
ゴールデンバット(金鵄)は、国産紙巻たばこの銘柄の一つで、113年間にわたって販売された長寿銘柄でした。明治時代後期の1906年(明治39)9月に、大蔵省専売局が紙巻たばことして、10本入り4銭で発売開始し、包装は金色のコウモリ(Golden Bat)の意匠で知られ、ロングセラーとなります。
1920年代後半から30年代にかけて販売数が爆発的に増え、低所得者の煙草として愛用されていきました。1940年(昭和15)10月31日には、ゴールデンバットの名称が敵性語とされ、神武天皇の神話に基づいた「金鵄(きんし)」に変更されます。
太平洋戦争下の1943年(昭和18)1月17日には、一箱が10銭から15銭に大幅値上げ(「ひかり」は18銭→30銭、「朝日」は25銭→45銭)され、「平時定価8銭、戦時負担額7銭」と表記されるようになりました。この時に、たばこの大幅値上げを揶揄して、唱歌「紀元二千六百年」の替え歌が作られ、「金鵄あがって十五銭、栄えある光三十銭、朝日は昇って四十五銭、………」と庶民の間で歌われています。
1944年(昭和19)11月1日からは、たばこが配給制になりましたが、1945年(昭和20)3月には、一箱(10本)35銭に値上げされたものの、ヤミ価格は一箱13円と言われていました。1945年(昭和20)10月19日に、戦後初の宝くじが発売された際には、外れくじ4枚と金鵄10本が交換できる制度も作られましたが、価格は戦後インフレの中で急上昇していきます。
1949年(昭和24)に「ゴールデンバット」の名称が復活、1949年(昭和24)には、大蔵省専売局が独立して、日本専売公社が発足してたばこを取り扱うようになりました。庶民の間で愛好され、1950年(昭和25)4月~9月の半年間では160億4400万本を売り上げ、ブランド別では1位を記録するようになります。
1950年(昭和25)には、一箱が20本入りとなって、30円に値上げされ、その後の高度成長期には、どんどん価格が上がっていきました。1985年(昭和60)に日本専売公社から日本たばこ産業にたばこの業務が承継された翌年には、一箱(20本)90円にまでになります。
2005年(平成17)に、体裁が大幅に変更されて銀紙に札付きのパッケージとなり、たばこ本体も一般たばこと同等の巻径へ太く変更されました。2016年(平成28)には、「しんせい」とともにフィルター付きになり、タールは18ミリグラムから15ミリグラムへ、ニコチンは1.1ミリグラムから1.0ミリグラムに変更されます。
しかし、2019年(平成31)10月1日に、一箱(20本)420円に値上げされ、「わかば」「エコー」と共に在庫限りで生産終了することが発表され、113年間続いた銘柄がなくなることとなりました。
1920年代後半から30年代にかけて販売数が爆発的に増え、低所得者の煙草として愛用されていきました。1940年(昭和15)10月31日には、ゴールデンバットの名称が敵性語とされ、神武天皇の神話に基づいた「金鵄(きんし)」に変更されます。
太平洋戦争下の1943年(昭和18)1月17日には、一箱が10銭から15銭に大幅値上げ(「ひかり」は18銭→30銭、「朝日」は25銭→45銭)され、「平時定価8銭、戦時負担額7銭」と表記されるようになりました。この時に、たばこの大幅値上げを揶揄して、唱歌「紀元二千六百年」の替え歌が作られ、「金鵄あがって十五銭、栄えある光三十銭、朝日は昇って四十五銭、………」と庶民の間で歌われています。
1944年(昭和19)11月1日からは、たばこが配給制になりましたが、1945年(昭和20)3月には、一箱(10本)35銭に値上げされたものの、ヤミ価格は一箱13円と言われていました。1945年(昭和20)10月19日に、戦後初の宝くじが発売された際には、外れくじ4枚と金鵄10本が交換できる制度も作られましたが、価格は戦後インフレの中で急上昇していきます。
1949年(昭和24)に「ゴールデンバット」の名称が復活、1949年(昭和24)には、大蔵省専売局が独立して、日本専売公社が発足してたばこを取り扱うようになりました。庶民の間で愛好され、1950年(昭和25)4月~9月の半年間では160億4400万本を売り上げ、ブランド別では1位を記録するようになります。
1950年(昭和25)には、一箱が20本入りとなって、30円に値上げされ、その後の高度成長期には、どんどん価格が上がっていきました。1985年(昭和60)に日本専売公社から日本たばこ産業にたばこの業務が承継された翌年には、一箱(20本)90円にまでになります。
2005年(平成17)に、体裁が大幅に変更されて銀紙に札付きのパッケージとなり、たばこ本体も一般たばこと同等の巻径へ太く変更されました。2016年(平成28)には、「しんせい」とともにフィルター付きになり、タールは18ミリグラムから15ミリグラムへ、ニコチンは1.1ミリグラムから1.0ミリグラムに変更されます。
しかし、2019年(平成31)10月1日に、一箱(20本)420円に値上げされ、「わかば」「エコー」と共に在庫限りで生産終了することが発表され、113年間続いた銘柄がなくなることとなりました。
〇ゴールデンバット(金鵄)関係略年表
・1906年(明治39)9月1日 大蔵省専売局が発売開始する(10本入り4銭)
・1907年(明治40)12月1日 一箱(10本)5銭に値上げされる
・1919年(大正8)8月6日 一箱(10本)6銭に値上げされる
・1925年(大正14)11月7日 一箱(10本)7銭に値上げされる
・1936年(昭和11)11月11日 一箱(10本)8銭に値上げされる
・1938年(昭和13)9月 意匠が改正(真鍮粉節約の目的で金色部分が褐色に変更)される
・1939年(昭和14)11月 一箱(10本)9銭に値上げされる
・1940年(昭和15)10月31日 「ゴールデンバット」の名称が敵性語とされ、神武天皇の神話に基づいた「金鵄(きんし)」に変更される
・1941年(昭和16)11月1日 一箱(10本)10銭に値上げされる
・1943年(昭和18)1月17日 一箱(10本)15銭に値上げされる
・1943年(昭和18)7月 一箱(10本)23銭に値上げされる
・1944年(昭和19)7月28日 特別配給用の金鵄についてバラ売りが行われるようになる
・1944年(昭和19)11月1日 たばこが配給制になる
・1945年(昭和20)3月 一箱(10本)35銭に値上げされる(ヤミ価格は一箱13円)
・1945年(昭和20)10月19日 戦後初の宝くじが発売された際には、外れくじ4枚と金鵄10本が交換できる制度も作られる
・1946年(昭和21) 一箱(10本)1円に値上げされる
・1947年(昭和22) 一箱(10本)2円50銭に値上げされる
・1948年(昭和23) 一箱(10本)11円に値上げされる
・1949年(昭和24)4月 「ゴールデンバット」の名称に復活する
・1949年(昭和24)6月1日 大蔵省専売局が独立して、日本専売公社が発足する
・1950年(昭和25)4月~9月 半年間では160億4400万本を売り上げ、ブランド別では1位を記録する
・1950年(昭和25) 一箱(20本)30円に値上げされる
・1975年(昭和50) 一箱(20本)40円に値上げされる
・1981年(昭和56) 一箱(20本)50円に値上げされる
・1984年(昭和59) 一箱(20本)70円に値上げされる
・1985年(昭和60)4月1日 日本専売公社から日本たばこ産業にたばこの業務が承継される
・1986年(昭和61) 一箱(20本)90円に値上げされる
・2005年(平成17) 体裁が大幅に変更されて銀紙に札付きのパッケージとなり、たばこ本体も一般たばこと同等の巻径へ太く変更される
・2006年(平成18) 一箱(20本)140円に値上げされる
・2010年(平成22) 一箱(20本)200円に値上げされる
・2014年(平成26) 一箱(20本)210円に値上げされる
・2016年(平成28) 「しんせい」とともにフィルター付きになり、タールは18ミリグラムから15ミリグラムへ、ニコチンは1.1ミリグラムから1.0ミリグラムに変更される
・2018年(平成30)4月1日 一箱(20本)330円に値上げされる
・2019年(平成31)10月1日 一箱(20本)420円に値上げされ、「わかば」「エコー」と共に在庫限りで生産終了することが発表される
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1874年(明治7) | 民撰議院設立建白書が出される | 詳細 | |||||
1885年(明治18) | 思想家・作家・ジャーナリスト・社会運動家大杉栄の誕生日 | 詳細 | |||||
1944年(昭和19) | 「緊急国民勤労動員方策要綱」が閣議決定される | 詳細 | |||||
1995年(平成7) | 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)が起き、死者・行方不明者 6,437人を出す | 詳細 | |||||
2017年(平成29) | 発生生物学者・生物科学の権威岡田節人の命日 | 詳細 |