項を記載するものとする。
 一 名称
 二 業務
 三 主たる事務所の所在地
 四 構成員の範囲及びその資格の得喪に関する規定
 五 理事、代表者その他の役員に関する規定
 六 第三項に規定する事項を含む業務執行、会議及び投票に関する規定
 七 経費及び会計に関する規定
 八 他の職員団体との連合に関する規定
 九 規約の変更に関する規定
 十 解散に関する規定
3 職員団体が登録される資格を有し、及び引き続き登録されているためには、規約の作成又は変更、役員の選挙その他これらに準ずる重要な行為が、その構成員たるすべての職員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票による全員の多数決によつて決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続によりこれらの重要な行為が決定されることを必要とする。但し、単位職員団体の連合体にあつては、その構成員たるすべての職員が平等に参加する機会を有する構成団体ごとの直接且つ秘密の投票による多数決で代議員を選挙し、すべての代議員が平等に参加する機会を有する直接且つ秘密の投票によるその全員の多数決によつて決定される旨の手続を定め、且つ、現実に、その手続により決定されることをもつて足りるものとする。
4 登録を受けた職員団体がこの法律及びこれに基く条例の規定に適合しないものとなつたときは、人事委員会は、条例で定めるところにより、あらかじめ口頭審理を行つた後、その登録を取り消すことができる。口頭審理は、当該職員団体から請求があつたときは、公開して行わなければならない。
5 登録を受けた職員団体は、その規約を変更したときは、条例で定めるところにより、人事委員会にその旨を届け出なければならない。この場合においては、第一項後段の規定を準用する。
6 登録を受けた職員団体は、解散したときは、条例で定めるところにより、人事委員会にその旨を届け出なければならない。

 (法人たる職員団体に関する特例)
第五十四条 職員団体は、法人とすることができる。民法(明治二十九年法律第八十九号)及び非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)中民法第三十四条に規定する法人に関する規定は、本項の法人について準用する。但し、これらの規定中「主務官庁」とあるのは「人事委員会」と読み替えるものとする。
2 法人となろうとする職員団体が前条第一項の規定による登録を受けたときは、前項において準用する民法第三十四条の許可を得たものとみなす。
3 法人である職員団体の登録が前条第四項の規定により取り消されたときは、第一項において準用する民法第七十一条の許可の取消があつたものとみなす。
4 定款の変更が前条第五項後段の規定により登録されたときは、第一項において準用する民法第三十八条第二項の認可を得たものとみなす。

 (交渉)
第五十五条 登録を受けた職員団体は、条例で定める条件又は事情の下において、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、当該地方公共団体の当局と交渉することができる。なお、これに附帯して社交的又は厚生的活動を含む適法な目的のため交渉することを妨げない。但し、これらの交渉は、当該地方公共同体の当局と団体協約を締結する権利を含まないものとする。
2 前項の場合において、職員団体は、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程にてい触しない限りにおいて、当該地方公共団体の当局と書面による協定を結ぶことができる。
3 前項の協定は、当該地方公共団体の当局及び職員団体の双方において、誠意と責任をもつて履行しなければならない。
4 職員が、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、又は社交的若しくは厚生的活動を含む適法な目的のため、地方公共団体の当局に対し、不満を表明し、又は意見を申し出る自由は、その者が職員団体に属していないという理由で否定されることはない。

 (不利益取扱の禁止)
第五十六条 職員は、職員団体の構成員であること、職員団体を結成しようとしたこと、若しくはこれに加入しようとしたこと又は職員団体のために正当な行為をしたことの故をもつて不利益な取扱を受けることはない。

   第四章 補則

 (特例)
第五十七条 職員のうち、公立学校の教職員(学校教育法に規定する校長、教員及び事務職員という。)、単純な労務に雇用される者その他その職務と責任の特殊性に基いてこの法律に対する特例を必要とするものについては、別に法律で定める。但し、その特例は、第一条の精神に反するものであつてはならない。

 (他の法律の適用除外)
第五十八条 労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)及び労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)並びにこれらに基く命令の規定は、職員に関して適用しない。
2 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第二条、第八十五条、第八十六条、第八十九条から第九十三条まで及び第百二条の規定並びに船員法(昭和二十二年法律第百号)第六条中労働基準法第二条に関する部分、第三十条、第三十七条中勤務条件に関する部分、第九十六条から第百条まで、第百二条及び第百八条中勤務条件に関する部分の規定並びにこれらの規定に基く命令の規定は、職員に関して適用しない。但し、労働基準法第八十五条、第八十六条及び第百二条の規定並びに船員法第三十七条中勤務条件に関する部分、第九十六条及び第百八条中勤務条件に関する部分並びにこれらの規定に基く命令の規定は、地方公共団体の行う労働基準法第八条第一号から第十号まで及び第十三号から第十五号までに掲げる事業に従事する職員に関しては適用する。
3 労働基準法及び船員法の規定並びにこれらの規定に基く命令の規定中前項の規定により職員に関して適用されるものを適用する場合における職員の勤務条件に関する労働基準監督機関の職権は、地方公共団体の行う労働基準法第八条第一号から第十号まで及び第十三号から第十五号までに掲げる事業に従事する職員の場合を除き、人事委員会又はその委任を受けた人事委員会の委員(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共同体の長)が行うものとする。

 (地方自治庁の協力及び技術的助言)
第五十九条 地方自治庁は、地方公共団体の人事行政がこの法律によつて確立される地方公務員制度の原則に沿つて運営されるように協力し、及び技術的助言をすることができる。

   第五章 罰則

 (罰則)
第六十条 左の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の規定に違反して差別をした者
二 第三十四条第一項又は第二項の規定(第九条第十項において準用する場合を含む。)に違反して秘密を漏らした者
三 第五十条第二項の規定による人事委員会又は公平委員会の指示に故意に従わなかつた者

第六十一条 左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 第五十条第一項に規定する権限の行使に関し、第八条第五項の規定により人事委員会若しくは公平委員会から証人として喚問を受け、正当な理由がなくてこれに応ぜず、若しくは虚偽の陳述をした者又は同項の規定により人事委員会若しくは公平委員会から書類若しくはその写の提出を求められ、正当な理由がなくてこれに応ぜず、若しくは虚偽の事項を記載した書類若しくはその写を提出した者
二 第十五条の規定に違反して任用した者
三 第十九条第一項後段の規定に違反して受験を阻害し、又は情報を提供した者
四 何人たるを問わず、第三十七条第一項前段に規定する違法な行為の遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおり、又はこれらの行為を企てた者
五 第四十六条の規定による勤務条件に関する措置の要求の申出を故意に妨げた者
第六十二条 第六十条第二号又は前条第一号から第三号まで若しくは第五号に掲げる行為を企て、命じ、故意にこれを容認し、そそのかし、又はそのほう助をした者は、それぞれ各本条の刑に処する。

   附 則

 (施行期日)
1 この法律の規定中、第十五条及び第十七条から第二十三条までの規定並びに第六十一条第二号及び第三号の罰則並びに第六十二条中第六十一条第二号及び第三号に関する部分は、都道府県及び地方自治法第百五十五条第二項の市にあつてはこの法律公布の日から起算して一年六月を経過した日から、その他の地方公共団体にあつてはこの法律公布の日から起算して二年を経過した日からそれぞれ施行し、第二十七条から第二十九条まで及び第四十六条から第五十一条までの規定並びに第六十条第三号、第六十一条第一号及び同条第五号の罰則並びに第六十二条中第六十一条第一号及び第五号に関する部分は、この法律公布の日から起算して八月を経過した日から施行し、その他の規定は、この法律公布の日から起算して二月を経過した日から施行する。

 (人事委員会又は公平委員会の設置期限)
2 都道府県及び地方自治法第百五十五条第二項の市の人事委員会は、この法律公布の日から起算して六月以内に、公平委員会は、この法律公布の日から起算して八月以内に設置しなければならない。

 (人事委員会の委員の基礎的研修)
3 都道府県及び地方自治法第百五十五条第二項の市の人事委員会の最初に選任される委員は、この法律公布の日から起算して七月以内に地方自治庁が人事院の協力を得て行う人事行政に関する基礎的研修を受けるものとする。

 (人事委員会の事務職員の技術的研修)
4 都道府県及び地方自治法第百五十五条第二項の市の人事委員会の最初に任命される事務局長及びその事務局の主要な事務職員で当該人事委員会の指定するものは、この法律公布の日から起算して八月以内に地方自治庁が人事院の協力を得て行う人事行政に関する技術的研修を受けるものとする。

 (経過規定)
5 最初に選任される人事委員会又は公平委員会の委員の任期は、第九条第十一項本文の規定にかかわらず、一人は四年、一人は三年、一人は二年とする。この場合において、各委員の任期は、地方公共団体の長がくじで定める。
6 職員の任免、給与、分限、懲戒、服務その他身分取扱に関する事項については、この法律中の各相当規定がそれぞれの地方公共団体に適用されるまでの間は、当該地方公共団体については、なお、従前の例による。
7 昭和二十三年七月二十二日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡に基く臨時措置に関する政令(昭和二十三年政令第二百一号)は、附則第二十項及び第二十一項に規定する職員を除き、職員に関してはその効力を失う。
8 前項の政令がその効力を失う前にした同令第二条第一項の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、なお、従前の例による。
9 第十六条第三号の懲戒免職の処分には、当該地方公共団体において、地方公務員に関する従前の規定によりなされた懲戒免職の処分を含むものとする。
10 地方公務員に関する従前の規定により休職を命ぜられた者又は懲戒手続中の者若しくは懲戒処分を受けた者の休職又は懲戒に関しては、なお、従前の例による。
11 この法律公布の日から起算して六月を経過するまでの間は、第五十三条第一項中「人事委員会(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の長とする。以下本節中同じ。)」及び「人事委員会」とあるのは「当該地方公共団体の長」と、同条第四項から第六項までのうち「人事委員会」とあるのは「当該地方公共団体の長」と、それぞれ読み替えるものとする。
12 この法律公布の日から起算して六月を経過するまでの間は、第五十四条第一項但書中「人事委員会」とあるのは「当該地方公共団体の長」と読み替えるものとする。
13 第五十八条第一項の規定施行の際現に存する労働組合でその主たる構成員が職員であるものは、この法律公布の日から起算して四月以内に第五十三条第一項の規定による登録の申請をしなければならない。この場合において、地方公共団体の長は、申請を受理した日から一月以内に第五十三条第一項の規定による登録をした旨又はしない旨の通知をしなければならない。
14 第五十八条第一項の規定施行の際現に存する労働組合でその主たる構成員が職員であるもののうち、前項の規定による登録の申請をしないものの取扱については、この法律公布の日から起算して四月を経過するまでの間、同項の規定による登録の申請をしたものの取扱については、同項の規定により登録をした旨又はしない旨の通知を受けるまでの間は、第五十八条第一項の規定にかかわらず、なお、従前の例による。
15 第五十八条第一項の規定施行の際現に存する法人である労働組合でその主たる構成員が職員であるものが第五十三条第一項の規定により登録されたときは、第五十四条第一項の法人である職員団体として設立されたものとみなす。
16 第五十八条第一項の規定施行の際現に存する労働組合で、附則第十三項の規定による登録の申請をしないものは、この法律公布の日から起算して四月を経過した日において、同項の規定による登録の申請をしたもののうち登録をしない旨の通知を受けたものは、この法律公布の日から起算して五月を経過した日において、それぞれ解散するものとする。
17 前二項の場合において必要な事項は、政令で定める。
18 第五十八条第一項及び第二項の規定施行前にしたこれらの規定に規定する法令の規定に違反する行為に対する罰則の適用については、これらの規定にかかわらず、なお、従前の例による。
19 この法律公布の日から起算して六月を経過するまでの間は、第五十八条第三項中「人事委員会又はその委任を受けた人事委員会の委員(人事委員会を置かない地方公共同体においては、地方公共団体の長)」とあるのは「地方公共団体の長」と読み替えるものとする。
20 地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第六条に規定する公営企業に従事する職員の身分取扱については、別に公営企業の組織、会計経理及び職員の身分取扱に関して規定する法律が制定実施されるまでの間は、なお、従前の例による。
21 第五十七条に規定する単純な労務に雇用される職員の身分取扱については、その職員に関して、同条の規定に基き、この法律に対する特例を定める法律が制定実施されるまでの間は、なお、従前の例による。

(内閣総理大臣・法務総裁・外務・大蔵・文部・厚生・農林・通商産業・運輸・郵政・電気通信・労働・建設大臣・経済安定本部総裁署名)

  「衆議院ホームページ」より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1841年(天保12)江戸幕府が天保の改革の一つとして、「株仲間解散令」を発布する(新暦1842年1月24日)詳細
1921年(大正10)ワシントン軍縮会議において、「四カ国条約」(日・英・米・仏)を結び、日英同盟を解消する詳細
1924年(大正13)東京で市川房枝らが婦人参政権獲得期成同盟会を発足する詳細
1941年(昭和16)「国家総動員法」に基づいて、「新聞事業令」(昭和16年勅令1107号)が公布・施行される詳細
1947年(昭和22)中国文学・哲学研究者狩野直喜の命日詳細
1969年(昭和44)小説家・演出家獅子文六の命日詳細
1980年(昭和55)国際的な版画家長谷川潔の命日詳細
2006年(平成18)第61回国連総会本会議で「障害者権利条約」が採択される詳細
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 今日は、江戸時代後期の寛政10年に、戯作者・狂歌師で狂歌三大家の一人とされた朱楽菅江が亡くなった日ですが、新暦では、1799年1月17日となります。
 朱楽菅江(あけら かんこう)は、江戸時代中期の1740年(元文5年10月24日)に、江戸において、幕臣の家に生まれた(元文3年生まれの異説あり)とされますが、本名は山崎景基(後に景貫と改名)と言いました。江戸幕府の与力として市谷(現在の東京都新宿区)に居を構えますが、内山賀邸に学び、和歌と雑俳に親しんだとされます。
 安永年間(1772~1781年)の初め頃に、同門の四方赤良(太田南畝)、唐衣橘洲らに誘われて狂歌を始め、しだいに普及流行するとともに、天明狂歌壇の中心的人物となり、赤良、橘洲と並ぶ狂歌三大家の一人とされるようになりました。その中で、洒落本も出筆し、1777年(安永6年)に『売花新駅(ばいかしんえき)』、1779年(安永8年)に『大抵御覧(たいていごらん)』、『雑文穿袋(ざつもんせんてい)』を刊行しています。
 1780年(安永9年)に、牛込蓬莱連に所属するようになり『川傍柳』の編纂に協力し、1783年(天明3年)には、『万載狂歌集』を大田南畝とともに編纂し、天明狂歌ブームの火付け役となりました。1785年(天明5年)には、狂歌集『故混馬鹿集(ここんばかしゅう)』を刊行、妻の「節松嫁々」(ふしまつのかか)とともに狂歌集団「朱楽連」(しゅらくれん)を結成し、江戸狂歌界の中心的人物として活動します。
 寛政年間(1789~1801年)に入ると、『狂歌大体』を著し、狂歌の作風を和歌に近いものへと変化させました。1791年(寛政3年)には、不忍池のほとりに隠居し、芬陀利華庵と号したものの、1799年(寛政11年12月12日)に、この場所において、数え年59歳で亡くなっています。

<朱楽菅江の代表的な狂歌>

・「立て見し 柱暦も 寝転んで 読めるばかりに 年は暮れにき」(古今狂歌袋)
・「借金も 今はつゝむに つゝまれず やぶれかぶれの ふんどしの暮」(万載狂歌集)
・「執着の 心や娑婆に 残るらん 吉野の桜 さらしなの月」(辞世の句)

〇朱楽菅江の主要な著作

・洒落本『売花新駅』朱楽舘主人作、桃江(1777年)
・洒落本『雑文穿袋』(1779年)
・洒落本『大抵御覧』(1779年)
・狂歌集『万載狂歌集』四方赤良(太田南畝)共撰(1783年)
・『鸚鵡盃』(1788年)
・『八重垣縁結』(1788年)
・狂歌集『故混馬鹿集』(1785年)
・『狂言鶯蛙集』(1785年)
・『絵本江戸爵』朱楽館主人著、蔦唐丸編、喜多川歌麿画(1786年)
・『潮干のつと』あけら菅江編、喜多川歌麿画(1790年)
・『狂歌大体』朱楽菅江編(1791年)

☆朱楽菅江関係略年表

・1740年(元文5年10月24日)? 江戸に生まれる
・1772年(安永5年)頃 四方赤良(太田南畝)、唐衣橘洲らとともに狂歌を始める
・1777年(安永6年) 洒落本『売花新駅(ばいかしんえき)』を刊行する
・1779年(安永8年) 洒落本『大抵御覧(たいていごらん)』、「雑文穿袋(ざつもんせんてい)」を刊行する
・1780年(安永9年) 牛込蓬莱連に所属するようになり、『川傍柳』の編纂に協力する
・1783年(天明3年) 『万載狂歌集』を大田南畝とともに編纂し、天明狂歌ブームの火付け役となる
・1785年(天明5年) 狂歌撰集『故混馬鹿集』を刊行する
・1791年(寛政3年) 不忍池のほとりに隠居し、芬陀利華庵と号する
・1799年(寛政11年12月12日) 江戸・池之端の芬陀利華庵において、数え年59歳で亡くなる

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1568年(永禄11)武田信玄軍と今川氏真・北条氏政軍との間で薩埵峠の戦いが始まる(新暦12月30日)詳細
1898年(明治31)小説家黒島伝治の誕生日詳細
1908年(明治41)北原白秋、木下杢太郎らが青年文芸・美術家の懇談会「パンの会」を結成する詳細
1947年(昭和22)「児童福祉法」が公布される詳細
1963年(昭和38)映画監督・脚本家小津安二郎の命日詳細
1989年(平成元)漫画家田河水泡の命日詳細
1994年(平成6)小説家・歌人中河与一の命日詳細
2015年(平成27)「気候変動に関する国際連合枠組み条約第21回締約国会議」(COP21)で「パリ協定」を採択する詳細
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