ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

2024年06月

chyuson0
 今日は、平成時代の2011年(平成23)に、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の世界遺産(文化遺産)への登録が決定した日です。
 「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」(ひらいずみ―ぶっこくどをあらわすけんちく・ていえん及びこうこがくてきいせきぐん―)は、平成時代の2011年(平成23)6月に登録された世界遺産(文化遺産)です。中尊寺・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡・金鶏山の5件が構成要素となっていて、その拠点に存在する4つの庭園は、奥州藤原氏により、現世における仏国土(浄土)の象徴的な表現、つまり池泉・樹林・金鶏山頂と関連して仏堂を周到に配置することにより実体化した理想郷の光景として造営されました。さらに、重厚に金箔を貼った中尊寺の仏堂(金色堂)は、12世紀から残る唯一のものであり、奥州藤原氏の巨大な富を反映しています。

〇世界遺産(せかいいさん)とは?

 世界遺産は、1972年(昭和47)のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リストに登録された、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象となっていて、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3つの種類があります。文化遺産は、顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文科的景観などで、自然遺産は、顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生態・生育地などで、複合遺産は、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているものとなっています。
 世界遺産リストに登録されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の登録基準のいずれか1つ以上に合致するとともに、真実性(オーセンティシティ)や完全性(インテグリティ)の条件を満たし、締約国の国内法によって、適切な保護管理体制がとられていることが必要とされています。

☆日本の世界遺産一覧(25件)

<文化遺産> 
・法隆寺地域の仏教建造物(奈良県生駒郡斑鳩町) 登録基準①②④⑥―1993年(平成5)12月登録 
【構成遺産】法隆寺、法起寺 
・姫路城(兵庫県姫路市) 登録基準①④―1993年(平成5)12月登録 
【構成遺産】姫路城 
・古都京都の文化財(京都府、滋賀県)登録基準②④―1994年(平成6)12月登録 
【構成遺産】賀茂別雷神社(上賀茂神社)、賀茂御祖神社(下鴨神社)、教王護国寺(東寺)、清水寺、延暦寺、醍醐寺、仁和寺(別称・御室御所)、平等院、宇治上神社、高山寺、西芳寺(別称・苔寺)、天龍寺、鹿苑寺(相国寺塔頭、別称・金閣寺)、慈照寺(相国寺塔頭、別称・銀閣寺)、龍安寺(妙心寺塔頭)、西本願寺(本願寺)、二条城 
・白川郷・五箇山の合掌造り集落(富山県、岐阜県)登録基準④⑤―1995年(平成7)12月登録 
【構成遺産】白川郷荻町集落、五箇山相倉集落、五箇山菅沼集落 
・原爆ドーム(広島県広島市) 登録基準⑥―1996年(平成8)12月 
【構成遺産】原爆ドーム 
・厳島神社(広島県廿日市市) 登録基準①②④⑥―1996年(平成8)12月登録 
【構成遺産】厳島神社 
・古都奈良の文化財(奈良県奈良市) 登録基準②③④⑥―1998年(平成10)12月登録 
【構成遺産】東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡、春日山原始林 
・日光の社寺(栃木県日光市) 登録基準①④⑥―1999年(平成11)12月登録 
【構成遺産】日光東照宮、日光二荒山神社(別宮本宮神社、別宮滝尾神社を含む)、日光山輪王寺 
・琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県) 登録基準②③⑥―2000年(平成12)12月登録 
【構成遺産】今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡、首里城跡、園比屋武御嶽石門、玉陵、識名園、斎場御嶽 
・紀伊山地の霊場と参詣道(和歌山県、奈良県、三重県) 登録基準②③④⑥―2004年(平成16)7月登録 
【構成遺産】吉野・大峯(吉野山、吉野水分神社、金峯神社、金峯山寺、吉水神社、大峰山寺)、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、青岸渡寺、那智大滝、那智原始林、補陀洛山寺)、高野山(丹生都比売神社、金剛峯寺、慈尊院、丹生官省符神社)、参詣道(大峯奥駈道、熊野参詣道、高野山町石道) 
・石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県大田市) 登録基準②③⑤―2007年(平成19)6月登録 
【構成遺産】銀鉱山跡と鉱山町(銀山柵内、代官所跡、矢滝城跡、矢筈城跡、 石見城跡、大森銀山伝統的重要建造物群保存地区、宮ノ前地区、重要文化財 熊谷家住宅、羅漢寺五百羅漢、佐毘売山神社)、石見銀山街道(鞆ヶ浦道、温泉津沖泊道)、港と港町(鞆ヶ浦、沖泊、温泉津重要伝統的建造物群保存地区)、その他周辺(石見銀山処刑場、千人壷、胴地蔵、人切岩) 
・平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―(岩手県西磐井郡平泉町) 登録基準②⑥―2011年(平成23)6月登録 
【構成遺産】中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山 
・富士山―信仰の対象と芸術の源泉(静岡県、山梨県) 登録基準③⑥―2013年(平成25)6月登録 
【構成遺産】富士山域(山頂の信仰遺跡群、大宮・村山口登山道、須山口登山道、須走口登山道、吉田口登山道、北口本宮冨士浅間神社、西湖、精進湖、本栖湖、青木ヶ原樹海)、富士山本宮浅間大社、山宮浅間神社、村山浅間神社、須山浅間神社、冨士浅間神社(須走浅間神社)、河口浅間神社 、冨士御室浅間神社、御師住宅(旧外川家住宅)、御師住宅(小佐野家住宅)、山中湖、河口湖、忍野八海(出口池)、忍野八海(お釜池)、忍野八海(底抜池)、忍野八海(銚子池)、忍野八海(湧池)、忍野八海(濁池)、忍野八海(鏡池)、忍野八海(菖蒲池)、船津胎内樹型、吉田胎内樹型、人穴富士講遺跡、白糸ノ滝、三保松原 
・富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県) 登録基準②④―2014年(平成26)6月登録 
【構成遺産】富岡製糸場、田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴 
・明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(山口県、鹿児島県、静岡県、岩手県他) 登録基準②④―2015年(平成27)7月登録 
【構成遺産】萩反射炉・恵美須ヶ鼻造船所跡・大板山たたら製鉄遺跡・萩城下町・松下村塾(山口県萩市)、旧集成館・寺山炭窯跡・関吉の疎水溝(鹿児島県鹿児島市)、韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)、橋野鉄鉱山(岩手県釜石市)、三重津海軍所跡(佐賀県佐賀市)、小菅修船場、三菱長崎造船所 第三船渠・長崎造船所 ジャイアントカンチレバークレーン・長崎造船所旧木型場・長崎造船所 占勝閣・高島炭鉱・端島炭鉱・旧グラバー住宅(長崎県長崎市)、三角西(旧)港(熊本県宇城市)、三池炭鉱 三池港(福岡県・熊本県)、官営八幡製鐵所(福岡県北九州市)、遠賀川水源地ポンプ室(福岡県中間市) 
・ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(東京都台東区) 登録基準①②⑥―2016年(平成28)7月登録 
【構成遺産】国立西洋美術館本館 
・「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県宗像市、福津市)登録基準②③―2017年(平成29)7月登録
【構成遺産】沖ノ島、小屋島、御門柱、天狗岩、宗像大社沖津宮遙拝所、宗像大社中津宮、宗像大社辺津宮(福岡県宗像市)、新原・奴山古墳群(福岡県福津市)
・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県、熊本県) 登録基準③―2018年(平成30)6月登録 
【構成遺産】大浦天主堂・外海の出津集落・外海の大野集落(長崎県長崎市)、原城跡(長崎県南島原市)、黒島の集落(長崎県佐世保市)、平戸島の聖地と集落=安満岳と春日集落・中江ノ島(長崎県平戸市)、野崎島の集落跡(長崎県北松浦郡小値賀町)、頭ヶ島の集落(長崎県南松浦郡新上五島町)、久賀島の集落・奈留島の江上集落(長崎県五島市)、天草の﨑津集落(熊本県天草市) 
・百舌鳥・古市古墳群 -古代日本の墳墓群(大阪府堺市、羽曳野市、藤井寺市)登録基準②④―2019年(平成31)7月登録
【構成遺産】大仙陵古墳、田出井山古墳、長塚古墳、永山古墳、丸保山古墳、銭塚古墳、大安寺山古墳、竜佐山古墳、収塚古墳、茶山古墳、孫太夫山古墳、菰山塚古墳、七観音古墳、塚廻古墳、銅亀山古墳、源右衛門山古墳(大阪府堺市堺区)、上石津ミサンザイ古墳、寺山南山古墳(大阪府堺市西区)、ニサンザイ古墳、御廟山古墳、いたすけ古墳、旗塚古墳、善右ヱ門山古墳(大阪府堺市北区)、誉田御廟山古墳、墓山古墳、白鳥陵古墳、二ツ塚古墳、峯ヶ塚古墳、向墓山古墳、誉田丸山古墳、西馬塚古墳、栗塚古墳、東馬塚古墳(大阪府羽曳野市)、仲ツ山古墳、岡ミサンザイ古墳、市ノ山古墳、津堂城山古墳、古室山古墳、大鳥塚古墳、はざみ山古墳、鍋塚古墳、浄元寺山古墳、青山古墳、鉢塚古墳、東山古墳、八島塚古墳、中山塚古墳、野中古墳、助太山古墳(大阪府藤井寺市)
・北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道、青森県、岩手県、秋田県)登録基準③⑤―2021年(令和3)7月登録
【構成遺産】キウス周堤墓群(北海道千歳市)、北黄金貝塚(北海道伊達市)、入江・高砂貝塚(北海道洞爺湖町)、大船遺跡(北海道函館市)、垣ノ島遺跡(北海道函館市)、三内丸山遺跡(青森県青森市)、小牧野遺跡(青森県青森市)、是川遺跡(青森県八戸市)、亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)、田小屋野貝塚(青森県つがる市)、大森勝山遺跡(青森県弘前市)、二ツ森貝塚(青森県七戸町)、大平山元I遺跡(青森県外ヶ浜町)、御所野遺跡(岩手県一戸町)、大湯環状列石(秋田県鹿角市)、伊勢堂岱遺跡(秋田県北秋田市)

<自然遺産>  
・屋久島(鹿児島県熊毛郡屋久島町) 登録基準⑦⑨―1993年(平成5)12月登録 
・白神山地(青森県、秋田県) 登録基準⑨―1993年(平成5)12月登録 
・知床(北海道) 登録基準⑨⑩―2005年(平成17)7月登録 
・小笠原諸島(東京都小笠原村) 登録基準⑨―2011年(平成23)6月登録 
・奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県、沖縄県) 登録基準⑩―2021年(令和3)7月登録

(登録基準の内容)
① 人類の創造的才能を表現する傑作。
② ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
③ 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
④ 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
⑤ ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
⑥ 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
⑦ ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
⑧ 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
⑨ 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
⑩ 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1734年(享保19)読本作者・歌人・国学者上田秋成の誕生日(新暦7月25日)詳細
1884年(明治17)岡倉天心とフェノロサが法隆寺夢殿の救世観音を調査詳細
1894年(明治27)「(第1次)高等学校令」が公布(施行は同年9月11日)される詳細
1941年(昭和16)第33回大本営政府連絡会議で、「南方施策促進に関する件」が決定され、同日に上奏裁可される詳細
1943年(昭和18)「学徒戦時動員体制確立要綱」が閣議決定される詳細
1956年(昭和31)作曲家・箏曲家宮城道雄の命日詳細
1993年(平成5)「ウィーン宣言及び行動計画」が世界人権会議により採択される詳細
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ogasawarashyotou001
 今日は、平成時代の2011年(平成23)に、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の第35回世界遺産委員会で、「小笠原諸島」の世界遺産(自然遺産)への登録が決定(正式登録は6月29日)された日です。
 「小笠原諸島」(おがさわらしょとう)は、平成時代の2011年(平成23)6月に登録された世界遺産(自然遺産)です。東京都小笠原村にありますが、東京都庁から南に約1,000km 離れた位置にあり、「ボニンブルー」とよばれる紺碧の海と切り立った断崖に囲まれた大小30ほどの島々から構成されてきました。
 世界遺産の区域となっているのは、聟(むこ)島列島、父島列島、母島列島、北硫黄島、南硫黄島、西之島で、総面積は約7,900haです。小さい島でありながら、小笠原でしか見ることのできない固有種の割合が高いこと、特に陸産貝類(カタツムリの仲間)や植物において、進化の過程がわかる貴重な証拠が残されていることが高く評価されました。亜熱帯起源のムニンヒメツバキや、日本本土起源のナガバキブシ、オセアニア起源のノヤシなど、多様な起源の植物もまた生息しています。
 日本国内の自然遺産は白神山地(青森県・秋田県)、屋久島(鹿児島県)、知床(北海道)に続く4ヶ所目となりました。尚、2021年(令和3)7月に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島県、沖縄県)が登録され、現在国内では、世界遺産(自然遺産)は、5ヶ所となっています。

〇世界遺産登録決定時の小笠原村長森下一男のメッセージ

 本日、パリで開催中の第35回世界遺産委員会で、小笠原諸島の世界自然遺産登録の可否が審議され、正式に「登録」という結果になったと委員会に出席している石田副村長より報告を受けました。 これまでご理解とご協力をいただいた村民の皆さまに心より感謝を申し上げるとともに、喜びをともに分かち合えることができ、大変うれしく思っています。 小笠原諸島は、海洋島として独自の進化を遂げた固有の動植物が多く、クジラやイルカをはじめ多くの海洋生物が生息している自然豊かな島々です。 今後とも、小笠原諸島の豊かな自然を人類共通のかけがえのない財産として誇りに思い、国や東京都などの関係機関や村民の皆様と協力しながら、未来に引き継いでいくための課題を解決し、村の活性化を図ってまいります。
 平成23年6月24日 小笠原村長 森下一男

  「小笠原村ホームページ」より

〇世界遺産(せかいいさん)とは?

 世界遺産は、1972年(昭和47)のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リストに登録された、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象となっていて、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3つの種類があります。文化遺産は、顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文科的景観などで、自然遺産は、顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生態・生育地などで、複合遺産は、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているものとなっています。
 世界遺産リストに登録されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の登録基準のいずれか1つ以上に合致するとともに、真実性(オーセンティシティ)や完全性(インテグリティ)の条件を満たし、締約国の国内法によって、適切な保護管理体制がとられていることが必要とされています。

☆日本の世界遺産一覧(25件)

<文化遺産> 
・法隆寺地域の仏教建造物(奈良県生駒郡斑鳩町) 登録基準①②④⑥―1993年(平成5)12月登録 
【構成遺産】法隆寺、法起寺 
・姫路城(兵庫県姫路市) 登録基準①④―1993年(平成5)12月登録 
【構成遺産】姫路城 
・古都京都の文化財(京都府、滋賀県)登録基準②④―1994年(平成6)12月登録 
【構成遺産】賀茂別雷神社(上賀茂神社)、賀茂御祖神社(下鴨神社)、教王護国寺(東寺)、清水寺、延暦寺、醍醐寺、仁和寺(別称・御室御所)、平等院、宇治上神社、高山寺、西芳寺(別称・苔寺)、天龍寺、鹿苑寺(相国寺塔頭、別称・金閣寺)、慈照寺(相国寺塔頭、別称・銀閣寺)、龍安寺(妙心寺塔頭)、西本願寺(本願寺)、二条城 
・白川郷・五箇山の合掌造り集落(富山県、岐阜県)登録基準④⑤―1995年(平成7)12月登録 
【構成遺産】白川郷荻町集落、五箇山相倉集落、五箇山菅沼集落 
・原爆ドーム(広島県広島市) 登録基準⑥―1996年(平成8)12月 
【構成遺産】原爆ドーム 
・厳島神社(広島県廿日市市) 登録基準①②④⑥―1996年(平成8)12月登録 
【構成遺産】厳島神社 
・古都奈良の文化財(奈良県奈良市) 登録基準②③④⑥―1998年(平成10)12月登録 
【構成遺産】東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡、春日山原始林 
・日光の社寺(栃木県日光市) 登録基準①④⑥―1999年(平成11)12月登録 
【構成遺産】日光東照宮、日光二荒山神社(別宮本宮神社、別宮滝尾神社を含む)、日光山輪王寺 
・琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県) 登録基準②③⑥―2000年(平成12)12月登録 
【構成遺産】今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡、首里城跡、園比屋武御嶽石門、玉陵、識名園、斎場御嶽 
・紀伊山地の霊場と参詣道(和歌山県、奈良県、三重県) 登録基準②③④⑥―2004年(平成16)7月登録 
【構成遺産】吉野・大峯(吉野山、吉野水分神社、金峯神社、金峯山寺、吉水神社、大峰山寺)、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、青岸渡寺、那智大滝、那智原始林、補陀洛山寺)、高野山(丹生都比売神社、金剛峯寺、慈尊院、丹生官省符神社)、参詣道(大峯奥駈道、熊野参詣道、高野山町石道) 
・石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県大田市) 登録基準②③⑤―2007年(平成19)6月登録 
【構成遺産】銀鉱山跡と鉱山町(銀山柵内、代官所跡、矢滝城跡、矢筈城跡、 石見城跡、大森銀山伝統的重要建造物群保存地区、宮ノ前地区、重要文化財 熊谷家住宅、羅漢寺五百羅漢、佐毘売山神社)、石見銀山街道(鞆ヶ浦道、温泉津沖泊道)、港と港町(鞆ヶ浦、沖泊、温泉津重要伝統的建造物群保存地区)、その他周辺(石見銀山処刑場、千人壷、胴地蔵、人切岩) 
・平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―(岩手県西磐井郡平泉町) 登録基準②⑥―2011年(平成23)6月登録 
【構成遺産】中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山 
・富士山―信仰の対象と芸術の源泉(静岡県、山梨県) 登録基準③⑥―2013年(平成25)6月登録 
【構成遺産】富士山域(山頂の信仰遺跡群、大宮・村山口登山道、須山口登山道、須走口登山道、吉田口登山道、北口本宮冨士浅間神社、西湖、精進湖、本栖湖、青木ヶ原樹海)、富士山本宮浅間大社、山宮浅間神社、村山浅間神社、須山浅間神社、冨士浅間神社(須走浅間神社)、河口浅間神社 、冨士御室浅間神社、御師住宅(旧外川家住宅)、御師住宅(小佐野家住宅)、山中湖、河口湖、忍野八海(出口池)、忍野八海(お釜池)、忍野八海(底抜池)、忍野八海(銚子池)、忍野八海(湧池)、忍野八海(濁池)、忍野八海(鏡池)、忍野八海(菖蒲池)、船津胎内樹型、吉田胎内樹型、人穴富士講遺跡、白糸ノ滝、三保松原 
・富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県) 登録基準②④―2014年(平成26)6月登録 
【構成遺産】富岡製糸場、田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴 
・明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(山口県、鹿児島県、静岡県、岩手県他) 登録基準②④―2015年(平成27)7月登録 
【構成遺産】萩反射炉・恵美須ヶ鼻造船所跡・大板山たたら製鉄遺跡・萩城下町・松下村塾(山口県萩市)、旧集成館・寺山炭窯跡・関吉の疎水溝(鹿児島県鹿児島市)、韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)、橋野鉄鉱山(岩手県釜石市)、三重津海軍所跡(佐賀県佐賀市)、小菅修船場、三菱長崎造船所 第三船渠・長崎造船所 ジャイアントカンチレバークレーン・長崎造船所旧木型場・長崎造船所 占勝閣・高島炭鉱・端島炭鉱・旧グラバー住宅(長崎県長崎市)、三角西(旧)港(熊本県宇城市)、三池炭鉱 三池港(福岡県・熊本県)、官営八幡製鐵所(福岡県北九州市)、遠賀川水源地ポンプ室(福岡県中間市) 
・ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(東京都台東区) 登録基準①②⑥―2016年(平成28)7月登録 
【構成遺産】国立西洋美術館本館 
・「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県宗像市、福津市)登録基準②③―2017年(平成29)7月登録
【構成遺産】沖ノ島、小屋島、御門柱、天狗岩、宗像大社沖津宮遙拝所、宗像大社中津宮、宗像大社辺津宮(福岡県宗像市)、新原・奴山古墳群(福岡県福津市)
・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県、熊本県) 登録基準③―2018年(平成30)6月登録 
【構成遺産】大浦天主堂・外海の出津集落・外海の大野集落(長崎県長崎市)、原城跡(長崎県南島原市)、黒島の集落(長崎県佐世保市)、平戸島の聖地と集落=安満岳と春日集落・中江ノ島(長崎県平戸市)、野崎島の集落跡(長崎県北松浦郡小値賀町)、頭ヶ島の集落(長崎県南松浦郡新上五島町)、久賀島の集落・奈留島の江上集落(長崎県五島市)、天草の﨑津集落(熊本県天草市) 
・百舌鳥・古市古墳群 -古代日本の墳墓群(大阪府堺市、羽曳野市、藤井寺市)登録基準②④―2019年(平成31)7月登録
【構成遺産】大仙陵古墳、田出井山古墳、長塚古墳、永山古墳、丸保山古墳、銭塚古墳、大安寺山古墳、竜佐山古墳、収塚古墳、茶山古墳、孫太夫山古墳、菰山塚古墳、七観音古墳、塚廻古墳、銅亀山古墳、源右衛門山古墳(大阪府堺市堺区)、上石津ミサンザイ古墳、寺山南山古墳(大阪府堺市西区)、ニサンザイ古墳、御廟山古墳、いたすけ古墳、旗塚古墳、善右ヱ門山古墳(大阪府堺市北区)、誉田御廟山古墳、墓山古墳、白鳥陵古墳、二ツ塚古墳、峯ヶ塚古墳、向墓山古墳、誉田丸山古墳、西馬塚古墳、栗塚古墳、東馬塚古墳(大阪府羽曳野市)、仲ツ山古墳、岡ミサンザイ古墳、市ノ山古墳、津堂城山古墳、古室山古墳、大鳥塚古墳、はざみ山古墳、鍋塚古墳、浄元寺山古墳、青山古墳、鉢塚古墳、東山古墳、八島塚古墳、中山塚古墳、野中古墳、助太山古墳(大阪府藤井寺市)
・北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道、青森県、岩手県、秋田県)登録基準③⑤―2021年(令和3)7月登録
【構成遺産】キウス周堤墓群(北海道千歳市)、北黄金貝塚(北海道伊達市)、入江・高砂貝塚(北海道洞爺湖町)、大船遺跡(北海道函館市)、垣ノ島遺跡(北海道函館市)、三内丸山遺跡(青森県青森市)、小牧野遺跡(青森県青森市)、是川遺跡(青森県八戸市)、亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)、田小屋野貝塚(青森県つがる市)、大森勝山遺跡(青森県弘前市)、二ツ森貝塚(青森県七戸町)、大平山元I遺跡(青森県外ヶ浜町)、御所野遺跡(岩手県一戸町)、大湯環状列石(秋田県鹿角市)、伊勢堂岱遺跡(秋田県北秋田市)

<自然遺産>  
・屋久島(鹿児島県熊毛郡屋久島町) 登録基準⑦⑨―1993年(平成5)12月登録 
・白神山地(青森県、秋田県) 登録基準⑨―1993年(平成5)12月登録 
・知床(北海道) 登録基準⑨⑩―2005年(平成17)7月登録 
・小笠原諸島(東京都小笠原村) 登録基準⑨―2011年(平成23)6月登録 
・奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県、沖縄県) 登録基準⑩―2021年(令和3)7月登録

(登録基準の内容)
① 人類の創造的才能を表現する傑作。
② ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
③ 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
④ 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
⑤ ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
⑥ 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
⑦ ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
⑧ 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
⑨ 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
⑩ 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

672年(弘文天皇元)出家・隠棲していた大海人皇子が吉野を出発し、壬申の乱が始まる(新暦7月24日)詳細
781年(天応元)公卿・文人石上宅嗣の命日(新暦7月19日)詳細
1361年(正平16/康安元)南海トラフ沿いの巨大地震である正平地震が発生し、津波も起こり、大きな被害を出す詳細
1839年(天保10)蛮社の獄で渡辺崋山や高野長英らが逮捕された新暦換算日(旧暦では5月14日)詳細
1885年(明治18)坪内逍遥著の小説『当世書生気質』が刊行開始される詳細
1904年(明治37)建築家・文筆家谷口吉郎の誕生日詳細
1940年(昭和15)近衛文麿による新体制運動が開始される詳細
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

tanegashimauchyuusenta01
 今日は、昭和時代後期の1969年(昭和44)に、「宇宙開発事業団法」が公布・施行され、宇宙開発事業団の設置(同年10月1日発足)が決まった日です。
 宇宙開発事業団(うちゅうかいはつじぎょうだん)は、「宇宙開発事業団法」(昭和44年法律第50号)に基づき、わが国の宇宙開発の中枢的実施機関として、1969年(昭和44)10月1日に設立されます。人工衛星とその打ち上げ用ロケットの開発、打ち上げ、追跡を主要な業務とし、種子島宇宙センター、筑波宇宙センター、角田ロケット開発センター、地球観測センターなどを擁していました。また、アメリカの提唱する国際宇宙ステーションに参加することとなり、日本実験モジュール(JEM)を開発し、また搭乗する宇宙飛行士の養成なども行っています。2001年(平成13)の中央省庁改編に伴い、文部科学省の所管となり、 2003年(平成15)10月に、航空宇宙技術研究所、宇宙科学研究所と統合し、独立行政法人・宇宙航空研究開発機構となりました。以下に、「宇宙開発事業団法」(昭和44年法律第50号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇宇宙開発事業団関係略年表

・1969年(昭和44)10月1日 「宇宙開発事業団法」により、科学技術庁所管として宇宙開発事業団発足し、本社ならびに種子島宇宙センター、小平分室、三鷹分室および勝浦・沖縄の両電波追跡所で業務開始
・1970年(昭和45) N-Iロケットの開発に着手する
・1972年(昭和47) 筑波宇宙センターが発足する
・1975年(昭和50) N-Iロケット1号機にて技術試験衛星I型「きく1号」(ETS-1)を打ち上げる
・1976年(昭和51) N-IIロケットの開発に着手する
・1977年(昭和52) N-Iロケット3号機にて我が国初の静止衛星 技術試験衛星II型「きく2号(ETS-II)」を打ち上げる
・1978年(昭和53) 地球観測センターが発足する
・1979年(昭和54) 種子島に宇宙開発展示館が開館する
・1980年(昭和55) 角田ロケット開発センターが発足する
・1981年(昭和56) H-Iロケットの開発に着手、N-IIロケット運用開始する
・1982年(昭和57) N-Iロケット運用終了(合計7機)、H-Iロケット打ち上げのための射点設備工事に着手(種子島)する
・1985年(昭和60) 宇宙ステーション予備設計段階活動開始、H-IIロケット打ち上げのための射点設備工事に着手(種子島)、搭乗科学技術者3名を決定する
・1986年(昭和61) H-Iロケット運用開始、H-IIロケットの開発に着手する
・1987年(昭和62) N-IIロケット運用終了(合計8機)する
・1988年(昭和63) 「宇宙ステーション政府間協力協定(IGA)」に署名(米・加・欧・日)、LE-7エンジン燃焼試験設備完成(種子島)する
・1989年(平成元) 「宇宙ステーション政府間協力協定(IGA)」を国会承認する
・1990年(平成2) 第一次材料実験(ふわっと'91)計画のプライムPS決定する
・1991年(平成3) 宇宙飛行士候補募集開始する
・1992年(平成4) 第1次材料実験(ふわっと'92)実施、宇宙飛行士候補者1名決定、H-Iロケット運用終了(合計9機)、第2次国際微小重力実験室のPS決定する
・1993年(平成5) J-Iロケットの開発に着手する
・1994年(平成6) H-IIロケット性能確認用ペイロード「みょうじょう」(VEP)打ち上げ)、第2次国際微小重力実験室(IML-2)実施、H-IIロケット試験機1号機にて軌道再突入実験機「りゅうせい」(OREX)H-IIロケット試験機2号機にて技術試験衛星VI型「きく6号」(ETS-VI)打ち上げる
・1995年(平成7) H-IIロケット試験機3号機にて宇宙実験・観測フリーフライヤ(SFU)、静止気象衛星5号「ひまわり5号(GMS-5)」打ち上げ
・1996年(平成8) H-IIロケット4号機にて地球観測プラットホーム技術衛星「みどり」(ADEOS)とアマチュア衛星3号「ふじ3号」(JAS-2)打ち上げ、小型自動着陸実験「ALFLEX」を計13回実施、宇宙飛行士候補者1名決定、J-Iロケットにて極超音速飛行実験「HYFLEX」打ち上げ、STS-72ミッションにて宇宙実験・観測フリーフライヤ(SFU)回収
・1997年(平成9) STS-87ミッションにて日本人初の船外活動実施、H-IIロケット6号機にて技術試験衛星VII型「きく7号」(ETS-VII)と熱帯降雨観測衛星「TRMM」打ち上げ
・1998年(平成10) H-IIロケット5号機にて通信放送技術衛星「かけはし」(COMETS)打ち上げ、STS-95ミッションにてライフサイエンス実験実施
・1999年(平成11) 宇宙飛行士候補者3名決定、H-IIロケット8号機打ち上げ失敗する
・2000年(平成12) STS-99ミッションにてSRTMによる地球観測をする
・2001年(平成13) 中央省庁再編に伴い、文部科学省の所管となり、H-IIAロケット試験機1号機にてレーザ測距装置(LRE)分離に成功する
・2002年(平成14) H-IIAロケット試験機2号機にて民生部品・コンポーネント実証衛星「つばさ」(MDS-1)および高速再突入実験機(DASH)打ち上げ、H-IIAロケット4号機にて環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)および小型副衛星3機(マイクロラブサット1号機、豪州小型衛星(FedSAT)、H-IIAロケット3号機にてデータ中継技術衛星「こだま」(DRTS)および次世代型無人宇宙実験システム(USERS)打ち上げ、鯨生態観測衛星(WEOS))打ち上げ
・2003年(平成15) H-IIAロケット5号機にて情報収集衛星打ち上げ、宇宙科学研究所、航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団の3機関が統合して、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)として発足

☆「宇宙開発事業団法」(昭和44年法律第50号) 1969年(昭和44)6月23日公布・施行

   第一章 総則

 (目的)

第一条 宇宙開発事業団は、平和の目的に限り、人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケットの開発、打上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行ない、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるものとする。

 (法人格)

第二条 宇宙開発事業団(以下「事業団」という。)は、法人とする。

 (事務所)

第三条 事業団は、主たる事務所を東京都に置く。
2 事業団は、内閣総理大臣の認可を受けて、必要な地に従たる事務所を置くことができる。

 (資本金)

第四条 事業団の資本金は、次に掲げる金額の合計額とする。
 一 五億円
 二 附則第三条第二項の規定により政府から出資があつたものとされる金額
 三 事業団の設立に際し政府以外の者が出資する金額
2 政府は、事業団の設立に際し、前項第一号の五億円を出資するものとする。
3 事業団は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
4 政府は、前項の規定により事業団がその資本金を増加するときは、予算で定める金額の範囲内において、事業団に出資することができる。
5 政府は、事業団に出資するときは、土地、建物その他の土地の定着物又は物品(以下「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。
6 前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
7 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

 (出資証券)

第五条 事業団は、出資に対し、出資証券を発行する。
2 出資証券は、記名式とする。
3 前項に規定するもののほか、出資証券に関し必要な事項は、政令で定める。

 (持分の払戻し等の禁止)

第六条 事業団は、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
2 事業団は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。

 (登記)

第七条 事業団は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
2 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。

 (名称の使用制限)

第八条 事業団でない者は、宇宙開発事業団という名称を用いてはならない。

 (民法の準用)

第九条 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四十四条(法人の不法行為能力)及び第五十条(法人の住所)の規定は、事業団について準用する。

   第二章 役員等

 (役員)

第十条 事業団に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置く。
2 事業団に、役員として、前項の理事のほか、非常勤の理事二人以内を置くことができる。

 (役員の職務及び権限)

第十一条 理事長は、事業団を代表し、その業務を総理する。
2 副理事長は、事業団を代表し、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行なう。
3 理事(非常勤の理事を除く。)は、理事長の定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行なう。
4 非常勤の理事は、理事長の定めるところにより、理事長及び副理事長を補佐して事業団の業務を掌理する。
5 監事は、事業団の業務を監査する。
6 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は主務大臣(内閣総理大臣にあつては、第四十条の規定により委任された場合には、科学技術庁長官。第四十一条第二項及び第四十三条第一号において同じ。)に意見を提出することができる。

 (役員の任命)

第十二条 理事長は、内閣総理大臣が宇宙開発委員会の同意を得て任命する。
2 副理事長及び理事は、理事長が内閣総理大臣の認可を受けて任命する。
3 監事は、内閣総理大臣が宇宙開発委員会の意見をきいて任命する。

 (役員の任期)

第十三条 理事長、副理事長及び理事の任期は、四年とし、監事の任期は、二年とする。
2 役員は、再任されることができる。

 (役員の欠格条項)

第十四条 次の各号の一に該当する者は、役員となることができない。
 一 政府又は地方公共団体の職員(教育公務員で政令で定めるもの及び非常勤の者を除く。)
 二 物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者で事業団と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
 三 前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)

 (役員の解任)

第十五条 内閣総理大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条各号の一に該当するに至つたときは、その役員を解任しなければならない。
2 内閣総理大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号の一に該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、第十二条の例により、その役員を解任することができる。
 一 心身の故障のため職務の執行に堪えないと認められるとき。
 二 職務上の義務違反があるとき。

 (役員の兼職禁止)

第十六条 役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

 (代表権の制限)

第十七条 事業団と理事長又は副理事長との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合には、監事が事業団を代表する。

 (代理人の選任)

第十八条 理事長及び副理事長は、理事又は事業団の職員のうちから、事業団の従たる事務所の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する代理人を選任することができる。

 (顧問)

第十九条 事業団に、その業務の運営に関する重要事項に参画させるため、顧問を置くことができる。
2 顧問は、学識経験のある者のうちから、理事長が内閣総理大臣の認可を受けて任命する。

 (職員の任命)

第二十条 事業団の職員は、理事長が任命する。

 (役員等の公務員たる性質)

第二十一条 役員、顧問及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 業務

 (業務の範囲)

第二十二条 事業団は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行なう。
 一 人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケット(以下この条及び第三十九条第一項において「人工衛星等」という。)の開発並びにこれに必要な施設及び設備の開発
 二 その開発に係る人工衛星等の打上げ及び追跡並びにこれらに必要な方法、施設及び設備の開発
 三 第一号の開発並びに人工衛星等の打上げ及び追跡並びにこれらに必要な方法、施設及び設備の開発で、委託に応じて行なうもの
 四 前三号に掲げる業務に附帯する業務
 五 前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するため必要な業務
2 事業団は、次の義務を行なう場合には、主務大臣の認可を受けて定める基準に従わなければならない。
 一 前項第二号の人工衛星等の打上げ
 二 前項第三号に掲げる業務
3 事業団は、第一項第五号に掲げる業務を行なおうとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
4 事業団は、第一項の業務を行なうほか、主務大臣の認可を受けて定める基準に従つて、その設置する開発のための施設及び設備を宇宙の開発を行なう者の利用に供することができる。

 (業務の委託)

第二十三条 事業団は、主務大臣の認可を受けて定める基準に従つてその業務の一部を委託することができる。

 (業務運営の基準)

第二十四条 事業団の業務は、宇宙開発委員会の議決を経て内閣総理大臣が定める宇宙開発に関する基本計画に基づいて行なわれなければならない。

   第四章 財務及び会計

 (事業年度)

第二十五条 事業団の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。

 (事業計画等の認可)

第二十六条 事業団は、毎事業年度、事業計画、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (決算)

第二十七条 事業団は、毎事業年度の決算を翌年度の五月三十一日までに完結しなければならない。

 (財務諸表)

第二十八条 事業団は、毎事業年度、財産目録、貸借対照表及び損益計算書(次項及び次条において「財務諸表」という。)を作成し、決算完結後一月以内に主務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
2 事業団は、前項の規定により財務諸表を主務大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書を添え、並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見をつけなければならない。

 (書類の送付)

第二十九条 事業団は、第二十六条又は前条第一項の規定により認可又は承認を受けたときは、当該認可又は承認に係る事業計画、予算及び資金計画に関する書類又は財務諸表を、事業団に出資した者のうち政府以外のものに送付しなければならない。

 (利益及び損失の処理)

第三十条 事業団は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
2 事業団は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。

 (短期借入金)

第三十一条 事業団は、内閣総理大臣の認可を受けて、短期借入金をすることができる。
2 前項の規定による短期借入金は、当該事業年度内に償還しなければならない。ただし、資金の不足のため償還することができないときは、その償還することができない金額に限り、内閣総理大臣の認可を受けて、これを借り換えることができる。
3 前項ただし書の規定により借り換えた短期借入金は、一年以内に償還しなければならない。

 (余裕金の運用)

第三十二条 事業団は、次の方法による場合を除くほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
 一 国債その他内閣総理大臣の指定する有価証券の取得
 二 銀行への預金又は郵便貯金
 三 信託業務を営む銀行又は信託会社への金銭信託

 (財産の処分等の制限)

第三十三条 事業団は、主務省令で定める重要な財産を貸し付け、譲渡し、交換し、又は担保に供しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

 (給与及び退職手当の支給の基準)

第三十四条 事業団は、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、内閣総理大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 (主務省令への委任)

第三十五条 この法律に規定するもののほか、事業団の財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。

   第五章 監督

 (監督)

第三十六条 事業団は、主務大臣が監督する。
2 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

 (報告の徴取及び立入検査)

第三十七条 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業団に対しその業務に関し報告をさせ、又はその職員に事業団の事務所その他の事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
2 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

   第六章 雑則

 (解散)

第三十八条 事業団は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額を限度として分配するものとする。
2 前項に規定するもののほか、事業団の解散については、別に法律で定める。

 (主務大臣及び主務省令)

第三十九条 この法律において主務大臣は、内閣総理大臣、郵政大臣及び人工衛星等の開発に係る事項を所管する大臣で政令で定めるものとする。
2 この法律において主務省令は、主務大臣の発する命令とする。

 (科学技術庁長官への委任)

第四十条 内閣総理大臣は、次の権限を科学技術庁長官に委任することができる。
 一 第三条第二項、第四条第三項、第二十二条第二項から第四項まで、第二十三条、第二十六条、第三十一条第一項若しくは第二項ただし書又は第三十三条の規定による認可
 二 第十六条ただし書、第二十八条第一項又は第三十四条の規定による承認
 三 第三十二条第一号の規定による指定
 四 第三十七条第一項の規定による報告の徴取及び立入検査

 (大蔵大臣との協議)

第四十一条 内閣総理大臣(前条の規定により委任された場合には、科学技術庁長官。第四十三条第一号において同じ。)は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣に協議しなければならない。
 一 第二十四条の基本計画を定めようとするとき。
 二 第三十一条第一項又は第二項ただし書の規定による認可をしようとするとき。
 三 第三十二条第一号の規定による指定をしようとするとき。
 四 第三十四条の規定による承認をしようとするとき。
2 主務大臣は、次の場合には、あらかじめ、大蔵大臣に協議しなければならない。
 一 第四条第三項、第二十二条第二項第二号若しくは第三項、第二十六条又は第三十三条の規定による認可をしようとするとき。
 二 第二十八条第一項の規定による承認をしようとするとき。
 三 第三十三条又は第三十五条の規定により主務省令を定めようとするとき。

   第七章 罰則

 (罰則)

第四十二条 第三十七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合には、その違反行為をした事業団の役員又は職員は、三万円以下の罰金に処する。

第四十三条 次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした事業団の役員は、三万円以下の過料に処する。
 一 この法律により内閣総理大臣又は主務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかつたとき。
 二 第七条第一項の政令の規定に違反して登記することを怠つたとき。
 三 第二十二条第一項及び第四項の業務以外の業務を行なつたとき。
 四 第三十二条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。
 五 第三十六条第二項の規定による主務大臣の命令に違反したとき。

第四十四条 第八条の規定に違反した者は、一万円以下の過料に処する。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第八条から第十八条までの規定は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (事業団の設立)

第二条 内閣総理大臣は、第十二条第一項又は第三項の例により、事業団の理事長又は監事となるべき者を指名する。
2 前項の規定により指名された理事長又は監事となるべき者は、事業団の成立の時において、この法律の規定により、それぞれ理事長又は監事に任命されたものとする。
3 内閣総理大臣は、設立委員を命じて、事業団の設立に関する事務を処理させる。
4 設立委員は、政府以外の者に対し、事業団に対する出資を募集しなければならない。
5 設立委員は、前項の募集が終わつたときは、主務大臣に対し、設立の認可を申請しなければならない。
6 設立委員は、前項の認可を受けたときは、政府及び出資の募集に応じた政府以外の者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。
7 設立委員は、出資金の払込みがあつた日において、その事務を第一項の規定により指名された理事長となるべき者に引き継がなければならない。
8 第一項の規定により指名された理事長となるべき者は、前項の事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
9 事業団は、前項の規定による設立の登記をすることによつて成立する。

 (権利義務の承継等)

第三条 事業団の成立の際、現に国が有する権利及び義務のうち、科学技術庁設置法(昭和三十一年法律第四十九号)第二十条の二第一項の規定による科学技術庁宇宙開発推進本部の所掌事務及び郵政省設置法(昭和二十三年法律第二百四十四号)第十七条の二の規定による郵政省電波研究所の所掌事務(電離層の観測のための人工衛星の開発に係るものに限る。)に関するもので政令で定めるものは、事業団の成立の時において、事業団が承継する。
2 前項の規定により事業団が国の有する権利及び義務を承継したときは、その承継の際、その承継される権利に係る土地、建物、物品その他の財産で政令で定めるものの価額の合計額に相当する金額は、政府から事業団に対し出資されたものとする。
3 前項の規定により政府から出資があつたものとされる同項の財産の価額は、事業団の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
4 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
5 第一項の規定により事業団が国の有する権利を承継した場合には、当該承継に伴う登記若しくは登録又は当該承継に係る不動産の取得については、登録免許税又は不動産取得税を課さない。

 (経過規定)

第四条 事業団が昭和四十五年三月三十一日までに、第四条第五項の規定による政府からの出資を受ける場合には、当該出資の目的とされる土地等に係る登記については、登録免許税を課さない。

第五条 この法律の施行の際、現に宇宙開発事業団という名称を使用している者については、第八条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

第六条 事業団の最初の事業年度は、第二十五条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、昭和四十五年三月三十一日に終わるものとする。

第七条 事業団の最初の事業年度の事業計画、予算及び資金計画については、第二十六条中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「事業団の成立後遅滞なく」と読み替えるものとする。

 (関係法律の一部改正)

第八条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表中医療金融公庫の項の次に次のように加える。

宇宙開発事業団

宇宙開発事業団法(昭和四十四年法律第五十号)

第九条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第二第一号の表中アジア経済研究所の項の次に次のように加える。

宇宙開発事業団

宇宙開発事業団法(昭和四十四年法律第五十号)

第十条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第七号中「及び動力炉・核燃料開発事業団」を「、動力炉・核燃料開発事業団及び宇宙開発事業団」に改める。

  第七十三条の四第一項に次の一号を加える。

  二十二 宇宙開発事業団が宇宙開発事業団法(昭和四十四年法律第五十号)第二十二条第一項第一号から第三号までに規定する業務の用に供する不動産で政令で定めるもの

  第三百四十九条の三に次の一項を加える。

 24 宇宙開発事業団が所有し、かつ、直接宇宙開発事業団法第二十二条第一項第一号から第三号までに規定する業務の用に供する家屋及び償却資産で政令で定めるものに対して課する固定資産税の課税標準は、前二条の規定にかかわらず、当該固定資産に対して新たに固定資産税が課されることとなつた年度から五年度分の固定資産税については、当該固定資産に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の三分の一の額とし、その後五年度分の固定資産税については、当該固定資産に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の三分の二の額とする。

第十一条 行政管理庁設置法(昭和二十三年法律第七十七号)の一部を次のように改正する。

  第二条第十二号中「動力炉・核燃料開発事業団」の下に「、宇宙開発事業団」を加える。

第十二条 建設省設置法(昭和二十三年法律第百十三号)の一部を次のように改正する。

  第三条第二十六号の二中「動力炉・核燃開発事業団」の下に「、宇宙開発事業団」を加える。

第十三条 郵政省設置法の一部を次のように改正する。

  第十条の二第一項第十六号の次に次の一号を加える。

  十六の二 宇宙開発事業団に関すること。

第十四条 科学技術庁設置法の一部を次のように改正する。

  第七条の二第六号中「、国立防災科学技術センター及び宇宙開発推進本部」を「及び国立防災科学技術センター」に改め、同条に次の一号を加える。

  七 宇宙開発事業団に関すること。

  第十六条中「宇宙開発推進本部」を削る。

  第二十条の二及び第二十条の三を削り、第二十条の四を第二十条の二とし、第二十条の五を第二十条の三とする。

第十五条 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。

  第九条の二の次に次の一条を加える。

  (宇宙開発事業団への出資)

 第九条の三 協会は、その業務を遂行するために必要がある場合には、郵政大臣の認可を受けて、収支予算、事業計画及び資金計画で定めるところにより、宇宙開発事業団に出資することができる。

  第四十八条第一項第一号中「第十一条第二項」を「第九条の三(宇宙開発事業団への出資の認可)、第十一条第二項」に改める。

  第五十五条第二号中「第十一条第二項」を「第九条の三、第十一条第二項」に改める。

第十六条 日本電信電話公社法(昭和二十七年法律第二百五十号)の一部を次のように改正する。

  第三条の三第一項中「公社は」の下に「、前二条の規定によるほか」を加え、同条を第三条の四とし、同条の前に次の一条を加える。

  (宇宙開発事業団への出資)

 第三条の三 公社は、その業務の運営上必要がある場合には、郵政大臣の認加を受けて、予算で定めるところにより、宇宙開発事業団に出資することができる。

第十七条 土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の一部を次のように改正する。

  第三条第三十四号の二の次に次の一号を加える。

  三十四の三 宇宙開発事業団が宇宙開発事業団法(昭和四十四年法律第五十号)第二十二条第一項第一号又は第二号に掲げる業務の用に供する施設

第十八条 地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)の一部を次のように改正する。

  第二十四条第二項中「動力炉・核燃料開発事業団」の下に「、宇宙開発事業団」を加える。

(内閣総理・大蔵・郵政・建設・自治大臣署名) 

  「衆議院ホームページ」より

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1794年(寛政6)大名・老中で天保の改革の主導者水野忠邦の誕生日(新暦7月19日)詳細
1907年(明治40)「朝日新聞」において、夏目漱石の『虞美人草』が連載開始される詳細
1908年(明治41)詩人・小説家国木田独歩の命日(独歩忌)詳細
1944年(昭和19)北海道有珠郡の東九万坪台地より、昭和新山の第1次大噴火が起き、第1火口を形成する詳細
1945年(昭和20)「義勇兵役法」が公布・施行される詳細
1967年(昭和42)小説家壺井栄の命日詳細
1999年(平成11)「男女共同参画社会基本法」(平成11年法律78号)が公布・施行される詳細
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

komaka03
 今日は、平成時代の2013年(平成25)に、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」が世界遺産(文化遺産)に登録された日です。
 「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」(ふじさん-しんこうのたいしょうとげいじゅつのげんせん)は、2013年(平成25)6月に登録された世界遺産(文化遺産)です。静岡県と山梨県にまたがる富士山は、日本一の標高(3,776m)と荘厳な円錐形を誇る独立峰の成層火山で、日本の象徴として世界的にも知られてきました。
 古代から、霊峰として信仰の対象となり、山を遙拝する山麓には、社殿が建てられ、後に富士山本宮浅間大社や北口本宮浅間神社が成立します。一方で、『万葉集』『竹取物語』をはじめ数多くの文学作品の題材であり、室町時代以降の絵画作品、工芸、庭園などのモチーフともなり、多くの芸術作品を生み出し、特に、江戸時代後期の浮世絵『富嶽三十六景』(葛飾北斎)はその代表であり、西洋の芸術家にも影響を与えてきました。
 これらのことから、日本の文化の基層を成す「名山」として世界的に著名であり、顕著な普遍的価値を持つと評価されたものです。

〇世界遺産(せかいいさん)とは?

 世界遺産は、1972年(昭和47)のユネスコ総会で採択された「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づいて世界遺産リストに登録された、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象となっていて、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3つの種類があります。文化遺産は、顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文科的景観などで、自然遺産は、顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生態・生育地などで、複合遺産は、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているものとなっています。
 世界遺産リストに登録されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」で示されている下記の登録基準のいずれか1つ以上に合致するとともに、真実性(オーセンティシティ)や完全性(インテグリティ)の条件を満たし、締約国の国内法によって、適切な保護管理体制がとられていることが必要とされています。

☆日本の世界遺産一覧(25件)

<文化遺産> 
・法隆寺地域の仏教建造物(奈良県生駒郡斑鳩町) 登録基準①②④⑥―1993年(平成5)12月登録 
【構成遺産】法隆寺、法起寺 
・姫路城(兵庫県姫路市) 登録基準①④―1993年(平成5)12月登録 
【構成遺産】姫路城 
・古都京都の文化財(京都府、滋賀県)登録基準②④―1994年(平成6)12月登録 
【構成遺産】賀茂別雷神社(上賀茂神社)、賀茂御祖神社(下鴨神社)、教王護国寺(東寺)、清水寺、延暦寺、醍醐寺、仁和寺(別称・御室御所)、平等院、宇治上神社、高山寺、西芳寺(別称・苔寺)、天龍寺、鹿苑寺(相国寺塔頭、別称・金閣寺)、慈照寺(相国寺塔頭、別称・銀閣寺)、龍安寺(妙心寺塔頭)、西本願寺(本願寺)、二条城 
・白川郷・五箇山の合掌造り集落(富山県、岐阜県)登録基準④⑤―1995年(平成7)12月登録 
【構成遺産】白川郷荻町集落、五箇山相倉集落、五箇山菅沼集落 
・原爆ドーム(広島県広島市) 登録基準⑥―1996年(平成8)12月 
【構成遺産】原爆ドーム 
・厳島神社(広島県廿日市市) 登録基準①②④⑥―1996年(平成8)12月登録 
【構成遺産】厳島神社 
・古都奈良の文化財(奈良県奈良市) 登録基準②③④⑥―1998年(平成10)12月登録 
【構成遺産】東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡、春日山原始林 
・日光の社寺(栃木県日光市) 登録基準①④⑥―1999年(平成11)12月登録 
【構成遺産】日光東照宮、日光二荒山神社(別宮本宮神社、別宮滝尾神社を含む)、日光山輪王寺 
・琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県) 登録基準②③⑥―2000年(平成12)12月登録 
【構成遺産】今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡、首里城跡、園比屋武御嶽石門、玉陵、識名園、斎場御嶽 
・紀伊山地の霊場と参詣道(和歌山県、奈良県、三重県) 登録基準②③④⑥―2004年(平成16)7月登録 
【構成遺産】吉野・大峯(吉野山、吉野水分神社、金峯神社、金峯山寺、吉水神社、大峰山寺)、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、青岸渡寺、那智大滝、那智原始林、補陀洛山寺)、高野山(丹生都比売神社、金剛峯寺、慈尊院、丹生官省符神社)、参詣道(大峯奥駈道、熊野参詣道、高野山町石道) 
・石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県大田市) 登録基準②③⑤―2007年(平成19)6月登録 
【構成遺産】銀鉱山跡と鉱山町(銀山柵内、代官所跡、矢滝城跡、矢筈城跡、 石見城跡、大森銀山伝統的重要建造物群保存地区、宮ノ前地区、重要文化財 熊谷家住宅、羅漢寺五百羅漢、佐毘売山神社)、石見銀山街道(鞆ヶ浦道、温泉津沖泊道)、港と港町(鞆ヶ浦、沖泊、温泉津重要伝統的建造物群保存地区)、その他周辺(石見銀山処刑場、千人壷、胴地蔵、人切岩) 
・平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―(岩手県西磐井郡平泉町) 登録基準②⑥―2011年(平成23)6月登録 
【構成遺産】中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山 
・富士山―信仰の対象と芸術の源泉(静岡県、山梨県) 登録基準③⑥―2013年(平成25)6月登録 
【構成遺産】富士山域(山頂の信仰遺跡群、大宮・村山口登山道、須山口登山道、須走口登山道、吉田口登山道、北口本宮冨士浅間神社、西湖、精進湖、本栖湖、青木ヶ原樹海)、富士山本宮浅間大社、山宮浅間神社、村山浅間神社、須山浅間神社、冨士浅間神社(須走浅間神社)、河口浅間神社 、冨士御室浅間神社、御師住宅(旧外川家住宅)、御師住宅(小佐野家住宅)、山中湖、河口湖、忍野八海(出口池)、忍野八海(お釜池)、忍野八海(底抜池)、忍野八海(銚子池)、忍野八海(湧池)、忍野八海(濁池)、忍野八海(鏡池)、忍野八海(菖蒲池)、船津胎内樹型、吉田胎内樹型、人穴富士講遺跡、白糸ノ滝、三保松原 
・富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県) 登録基準②④―2014年(平成26)6月登録 
【構成遺産】富岡製糸場、田島弥平旧宅、高山社跡、荒船風穴 
・明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(山口県、鹿児島県、静岡県、岩手県他) 登録基準②④―2015年(平成27)7月登録 
【構成遺産】萩反射炉・恵美須ヶ鼻造船所跡・大板山たたら製鉄遺跡・萩城下町・松下村塾(山口県萩市)、旧集成館・寺山炭窯跡・関吉の疎水溝(鹿児島県鹿児島市)、韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)、橋野鉄鉱山(岩手県釜石市)、三重津海軍所跡(佐賀県佐賀市)、小菅修船場、三菱長崎造船所 第三船渠・長崎造船所 ジャイアントカンチレバークレーン・長崎造船所旧木型場・長崎造船所 占勝閣・高島炭鉱・端島炭鉱・旧グラバー住宅(長崎県長崎市)、三角西(旧)港(熊本県宇城市)、三池炭鉱 三池港(福岡県・熊本県)、官営八幡製鐵所(福岡県北九州市)、遠賀川水源地ポンプ室(福岡県中間市) 
・ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(東京都台東区) 登録基準①②⑥―2016年(平成28)7月登録 
【構成遺産】国立西洋美術館本館 
・「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県宗像市、福津市)登録基準②③―2017年(平成29)7月登録
【構成遺産】沖ノ島、小屋島、御門柱、天狗岩、宗像大社沖津宮遙拝所、宗像大社中津宮、宗像大社辺津宮(福岡県宗像市)、新原・奴山古墳群(福岡県福津市)
・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県、熊本県) 登録基準③―2018年(平成30)6月登録 
【構成遺産】大浦天主堂・外海の出津集落・外海の大野集落(長崎県長崎市)、原城跡(長崎県南島原市)、黒島の集落(長崎県佐世保市)、平戸島の聖地と集落=安満岳と春日集落・中江ノ島(長崎県平戸市)、野崎島の集落跡(長崎県北松浦郡小値賀町)、頭ヶ島の集落(長崎県南松浦郡新上五島町)、久賀島の集落・奈留島の江上集落(長崎県五島市)、天草の﨑津集落(熊本県天草市) 
・百舌鳥・古市古墳群 -古代日本の墳墓群(大阪府堺市、羽曳野市、藤井寺市)登録基準②④―2019年(平成31)7月登録
【構成遺産】大仙陵古墳、田出井山古墳、長塚古墳、永山古墳、丸保山古墳、銭塚古墳、大安寺山古墳、竜佐山古墳、収塚古墳、茶山古墳、孫太夫山古墳、菰山塚古墳、七観音古墳、塚廻古墳、銅亀山古墳、源右衛門山古墳(大阪府堺市堺区)、上石津ミサンザイ古墳、寺山南山古墳(大阪府堺市西区)、ニサンザイ古墳、御廟山古墳、いたすけ古墳、旗塚古墳、善右ヱ門山古墳(大阪府堺市北区)、誉田御廟山古墳、墓山古墳、白鳥陵古墳、二ツ塚古墳、峯ヶ塚古墳、向墓山古墳、誉田丸山古墳、西馬塚古墳、栗塚古墳、東馬塚古墳(大阪府羽曳野市)、仲ツ山古墳、岡ミサンザイ古墳、市ノ山古墳、津堂城山古墳、古室山古墳、大鳥塚古墳、はざみ山古墳、鍋塚古墳、浄元寺山古墳、青山古墳、鉢塚古墳、東山古墳、八島塚古墳、中山塚古墳、野中古墳、助太山古墳(大阪府藤井寺市)
・北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道、青森県、岩手県、秋田県)登録基準③⑤―2021年(令和3)7月登録
【構成遺産】キウス周堤墓群(北海道千歳市)、北黄金貝塚(北海道伊達市)、入江・高砂貝塚(北海道洞爺湖町)、大船遺跡(北海道函館市)、垣ノ島遺跡(北海道函館市)、三内丸山遺跡(青森県青森市)、小牧野遺跡(青森県青森市)、是川遺跡(青森県八戸市)、亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)、田小屋野貝塚(青森県つがる市)、大森勝山遺跡(青森県弘前市)、二ツ森貝塚(青森県七戸町)、大平山元I遺跡(青森県外ヶ浜町)、御所野遺跡(岩手県一戸町)、大湯環状列石(秋田県鹿角市)、伊勢堂岱遺跡(秋田県北秋田市)

<自然遺産>  
・屋久島(鹿児島県熊毛郡屋久島町) 登録基準⑦⑨―1993年(平成5)12月登録 
・白神山地(青森県、秋田県) 登録基準⑨―1993年(平成5)12月登録 
・知床(北海道) 登録基準⑨⑩―2005年(平成17)7月登録 
・小笠原諸島(東京都小笠原村) 登録基準⑨―2011年(平成23)6月登録 
・奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県、沖縄県) 登録基準⑩―2021年(令和3)7月登録

(登録基準の内容)
① 人類の創造的才能を表現する傑作。
② ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
③ 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
④ 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
⑤ ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
⑥ 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
⑦ ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
⑧ 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
⑨ 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
⑩ 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1853年(嘉永6)江戸幕府第12代将軍徳川家慶の命日(新暦7月27日)詳細
1867年(慶応3)薩摩藩と土佐藩の間で、「薩土盟約」が結ばれる(新暦7月23日)詳細
1945年(昭和20)「戦時緊急措置法」が公布される(本土決戦に備えて政府に委任立法権を規定)詳細
1946年(昭和21)GHQが「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」(SCAPIN-1033)を出す詳細
食糧メーデーでの天皇鵜風刺のプラカードを掲げた人が不敬罪で起訴される(プラカード事件)詳細
1965年(昭和40)日本と大韓民国との間で、「日韓基本条約」が調印される詳細
1972年(昭和47)「自然環境保全法」(昭和47年法律第85号)が制定・公布される詳細
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

hayashiahihei01
 今日は、江戸時代中期の1738年(元文3)に、仙台藩士・経世論家で、寛政三奇人の一人、林子平が生まれた日(新暦8月6日)であると共に、1793年(寛政5)に亡くなった日(新暦7月28日)でもあります。
 林子平(はやし しへい)は、江戸中期~後期の経世論家で、寛政三奇人の一人です。江戸時代中期の1738年(元文3年6月21日)に、江戸において、幕臣で御書物奉行(620石)であった岡村良通の次男として生まれましたが、本名は友直(ともなお)と言いました。しかし、3歳の頃に、故あって父は浪人の身となり、家族は伯父(父の弟)で町医者の林従吾(林道明)に預けられ、林姓を名乗ることとなります。
 1757年(宝暦7)に、兄が仙台藩に仕官することになり、仙台に居を移しましたが、1764年(明和1)に朝鮮使来聘(らいへい)を聞き、急に江戸に赴くなど、しばしば江戸に遊学し、工藤平助に兄事し、大槻玄沢、桂川甫周 ら蘭学者と交流がありました。1775年(安永4)には、長崎に行き、オランダ人からロシア南下の形勢を聞き、国防の必要を痛感、地理学・兵学を志すようになります。
 1777年(安永6)に、『海国兵談』を起稿して、1786年(天明6)に脱稿、1787年(天明7)~1791年(寛政3)にかけて自費刊行しました。一方で、1785年(天明5)に、国防の見地から『三国通覧図説』を著し、朝鮮、琉球、蝦夷、小笠原諸島の地理を記します。
 しかし、1791年(寛政3)末に、みだりに国防を論じた罪で幕府に召喚され、翌年5月16日に蟄居処分となり、板木は没収され、12月には囚人として江戸に送られました。こういう不遇の状況の中で、1793年(寛政5年6月21日)に、江戸において、病気により、56歳で亡くなっています。
 同年のロシア使節の根室来航を契機に、著書『海国兵談』は広く伝写され、嘉永年間 (1848~54) には復刻出版され、海防の論議が高まるにつれて、尊皇攘夷思想に影響を与えることとなりました。尚、後世には、高山彦九郎、蒲生君平と並んで寛政の三奇人と称されるようになります。

〇林子平関係略年表(日付は旧暦です)

・1738年(元文3年6月21日) 江戸において、幕臣で御書物奉行(620石)であった岡村良通の次男として生まれる
・1741年() 3歳の頃に、故あって父は浪人の身となり、家族は伯父(父の弟)で町医者の林従吾(林道明)に預けられ、林姓を名乗ることとなる
・1757年(宝暦7) 兄が仙台藩に仕官することになり、仙台に居を移す
・1764年(明和1) 朝鮮使来聘(らいへい)を聞き、急に江戸に赴く
・1775年(安永4) 長崎に行き、オランダ人からロシア南下の形勢を聞き、国防の必要を痛感、地理学・兵学を志すようになる
・1777年(安永6) 『海国兵談』を起稿する
・1785年(天明5) 国防の見地から『三国通覧図説』を著し、朝鮮、琉球、蝦夷、小笠原諸島の地理を記す
・1786年(天明6) 『海国兵談』を脱稿する
・1787年(天明7)~1791年(寛政3) 『海国兵談』を自費刊行する
・1791年(寛政3)末 みだりに国防を論じた罪で幕府に召喚される
・1792年(寛政4)5月16日 蟄居処分となり、板木は没収され、12月には囚人として江戸に送られる
・1793年(寛政5年6月21日) 江戸において、病気により、56歳で亡くなる
・1848~54年(嘉永年間) 著書『海国兵談』は広く伝写され、 復刻出版される

☆『海国兵談』(かいこくへいだん)とは?

 ロシア勢力南下の情勢を踏まえて、対外的防備策として、国防、富国強兵の急務を論じた、林子平著の兵学書です。全16巻からなり、江戸時代後期の1777年(安永6)に起稿して1786年(天明6)に脱稿、1787年(天明7)~1791年(寛政3)にかけて自費刊行されました。
 当時ロシアが千島、北海道に南進したことに危機感を抱き、警告しようとして書かれたもので、日本を守るために海防が必要であることを説いています。第1巻では、オランダ船の装備や構造の紹介とともに,洋式軍艦を建造し海軍を充実させるよう説き、大砲を改善し沿海に配備すべきことを提言、特に江戸湾の防備が急務であると指摘、第2巻以下は従来の兵書の内容を出ていませんが、第14~16巻では武士土着論・富国策もあり、全般として国内戦の勝利よりも、対外戦の備えを論じていました。
 しかし、1791年(寛政3)末に、みだりに国防を論じた罪で幕府に召喚され、翌年5月16日に蟄居処分となり、板木は没収されます。1793年(寛政5)のロシア使節の根室来航を契機に、本書は広く伝写され、嘉永年間 (1848~54) には復刻出版され、海防の論議が高まるにつれて、尊皇攘夷思想に影響を与えました。

☆林子平著『海国兵談』(抄文)

 海国の武備は海辺にあり。海辺の兵法は水戦にあり。水戦の要は大銃にあり、是れ海国自然の兵制也。
 昇平久き時は人心弛む。人心弛む時は乱を忘るゝ事、和漢古今の通病なり。是を忘れざるを武備といふ。蓋し武は文と相並んで徳の名なり。備は徳にあらず事なり。変に臨て事欠さる様に物を備置を云なり。
 当世の俗習にて、異国船の入津は長崎に限りたる事にて、別の浦江船を寄する事は決して成らざる事と思へり。実に太平の鼓腹する人と云うべし。既に古は薩摩の坊の津、筑前の博多、肥前の平戸、摂州の兵庫、泉州の堺、越前の敦賀等え異国船入津して物を献じ、物を商いたること数多あり。是自序にも言し如く、海国なるゆえ何国の浦へも、心に任せて船を寄せらるゝことなれば、島国なりとて曾て油断は致されざる事也。是に因て思へば、当世長崎の港口に、石火矢台を設て備を張が如く、日本国中東西南北を論せず、悉く長崎の港の如くに備置きたき事、海国武備の大主意なるべし。さて此事、為し難き趣意にあらず。今より新制度を定て漸々に備なば、五十年にして、日本の惣海浜堂々たる厳備をなすべき事、得て期すべし。疑ふこと勿れ。此の如く成就する時は、大海を以て池と為し、海岸を以て石壁と為し、日本といふ方五千里の大城を築き立たるが如し。豈愉快ならずや。
 竊に憶へば当時長崎に厳重に石火矢の備有りて、却て、安房・相模の海港に其備なし、此事甚不審。細かに思へば、江戸の日本橋より唐・阿蘭陀まで境なしの水路なり。然るを此に備へずして、長崎のみ備るは何ぞや。小子が見を以てせば安房、相模の両国に諸侯を置て、入海の瀬戸に厳重の備を設けたき事なり。日本の惣海岸に備る事は、先ず此の港口を以て始と為べし。是海国武備の中の又肝要なる所なり。然と云とも忌諱を顧りみずして有の侭に言は不敬なり。言はざるは又不忠なり。此の故に独夫、罪を憚らずして以て書す。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

二十四節季二十四節季の10番目夏至です詳細
1635年(寛永12)江戸幕府が改訂発布した「武家諸法度」(寛永令)で参勤交代の義務化等を命じる(新暦8月3日)詳細
1892年(明治25)「鉄道敷設法」公布される詳細
1949年(昭和24)川崎汽船青葉丸がデラ台風により大分県沖で転覆、死者・行方不明者141人を出す(青葉丸転覆事故)詳細
1951年(昭和26)教育科学文化機関(ユネスコ)が日本の加盟を承認する詳細
国際労働機関(ILO)が日本の再加盟を承認する詳細
1962年(昭和37)「サンケイ」新聞夕刊で司馬遼太郎著の『竜馬がゆく』の連載が開始される詳細
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ