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 今日は、平成時代の1992年(平成4)に、共和汚職事件で自民党の阿部文男衆議院議員(元北海道・沖縄開発庁長官)が逮捕された日です。
 共和汚職事件(きょうわおしょくじけん)は、北海道のリゾート開発などにからむ、総合商社丸紅と大手鉄骨加工メーカー共和の架空取引詐欺事件に端を発する汚職事件でした。1991年(平成3)7月に摘発された、丸紅と共和の架空取引をめぐる詐欺事件において、取り調べを受けていた森口五郎共和元副社長らの証言から、自民党の阿部文男衆議院議員(元北海道・沖縄開発庁長官)との密接な関係が浮かび上がります。そこで、翌年1月13日に、9,000万円の供与を受けた受託収賄罪の疑いで東京地検特捜部が阿部文男衆議院議員を逮捕しました。
 その後の裁判によって、1989年(平成元)8月から1990年(平成2)1月にかけて当時北海道沖縄開発庁長官であった阿部代議士に渡した 9,000万円が賄賂と認定されます。共和元副社長には詐欺罪と贈賄罪で懲役5年6ヶ月の有罪判決が言い渡され、阿部文男元北海道・沖縄開発庁長官には、2000年(平成12)3月22日の最高裁判所判決によって、追徴金9,000万円、懲役3年の実刑判決が確定しましたが、病気入院していたため刑の執行が停止され、収監はされませんでした。
 尚、この捜査の過程で、共和から政界には、阿部文男の他にも5億円近くが流れていたとされ、共和との関係を指摘された政治家は10人近くにも及びます。それは、阿部文男の所属派閥である宏池会(宮沢派)の議員が多く、塩崎潤が証人喚問をされ、鈴木善幸元首相が参考人招致をされました。鈴木善幸は、参考人招致で、「カネはヤミ献金ではなく、善意の保管者として預かった」と発言、物議をかもしています。しかし、この事件で逮捕・有罪となった政治家は阿部文男だけに留まりました。

〇戦後の政治家がかかわった主要な汚職事件(贈収賄・利益供与など)

・1947年(昭和22) - 炭鉱国管疑獄
・1948年(昭和23) - 昭和電工事件
・1954年(昭和29) - 造船疑獄
・1954年(昭和29) - 日興連汚職事件
・1957年(昭和32) - 売春汚職事件
・1961年(昭和36) - 武州鉄道汚職事件
・1965年(昭和40) - 東京都議会黒い霧事件
・1965年(昭和40) - 九頭竜川ダム汚職事件
・1966年(昭和41) - 田中彰治事件
・1966年(昭和41) - 共和製糖事件
・1967年(昭和42) - 大阪タクシー汚職事件
・1968年(昭和43) - 日通事件
・1976年(昭和51) - ロッキード事件
・1979年(昭和54) - ダグラス・グラマン事件
・1980年(昭和55) - KDD事件
・1986年(昭和61) - 撚糸工連事件
・1988年(昭和63) - リクルート事件
・1991年(平成3) - 共和汚職事件
・1992年(平成4) - 東京佐川急便事件
・1993年(平成5) - ゼネコン汚職事件
・2000年(平成12) - KSD事件
・2000年(平成12) - 若築建設事件
・2001年(平成13) - 中洲カジノバー汚職事件
・2002年(平成14) - 鈴木宗男事件
・2004年(平成16) - 日歯連・中医協汚職事件

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1199年(建久10)鎌倉幕府初代将軍源頼朝の命日(新暦2月9日)詳細
1653年(承応2)町人清右衛門が建議した多摩川から江戸への導水路(玉川上水)着工が許可される(新暦2月10日)詳細
1945年(昭和20)東海地方で三河地震(M6.8)が起き、死者・行方不明者2,306人を出す詳細
1966年(昭和41)「古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法」(古都保存法)が公布される詳細
1976年(昭和51)小説家・劇作家舟橋聖一の命日詳細