
「東京横浜ノ間鉄道製作ノ儀申立」(とうきょうよこはまのあいだてつどうせいさくのぎもうしたて)は、幕末明治維新期の11869年(明治2年11月10日)の明治新政府の廟議で、東京~京都の幹線、東京~横浜・京都~神戸・琵琶湖畔~敦賀の3支線の鉄道建設計画を示したもので、同年10月11日付の「上申」と、「布告案」で構成されています。この決定は、近世以来全国的な輸送の主役であった海運の存在を前提として、東西両京を結ぶ幹線鉄道から海港へ枝線を敷設することによって主要な海港と海港を鉄道で繋ぎ、全国的な輸送網の形成を図ろうとしたものでした。
ルートとして、本州の中央を通る中山道案,海側を通る東海道案がありましたがこの時点ではどちらを採択するか未定となっています。文書の終わりには、明治政府が同年11月9日付で、伊達宗城(民部卿兼大蔵卿)・大隈重信(大蔵大輔)・伊藤博文(大蔵大丞・大蔵少輔)に対し、イギリスと鉄道敷設の借款契約を締結する全権を委任したことが見えます。
ルートとして、本州の中央を通る中山道案,海側を通る東海道案がありましたがこの時点ではどちらを採択するか未定となっています。文書の終わりには、明治政府が同年11月9日付で、伊達宗城(民部卿兼大蔵卿)・大隈重信(大蔵大輔)・伊藤博文(大蔵大丞・大蔵少輔)に対し、イギリスと鉄道敷設の借款契約を締結する全権を委任したことが見えます。
〇日本の鉄道創設関係略年表(日付は旧暦です)
<明治2年(1869年)>
・3月 横浜在留英国人「アレキサンドル・カンフル」は鉄道敷設の請願書(西暦1869年4月21日付け)を寺島神奈川県知事に提出する
・10月11日 この日付けで、外務省は鉄道建設を政府に上申する
・11月5日 日本政府の岩倉、澤、三条が相談し、大隈と伊藤も列席、鉄道と電信の起業の意あることを告げる
・11月10日 東京~京都の幹線、東京~横浜・京都~神戸・琵琶湖畔~敦賀の3支線の鉄道建設計画「東京横浜ノ間鉄道製作ノ儀申立」が決定される
・11月12日 英国人ホレシオ・ネルソン・レーに1割2分利付100万ポンド借款の起債契約書を公布する
<明治3年(1870年)>
・3月 英尺「フィート」を日本の1尺4厘と定める
・3月8日 エドモンド・モレルが鉄道技師長としてイギリスから招かれ、横浜港へ着く
・3月17日 東京府及び神奈川、品川の二県へ線路測量として雇外国人を率いて官員出張の旨を達する
・3月19日 鉄道掛を東京築地元尾張藩邸に創置する
・3月22日 横浜野毛町に於ける寒川県所轄の官舎(元修文館)に横浜出張所を置き。六鄕川を以て境界とし東西両端より起工することを定める
・3月25日 東京芝口汐留の近傍を量地すする
・3月27日 監督正上野景範に鉄道掛を命じる
・4月3日 横浜野毛浦海岸より亦測量を始める
・4月12日 元龍野、仙台、会津の三邸を敷地として、蒸気車会所建築の為に地均工事を開始する
・4月14日 土木権正平井義十郎を副とする
・5月26日 兵部省は蒸気車解除を他に建築するか、または線路を西方に移すことを上申する
・5月26日 横浜野毛町海岸地は前年2月以来埋め立てられ、当地を横浜停車場敷地とする
・6月 橋梁工事を起こし、神奈川第19橋から始める
・6月8日 大蔵省は高縄町兵部省用地の内を鉄道用地として引き渡し方を上申するが、兵部省が抵抗する
・7月10日 太政官は高輪富士鑑宿陣所を民部省に引き渡すべき事を命じるものの、兵部省引き渡しに応ぜず
・8月15日 鉄道掛は東京府庁を経て之を受領する
・10月 六鄕川本憍を起工、神奈川台の掘割に着手、八ッ山及び御殿山の掘割工事を起工する
・10月20日 工部省を設置し、鉄道は該省の所管に属せる
・10月22日 兵部省は元尾張、安藝その他の邸地を海軍所用地として受け取り、浜殿は宮内庁に返す
・11月 この月以降諸所の盛り土を始める
・12月 工部省は掲旗を定め、その章白布紅書工字とする
・12月14日 鉄道掛の事務局を省内に移す
・12月14日、28日 公書をもって、ホレシオ・ネルソン・レーの不正が発覚し、解雇される
<明治4年(1871年)>
・1月 品川七番砲台場の一部を取り壊しその石材を鉄道工事に使用船とを海軍所と協定する
・8月14日 鉄道寮は品川県と神奈川県に対して、線路立入禁止の通達を依頼する
・9月 横浜停車場本屋が落成する
・11月 汐留停車場本屋が落成する
<明治5年(1872年)>
・1月 品川停車場本屋が落成する
・2月26日 鉄道寮を汐留停車場本屋に移す
・2月28日 鉄道略則を決める
・5月3日 太政官布告「7日をもって品川横浜間を仮に開業する」が出される
・5月4日 鉄道犯罪罰例・改正鉄道略則を制定する
・5月7日 品川駅~横浜駅間で鉄道が仮開業し、一日2往復の列車が運行される
・5月8日 一日6往復に増便される
・5月27日 汐留停車場を新橋と改称する
・6月5日 川崎駅と神奈川駅(現在は廃駅)が営業を開始する
・8月 葵坂に新築したる工部省庁舎内に、鉄道寮を移す
・8月14日 工部省下に鉄道寮を設置する
・9月12日 新橋駅で、鉄道開業式典が催され、明治天皇と建設関係者を乗せたお召し列車が横浜まで往復運転する
・9月13日 新橋駅~横浜駅全区間で、営業運行が開始され、鶴見駅が開業する
・9月23日 技師長エドモンド・モレルが亡くなる
・9月29日 新橋~横浜間の工事全てが落成する
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
| 1696年(元禄9) | 第109代とされる明正天皇(女帝)の命日(新暦12月4日) | 詳細 |
| 1883年(明治16) | 日本画家橋本関雪の誕生日 | 詳細 |
| 1920年(大正9) | 日本画家福王寺法林の誕生日 | 詳細 |
| 1940年(昭和15) | 神武天皇即位2600年とされる「紀元二千六百年記念行事」が始まる | 詳細 |
| 1945年(昭和20) | 角川源義が角川書店を設立する | 詳細 |
| 1951年(昭和26) | 日教組が第1回全国教育研究大会を開催する | 詳細 |
| 1982年(昭和57) | 中央自動車道の勝沼IC~ 甲府昭和IC間が開通し、東京都杉並区と愛知県小牧市が繋がる | 詳細 |
| 2008年〈平成20〉 | 数学者伊藤清の命日 | 詳細 |



