今日は、昭和時代後期の1985年(昭和60)に、東京に於て、「日中原子力協定」が締結された日です。
「日中原子力協定」(にっちゅうげんしりょくきょうてい)は、核物質や原子力関連資機材・技術が軍事目的に利用されることを防ぐために設けられた法的枠組みの二国間協定で、正式には「原子力の平和利用における協力のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定」と言います。中国が国際原子力機関 (IAEA) の査察を受け入れること、日本の原発技術が軍事に転用されないことを保障する規定を明記しました。
1983年(昭和58)9月に北京で開催された第3回日中閣僚会議において、両国の原子力平和利用分野における協力を促進し,発展させるべく政府間で話し合いを進めていくことで日中両国の意見が一致します。これを受けて、日中間の原子力協力に関する政府レベルの初めての会合が同年10月東京において開催されました。
その後協議を重ねて、1985年(昭和60)7月31日に、第4回日中閣僚会議の場で締結に至ります。原子力分野における両国間の交流が一層拡充され、これを通じ,両国の友好関係の増進が図られることを期待するもとされました。
日本は、これ以外に、米国・英国・フランス・カナダ・オーストラリア・ロシア・カザフスタン・インド・ベトナム・韓国・ヨルダン・トルコ・アラブ首長国連合とそれぞれ二国間協定を締結、欧州原子力共同体(EURATOM)との間でも締結しています。
以下に、「日中原子力協力協定」を掲載しておきますので、ご参照下さい。
1983年(昭和58)9月に北京で開催された第3回日中閣僚会議において、両国の原子力平和利用分野における協力を促進し,発展させるべく政府間で話し合いを進めていくことで日中両国の意見が一致します。これを受けて、日中間の原子力協力に関する政府レベルの初めての会合が同年10月東京において開催されました。
その後協議を重ねて、1985年(昭和60)7月31日に、第4回日中閣僚会議の場で締結に至ります。原子力分野における両国間の交流が一層拡充され、これを通じ,両国の友好関係の増進が図られることを期待するもとされました。
日本は、これ以外に、米国・英国・フランス・カナダ・オーストラリア・ロシア・カザフスタン・インド・ベトナム・韓国・ヨルダン・トルコ・アラブ首長国連合とそれぞれ二国間協定を締結、欧州原子力共同体(EURATOM)との間でも締結しています。
以下に、「日中原子力協力協定」を掲載しておきますので、ご参照下さい。
〇「日中原子力協力協定」 1985年(昭和60)7月31日締結 1986年(昭和61)7月10日発効
原子力の平和的利用における協力のための日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定
昭和61年7月10日 条約第6号
日本国政府及び中華人民共和国政府は、
原子力の平和的利用における両国間の協力を促進することを希望して、
次のとおり協定した。
第1条
この協定の適用上、
(a) 「両締約国政府」とは、日本国政府及び中華人民共和国政府をいう。
(b) 「認められた者」とは、いずれか一方の締約国政府の管轄の下にある個人又は法人その他の団体であつて核物質、資材、設備及び施設を供給し若しくは受領すること又はコンサルタントの役務その他の役務を提供し若しくは受領することを当該締約国政府により認められた者をいい、日本国政府及び中華人民共和国政府を含まない。
(c) 「設備」とは、原子力活動における使用のために特に設計され又は製造された機械、プラント若しくは器具又はこれらの主要な構成部分であつて、この協定の附属書BのA部に掲げるものをいう。
(d) 「資材」とは、原子炉用の資材であつてこの協定の附属書BのB部に掲げるものをいい、核物質を含まない。
(e) 「核物質」とは、次に定義する「原料物質」又は「特殊核分裂性物質」をいう。
(i) 「原料物質」とは、次の物質をいう。
ウランの同位元素の天然の混合率から成るウラン同位元素ウラン235の劣化ウラントリウム金属、合金、化合物又は高含有物の形状において前記のいずれかの物質を含有する物質他の物質であつて両締約国政府が文書により認める含有率において前記の物質の1又は2以上を含有するもの
両締約国政府が文書により認めるその他の物質
(ii) 「特殊核分裂性物質」とは、次の物質をいう。
プルトニウム239
ウラン233
ウラン235
同位元素ウラン233又は235の濃縮ウラン
前記の物質の1又は2以上を含有する物質
両締約国政府が文書により認めるその他の物質
「特殊核分裂性物質」には、「原料物質」を含めない。
(f) 「施設」とは、原子力活動における使用のために特に設計され又は建設された建物又は構築物をいう。
(g) 「回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質」とは、この協定に基づいて供給された核物質、資材、設備又は施設の使用から1又は2以上の処理により生ずる特殊核分裂性物質をいう。
第2条
両締約国政府は、この協定並びにそれぞれの国において効力を有する関係法令及び許可要件に従うことを条件として、両国における原子力の平和的利用のため、次の方法により協力する。
(a) 両締約国政府は、専門家の交換によるそれぞれの管轄内にある組織の間における協力を助長する。日本国の組織と中国の組織との間におけるこの協定に基づく取決め又は契約の実施に伴い専門家の交換が行われる場合には、両締約国政府は、それぞれこれらの専門家の自国の領域への入国及び自国の領域における滞在を容易にする。
(b) 両締約国政府は、供給者と受領者との間において合意によつて定める条件で情報を交換することを容易にする。
(c) 一方の締約国政府又はその認められた者は、供給者と受領者との間の合意によつて定める条件で、核物質、資材、設備及び施設を他方の締約国政府又はその認められた者に供給し又はこれらから受領することができる。
(d) 一方の締約国政府又はその認められた者は、この協定の範囲内において、提供者と受領者との間の合意によつて定める条件で、他方の締約国政府又はその認められた者にコンサルタントの役務その他の役務を提供し又はこれらからコンサルタントの役務その他の役務の提供を受けることができる。
(e) 両締約国政府が適当と認めるその他の方法
第3条
第2条に規定する協力は、次に掲げる分野において行うことができる。
(a) 放射性同位元素及び放射線の研究及び応用
(b) ウラン資源の探鉱及び採掘
(c) 軽水炉及び重水炉の設計、建設及び運転
(d) 軽水炉及び重水炉の安全上の問題
(e) 放射性廃棄物の処理及び処分
(f) 放射線防護及び環境監視
(g) 両締約国政府が合意するその他の分野
第4条
1 この協定に基づく協力は、平和的目的に限つて行う。
2 この協定に基づいて受領された核物質、資材、設備及び施設並びに回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質は、いかなる核爆発装置の開発又は製造のためにも、また、いかなる軍事的目的のためにも使用してはならない。
3 2の規定の遵守を確保するため、両締約国政府は、この協定に基づいて受領された核物質、資材、設備及び施設並びに回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質に関し、それぞれの異なる立場に従い、国際原子力機関に対して、それぞれの管轄内において保障措置を適用することを要請する。
第5条
この協定に基づいて受領された核物質、資材、設備及び施設並びに回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質は、他方の締約国政府の文書による事前の同意がある場合を除き、一方の締約国政府の管轄の外に移転してはならない。
第6条
1 両締約国政府は、それぞれその管轄内にあるこの協定に基づいて受領された核物質及び回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質に対し、この協定の附属書Aに定める指針の示すところに沿つて、適切な防護の措置をとる。
2 この協定に基づいて受領された資材、設備及び施設は、必要な場合には、それぞれの国において効力を有する関係法令に従つて防護する。
第7条
1 両締約国政府は、この協定に基づく協力を促進するため、いずれか一方の締約国政府の要請に基づき、この協定に基づく協力の進展及び結果について検討すること並びに相互に関心を有する事項について討議することができる。
2 この協定の解釈又は実施から問題が生じた場合には、両締約国政府は、いずれか一方の締約国政府の要請に基づき、相互に協議する。
3 2に規定する協議又は両締約国政府の合意するその他の方法により問題が解決されない場合には、両締約国政府は、その問題を調停手続に付託することができる。
第8条
両締約国政府は、いずれか一方の締約国政府による第4条、第5条又は第6条の規定に対する違反があるときは、他方の締約国政府の要請に基づき、直ちに相互に協議を行い、第4条、第5条又は第6条の規定の遵守を確保するための適切な措置をとる。
第9条
この協定の附属書は、この協定の不可分の一部を成す。この協定の附属書は、両締約国政府の文書による合意により、この協定を改正することなく修正することができる。
第10条
1 この協定は、その効力発生のために国内法上必要とされる手続きがそれぞれの国において完了したことを確認する外交上の公文が交換された日に効力を生じ、かつ、15年間効力を有する。この協定は、いずれか一方の締約国政府がそれぞれの期間の満了の日の少なくとも6箇月前に他方の締約国政府に対してこの協定を終了させることを文書によつて通告しない限り、自動的に5年の期間ずつ延長される。
2 この協定の終了の後においても、この協定に基づいて受領された核物質、資材、設備及び施設並びに回収され又は副産物として生産された特殊核分裂性物質に関し、これらが関係締約国政府の管轄の下にある間又は両締約国政府により別段の合意が行われるまでの間、この協定の第1条及び第4条から第8条までの規定は、引き続き効力を有する。
3 両締約国政府は、いずれか一方の締約国政府の要請に基づき、この協定を改正するかしないかについて相互に協議するものとし、かつ、改正に合意することができる。
このような改正は、その効力発生のために国内法上必要とされる手続きがそれぞれの国において完了したことを相互に通告した日に効力を生ずる。
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けてこの協定に署名した。
1985年7月31日に東京で、ひとしく正文である日本語、中国語及び英語により本書2通を作成した。解釈に相違がある場合には、英語の本文による。
日本国政府のために
安倍晋太郎
中華人民共和国政府のために
呉学謙
(附属書略)
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
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