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 今日は、平成時代の1995年(平成7)に、「地方分権推進法」(平成7年法律第96号)が公布(同年7月3日施行)された日です。
 「地方分権推進法」(ちほうぶんけんすいしんほう)は、権限および財源を国から地方へ委譲することにより、国と地方の役割分担を明確にするための5年間の時限立法でした。1993年(平成5)10月の第3次行政改革審議会の最終答申において、大胆な地方分権の推進が打ち出され、それを受けて1994年(平成6)12月に閣議決定された「地方分権の推進に関する大綱方針」(地方分権大綱)に基づき、村山富市内閣のもとで法制化が進められたものです。
 この法律により、総理府内に第三者機関である地方分権推進委員会を設置し、その勧告に基づいて地方分権推進計画を策定することになりました。この委員会からの勧告を受け、1998年(平成10)5月に総合的な地方分権推進計画が閣議決定されます。
 この計画の特徴は、地方議会が意思決定に関与できない機関委任事務を廃止し、法令などによって国から委託される法定受託事務とそれ以外の自治事務とに分けるなど、地方公共団体の裁量範囲を拡大した点でした。1999年(平成11)3月に第2次計画が閣議決定され、この計画を実行するため、同年7月、関連する法律の改正を一括して行なう「地方分権推進一括法」が制定され、国と地方公共団体の関係は対等・協力の方向に改められ、機関委任事務は廃止されることになります。
 以下に、「地方分権推進法」(平成7年法律第96号)を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「地方分権推進法」(平成7年法律第96号) 1995年(平成7)5月19日公布、同年7月3日施行

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現することの緊要性にかんがみ、地方分権の推進について、基本理念並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、地方分権の推進に関する施策の基本となる事項を定め、並びに必要な体制を整備することにより、地方分権を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

 (地方分権の推進に関する基本理念)

第二条 地方分権の推進は、国と地方公共団体とが共通の目的である国民福祉の増進に向かって相互に協力する関係にあることを踏まえつつ、各般の行政を展開する上で国及び地方公共団体が分担すべき役割を明確にし、地方公共団体の自主性及び自立性を高め、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを基本として行われるものとする。

 (国及び地方公共団体の責務)

第三条 国は、前条に定める地方分権の推進に関する基本理念にのっとり、地方分権の推進に関する施策を総合的に策定し、及びこれを実施する責務を有する。
2 地方公共団体は、国の地方分権の推進に関する施策の推進に呼応し、及び並行して、その行政運営の改善及び充実に係る施策を推進する責務を有する。
3 国及び地方公共団体は、地方分権の推進に伴い、国及び地方公共団体を通じた行政の簡素化及び効率化を推進する責務を有する。

   第二章 地方分権の推進に関する基本方針

 (国と地方公共団体との役割分担)

第四条 地方分権の推進は、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、地方公共団体においては住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理するとの観点から地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を広く担うべきことを旨として、行われるものとする。

 (地方分権の推進に関する国の施策)

第五条 国は、前条に定める国と地方公共団体との役割分担の在り方に即して、地方公共団体への権限の委譲を推進するとともに、地方公共団体に対する国の関与(地方公共団体又はその機関の事務の処理又は管理及び執行に関し、国の行政機関が、地方公共団体又はその機関に対し、許可、認可等の処分、届出の受理その他これらに類する一定の行為を行うことをいう。)、必置規制(国が、地方公共団体に対し、地方公共団体の行政機関若しくは施設、特別の資格若しくは職名を有する職員又は附属機関を設置しなければならないものとすることをいう。)、地方公共団体の執行機関が国の機関として行う事務及び地方公共団体に対する国の負担金、補助金等の支出金の地方自治の確立を図る観点からの整理及び合理化その他所要の措置を講ずるものとする。

 (地方税財源の充実確保)

第六条 国は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図るものとする。

 (地方公共団体の行政体制の整備及び確立)

第七条 地方公共団体は、行政及び財政の改革を推進するとともに、行政の公正の確保と透明性の向上及び住民参加の充実のための措置その他の必要な措置を講ずることにより、地方分権の推進に応じた地方公共団体の行政体制の整備及び確立を図るものとする。
2 国は、前項の地方公共団体の行政体制の整備及び確立に資するため、地方公共団体に対し必要な支援を行うものとする。

   第三章 地方分権推進計画

 (地方分権推進計画)

第八条 政府は、地方分権の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、前章に定める地方分権の推進に関する基本方針に即し、講ずべき必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を定めた地方分権推進計画を作成しなければならない。
2 内閣総理大臣は、地方分権推進計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
3 政府は、地方分権推進計画を作成したときは、これを国会に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。

   第四章 地方分権推進委員会

 (設置)

第九条 総理府に、地方分権推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。

 (所掌事務)

第十条 委員会は、この法律に定める地方分権の推進に関する基本的事項について調査審議し、その結果に基づいて、第八条に定める地方分権推進計画の作成のための県体的な指針を内閣総理大臣に勧告する。
2 委員会は、地方分権推進計画に基づく施策の実施状況を監視し、その結果に基づき内閣総理大臣に必要な意見を述べる。

 (勧告等の尊重等)

第十一条 内閣総理大臣は、前条の勧告又は意見を受けたときは、これを尊重しなければならない。
2 内閣総理大臣は、前条第一項の勧告を受けたときは、これを国会に報告するものとする。

 (組織)

第十二条 委員会は、委員七人をもって組織する。

 (委員)

第十三条 委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
2 前項の場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、同項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
3 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、内閣総理大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。
4 内閣総理大臣は、委員が禁治産、準禁治産若しくは破産の宣告を受け、又は禁錮以上の刑に処せられたときは、その委員を罷免しなければならない。
5 内閣総理大臣は、委員が心身の故障のため職務の執行ができないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。
6 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。この職を退いた後も同様とする。
7 委員は、非常勤とする。

 (委員長)

第十四条 委員会に、委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
3 委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。

 (資料の提出その他の協力等)

第十五条 委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。
2 委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の業務の運営状況を調査し、又は委員にこれを調査させることができる。
3 委員会は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、第一項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。

 (事務局)

第十六条 委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。
2 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。
3 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

 (政令への委任)

第十七条 この法律に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第十三条第一項中両議院の同意を得ることに関する部分は、公布の日から施行する。

 (特別職の職員の給与に関する法律の一部改正)

2 特別職の職員の給与に関する法律(昭和二十四年法律第二百五十二号)の一部を次のように改正する。

 第一条第十九号の八の次に次の一号を加える。

 十九の九 地方分権推進委員会の委員

 (この法律の失効)

3 この法律は、附則第一項の政令で定める日から起算して五年を経過した日にその効力を失う。

    「衆議院ホームページ」より

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