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 今日は、鎌倉時代の1238年(暦仁元)に、僧・浄光が鎌倉大仏(木造仏)の建立を開始した日ですが、新暦では5月8日となります。
 鎌倉大仏(かまくらだいぶつ)は、鎌倉時代に建立された、神奈川県鎌倉市長谷の高徳院にある金銅の阿弥陀如来坐像でした。高さ三丈五尺(約11.39m)、重量約121tの金銅像(銅68.0%,スズ8.64%,鉛22.0%)で、力強い鎌倉彫刻に宋風を取入れた様式を持ち、奈良大仏と並び称されます。
 最初は、1238年 (暦仁元年3月23日) に、勧進上人浄光が大仏殿造営に取り掛かり、5年後の1243年(寛元元年6月16日)に、八丈余の木造阿弥陀坐像を安置したことが、『吾妻鏡』に記されました。しかし、この像は1247年(宝治元年)に大風で倒壊、次いで1252年(建長4年8月17日)に、「深沢里」にて金銅八丈の釈迦如来像の造立が開始されたことが、『吾妻鏡』にあり、それが現在のものだとされています。
 大仏殿は、1305年(嘉元3)頃に倒壊し、1329年(元徳元)には、翌年の関東大仏造営唐船の発遣が決まり、再建が図られたものの、1334年(建武元)に大風で倒壊したと『太平記』に見え、1369年(応安2)にも大風で倒壊してからは露仏となりました。南北朝期頃~江戸前期にかけて建長寺の管理下に置かれていましたが、1703年(元禄16)の大地震で破損、1712年(正徳2)に江戸浅草の豪商、野島新左衛門から寺地屋敷等の寄進を受けた増上寺祐天上人によって復興され、別当寺は新左衛門の法名から高徳院と命名されています。
 1733年(享保18)に養国上人が高徳院初代住職となり、1737年(元文2)に大仏修理が行われました。1897年(明治30)に、「古社寺保存法」により国宝(旧国宝)に指定、1950年(昭和25)の「文化財保護法」により重要文化財に指定替えされ、1958年(昭和33)には、国宝(新国宝)に昇格しています。また、2004年(平成16)には、境内一帯が「鎌倉大仏殿跡」の名称で国の史跡に指定されました。

〇『吾妻鏡』の鎌倉大仏に関する記述

・暦仁元年(1238年)の条
 3月23日 戊戌 雨降る
 (前略)今日、相模の国深澤里の大仏堂事始めなり。僧浄光尊卑の緇素を勧進せしめ、この営作を企つと。

・寛元元年(1243年)の条
 6月16日 辛酉 未の刻小雨・雷電
 深澤村建立の一宇の精舎、八丈余の阿弥陀像を安じ、今日供養を展ぶ。導師は卿僧正良信、讃衆十人。勧進聖人浄光房、この六年の間勧進す。都鄙の卑尊奉加せざると云うこと莫し。

・建長4年(1252年)の条
 8月17日 己巳 晴
 (前略)今日彼岸の第七日に当たり、深澤里の金銅八丈の釈迦如来像を鋳始め奉る。

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