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 今日は、大正時代の1919年(大正8)に、横浜で「埋地の大火」が起き、3,248戸を焼失した日です。
 横浜大正8年「埋地の大火」は、この日の午後1時30分に、神奈川県横浜市千歳町一丁目12番地の住宅から出火した大火でした。春特有の14m/sの強い南西風が吹く中で、山田町一、二丁目から北へ長者町、扇町へと延焼していきます。
 翁町から寿町へと火勢は勢いを増し、翁町二丁目、四丁目、寿町四丁目を焼いたところで、炎は二手に分かれ、東は松影町方面へ延焼、西北は寿町、扇町を焼き尽くし、さらに四方に分かれ、各所を焼き尽くして、ようやく午後11時に鎮火します。これによって、焼失面積は、5万余坪(約17万㎡)に達し、3,248戸を焼失、被災者2万3千人余となりました。
 主要な建物では、横浜実業銀行、横浜中央銀行、寿小学校、寿警察署、神奈川県衛生試験所、同消毒所、山田小学校、南太平洋貿易会社、東京製綱会社、日本海上保険会社、帝国興信所、三浦屋旅館などを焼失しています。尚、大火で焼失した地域が、1659年(万治2)に吉田勘兵衛が開拓した埋め立て地であることから、「埋地の大火」と呼ばれてきました。

〇明治・大正時代の大火一覧(焼失1,000戸以上で、戦火・地震によるものを除く)

・1871年(明治4)9月12日 函館の「切見世火事」(焼失1,123戸)
・1872年(明治5)2月26日 東京の銀座大火(焼失4,879戸)
・1873年(明治6)3月22日 函館の「家根屋火災」(焼失1,314戸)
・1873年(明治6)3月22日~23日 横浜の「相生町の大火」(重軽傷者20余名、焼失1,577戸)
・1874年(明治7)4月27日 浜松明治7年の大火「小野組火事」(焼失家数1,318軒)
・1875年(明治8)4月24日 飛騨高山明治8年の大火(死亡者1名、焼失1,032戸)
・1879年(明治12)1月26日~27日 高崎明治13年の大火(消失2,500余戸)
・1879年(明治12)3月3日 高岡明治12年の大火(焼失2,000余戸)
・1879年(明治12)12月6日 明治12年函館大火(焼失2,326戸)
・1879年(明治12)12月26日 東京の日本橋大火(全焼10,613戸)
・1880年(明治13)5月15日 弘前明治13年の大火(焼失1,000余戸)
・1880年(明治13)5月21日 三条の大火「糸屋万平火事」(死者34名、焼失2,743戸)
・1880年(明治13)8月7日 新潟明治13年の大火(死者3名、負傷名37名、焼失6,175戸)
・1880年(明治13)12月24日 明治13年大阪南の大火「島の内出火」(死者8名、負傷者350~60名、焼失3,388戸)
・1881年(明治14)1月26日 東京の神田の大火(全焼10,673戸)
・1881年(明治14)2月11日 東京の神田区の大火(全焼7,751戸)
・1881年(明治14)4月25日 福島明治の大火「甚兵衛火事」(死者7名、焼失1,785戸)
・1882年(明治15)5月15日 富山県氷見明治の大火(焼失1,600余戸)
・1884年(明治17)5月13日 水戸明治17年「下市の大火」(焼失1,200余戸)
・1884年(明治17)11月7日~8日 盛岡明治17年の大火(焼失1,432戸)
・1885年(明治18)5月31日~6月1日 富山明治18年の大火「安田焼」(死者9名、焼失5,925戸) 
・1886年(明治19)4月30日~5月1日 秋田明治19年の大火「俵屋火事」(死者17名、負傷者186名、焼失3,554戸) 
・1886年(明治19)12月30日 水戸明治19年「上市の大火」(焼失1,800余戸)
・1888年(明治21)1月4日 松本明治21年南深志の大火(死者5名、焼失1,553戸)
・1888年(明治21)1月31日 横浜明治21年野毛の放火による大火(重軽傷者数10人、焼失1,121戸)
・1889年(明治22)2月1日~2日 静岡明治22年の大火(焼失1,100余戸) 
・1890年(明治23)2月27日 東京の浅草大火(全焼1,469戸)
・1890年(明治23)9月5日 明治23年大阪大火「新町焼け」(死者1名、軽傷者206名、全焼2,023戸、半焼60戸)
・1893年(明治26)3月17日~18日 川越大火(焼失1,302戸、土蔵60棟焼失)
・1893年(明治26)3月29日~30日 松阪明治の大火(焼失1,460戸)
・1894年(明治27)5月26日 山形明治27年「市南の大火」(死者15名、負傷者69名、焼失1,284戸) 
・1895年(明治28)4月29日 石川県七尾の大火(焼失1,000余戸)
・1895年(明治28)6月2日~3日 新潟県新発田明治28年の大火(死者4名、負傷者24名、焼失2,410戸)
・1895年(明治28)10月3日 根室明治28年の大火(焼失1,334戸)
・1896年(明治29)4月13日~14日 福井県勝山町明治29年の大火(死者5名、負傷者2名、焼失1,124戸) 
・1896年(明治29)8月26日 函館の「テコ婆火事」(焼失2,280戸)
・1897年(明治30)4月3日 柏崎明治30年の大火「日野屋火事」(焼失1,230戸)
・1897年(明治30)4月22日 八王子大火(死者42名、焼失3,500余戸)
・1898年(明治31)3月23日 東京の本郷大火(死者2名、負傷者42名、焼失1,478戸)
・1898年(明治31)6月4日 直江津(上越市)明治31年の大火「八幡火事」(焼失1,595戸)
・1899年(明治32)8月12日 富山明治32年の大火「熊安焼」(全焼4,697戸、半焼9戸) 
・1899年(明治32)8月12日~13日 横浜明治32年の大火(死者14名、全焼3,124、半焼49戸)
・1899年(明治32)9月15日 明治32年函館大火(焼失2,294戸)
・1900年(明治33)4月18日 福井「橋南大火」(死者11名、負傷者131名、全焼1891軒、半焼3軒)
・1900年(明治33)6月27日 高岡明治33年の大火(死者7名、負傷者46名、全焼3,589戸、半焼25戸)
・1902年(明治35)3月30日 福井明治35年「橋北の大火」(焼失3,309戸)
・1903年(明治36)4月13日 福井県武生町明治の大火(死者7名、重傷者2名、全焼1,057戸)  
・1904年(明治37)5月8日 小樽明治37年「稲穂町の火事」(焼失2,481戸)
・1906年(明治39)7月11日 直江津町(上越市)明治39年の大火「ながさ火事」(焼失1,041戸)  
・1907年(明治40)8月25日 明治40年函館大火(死者8名、負傷者1,000名、焼失12,390戸)
・1908年(明治41)3月8日 新潟明治41年3月の大火(焼失1,198戸)
・1908年(明治41)9月4日 新潟明治41年再度の大火(全焼2,071戸、半焼18戸)
・1909年(明治42)7月31日~8月1日 大阪明治42年「北の大火」(焼失11,365戸)
・1910年(明治43)4月16日 輪島町の大火(全焼1,055軒、半焼15軒)    
・1910年(明治43)5月3日~4日 明治43年青森大火(死者26名、負傷者163名、焼失7,519戸、半焼5戸)
・1911年(明治44)4月9日 東京の吉原大火(全焼6,189戸、半焼69戸)
・1911年(明治44)5月8日 山形明治44年「市北の大火」(全焼1,340戸)
・1911年(明治44)5月16日 小樽明治44年の大火(焼失1,251戸)
・1912年(明治45)1月16日 大阪明治45年「南の大火」(死者4名、全焼4,750戸、半焼等29戸)   
・1912年(明治45)3月21日 東京の州崎大火(全焼1,149戸、半焼11戸)
・1912年(明治45)4月22日 松本明治「北深志の大火」(死者5名、焼失1,341戸)
・1913年(大正2)5月4日 大正2年函館大火(焼失1,532戸)
・1914年(大正3)2月20日 東京神田大正2年三崎町の大火(全焼2,376戸、半焼54戸)
・1916年(大正5)8月2日  大正5年函館大火(焼失1,763戸)
・1917年(大正6)5月22日 米沢大火(死者11名、焼失3,325棟)
・1919年(大正8)4月28日 横浜大正8年「埋地の大火」(焼失3,248戸)
・1919年(大正8)5月19日 米沢大火(死者1名、焼失1,385棟)
・1921年(大正10)4月14日 大正10年函館大火(死者1名、焼失2,141戸)
・1924年(大正13)5月21日 八戸大火(死者4名、被災戸数1,393棟)
・1925年(大正14)3月18日  大正日暮里大火(全半焼約2,100戸)

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1177年(安元3) 京都で安元の大火(太郎焼亡)が起きる(新暦6月3日) 詳細
1876年(明治9) 松本市の和洋折衷建築の小学校・旧開智学校(国宝)で上棟式が行われる 詳細
1948年(昭和23) 「夏時刻法」(サマータイム法)が公布・施行される 詳細
1949年(昭和24) 内閣から「当用漢字字体表」が告示され、「当用漢字表」の字体を規定、略字が大幅に採用される 詳細
1952年(昭和27) 「日米安全保障条約」(旧)が発効する 詳細