ガウスの歴史を巡るブログ(その日にあった過去の出来事)

 学生時代からの大の旅行好きで、日本中を旅して回りました。その中でいろいろと歴史に関わる所を巡ってきましたが、日々に関わる歴史上の出来事や感想を紹介します。Yahooブログ閉鎖に伴い、こちらに移動しました。

2022年06月

sekaijinkensengen45shyuunen
 今日は、平成時代の1993年(平成5)に、「ウィーン宣言及び行動計画」が世界人権会議により採択された日です。
 「ウィーン宣言及び行動計画」(ウィーンせんげんおよびこうどうけいかく)は、世界人権会議(於:ウィーン)で採択された世界のあらゆる人権蹂躙に対処するための、国際人権法や国際人道法に関する原則や国際連合の役割、全ての国々に対する要求を総括した宣言及び行動計画でした。「世界人権宣言」45周年を記念し、「世界先住民族年」を踏まえて、1993年(平成5)6月14日からウィーンで開催された世界人権会議には、171ヵ国とNGOも参加します。
 「世界人権宣言」の実現を図ることを目的とするものでしたが、会議では、人権(基本的人権)は普遍的だとする先進諸国と各国・地域の特殊性や歴史・文化・宗教的背景を考慮すべきだとする発展途上国の主張が対立しました。この結果、最終文書(ウィーン宣言)には双方の主張を妥協させ、人権の促進と保護を国際社会の最優先課題としながらも国家や地域の特殊性や歴史的・文化的・宗教的な背景へ留意することも盛り込まれます。
 また、発展途上国の「発展の権利」についても普遍的な権利として認め、その他女性や子供の権利擁護、少数民族の人権保護を掲げ、国連総会に対し、国連人権センターの強化並びに人権高等弁務官の設置を勧告しました。この会議時に、NGOフォーラムも同時開催され、非政府組織NGO935団体の代表2万5,000人も参加しています。
 その後、この宣言及び行動計画は、同年7月12日に国際連合総会において承認され、国連人権高等弁務官事務所 (OHCHR) が設置されることとなりました。
 以下に、「ウィーン宣言及び行動計画」日本語訳(抄文)を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「ウィーン宣言及び行動計画」日本語訳(抄文)1993年(平成5)6月25日世界人権会議で採択

第I部〔宣言〕 I

1 〔国家の誓約〕 世界人権会議は、国際連合憲章、その他の人権文書及び国際法に従つて、 すべての者のためにすべての人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守並びに保護を促進する義務を履行するという、 すべての国家の厳粛な誓約を再確認する。これらの権利及び自由の普遍的性格は、疑うことができない。
 この枠組の中で、人権の分野における国際協力の強化は、国際連合の目的を完全に実現するために不可欠である。
 人権及び基本的自由は、すべての人間の生まれながらの権利であり、それらの保護及び助長は諸政府の第一次的責任である。

2 〔自決権〕 すべての人民は、自決の権利を有する。この権利に基づき、すべての人民は、その政治的地位を自由に決定し並びにその経済的、 社会的及び文化的発展を自由に追求する。
 世界人権会議は、植民地又はその他の形態の外国支配若しくは外国の占領のもとにある人民の特別の状況を考慮して、 不可譲の自決権を実現するために国際連合憲章に従つてすべての正当な行動を取る人民の権利を承認する。世界人権会議は、 自決権の否定を人権の侵害とみなし、この権利の効果的な実現の重要性を強調する。
 「国際連合憲章に従つた諸国家間の友好関係と協力に関する国際法の諸原則についての宣言」に従つて、上記のことは、 人民の同権及び自決の原則を遵守して行動し、 したがつていかなる種類の差別もなしにその領域に属するすべての人民を代表する政府を有する、 独立主権国家の領土保全又は政治的統一の全部又は一部を解体し若しくは毀損するいかなる行動をも、 許可し又は奨励するものと解釈してはならない。

3 〔外国の占領下の人民の保護〕 外国の占領下にある人民に関して、人権基準の実施を保障し監視するための効果的な国際的措置が取られるべきであり、 人権規範及び国際法、とりわけ戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約その他の適用可能な人道法規範に従つて、 彼らの人権の侵害に対する効果的な法的保護が与えられるべきである。

4 〔国際連合の優先的目的〕 人権及び基本的自由の助長並びに保護は、国際連合の目的及び原則、とりわけ国際協力の目的に従つて、 国際連合の優先的目的とみなされなければならない。これらの目的及び原則の枠内において、 すべての人権の助長及び保護は国際社会の正当な関心事項である。したがつて、人権にかかわる機関及び専門機関は、 国際人権文書の一貫した客観的な適用を基礎として、それらの諸活動の調整をさらに向上させるべきである。

5 〔すべての人権の相互依存性〕 すべての人権は普遍的であり、不可分かつ相互依存的であつて、相互に連関している。国際社会は、公平かつ平等な方法で、 同じ基礎に基づき、同一の強調をもつて、人権を全地球的に扱わなければならない。国家的及び地域的独自性の意義、 並びに多様な歴史的、文化的及び宗教的背景を考慮にいれなければならないが、すべての人権及び基本的自由を助長し保護することは、 政治的、経済的及び文化的な体制のいかんを問わず、国家の義務である。

6 〔国際連合システムの努力〕 すべての者のための人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守に向けた国際連合システムの努力は、 諸国間の平和的かつ友好的な関係に必要な安定及び福祉、並びに国際連合憲章に従つた平和及び安全並びに社会的及び経済的発展のための条件の改善に、 貢献するものである。

7 〔国際連合憲章の目的及び原則等の遵守〕 人権を助長し保護するプロセスは、国際連合憲章の目的及び原則並びに国際法に従つて実施されるべきである。

8 〔民主主義、発展及び人権尊重の相互依存性〕 民主主義、発展並びに人権及び基本的自由の尊重は、相互依存的であり相互に強め合うものである。民主主義は、自らの政治的、 経済的及び文化的体制を決定するための自由に表明された人民の意思、 並びに生活のすべての側面における人民の完全な参加に基礎をおく。この文脈において、 国家的及び国際的レベルにおける人権並びに基本的自由の助長及び保護は、普遍的にかつ条件を付することなく行われるべきである。 国際社会は、全世界における民主主義、発展並びに人権及び基本的自由の尊重の強化及び助長を支持すべきである。

9 〔後発発展途上国への支援〕 世界人権会議は、多くはアフリカに位置する後発発展途上国であつて民主化及び経済改革に取り組むことを誓約したものが、 民主化及び経済発展への移行に成功するように国際社会の支援を受けるべきことを再確認する。

10〔発展の権利〕 世界人権会議は、「発展の権利に関する宣言」において確立された発展の権利は、普遍的かつ不可譲の権利であつて、 基本的人権の不可分の一部をなすものであることを再確認する。
「発展の権利に関する宣言」が述べるように、人間が発展の中心的な主体である。
発展はすべての人権の享受を促進するものであるが、 発展の欠如を国際的に承認された人権の制約を正当化するために援用してはならない。
国家は、発展を確保し発展への障害を除去するために相互に協力すべきである。国際社会は、 発展の権利を実現し発展への障害を除去するために、効果的な国際協力を助長すべきである。
発展の権利の実施に向けての永続的な進歩は、 国家レベルにおける効果的な発展政策、並びに国際レベルにおける公正な経済関係及び好ましい経済環境を必要とする。

11〔危険な廃棄物の投棄等の規制〕 発展の権利は、現在及び将来の世代の発展及び環境における必要性に公正に適合するように実現されるべきである。 世界人権会議は、有毒で危険な物質及び廃棄物の違法な投棄が、 すべての者の生命及び健康に対する人権への重大な脅威となる可能性があることを承認する。
 したがつて世界人権会議は、有毒で危険な産品及び廃棄物の投棄に関する現行の条約に参加しかつこれらを厳格に実施すること、 及び違法な投棄の防止に協力することを、すべての国家に呼びかける。
 すべての者は、科学の進歩及びその応用の利益を享受する権利を有する。世界人権会議は、とりわけ生医学、 生命科学及び情報技術におけるある種の進歩が、個人の人格、尊厳及び人権に悪影響を及ぼす可能性があることに留意し、 世界的に関心を呼んでいるこの分野において、人権及び人間の尊厳の完全な尊重が確保されるよう、国際協力を呼びかける。

12〔対外債務〕 世界人権会議は、発展途上国の政府がその人民の経済的、社会的及び文化的権利の完全な実現を達成する努力を補完する目的で、 これら諸国の対外債務負担を軽減することを助けるためにあらゆる努力を行うよう、国際社会に呼びかける。

13〔人権享受の条件の創出〕 同家及び国際機構は、人権の完全かつ効果的な享受を確保する目的で、非政府機構と協力して、国家的、 地域的及び国際的レベルにおける好ましい条件を創出する必要がある。国家は、すべての人権侵害及びその原因、 並びに人権享受への障害を除去すべきである。

14〔極端な貧困の除去〕 極端な貧困の広範な存在は、人権の完全かつ効果的な享受を妨げているので、これを直ちに緩和し究極的に除去することは、 国際社会にとつて引き続き高度の優先事項でなければならない。

15〔あらゆる形態の差別の除去〕 いかなる種類の差別もなしに人権及び基本的自由を尊重することは、国際人権法の基本規則である。あらゆる形態の人種主義、 人種差別、外国人排斥及び関連する不寛容を速やかにかつ包括的に除去することは、国際社会の優先的な任務である。諸政府は、 これらを防止しかつこれらと闘うために、効果的な措置を取るべきである。集団、団体、政府間及び非政府間の機構、 並びに個人は、これらの悪に反対する行動において協力しかつ調整して、彼らの努力を強化することを要請される。

16〔アパルトヘイトの解体〕 世界人権会議は、アパルトヘイトの解体における進展を歓迎し、 国際社会及び国際連合システムに対してこの進展を支援するように呼びかける。
 世界人権会議はまた、アパルトヘイトの平和的解体の追求を妨げることを目的とした、 暴力行為の継続を非難する。

17〔テロリズムの防止〕 あらゆる形態及び表現におけるテロリズムの行為、方法及び慣行、並びに若干の諸国における麻薬取引への関与は、 人権、基本的自由及び民主主義を破壊することを目的とし、国家の領土保全及び安全を脅かし、 正統に組織された政府を不安定化する行為である。国際社会は、テロリズムを防止しかつこれと闘うための協力を促進するために、 必要な措置を取るべきである。

18〔女性の人権〕 女性及び少女の人権は、普遍的人権の不可譲かつ不可分の一部である。国家的、地域的及び国際的レベルにおける政治的、市民的、 経済的、社会的及び文化的生活への女性の完全かつ平等な参加、並びに性を理由とするあらゆる形態の差別の除去は、 国際社会の優先的な目的である。
 性差を理由とする暴力及び、あらゆる形態のセクシュアルハラスメント並びに搾取は、 文化的偏見及び国際的売買から生じるものを含めて、人間の尊厳及び価値と両立せず、除去されなければならない。このことは、 経済的及び社会的発展、教育、安全な母性及び健康看護並びに社会的扶助のような分野における、法的措置により、 並びに国家的行動及び国際協力を通じて、達成することができる。
 女性の人権は、女性に関するすべての人権文書の奨励を含めて、国際連合の人権活動の不可分の一部を構成すべきものである。
 世界人権会議は、政府、団体、政府間及び非政府間の機構に対して、 女性及び少女の人権の保護及び助長のための努力を強化するように、要請する。

19〔少数者の権利〕 少数者に属する人の権利の助長及び保護が重要であること、並びにこのような助長及び保護が彼らが居住する国家の政治的及び社会的安定に貢献することを考慮して、
 世界人権会議は、「民族的又は人種的、宗教的及び言語的少数者に属する人の権利に関する宣言」に従つて、 少数者に属する人がいかなる差別もなしにかつ法のもとにおいて完全に平等に、 すべての人権及び基本的自由を完全かつ効果的に行使することができるように確保する、国家の義務を再確認する。
 少数者に属する人は、自由にかつ介入又はいかなる形態の差別もなしに、自らの文化を享受し、自らの宗教を告白しかつ実践し、 並びに私的に及び公的に自らの言語を使用する権利を有する。

20〔先住民の権利〕 世界人権会議は、先住民の固有の尊厳、及び社会の発展並びに多様性への先住民の独特の貢献を承認し、彼らの経済的、 社会的及び文化的福祉並びに持続的発展の成果の彼らによる享受への、国際社会の誓約を強く再確認する。国家は、 社会のすべての側面、とくに彼らの関心事項への、先住民の完全かつ自由な参加を確保すべきである。 先住民の権利の助長及び保護が重要であること、並びにこのような助長及び保護が彼らが居住する国家の政治的及び社会的安定に貢献することを考慮して、 国家は、国際法に従つて、先住民の人権及び基本的自由を平等にかつ差別なく尊重することを確保するために協調した積極的な措置を取り、 及び彼らの独特のアイデンティティー、文化並びに社会組織の価値及び多様性を承認すべきである。

21〔児童の権利〕 世界人権会議は、多数の国家が児童の権利に関する条約を早期に批准したことを歓迎し、 児童のための世界サミットが採択した「児童の生存、保護及び発展に関する世界宣言及び行動計画」が児童の人権を承認したことに留意して、 1995年までにすべての国がこの条約を批准すること、及び、必要な立法、行政及びその他の措置を取り、 また利用可能な資源を最大限に配分することによつて、締約国がこの条約を効果的に実施することを、要請する。 児童に関するすべての行動においては、無差別と児童の最善の利益とが第一に考慮されるべきであり、 児童の見解に妥当な考慮が払われるべきである。児童の防護及び保護のために、国家的及び国際的な機構並びに計画が強化されるべきである。 このような防護及び保護の対象には、とりわけ少女、遺棄された児童、家のない児童、児童ポルノ、 児童売春又は臓器売却によるものを含む経済的及び性的に搾取された児童、後天性免疫不全症候群を含む疾病の犠牲者である児童、 難民及び避難民である児童、拘禁中の児童、武力紛争にまきこまれた児童、並びに飢饉、旱ばつその他の緊急事態の犠牲者である児童が含まれる。 児童の権利に関する条約の実施を支援するために国際協力及び連帯が助長されるべきであり、 児童の権利は人権に関する国際連合システム全体の行動において優先されるべきである。
 世界人権会議はまた、児童は個性の完全かつ調和の取れた発展のためには家庭環境の中で成長すべきであり、 したがつて家庭環境はより広範な保護に値すると強調する。

22〔障害者の権利〕 障害者の差別禁止、並びに、社会のすべての側面への積極的な参加を含む、 すべての人権及び基本的自由の平等な享受を確保するために、特別の注意を払う必要がある。

23〔難民及び避難民の保護〕 世界人権会議は、すべての者がいかなる差別もなしに、他国において迫害からの庇護を求めかつ受ける権利、 及び自国に帰る権利を有することを再確認する。この点に関して世界人権会議は、世界人権宣言、難民の地位に関する1951年条約、 その1967年議定書及び地域的文書の重要性を強調する。会議は、 その領域に引き続き多数の難民を受け入れかつ生活させている国家に対して、及び国際連合難民高等弁務官事務所の任務への献身に対して、 感謝を表明する。会議はまた、近東における国際連合パレスチナ難民救済事業機関に対しても、感謝を表明する。
 世界人権会議は、武力紛争を含む人権の重大な侵害が、人民の避難を発生させる多様かつ複雑な要因の一つであることを承認する。
 世界人権会議は、世界的な難民危機の複雑さにかんがみ、かつ国際連合憲章、関連国際文書及び国際連帯に従つて、 並びに負担配分の精神において、国際社会が、国際連合難民高等弁務官事務所の任務に留意しつつ、 関係国及び関連ある機構と調整しかつ協力して、包括的アプローチを取る必要があることを承認する。このようなアプローチは、 難民その他の避難民の根本原因及び移動の結果に対処するための戦略の発展、緊急準備及び対策のための機構の強化、 女性及び児童の特別の必要性を考慮した効果的な保護及び援助の供与、並びに、国際難民会議が採択した解決を含めて、 何よりも尊厳かつ安全な自発的帰国という好ましい解決を通じての持続的な解決を含むべきである。世界人権会議は、国家の責任、とりわけ出身国にかかわる責任を強調する。
 世界人権会議は、包括的アプローチにてらして、自発的かつ安全な帰還及び社会復帰を含む国内避難民にかかわる問題に、 政府間機構及び人道的機構を通じるものを含めて特別の注意を払い、並びに永続的な解決を見出すことの重要性を強調する。
 世界人権会議はさらに、国際連合憲章及び人道法の諸原則に従つて、 すべての自然災害及び人的災害の被害者に対する人道的援助の重要性及び必要性を強調する。

24〔弱者の権利〕 移住労働者を含む弱者の立場におかれた集団に属する者の人権の助長及び保護、彼らに対するあらゆる形態の差別の除去、 並びに現行の人権文書の強化及びより効果的な実施を、特別に重視する必要がある。国家は、 住民のうちの弱者に属する者の権利の助長及び保護のために、とくに教育、保健及び社会的扶助の分野において、 国家レベルの適切な措置を創出し維持する義務、及び弱者に属する者で自らの問題に解決を見出すことに関心を有する者の参加を確保する義務を有する。

25〔もつとも貧困な者の人権〕 世界人権会議は、極端な貧困及び社会的な疎外は人間の尊厳を侵害するものであり、もつとも貧困な者の人権を助長し、 極端な貧困と社会的疎外を終わらせ、及び社会進歩の成果の享受を助長するために、極端な貧困、 及び発展の問題にかかわるものを含むその原因に関するよりよい理解を達成するために、緊急の措置が必要であることを確認する。 国家が、もつとも貧困な人々が居住するコミュニティーの政策決定過程、人権の助長、及び極端な貧困と闘うための努力への、 彼らの参加を促進することは不可欠である。

26〔人権文書の法典化〕 世界人権会議は、動的かつ発展的過程である人権文書の法典化においてなされた進歩を歓迎し、 国際人権条約の普遍的批准を強く求める。すべての国家がこれらの国際文書に加入すること、 及びすべての国家ができるだけ留保を行わないことが奨励される。

27〔人権侵害の救済〕 すべての国家は、人権にかかわる苦情及び人権侵害を救済するために、効果的な救済手続を提供すべきである。 法適用及び訴追機関を含む司法の運営、とりわけ国際人権文書が含む適用可能な基準に完全に従つた独立した司法部及び法律職は、 人権の完全かつ無差別の実現にとつてきわめて重要であり、民主主義及び持続的発展の過程にとつて不可欠である。 この文脈において、司法の運営に携わる機関は十分な資金を有すべきであり、 国際社会は技術的及び財政的援助の水準を向上させるべきである。強力かつ独立した司法の運営を達成するために、 助言サービスの特別計画を優先的に利用することは、国際連合の義務である。

28〔武力紛争時における人権の大規模な侵害〕 世界人権会議は、難民及び避難民の大量流出をもたらしている、戦争状態における人権の大規模な侵害、とりわけジェノサイド、 「民族浄化」及び女性の制度化されたレイプの形態における人権の大規模な侵害に対して、驚愕を表明する。会議は、 そのような嫌悪すべき慣行を強く非難するとともに、そのような犯罪の加害者が処罰され、 そのような慣行は直ちに終わらせられるようにという呼びかけを繰り返す。

29〔武力紛争時における人権の保護〕 世界人権会議は、国際人権文書及び国際人道法に含まれた基準を無視して、世界のあらゆる部分で人権侵害が継続していること、 及び被害者に対する十分かつ効果的な救済が欠如していることに、重大な憂慮を表明する。
 世界人権会議は、武力紛争時における文民たる住民に対する人権侵害、とりわけ女性、児童、 老齢者及び障害者に対する人権侵害を深く憂慮する。したがつて会議は、国家及び武力紛争のすべての当事者に対して、 1949年のジュネーヴ諸条約及びその他の国際法の規則と原則が規定する国際人道法、 並びに国際条約が規定する人権保護の最低基準を厳格に遵守するように呼びかける。
 世界人権会議は、1949年のジュネーヴ諸条約及びその他の関連ある国際人道法文書が規定するように、被害者は、 人道的団体の援助を受ける権利を有することを再確認し、このような援助への安全かつ時宜をえたアクセスを要請する。

30〔人権の大規模かつ体系的な侵害〕 世界人権会議はまた、世界のさまざまな部分において、すべての人権の完全な享受にとつて重大な障害をなす大規模かつ体系的な侵害及び事態が引き続き生じていることに、 驚愕と非難を表明する。このような侵害及び事態には、以下のものが含まれる。拷問及び残虐な、 非人道的な並びに品位を傷つける取扱い又は刑罰。略式の及び恣意的な処刑。失踪。恣意的な拘禁。すべての形態の人種主義、 人種差別及びアパルトヘイト。外国の占領及び外国人支配。外国人排斥。貧困、飢餓その他の経済的、社会的及び文化的権利の否定。 宗教的不寛容。テロリズム。女性に対する差別。及び法の支配の欠如。

31〔人権享受を妨げる貿易上の一方的措置〕 世界人権会議は、国際法及び国際連合憲章と合致しない措置であつて、国家間の貿易関係に障害をもたらし、 世界人権宣言及び国際人権文書が規定する人権、とりわけ、食糧及び医療、住居及び必要な社会的サービスを含めて、 健康及び福祉にとつて十分な生活水準を享受するすべての者の権利の完全な実現を妨げる、いかなる一方的措置をも慎むように、 諸国家に呼びかける。世界人権会議は、食糧は政治的圧力の手段として用いられるべきではないことを確認する。

32〔人権問題の普遍的な検討〕 世界人権会議は、人権問題の検討に当つては、普遍性、客観性及び非選択性を確保することが重要であることを、再確認する。

33〔人権教育〕 世界人権会議は、世界人権宣言、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約並びにその他の国際人権文書が規定するように、 国家は教育が人権及び基本的自由の尊重の強化を目的とするように確保する義務を有することを再確認する。世界人権会議は、 人権の主題を教育プログラムに組み入れることの重要性を強調し、そうすることを諸国家に呼びかける。教育は、 諸国民及びすべての人種的又は宗教的集団の間の理解、寛容、平和及び友好関係を助長し、 これらの目的を追求するに当つての国際連合の活動の発展を奨励すべきである。したがつて、 理論的及び実践的な人権教育及び適切な情報の普及は、人種、性、言語又は宗教のようないかなる種類の差別もなしに、 すべての個人に関する人権の助長及び尊重において、重要な役割を果たすものであり、 これらは国家レベル及び国際レベルにおける教育政策に組み入れられるべきである。世界人権会議は、 資源の制約及び制度の不十分さがこれらの目的の即時実現にとつて障害となりうることに留意する。

34〔人権享受のための援助〕 すべての個人が普遍的人権及び基本的自由を享受しうる条件をつくりだすため、要請を行う国を援助する努力が強化されるべきである。 政府、国際連合システム並びにその他の多数国間機構は、 以下のものの確立及び強化を目的とするプログラムへの資源配分を相当程度増大させることを要請される。 法の支配及び民主主義を支持する国の立法、制度及び関連インフラストラクチュア。 選挙への援助。訓練、 指導及び教育を通じた人権意識の向上。人民参加及び市民社会。
 人権センターの助言サービス及び技術協力のプログラムは、強化され、並びにより効果的かつ透明なものとされて、 人権尊重を改善するための重要な貢献となるべきである。諸国家は、国際連合の通常予算からの配分の増大を助長すること、 及び自発的拠金を行うことによつて、これらのプログラムへの寄与を増大させることを要請される。

35〔国際連合の人権活動〕 人権の助長及び保護のための国際連合の活動の完全かつ効果的な実施は、国際連合憲章が人権に与えた高度の重要性、 及び加盟国が国際連合の人権活動に委託した要求を反映しなければならない。この目的のために、 国際連合の人権活動には一層多くの資源が配分されるべきである。

36〔人権助長のための国内制度〕 世界人権会議は、人権の助長及び保護のために国内制度が果たす重要かつ建設的な役割、とりわけ、権限ある当局に対する助言能力、 人権侵害の救済、人権情報の普及及び人権教育における役割を再確認する。
 世界人権会議は、「国内制度の地位に関する原則」に留意し、 及び国内レベルにおける独自の必要性にもつとも適した枠組を選択することはすべての国家の権利であることを承認して、 国内制度の設立及び強化を奨励する。

37〔人権助長のための地域的取決め〕 地域的取決めは、人権の助長及び保護において基本的な役割を果たす。地域的取決めは、 国際人権文書に含まれた普遍的人権基準とそれらの保護を強化すべきである。世界人権会議は、 これらの取決めを強化しその実効性を高めるために行われている努力を支持し、 同時に国際連合の人権活動との協力の重要性を強調する。
 世界人権会議は、人権の助長及び保護のための地域的及び小地域的取決めがいまだに存在していない場所において、 これらを設立する可能性を検討することが必要であると繰り返す。

38〔非政府機構〕 世界人権会議は、国家的、地域的及び国際的レベルにおける人権の助長並びに人道的活動において、 非政府機構が果たす重要な役割を承認する。世界人権会議は、人権問題に関する公衆の意識の向上、この分野における教育、 訓練及び研究の実施、並びにすべての人権及び基本的自由の助長及び保護における、非政府機構の貢献を評価する。会議は、 基準設定の第一次的責任は国家にあることを認めるものであるが、この過程における非政府機構の貢献をも評価するものである。 この点に関して、世界人権会議は、諸政府と非政府機構との間の継続的な対話及び協力が重要であることを強調する。 人権の分野に誠実に関与している非政府機構及びその参加者は、 世界人権宣言が認める権利及び自由並びに国内法の保護を享受すべきである。これらの権利及び自由は、 国際連合の目的及び原則に反して行使されてはならない。非政府機構は、国内法及び世界人権宣言の枠内において、 人権活動の実施に当つて干渉を受けることなく自由でなければならない。

39〔メディアの役割〕 世界人権会議は、人権及び人道問題に関する客観的で責任ある偏らない情報の重要性を強調し、メディアの関与の増大を奨励する。 メディアに対しては、国内法の枠内で自由及び保護が保障されるべきである。

第II部〔行動計画〕(抜粋)  

A.国際連合システム内の人権に関する調整の拡充(省略)

B.平等.尊厳及び莫容(抜粋)

25.世界人樺会議は、人権委員会に対し、民族的又は種族的、宗教的及び言語的マイノリティに属する人々の権利に関する宣言で定義されているマイノリティに属する人々の権利を実効的に伸長及び保護するための手段及び方策を検討することを要請する。この文脈において、世界人権会議は、人権センターに対し、関係政府の要請に応じて、且つ助言サービス及び専門的援助の事業計画の一環として、マイノリティに関する現実の又は潜在的な状況を支援するため、マイノリティ問題及び人権、並びに紛争の防止及び解決に関する適切な専門的知識を提供することを要請する。

26.世界人権会議は、国家と国際社会に対し、民族的又は種族的、宗教的及び言語的マイノリティに属する人々の権利に関する宣言に従って、民族的又は種族的、宗教的及び言語的マイノリティに属する人々の権利を伸長し且つ保護することを求める。

27.講じられるべき措置には、適切な場合には、社会における政治的、経済的、社会的、宗教的及び言語的生活のあらゆる側面、並びに自国経済の進展及び発展への十分な参加を促進することも含めるべきである。

C.協力、発展、及び人権の強化(省略)

D.人権教育

78.世界人権会議は、人権に関する教育、訓練及び広報が、社会の安定的且つ調和的な関係を促進及び達成し、並びに相互の理解、寛容及び平和を促進するために不可欠なものであると考える。

79.国家は、非識字者をなくすため努力し、人間性を十分に発展させ、並びに人権及び基本的自由の尊重を強化する方向で教育を推進しなければならない。世界人権会議は、すべての公的及び私的教育機関の教育課程に科目として、人権、人道法、民主主義及び法の支配を含めるよう、すべての国家と機関に求める。

80.人権教育は、人権への普遍的な信念の強化にかんがみて、共通の理解及び意識を達成するために、国際的及び地域的人権文書に明記される平和、民主主義、発展、及び社会正義を含むものでなければならない。

81.国際連合教育科学文化機関の人権及び民主主義教育に関する国際会議が1993年3月に採択した人権及び民主主義のための教育に関する世界行動計画、並びにその他の人権文書を考慮して、世界人権会議は、各国に対し、とりわけ女性にとっての人権の必要性を考慮して、最も幅広い人権教育及び情報の広報を確保するため、特別な事業計画及び戦略を策定するよう勧告する。

82.政府は、政府間機構、国内機関及びNGOの支援のもと、人権意識の一層の向上と相互の寛容を促進しなければならない。世界人権会議は、国際連合によって実行された世界広報キャンペーンの強化の重要性を強調する。政府は、人権に関する教育を主導及び支持し、この分野における情報を実効的に普及させなければならない。国際連合システムの助言サービス及び専門的援助事業計画は、人権の分野における教育及び訓練活 動、並びに国際人権文書及び人道法に含まれている基準や軍隊、法執行官、警察官及び保健要員のような特別な集団への基準の適用に関する特別教育に関する各国からの要請に直ちに対応できるものでなければならない。人権分野における教育活動を促進し、奨励し、及びこれに焦点をあてるために、人権教育のための国際連合の10年の宣言が検討されなければならない。

E.実施及び監視方法

83.世界人権会議は政府に対し、国際的人権文書に含まれている基準を国内法に編入し、人権を伸長及び保護する役割を果たす国内体制、社会の制度及び機関を強化することを求める。

84.世界人権会議は、人権の伸長及び保護のため自国の国内制度を設立し又は強化することを望む国家による援助の要請に対応するため、国際連合の事業活動及び計画の強化を勧告する。

85.世界人権会議はまた、特に情報及び経験の交換、並びに地域的機構と国際連合との協力を通じて、人権の伸長及び保護に携わる国内諸機構の間の協力の強化を奨励する。

86.世界人権会議は、この点に関して、人権の伸長及び保譲に関する国内機構の代表者が人権センターの後援のもとに、機構の改善及び経験の共有の方法及び手段を検討するため定期的会合を招集することを強く勧告する。

87.世界人権会議は、人権条約機関、条約機関議長会議及び締約国会議に対して、それぞれの人権条約に基づく国家報告の準備のための多様な報告の要件及びガイドラインの調整を目指して引き続き措置をとり、並びに各国が条約義務に関する単一の包括的報告を提出すれば、これらの手続はより実効的なものとなり、その効果を増すという提案を引き続き検討することを勧告する。

88.世界人権会議は、国際人権条約の締約国、国際連合総会及び経済社会理事会に対して、任務及び職務の不必要な重複を避ける必要を考慮して、様々な部、機関及び手続のよりよい調整を通じて、より大きな効率性と実効性を促す観点から、現存する人権条約機関並びに様々なテーマ別機関及び手続の研究を考慮することを勧告する。

89.世界人権会議は、この点に関してなされた多様な提案、とりわけ条約機関自体及び条約機関議長会議によってなされた提案を考慮して、監視活動を含む、条約機関の機能の縦統的な改善作業を勧告する。子どもの権利に関する委員会が採用している包括的な国内的アプローチも奨励されなければならない。

90.世界人権会議は、人権諸条約の締約国に対し、利用しうる選択的な通報手続の受容を検討するよう勧告する。

91.世界人権会議は、人権侵害の加害者が処罰されない事態に懸念を表明し、人権委員会及び差別防止及び少数者保護小委員会がこの問題のすべての側面を検討する努力を支持する。

92.世界人権会議は、人権委員会に対し、国際及び地域レベルにおいて、現存する人権条約のよりよい実施の可能性を検討することを勧告し、また国際法委員会に対し、国際刑事裁判所に関する作業を継続するよう勧告する。

93.世界人権会議は、1949年8月12日のジュネーブ条約及び追加議定書への未加入国に対しこれらに加入すること、並びにその完全な実施のため、立法措置を含むあらゆる適切な国内措置をとることを要請する。

94.世界人権会議は、普遍的に認知された人権及び基本的自由を伸長し保護するための個人、集団及び機関の社会における権利と責任に関する宣言草案の迅速な完成と採択を勧告する。

95.世界人権会議は、人権委員会及び差別防止及び少数者保護小委員会の特別手続の報告者、代表者、専門家及び作業部会が、世界のすべての国々においてその任務の遂行を可能にするために、これらの制度を維持し強化すること、並びに必要な人的及び財政的資滑を提供することの重要性を強調する。諸手続及び諸機関は、定期的会合を通じて作業を調和させ且つ合理化しなければならない。すべての国は、これらの手続及び機関と完全に協力することが求められる。

96.世界人権会議は、国際連合が憲章の目的及び原則に従って、武力紛争下のすべての状況において国際人道法の完全な尊重を確実にするために、人権の伸長及び保護に関してより積極的な役割を引き受けることを勧告する。

97.世界人権会議は、国際連合のいくつかの平和維持活動に関する特別な取極で設置された人権部門の重要な役割を認識しつつ、事務総長が国際連合憲章に従って、人権センター及び人権保障機構の報告、経験及び能力を考慮に入れることを勧告する。

98.経済的、社会的及び文化的権利の享受を強化するために、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約に規定された権利の実現の進捗状況についての指針に関するシステムのような、追加的手段が検討されるべきである。経済的、社会的及び文化的権利の承認を国内、地域、及び国際レベルで確保するための協調的努力がなされなければならない。

F.世界人権会議のフォローアツプ

99.世界人権会議は、総会、人権委員会及び国際連合システム内のその他の人権関連機関に対し、国際連合人権の10年宣言の可能性を含むこの会議の最終文書に含まれる勧告を遅滞なく完全に実施するための措置を検討することを勧告する。世界人権会議は、人権委員会がこの目的に向けての進展を毎年検討することを、さらに勧告する。

100.世界人権会議は、世界人権宣言50周年記念の機会に、すべての国家及び国際連合システム内のすべての人権関連機関が、この会議の最終文書の実施についての進捗状況を事務総長に報告するよう求めるとともに、人権委員会及び経済社会理事会を通じて、総会第53回会期に報告書を提出することを、国際連合事務総長に対し要請する。同様に、地域的人権機構、適切な場合には、国内人権機構、並びにNGOは、この会議の最終文書の実施面でなされた進展に関して、国際連合事務総長に意見を述べることができる。国際連合システムの枠組みの中で採択された国際的人権条約及び議定書の普遍的な批准という目標に向かっての進展の評価に関し、特別な注意が払われなければならない。

   「国連広報センター」ホームページより

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 今日は、明治時代後期の1904年(明治37)に、建築家・文筆家谷口吉郎の生まれた日です。
 谷口吉郎(たにぐち よしろう)は、金沢市片町の九谷焼窯元「谷口金陽堂」を営む父・谷口吉次郎、母・直江の長男として生まれました。石川県師範学校附属小学校、石川県立第二中学校、第四高等学校を経て、1925年(大正14)に、東京帝国大学工学部建築学科に入学します。
 1928年(昭和3)に東京帝国大学工学部建築学科卒業後、同大学大学院へ進み、1930年(昭和5)に東京帝国大学大学院を修了し、東京工業大学講師となり、翌年には、助教授に昇任しました。1938年(昭和13)に、駐独日本大使館の日本庭園建設のため、外務省嘱託としてドイツのベルリンに出張し、翌年帰国します。
 1942年(昭和17)に、「建造物に作用する風圧の研究」により日本建築学会賞学術賞を受賞、翌年には、東京工業大学より工学博士を授与され、同大学教授となりました。太平洋戦争後は、1949年(昭和24)に、藤村記念堂、慶應義塾大学4号館・学生ホールの設計により日本建築学会賞作品賞を受賞、1952年(昭和27)に、文化財専門審議会専門委員となり、1956年(昭和31)には、秩父セメント第2工場の設計により再び日本建築学会賞作品賞を受賞しています。
 また、文筆家としても知られ、1940年(昭和15)に木下杢太郎らと「花の書の会」を始め、機関紙「花の書」に創刊号から随筆を発表、1944年(昭和19)より雑誌「文藝」に随筆『雪あかり日記』を書き始め、1947年(昭和22)に東京出版より刊行、1957年(昭和32)には、著書『修学院離宮』により毎日出版文化賞を受賞しました。1961年(昭和36)に、「東宮御所」設計その他の業績により日本芸術院賞を受賞、1962年(昭和37)に日本芸術院会員となり、1964年(昭和39)には、土川元夫・名鉄社長の協力を得て、博物館明治村を開館し、初代館長に就任しています。
 1965年(昭和40)に東京工業大学を定年退官、名誉教授となり、1968年(昭和43)に、文化庁文化財保護審議会委員に就任、1973年(昭和48)には、文化功労者として顕彰され、文化勲章も受章しました。1977年(昭和52)に、産業考古学会が創立され、初代会長となり、翌年には、金沢市名誉市民第一号ともなりましたが、1979年(昭和54)2月2日に、東京において、74歳で亡くなっています。

〇谷口吉郎の主要な作品
<建築物>
・「慶応義塾日吉寄宿舎」(1938年)
・「藤村記念館」(1948年)日本建築学会賞作品賞受賞
・「秩父セメント第二工場」(1956年)日本建築学会賞作品賞受賞
・「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」(1959年)
・「東宮御所」(1961年)日本芸術院賞受賞
・「帝国劇場」(1966年)
・「東京国立博物館東洋館」(1968年)
・「東京国立近代美術館」(1969年)

<著書>
・随筆集『雪あかり日記』(1947年)
・『修学院離宮』(1957年)毎日出版文化賞受賞
・『清らかな意匠』(1948年)
・随筆集『せせらぎ日記』(1983年)
・『建築に生きる』

☆谷口吉郎関係略年表

・1904年(明治37)6月24日 金沢市片町の九谷焼窯元「谷口金陽堂」を営む父・谷口吉次郎、母・直江の長男として生まれる
・1911年(明治44) 石川県立師範学校附属小学校に入学する
・1918年(大正7) 石川県立第二中学校に入学する
・1922年(大正11) 第四高等学校に入学する
・1925年(大正14) 第四高等学校卒業し、東京帝国大学工学部建築学科に入学する
・1928年(昭和3) 東京帝国大学工学部建築学科卒業し、同大学大学院へ進む
・1930年(昭和5) 東京帝国大学大学院を修了し、東京工業大学講師となる
・1931年(昭和6) 東京工業大学助教授となる
・1932年(昭和7) 「東工大水力実験室」を設計する
・1935年(昭和10) 洗足に自邸を建設する
・1938年(昭和13) 駐独日本大使館の日本庭園建設のため、外務省嘱託としてドイツのベルリンに出張する
・1939年(昭和14) ドイツのベルリンから帰国する
・1940年(昭和15) 木下杢太郎らと「花の書の会」を始め、機関紙「花の書」に創刊号から随筆を発表する
・1942年(昭和17) 「建造物に作用する風圧の研究」により日本建築学会賞学術賞を受賞する
・1943年(昭和18) 学位論文「建築物の風圧に関する研究」により東京工業大学より工学博士を得る、東京工業大学教授となる
・1944年(昭和19) 11月頃より雑誌「文藝」に随筆『雪あかり日記』を書き始める
・1947年(昭和22) 随筆集『雪あかり日記』を東京出版より刊行する
・1948年(昭和23) 『清らかな意匠』を自装で朝日新聞社から刊行する
・1949年(昭和24) 藤村記念堂、慶應義塾大学4号館・学生ホールの設計により日本建築学会賞作品賞を受賞する
・1952年(昭和27) 文化財専門審議会専門委員となる、石川県繊維会館が竣工する
・1956年(昭和31) 秩父セメント第2工場の設計により日本建築学会賞作品賞を受賞する
・1957年(昭和32) 著書「修学院離宮」により毎日出版文化賞を受賞する
・1959年(昭和34) 石川県美術館、千鳥ヶ淵戦没者墓苑が竣工する
・1961年(昭和36) 「東宮御所」設計その他の業績により日本芸術院賞を受賞する
・1962年(昭和37) 日本芸術院会員となる、ホテルオークラが竣工する
・1964年(昭和39) 博物館明治村初代館長に就任する
・1965年(昭和40) 東京工業大学を定年退官、名誉教授となる
・1968年(昭和43) 文化庁文化財保護審議会委員となる、東京国立博物館東洋館が竣工する
・1973年(昭和48) 文化功労者となり、文化勲章を受章する
・1974年(昭和49) 迎賓館赤坂離宮和風別館が竣工する
・1977年(昭和52) 産業考古学会が創立され、初代会長となる
・1978年(昭和53) 金沢市名誉市民第一号となる
・1979年(昭和54)2月2日 東京において、74歳で亡くなり、従三位勲一等瑞宝章を追贈される

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 今日は、平成時代の1999年(平成11)に、「男女共同参画社会基本法」(平成11年法律78号)が公布・施行された日です。
 「男女共同参画社会基本法」(だんじょきょうどうさんかくしゃかいきほんほう)は、男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、将来に向かって国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会の形成に関する取組を総合的かつ計画的に推進することを目的とする法律でした。基本理念として、男女の人権の尊重、社会における制度または慣行についての配慮、政策等の立案及び決定への共同参画、家庭生活における活動と他の活動の両立、国際的協調の5つの柱を置き(第2~6条)、それらの理念を実現するための国・自治体・国民の責務を定めています。
 本法に基づき、「男女共同参画基本計画」が策定され、また、内閣府に「男女共同参画会議」(議長は内閣官房長官)を置き、①男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視、②政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響についての調査、③必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に意見をすることとしました。
 以下に、「男女共同参画社会基本法」(平成11年法律78号)を全文掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「男女共同参画社会基本法」(平成11年法律78号) 1999年(平成11)6月23日公布・施行

前文
 我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向けた様々な取組が、国際社会における取組とも連動しつつ、着実に進められてきたが、なお一層の努力が必要とされている。

 一方、少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている。

 このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付け、社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の推進を図っていくことが重要である。

 ここに、男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、将来に向かって国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会の形成に関する取組を総合的かつ計画的に推進するため、この法律を制定する。

第一章 総則
(目的)

第一条

この法律は、男女の人権が尊重され、かつ、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することの緊要性にかんがみ、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
(定義)

第二条

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  男女共同参画社会の形成 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。
二  積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(男女の人権の尊重)

第三条

男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。
(社会における制度又は慣行についての配慮)

第四条

男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形成を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。
(政策等の立案及び決定への共同参画)

第五条

男女共同参画社会の形成は、男女が、社会の対等な構成員として、国若しくは地方公共団体における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。
(家庭生活における活動と他の活動の両立)

第六条

男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。
(国際的協調)

第七条

男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参画社会の形成は、国際的協調の下に行われなければならない。
(国の責務)

第八条

国は、第三条から前条までに定める男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)

第九条

地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(国民の責務)

第十条

国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。
(法制上の措置等)

第十一条

政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
(年次報告等)

第十二条

政府は、毎年、国会に、男女共同参画社会の形成の状況及び政府が講じた男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての報告を提出しなければならない。
2  政府は、毎年、前項の報告に係る男女共同参画社会の形成の状況を考慮して講じようとする男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。
第二章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策
(男女共同参画基本計画)

第十三条

政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画基本計画」という。)を定めなければならない。
2  男女共同参画基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱
二  前号に掲げるもののほか、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3  内閣総理大臣は、男女共同参画会議の意見を聴いて、男女共同参画基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4  内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、男女共同参画基本計画を公表しなければならない。
5  前二項の規定は、男女共同参画基本計画の変更について準用する。
(都道府県男女共同参画計画等)

第十四条

都道府県は、男女共同参画基本計画を勘案して、当該都道府県の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県男女共同参画計画」という。)を定めなければならない。
2  都道府県男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一  都道府県の区域において総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱
二  前号に掲げるもののほか、都道府県の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3  市町村は、男女共同参画基本計画及び都道府県男女共同参画計画を勘案して、当該市町村の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「市町村男女共同参画計画」という。)を定めるように努めなければならない。
4  都道府県又は市町村は、都道府県男女共同参画計画又は市町村男女共同参画計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(施策の策定等に当たっての配慮)

第十五条

国及び地方公共団体は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。
(国民の理解を深めるための措置)

第十六条

国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、基本理念に関する国民の理解を深めるよう適切な措置を講じなければならない。
(苦情の処理等)

第十七条

国は、政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策又は男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情の処理のために必要な措置及び性別による差別的取扱いその他の男女共同参画社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された場合における被害者の救済を図るために必要な措置を講じなければならない。
(調査研究)

第十八条

国は、社会における制度又は慣行が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響に関する調査研究その他の男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するように努めるものとする。
(国際的協調のための措置)

第十九条

国は、男女共同参画社会の形成を国際的協調の下に促進するため、外国政府又は国際機関との情報の交換その他男女共同参画社会の形成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(地方公共団体及び民間の団体に対する支援)

第二十条

国は、地方公共団体が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策及び民間の団体が男女共同参画社会の形成の促進に関して行う活動を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。
第三章 男女共同参画会議
(設置)

第二十一条

内閣府に、男女共同参画会議(以下「会議」という。)を置く。
(所掌事務)

第二十二条

会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  男女共同参画基本計画に関し、第十三条第三項に規定する事項を処理すること。
二  前号に掲げるもののほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な方針、基本的な政策及び重要事項を調査審議すること。
三  前二号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、意見を述べること。
四  政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視し、及び政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、意見を述べること。
(組織)

第二十三条

会議は、議長及び議員二十四人以内をもって組織する。
(議長)

第二十四条

議長は、内閣官房長官をもって充てる。
2  議長は、会務を総理する。
(議員)

第二十五条

議員は、次に掲げる者をもって充てる。
一  内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
二  男女共同参画社会の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
2  前項第二号の議員の数は、同項に規定する議員の総数の十分の五未満であってはならない。
3  第一項第二号の議員のうち、男女のいずれか一方の議員の数は、同号に規定する議員の総数の十分の四未満であってはならない。
4  第一項第二号の議員は、非常勤とする。
(議員の任期)

第二十六条

前条第一項第二号の議員の任期は、二年とする。ただし、補欠の議員の任期は、前任者の残任期間とする。
2  前条第一項第二号の議員は、再任されることができる。
(資料提出の要求等)

第二十七条

会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、監視又は調査に必要な資料その他の資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
2  会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
(政令への委任)

第二十八条

この章に定めるもののほか、会議の組織及び議員その他の職員その他会議に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則 抄
(施行期日)

第一条

この法律は、公布の日から施行する。
(男女共同参画審議会設置法の廃止)

第二条

男女共同参画審議会設置法(平成九年法律第七号)は、廃止する。
(経過措置)

第三条

前条の規定による廃止前の男女共同参画審議会設置法(以下「旧審議会設置法」という。)第一条の規定により置かれた男女共同参画審議会は、第二十一条第一項の規定により置かれた審議会となり、同一性をもって存続するものとする。
2  この法律の施行の際現に旧審議会設置法第四条第一項の規定により任命された男女共同参画審議会の委員である者は、この法律の施行の日に、第二十三条第一項の規定により、審議会の委員として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、同条第二項の規定にかかわらず、同日における旧審議会設置法第四条第二項の規定により任命された男女共同参画審議会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。
3  この法律の施行の際現に旧審議会設置法第五条第一項の規定により定められた男女共同参画審議会の会長である者又は同条第三項の規定により指名された委員である者は、それぞれ、この法律の施行の日に、第二十四条第一項の規定により審議会の会長として定められ、又は同条第三項の規定により審議会の会長の職務を代理する委員として指名されたものとみなす。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄
(施行期日)

第一条

この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
二  附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日
(職員の身分引継ぎ)

第三条

この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
(別に定める経過措置)

第三十条

第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)

第一条

この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

    「ウィキソース」より

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SCAPIN-1033
 今日は、昭和時代中期の1946年(昭和21)に、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」(SCAPIN-1033)を出した日です。
 「GHQ日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」(GHQにほんのぎょぎょうおよびほげいぎょうににんかされたくいきににかんするおぼえがき)は、昭和時代前期の太平洋戦争敗戦後の連合国軍占領下で、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって、1946年(昭和21)6月22日に発令された、連合国最高司令官指令第1033号(SCAPIN-1033)のことでした。日本政府に対し、日本漁船の操業限界線(1945年9月27日に定められたいわゆるマッカーサーライン)を改訂したもので、この外側に北緯30度の南に位置する島々(孀婦岩を除く)と竹島を置き、日本船舶と乗員のこれらの島周辺12海里への接近および接触を禁止しています。
 ただし、第5項でこの指令は日本の国境線や漁業権について最終決定したものではないと明記していました。1951年(昭和26)9月8日調印、翌年4月28日に発効した「サンフランシスコ平和条約」締結に伴って廃止されましたが、その後の領土問題に影響を与えています。
 以下に、「GHQ日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」の英語版全文と日本語訳を掲載しておきますので、ご参照下さい。

〇「日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書」 (英語版全文) 

GENERAL HEADQUARTERSSUPREME
COMMANDER FOR THE ALLIED POWERS
                     APO 500
                     22 June 1946

AG 800.217 (22 Jun 46)NR
(SCAPIN 1033 )
MEMORANDOM FOR: IMPERIAL JAPANESE GOVERNMENT
THROUGH : Central Liaison office, Tokyo
SUBJECT : Area Authorized for Japanese Fishing and Whaling.
References : (a) FLTLOSCAP Sereal No. 80 of 27 September 1945.
       (b) SCAJAP Serial No. 42 of 13 October 1945.
       (c) SCAJAP Serial No. 587 of 3 November 1945.

1. The provisions of references (a) and (b), and paragraphs 1 and 3 of reference (c) in so far as they relate to authorization of Japanese fishing areas, are rescinded.

2. Effective this date and until further notice Japanese fishing, whaling and similar operations are authorized within the area bounded as follows: From a point midway between Nosappu Misaki and Kaigara Jima at approximately 43°23' North Latitude, 145°51' East Longitude; to 43° North Latitude, 146°30' East Longitude; thence to 45° North Latitude, 165° East Longitude; thence south along 155th Meridian to 24° North Latitude; west along the 24th Parallel to 123° East Longitude; thence north to 26° North Latitude, 123° East Longitude; thence to 32°30' North Latitude, 125° East Longitude; thence to 33° North Latitude, 127°40' East Longitude; thence to 40° North Latitude, 135° East Longitude; to 45°30' North Latitude, 140° East Longitude; thence east to 45°30' North Latitude, 145° East Longitude rounding Soya Misaki at a distance of three (3) miles from shore; south along 145th Meridian to a point three (3) miles off the coast of Hokkaido; thence along a line three (3) miles off the coast of Hokkaido rounding Shiretoko Saki and passing through Nemuro Kaikyo to the starting point midway between Nosapp Misaki and Kaigara Jima.

3. Authorization in paragraph 2 above is subject to the following provisions:
(a) Japanese vessels will not approach closer than twelve (12) miles to any island within the authorized area which lies south of 30° North Latitude with the exception of Sofu Gan. Personnel from such vessels will not land on islands lying south of 30° North Latitude, except Sofu Gan, nor have contact with any inhabitants thereof.
(b) Japanese vessels or personnel thereof will not approach closer than twelve (12) miles to Takeshima (37°15' North Latitude, 131°53' East Longitude) nor have any contact with said island.

4. The present authorization does not establish a precedent for any further extension of authrized fishing areas.

5. The present authorization is not an expression of allied policy relative to ultimate determination of national jurisdiction, international boundaries or fishing rights in the area concerned or in any other area.

        FOR THE SUPREME COMMANDER:
                        (sgd.) JOHN B.COOLEY,
                              Colonel,AGD
                            Adjutant General.

     「国立国会図書館デジタルコレクション」より

<日本語訳>

406 日本の漁業及び捕鯨業に認可された区域に関する覚書
一九四六年六月二二日
参照書類:
(a) 一九四五年九月二七日附FITLOSCAP.続番号第八〇八六号
(b) 一九四五年一〇月一三日附、SCAJAP(日本商船管理中央事務局)続番号第四二号
(c) 一九四五年一一月三日附、SCJAP続番号第五八七号

1. 参照書類(a)及び(b)、並に参照書類(c)の第一及び第三項は、日本の漁業区認可に関係する限りに於て取消される。

2. 即日施行のこととし又追つて通告あるまで、日本の漁業、捕鯨業及び同種の作業は、次に指定する範囲内に於て認可せられる:
納紗布岬と貝殻島の中間、大体北緯四三度二三分、東経一四五度五一分の点から北緯四三度、東経一四六度三〇分の点に至り、それより北緯四五度東経一六五度の点へ、それより南へ東経一六五度子午線に沿つて北緯二四度に至り、二四度緯線に沿つて東経一二三度の点へ、それより北緯二六度東経一二三度まで北へ、それより更に北緯三二度三〇分、東経一二五度の点へ、更に北緯三三度東経一二七度四〇分へ、その点より北緯四〇度東経一三五度の点に至り、更に北緯四五度三〇分東経一四〇度、それより東へ北緯四五度三〇分東経一四五度の点に延び、宗谷岬を陸岸より三哩離れて廻る。次に一四五度子午線に沿つて南に下り、北海道陸岸より三哩の地点に達し、それより北海道陸を去る三哩沖の一線に沿つて知床岬を迂回、根室海峽を通過して、納紗布岬貝殼島の中間出発点に帰る。

3. 上記第二項の認可は次の規定条項を条件とするものである。
a. 日本の船舶は、嬬婦岩を除き、北緯三〇度以南にある認可区域内の島嶼の何れについても一二哩以內に近づいてはならない。日本船舶の人員は、嬬婦岩を除き、北緯三〇度以南にある島嶼に上陸してはならない。又島嶼の住人との接触も一切許されない。
b. 日本の船舶及びその乘員は竹島(北緯三七度一五分東經一三一度五三分)から一二哩以內に近づいてはならない。又この島とは一切接触を持つてはならない。

4. この認可は、今後の認可漁区の拡張に対する前例を設定するものではない。

5. この認可は、関係の地域又はその他如何なる地域に関しても、日本国家の管轄権、国際境界線又は漁業権についての最終決定に関する連合国側政策の表明ではない。

      「日本管理法令研究」12巻より
  ※旧字を新字に直してあります。

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ILOnohata01
 今日は、昭和時代中期の1951年(昭和26)に、国際労働機関(ILO)が日本の再加盟を承認した日です。
 国際労働機関(ILO)】(こくさいろうどうきかん)は、全世界において労働条件を改善し社会正義を実現することを目的とする国際組織です。大正時代の1919年(大正8)に、「ベルサイユ条約」の第13編労働によって、国際連盟と共に誕生しましたが、現在では、国際連合の専門機関の一つとなりました。
 第一次世界大戦後の社会改革に対して高まる懸念、そしてあらゆる改革は国際的なレベルで進められるべきだという確信を体現するものとして設立されています。スイスのジュネーブに本部が置かれ、労働条件・立法・社会保障などを討議、各国に勧告してきました。
 第二次世界大戦後の1946年(昭和21)に、ILO総会は新たな「国際労働機関憲章」を採択し、同年に国際連合と連携協定を結んで、最初の国連専門機関となります。2019年(平成31)3月19日現在で、計187ヶ国が加盟し、機構は総会・理事会・各種委員会・事務局よりなり、加盟国の政府・使用者・労働者の三者代表で構成され、40以上の国に、地域総局及び現地事務所を設置してきました。創立50周年にあたる1969年(昭和44)には、国家間の友愛と平和に貢献し、労働者のディーセント・ワークと正義を追求し、途上国に技術支援を行ってきたことをたたえノーベル平和賞を受賞しています。
 日本は設立と同時に加盟し、常任理事国でしたが、1938年(昭和13)に脱退、第二次世界大戦後の1951年(昭和26)に再加盟し、1954年(昭和29)以来、常任理事国となっていました。しかし、労働者保護に関わる重要な条約である1号条約(一日8時間・週48時間制)、47号条約(週40時間制)、132号条約(年次有給休暇)、140号条約(有給教育休暇)などが未批准となっています。

〇「国際労働機関憲章」(昭和27年1月16日条約第1号)

前文
 世界の永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立することができるから、
 そして、世界の平和及び協調が危くされるほど大きな社会不安を起すような不正、困苦及び窮乏を多数の人民にもたらす労働条件が存在し、且つ、これらの労働条件を、たとえば、一日及び一週の最長労働時間の設定を含む労働時間の規制、労働力供給の調整、失業の防止、妥当な生活賃金の支給、雇用から生ずる疾病・疾患・負傷に対する労働者の保護、児童・年少者・婦人の保護、老年及び廃疾に対する給付、自国以外の国において使用される場合における労働者の利益の保護、同一価値の労働に対する同一報酬の原則の承認、結社の自由の原則の承認、職業的及び技術的教育の組織並びに他の措置によつて改善することが急務であるから、
 また、いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国における労働条件の改善を希望する他の国の障害となるから、
 締約国は、正義及び人道の感情と世界の恒久平和を確保する希望とに促されて、且つ、この前文に掲げた目的を達成するために、次の国際労働機関憲章に同意する。

  第一章 組織
第一条 1 この憲章の前文及びこの憲章の附属書となつている千九百四十四年五月十日にフィラデルフィアで採択された国際労働機関の目的に関する宣言に掲げた目標を達成するために、ここに常設機関を設置する。
2 国際労働機関の加盟国は、千九百四十五年十一月一日にこの機関の加盟国であつた国並びにこの条の第三項及び第四項の規定に従つて加盟国となる他の国とする。
3 国際連合の原加盟国及び国際連合憲章の規定に従い国際連合総会の決定によつて国際連合の加盟国となることを認められた国は、国際労働機関憲章の義務の正式の受諾を国際労働事務局長に通知することによつて、国際労働機関の加盟国となることができる。
4 また、国際労働機関の総会は、出席し且つ投票する政府代表の三分の二の賛成投票を含む会期に参加している代表の三分の二の賛成投票によつて、この機関への加盟を承認することができる。この加盟は、国際労働事務局長に新加盟国の政府によるこの機関の憲章の義務の正式の受諾の通知があつた時に効力を生ずる。
5 国際労働機関の加盟国は、脱退する意思を国際労働事務局長に通告しなければ、この機関から脱退することができない。この通告は、事務局長が受領した日の後二年で効力を生ずる。但し、この時にその加盟国が加盟国としての地位から生ずるすべての財政的義務を果していることを条件とする。この脱退は、加盟国がいずれかの国際労働条約を批准しているときは、その条約で定めた期間中は、その条約から生じ又はその条約に関係するすべての義務の継続的効力に影響を及ぼさない。
6 いずれかの国がこの機関の加盟国でなくなつた場合には、その再加盟については、それぞれこの条の第三項又は第四項の規定によるものとする。
第二条 この常設機関は、次のものからなる。
(a)加盟国の代表者の総会
(b)第七条に規定するように構成する理事会 及び
(c)理事会の監督を受ける国際労働事務局
第三条 1 加盟国の代表者の総会の会合は、必要に応じて随時に、且つ、少くとも毎年一回開催する。総会は、各加盟国の四人の代表者で構成する。そのうちの二人は政府代表とし、他の二人は各加盟国の使用者及び労働者をそれぞれ代表する代表とする。
2 各代表は、顧問を伴うことができる。顧問は、会合の議事日程の各議題について二人をこえてはならない。婦人に特に関係がある問題が総会で審議されるときは、顧問のうちの少くとも一人は、婦人でなければならない。
3 非本土地域の国際関係に責任をもつ各加盟国は、自国の各代表に対する顧問として更に次の者を任命することができる。
(a)前記の地域の自治権の範囲内にある事項について前記のいずれかの地域の代表者として加盟国が指名する者 及び
(b)非自治地域に関する事項について自国の代表に助言するために加盟国が指名する者
4 二以上の加盟国の共同の権力の下にある地域の場合には、それらの加盟国の代表に助言する者を指名することができる。
5 加盟国は、各自の国に使用者又は労働者をそれぞれ最もよく代表する産業上の団体がある場合には、それらの団体と合意して選んだ民間の代表及び顧問を指名することを約束する。
6 顧問は、これを伴う代表が要請し且つ総会議長が特別に許可する場合を除いて、発言してはならない。また、顧問は、投票することができない。
7 代表は、議長にあてた通告書によつて、その顧問の一人を代理者に任命することができる。この顧問は、代理者として行動しているときは、発言し且つ投票することを許される。
8 代表及びその顧問の氏名は、各加盟国の政府が国際労働事務局に通知する。
9 代表及びその顧問の委任状は、総会の審査を受けなければならない。総会は、この条に従つて指名されなかつたと認める代表又は顧問の承認を出席代表の投票の三分の二によつて拒絶することができる。
第四条 1 総会の審議に付されるすべての事項について、各代表は、個別的に投票する権利をもつ。
2 ある加盟国が、指名権をもつにもかかわらず、民間代表の一人を指名しないときは、他の民間代表は、総会に出席し且つ発言することを許されるが、投票することを許されない。
3 総会が第三条に従つてある加盟国の代表の承認を拒絶したときは、その代表が指名されなかつたものとして、この条の規定が適用される。
第五条 総会の会合は、前回の会合において総会自体が行うことのある決定に従うことを条件として、理事会が決定する場所で開催する。
第六条 国際労働事務局の所在地の変更は、総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつて決定する。
第七条 1 理事会は、次の五十六人で構成する。
政府を代表する二十八人
使用者を代表する十四人及び
労働者を代表する十四人
2 政府を代表する二十八人のうち、十人は、主要産業国たる加盟国が任命し、十八人は、前記の十加盟国の代表を除く総会における政府代表によつてこのために選定された加盟国が任命しなければならない。
3 理事会は、必要に応じて、どの国がこの機関の主要産業国たる加盟国であるかを決定し、且つ、理事会の決定前に主要産業国たる加盟国の選定に関するすべての問題を公平な委員会が審議することを確保する規則を定める。どの国が主要産業国たる加盟国であるかに関する理事会の宣言に対して加盟国が行う提訴は、総会が判定する。但し、総会への提訴は、総会がその提訴を判定する時まで宣言の適用を停止するものではない。
4 使用者を代表する者及び労働者を代表する者は、総会における使用者代表及び労働者代表がそれぞれ選挙しなければならない。
5 理事会の任期は、三年とする。理事会の選挙が何らかの理由によつてこの期間の満了の時に行われないときは、理事会は、この選挙が行われる時まで在任する。
6 欠員の補充及び代理者の任命の方法並びに他の類似の問題は、総会の承認を条件として、理事会が決定することができる。
7 理事会は、随時に、その構成員の中から議長一人及び副議長二人を選挙する。そのうちの一人は政府を代表する者とし、一人は使用者を代表する者とし、一人は労働者を代表する者としなければならない。
8 理事会は、その議事手続を規定し、且つ、その会合の時期を定める。特別会合は、理事会における代表者の少くとも十六人が書面でその要請をしたときに開催する。
第八条 1 国際労働事務局に事務局長を置く。事務局長は、理事会によつて任命され、且つ、理事会の指示の下で、国際労働事務局の能率的な運営及び他の委託されることのある任務について責任を負う。
2 事務局長又はその代理者は、理事会のすべての会合に出席しなければならない。
第九条 1 国際労働事務局の職員は、事務局長が理事会の承認した規則に基いて任命する。
2 事務局長は、事務局の業務の能率を充分に考慮しつつできる限り、国籍の異なる者を選任しなければならない。
3 前項の者のうちの若干人は、婦人でなければならない。
4 事務局長及び職員の責任は、性質上もつぱら国際的なものである。事務局長及び職員は、その任務の遂行に当つて、いかなる政府からも又はこの機関外のいかなる当局からも指示を求め、又は受けてはならない。事務局長及び職員は、この機関に対してのみ責任を負う国際的職員としての地位を損ずる虞のあるいかなる行動も慎まなければならない。
5 この機関の各加盟国は、事務局長及び職員の責任のもつぱら国際的な性質を尊重すること並びにこれらの者が責任を果すに当つてこれらの者を左右しようとしないことを約束する。
第十条 1 国際労働事務局の任務は、労働者の生活状態及び労働条件の国際的調整に関するすべての事項についての資料の収集及び配布、特に国際条約の締結を目的として総会に提出することが提案されている事項の審査並びに総会又は理事会が命ずることのある特別の調査の実施を含む。
2 事務局は、理事会が与える指示に従つて、次のことを行う。
(a)総会の会合のための議事日程の各種の議題に関する書類を準備すること。
(b)総会の決定に基いて行う法律及び規則の立案並びに行政上の慣行及び監督制度の改善に関して、政府の要請があつたときに、可能なすべての適当な援助をこれに与えること。
(c)条約の実効的な遵守に関して、この憲章の規定により事務局に要求される任務を遂行すること。
(d)国際的な関係をもつ産業及び雇用の問題を取り扱う出版物を、理事会が望ましいと認める言語で編集し且つ刊行すること。
3 一般に、事務局は、総会又は理事会が委託する他の権限及び任務をもつ。
第十一条 労働問題を取り扱う加盟国の官庁は、国際労働事務局の理事会における自国政府の代表者を通じて、又は、このような代表者がない場合には、資格のある他の公務員で政府がこのために指名するものを通じて、事務局長と直接に連絡することができる。
第十二条 1 国際労働機関は、この憲章の条項の範囲内で、専門的責任をもつ公的国際機関の活動を調整する任務をもつ一般的国際機関及び関係分野において専門的責任をもつ公的国際機関と協力しなければならない。
2 国際労働機関は、公的国際機関の代表者が投票権なしにこの機関の審議に参加するための適当な取極をすることができる。
3 国際労働機関は、使用者、労働者、農業者及び協同組合員の国際機関を含む承認された民間国際機関との望ましいと認める協議のための適当な取極をすることができる。
第十三条 1 国際労働機関は、適当と思われる財政上及び予算上の取極を国際連合と締結することができる。
2 前記の取極が締結されるまでの間は、又は有効な前記の取極がないときはいつでも、
(a)各加盟国は、それぞれ総会又は理事会の会合に出席する自国の代表及びその顧問並びに代表者の旅費及び滞在費を支給する。
(b)国際労働事務局及び総会又は理事会の会合のすべての他の経費は、国際労働事務局長が国際労働機関の一般資金から支出する。
(c)国際労働機関の予算の承認並びに分担金の割当及び徴収のための取極は、総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつて決定しなければならず、且つ、政府代表者の委員会が予算及びこの機関の加盟国間における経費の割当のための取極を承認することについて規定しなければならない。
3 国際労働機関の経費は、この条の第一項又は第二項(c)による有効な取極に従つて、加盟国が負担する。
4 この機関に対する分担金の支払が遅滞しているこの機関の加盟国は、その遅滞金の額がその時までの満二年間にその国から支払われるべきであつた分担金の額に等しいか又はこれをこえるときは、総会、理事会若しくは委員会において又は理事会の構成員の選挙において投票権をもたない。但し、総会は、支払の不履行が加盟国にとつてやむを得ない事情によると認めたときは、出席代表の投票の三分の二の多数によつて、その加盟国に投票を許すことができる。
5 国際労働事務局長は、国際労働機関の資金の適正な支出について理事会に対して責任を負う。

  第二章 手続
第十四条 1 総会のすべての会合の議事日程は、理事会が、加盟国の政府、第三条の適用上承認された代表的団体又は公的国際機関によつて行われることのある議事日程に関する示唆を考慮して定める。
2 理事会は、総会による条約又は勧告の採択の前に予備的な会議又は他の方法で完全な技術的準備及び最も関係の深い加盟国の充分な協議を確保するために、規則を作成しなければならない。
第十五条 1 事務局長は、総会の事務総長として行動し、且つ、議事日程を加盟国及び、民間代表が指名されているときはこの加盟国を通じて、その民間代表に、総会の会合の四箇月前に到達するように送付しなければならない。
2 議事日程の各議題に関する報告は、総会の会合に先だつて充分に検討することができるような時期に加盟国に到達するように発送しなければならない。理事会は、この規定の適用のための規則を作成しなければならない。
第十六条 1 いずれの加盟国政府も、議事日程中のある議題の存置に対して正式に異議を申し立てることができる。このような異議の理由は、事務局長にあてた陳述書に記載し、事務局長は、これをこの機関のすべての加盟国に通報しなければならない。
2 もつとも、このような異議があつた議題は、総会において出席代表の投票の三分の二の多数が審議することに賛成であるときは、議事日程から除くことができない。
3 総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつていずれかの事項を総会で審議すべきことを決定したとき(前項の場合を除く。)は、その事項は、次回の会合の議事日程に入れなければならない。
第十七条 1 総会は、議長一人及び副議長三人を選挙する。副議長のうちの一人は政府代表とし、一人は使用者代表とし、一人は労働者代表とする。総会は、その議事手続を定めなければならず、且つ、いずれかの事項について審議し且つ報告する委員会を設けることができる。
2 この憲章に別段に明白に規定された場合あるいは総会に権限を与える条約若しくは他の文書の条項又は第十三条に基いて採択された財政上及び予算上の取極の条項によつて別段に明白に規定された場合を除き、すべての事項は、出席代表の投票の単純過半数によつて決定する。
3 表決は、投票総数が総会に参加している代表の半数に達しないときは無効とする。
第十八条 総会は、その設置する委員会に投票権をもたない技術的専門家を置くことができる。
第十九条 1 総会が議事日程のある議題に関する提案を採択することに決定したときは、総会は、その提案が(a)国際条約の形式をとるべきか、又は(b)取り扱われた問題若しくはその問題のある面がそのときに条約として適当と認められない場合には事情に応ずる勧告の形式をとるべきかを決定する。
2 いずれの場合にも、総会がそれぞれ条約又は勧告を採択するための最終的の投票においては、出席代表の投票の三分の二の多数を必要とする。
3 一般に適用する条約又は勧告を作成する場合には、総会は、気候条件、産業組織の不完全な発達又は他の特殊の事情によつて産業条件が実質的に異なる国について充分な考慮を払い、且つ、これらの国の事態に応ずるために必要と認める修正があるときは、その修正を示唆しなければならない。
4 条約又は勧告は、その二通を総会議長及び事務局長の署名によつて認証しなければならない。そのうちの一通は、国際労働事務局の記録に寄託し、他の一通は、国際連合事務総長に寄託する。事務局長は、条約又は勧告の認証謄本を各加盟国に送付する。
5 条約の場合には、
(a)条約は、批准のためにすべての加盟国に送付する。
(b)各加盟国は、立法又は他の措置のために、総会の会期の終了後おそくとも一年以内に、又は例外的な事情のために一年以内に不可能であるときはその後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にも総会の会期の終了後十八箇月以内に、条約を当該事項について権限のある機関に提出することを約束する。
(c)加盟国は、条約を前記の権限のある機関に提出するためにこの条に従つて執つた措置、権限があると認められる機関に関する細目及びこの機関が執つた措置を国際労働事務局長に通知しなければならない。
(d)加盟国は、当該事項について権限のある機関の同意を得たときは、条約の正式の批准を事務局長に通知し、且つ、条約の規定を実施するために必要な措置を執る。
(e)加盟国は、当該事項について権限のある機関の同意を得なかつたときは、条約で取り扱われている事項に関する自国の法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告する以外には、いかなる義務も負わない。この報告には、立法、行政的措置、労働協約又はその他によつて条約の規定のいずれがどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているかが示され、且つ、条約の批准を妨げ、又は遅延させる障害が述べられていなければならない。
6 勧告の場合には、
(a)勧告は、国内立法又はその他によつて実施されるようにすべての加盟国に審議のために送付する。
(b)各加盟国は、立法又は他の措置のために、総会の会期の終了後おそくとも一年以内に、又は例外的な事情のために一年以内に不可能であるときはその後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にも総会の会期の終了後十八箇月以内に、勧告を当該事項について権限のある機関に提出することを約束する。
(c)加盟国は、勧告を前記の権限のある機関に提出するためにこの条に従つて執つた措置、権限があると認められる機関に関する細目及びこの機関が執つた措置を国際労働事務局長に通知しなければならない。
(d)加盟国は、勧告を前記の権限のある機関に提出することを除き、勧告で取り扱われている事項に関する自国の法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告する以外には、いかなる義務も負わない。この報告には、勧告の規定がどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているか、及びこれらの規定を採択し、又は適用するに当つて必要と認められた又は認められるこれらの規定の変更が示されていなければならない。
7 連邦の場合には、次の規定を適用する。
(a)連邦政府が、憲法制度上、連邦による措置を適当であると認める条約及び勧告については、連邦の義務は、連邦でない加盟国の義務と同一とする。
(b)連邦政府が、憲法制度上、全部又は一部について、連邦による措置よりも連邦を構成する邦、州又は県による措置を適当であると認める条約及び勧告については、連邦政府は、
 (一)その憲法及び関係のある邦、州又は県の憲法に従つて、立法又は他の措置のために総会の会期の終了後十八箇月以内に条約及び勧告が連邦、邦、州又は県の適当な機関に提出されるための有効な取極をしなければならない。
 (二)関係のある邦、州又は県の政府の同意を条件として、条約及び勧告の規定を実施するための調整された行動を連邦国家内で促進することを目的として連邦の機関と邦、州又は県の機関との間で定期的協議を行うように措置しなければならない。
 (三)条約及び勧告が連邦、邦、州又は県の適当な機関に提出されるためにこの条に従つて執つた措置、適当と認められる機関に関する細目及びこの機関が執つた措置を国際労働事務局長に通知しなければならない。
 (四)連邦政府が批准しなかつた各条約については、連邦及びこれを構成する邦、州又は県の当該条約に関する法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告しなければならない。この報告には、立法、行政的措置、労働協約又はその他によつて条約の規定のいずれがどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているかが示されていなければならない。
 (五)各勧告については、連邦及びこれを構成する邦、州又は県の勧告に関する法律及び慣行の現況を、理事会が要請する適当な間隔をおいて、国際労働事務局長に報告しなければならない。この報告には、勧告の規定がどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているか、及びこれらの規定を採択し、又は適用するに当つて必要と認められた又は認められるこれらの規定の変更が示されていなければならない。
8 いかなる場合にも、総会による条約若しくは勧告の採択又は加盟国による条約の批准は、条約又は勧告に規定された条件よりも関係労働者にとつて有利な条件を確保している法律、裁決、慣行又は協約に影響を及ぼすものとみなされてはならない。
第二十条 前条によつて批准された条約は、国際連合憲章第百二条の規定に従つて登録するために、国際労働事務局長が国際連合事務総長に送付するが、その条約は、批准する加盟国のみを拘束する。
第二十一条 1 最終的審議のために総会に提出された条約が出席代表の投票の三分の二の支持を確保しなかつたときも、相互間においてその条約を協定することは、この機関の加盟国の権利に属する。
2 前項によつて協定した条約は、関係政府が国際労働事務局長及び、国際連合憲章第百二条の規定に従つて登録するために、国際連合事務総長に送付しなければならない。
第二十二条 各加盟国は、当事国となつた条約の規定を実施するために執つた措置について、国際労働事務局に年次報告をすることに同意する。この報告は、理事会が要請する様式で作成され、且つ、理事会が要請する細目を記載していなければならない。
第二十三条 1 事務局長は、第十九条及び第二十二条に従つて加盟国が送付した資料及び報告の概要を総会の次回の会期に提出しなければならない。
2 各加盟国は、第三条の適用上承認された代表的団体に、第十九条及び第二十二条に従つて事務局長に送付した資料及び報告の写を送付しなければならない。
第二十四条 加盟国のいずれかが当事国である条約の実効的な遵守をその管轄権の範囲内において何らかの点で確保していないことを使用者又は労働者の産業上の団体が国際労働事務局に申し立てた場合には、理事会は、この申立をその対象となつた政府に通知し、且つ、この事項について適当と認める弁明をするようにその政府を勧誘することができる。
第二十五条 理事会は、当該政府から相当な期間内に弁明を受領しなかつた場合又はこれを受領しても弁明を満足と認めなかつた場合には、前記の申立及び、弁明があるときは、この弁明を公表する権利をもつ。
第二十六条 1 いずれの加盟国も、他の加盟国が前記の諸条に従つてともに批准した条約の実効的な遵守を他の加盟国が確保していないと認めた場合には、国際労働事務局に苦情を申し立てる権利をもつ。
2 理事会は、適当と認めるときは、後に規定する審査委員会に前項の苦情を付託する前に、第二十四条に掲げた方法で当該政府と連絡することができる。
3 理事会は、苦情を当該政府に通知することを必要と認めなかつた場合又はこの通知をしても理事会が満足と認める弁明を相当な期間内に受領しなかつた場合には、苦情を審議し且つそれについて報告すべき審査委員会を設けることができる。
4 同一の手続は、理事会がその発意によつても又は総会における代表から苦情を受けたときにも採択することができる。
5 第二十五条又は第二十六条から生ずる事項を理事会が審議している場合に、当該政府は、理事会に代表者を出していないときは、その事項の審議中理事会の議事に参加するための代表者を送る権利をもつ。その事項を審議する期日に関する適当な通告は、当該政府にしなければならない。
第二十七条 加盟国は、第二十六条に基いて苦情が審査委員会に付託される場合には、自国がその苦情に直接に関係があつてもなくても、苦情の対象となつている事項に関係のあるすべての資料でその所有するものを審査委員会の使用に供することに同意する。
第二十八条 審査委員会は、苦情を充分に審議したときは、当事国間の係争問題の決定に関係のあるすべての事実問題の認定を記載し、且つ、苦情に応ずるために執るべき措置及びこの措置を執るべき期限について適当と認める勧告を含む報告書を作成しなければならない。
第二十九条 1 国際労働事務局長は、審査委員会の報告書を理事会及び苦情に関係のある各政府に送付し、且つ、報告書が公表されるようにしなければならない。
2 これらの各政府は、審査委員会の報告書に含まれている勧告を受諾するかしないか、及び受諾しない場合に苦情を国際司法裁判所に付託する意図があるかどうかを、三箇月以内に国際労働事務局長に通知しなければならない。
第三十条 加盟国が条約又は勧告について第十九条第五項(b)、第六項(b)又は第七項(b)(一)に規定された措置を執らなかつた場合には、他の加盟国は、この事項を理事会に付託する権利をもつ。理事会は、このような不履行のあつたことを認めた場合には、この事項を総会に報告しなければならない。
第三十一条 第二十九条に従つて付託された苦情又は事項に関する国際司法裁判所の決定は、最終的とする。
第三十二条 国際司法裁判所は、審査委員会の認定又は勧告を確認し、変更し、又は破棄することができる。
第三十三条 加盟国がそれぞれ審査委員会の報告書又は国際司法裁判所の決定に含まれている勧告を指定された期間内に履行しなかつたときは、理事会は、勧告の履行を確保するための適宜と認める措置を総会に勧告することができる。
第三十四条 勧告を履行しなかつた政府は、それぞれ審査委員会の勧告又は国際司法裁判所の決定中の勧告を履行するために必要な措置を執つたことをいつでも理事会に通知し、且つ、その主張を確めるべき審査委員会の設置を要請することができる。この場合には、第二十七条、第二十八条、第二十九条、第三十一条及び第三十二条の規定を適用するものとし、審査委員会の報告又は国際司法裁判所の決定が勧告を履行しなかつた政府に有利であるときは、理事会は、第三十三条に従つて執つた措置の中止を直ちに勧告しなければならない。

  第三章 一般規定
第三十五条 1 加盟国は、この憲章の規定に従つて批准した条約を、自国が施政権者たる信託統治地域を含めて自国が国際関係に責任をもつ非本土地域に対して適用することを約束する。但し、その条約の主題たる事項が当該地域の自治権内にある場合又は条約が地方的条件によつて適用できない場合を除くものとし、また、条約を地方的条件に適応させるために必要な変更を加えることを条件とする。
2 条約を批准する各加盟国は、批准の後なるべくすみやかに、次の第四項及び第五項に掲げたものを除く地域について、条約の規定のどの程度の適用を約束するかを述べ、且つ、条約で定める細目を示した宣言を国際労働事務局長に通知しなければならない。
3 前項によつて宣言を通知した各加盟国は、条約の条項に従つて、前の宣言の条項を変更し且つ当該地域に関する現況を述べた新たな声明を随時に通知することができる。
4 条約の主題たる事項がいずれかの非本土地域の自治権内にあるときは、当該地域の国際関係に責任をもつ加盟国は、当該地域の政府による立法又は他の措置のためになるべくすみやかに条約を当該政府に送付しなければならない。その後、加盟国は、当該地域の政府と合意して、当該地域のために条約の義務を受諾する宣言を国際労働事務局長に通知することができる。
5 条約の義務を受諾する宣言は、次のものが国際労働事務局長に通知することができる。
(a)この機関の二以上の加盟国の共同の権力の下にある地域については、この二以上の加盟国 又は
(b)国際連合憲章若しくはその他によつて国際機関が施政の責任をもつ地域については、その国際機関
6 第四項又は第五項による条約の義務の受諾は、条約の条項で定めた義務及びこの機関の憲章に基く義務で批准した条約に適用されるものを関係地域のために受諾したものとする。受諾の宣言には、条約を地方的条件に適応させるために必要な条約の規定の変更を明記することができる。
7 この条の第四項又は第五項によつて宣言を通知した各加盟国又は国際機関は、条約の条項に従つて、関係地域のために前の宣言の条項を変更する新たな宣言又は条約の義務の受諾を終止する新たな宣言を随時に通知することができる。
8 条約の義務がこの条の第四項又は第五項に関する地域のために受諾されないときは、関係のある一若しくは二以上の加盟国又は国際機関は、条約で取り扱われている事項に関する当該地域の法律及び慣行の現況を国際労働事務局長に報告しなければならない。この報告には、立法、行政的措置、労働協約又はその他によつて条約の規定のいずれがどの程度に実施されているか、又は実施されようとしているかが示され、且つ、条約の受諾を妨げ、又は遅延させる障害が述べられていなければならない。
第三十六条 総会が出席代表の投票の三分の二の多数によつて採択するこの憲章の改正は、この憲章の第七条第三項の規定に従つて主要産業国たる加盟国として理事会に代表者を出している十加盟国のうちの五国を含むこの機関の加盟国の三分の二によつて批准され、又は受諾された時に効力を生ずる。
第三十七条 1 この憲章又は加盟国がこの憲章の規定に従つて今後締結する条約の解釈に関する疑義又は紛争は、決定のために国際司法裁判所に付託する。
2 この条の第一項の規定にかかわらず、理事会は、理事会によつて又は条約の条項に従つて付託される条約の解釈に関する紛争又は疑義をすみやかに解決すべき裁判所の設置に関する規則を作成し、且つ、承認のために総会に提出することができる。国際司法裁判所の判決又は勧告的意見で適用できるものは、この項によつて設置される裁判所を拘束する。この裁判所が行つた裁決は、この機関の加盟国に通報され、裁決に関する加盟国の意見書は、総会に提出されなければならない。
第三十八条 1 国際労働機関は、この機関の目的を達成するために望ましい地域会議の招集及び地域機関の設立を行うことができる。
2 地域会議の権限、任務及び手続は、理事会が作成し且つ確認のために総会に提出される規則によるものとする。

  第四章 雑則
第三十九条 国際労働機関は、完全な法人格及び特に次の能力をもつ。
(a)契約すること。
(b)不動産及び動産を取得し、及び処分すること。
(c)訴訟を提起すること。
第四十条 1 国際労働機関は、各加盟国の領域において、その目的の達成に必要な特権及び免除を享有する。
2 同様に、総会における代表、理事会の構成員、事務局長及び職員は、この機関に関連するその任務を独立に遂行するために必要な特権及び免除を亨有する。
3 前記の特権及び免除は、この機関が加盟国による受諾のために作成する別個の取極で規定する。

附属書
国際労働機関の目的に関する宣言
国際労働機関の総会は、その第二十六回会期としてフィラデルフィアに会合し、千九百四十四年五月十日、国際労働機関の目的及び加盟国の政策の基調をなすべき原則に関するこの宣言をここに採択する。
   一
総会は、この機関の基礎となつている根本原則、特に次のことを再確認する。
(a)労働は、商品ではない。
(b)表現及び結社の自由は、不断の進歩のために欠くことができない。
(c)一部の貧困は、全体の繁栄にとつて危険である。
(d)欠乏に対する戦は、各国内における不屈の勇気をもつて、且つ、労働者及び使用者の代表者が、政府の代表者と同等の地位において、一般の福祉を増進するために自由な討議及び民主的な決定にともに参加する継続的且つ協調的な国際的努力によつて、遂行することを要する。
   二
永続する平和は、社会正義を基礎としてのみ確立できるという国際労働機関憲章の宣言の真実性が経験上充分に証明されていると信じて、総会は、次のことを確認する。
(a)すべての人間は、人種、信条又は性にかかわりなく、自由及び尊厳並びに経済的保障及び機会均等の条件において、物質的福祉及び精神的発展を追求する権利をもつ。
(b)このことを可能ならしめる状態の実現は、国家の及び国際の政策の中心目的でなければならない。
(c)国家の及び国際の政策及び措置はすべて、特に経済的及び財政的性質をもつものは、この見地から判断することとし、且つ、この根本目的の達成を促進するものであり且つ妨げないものであると認められる限りにおいてのみ是認することとしなければならない。
(d)この根本目的に照らして経済的及び財政的の国際の政策及び措置をすべて検討し且つ審議することは、国際労働機関の責任である。
(e)国際労働機関は、委託された任務を遂行するに当り、関係のあるすべての経済的及び財政的要素に考慮を払つて、その決定及び勧告の中に適当と認める規定を含めることができる。
   三
総会は、次のことを達成するための計画を世界の諸国間において促進する国際労働機関の厳粛な義務を承認する。
(a)完全雇用及び生活水準の向上
(b)熟練及び技能を最大限度に提供する満足を得ることができ、且つ、一般の福祉に最大の貢献をすることができる職業への労働者の雇用
(c)この目的を達成する手段として、及びすべての関係者に対する充分な保障の下に、訓練のための便宜並びに雇用及び定住を目的とする移民を含む労働者の移動のための便宜を供与すること。
(d)賃金及び所得並びに労働時間及び他の労働条件に関する政策で、すべての者に進歩の成果の公正な分配を保障し、且つ、最低生活賃金による保護を必要とするすべての被用者にこの賃金を保障することを意図するもの
(e)団体交渉権の実効的な承認、生産能率の不断の改善に関する経営と労働の協力並びに社会的及び経済的措置の準備及び適用に関する労働者と使用者の協力
(f)基本収入を与えて保護する必要のあるすべての者にこの収入を与えるように社会保障措置を拡張し、且つ、広はんな医療給付を拡張すること。
(g)すべての職業における労働者への生命及び健康の充分な保護
(h)児童の福祉及び母性の保護のための措置
(i)充分な栄養、住居並びにレクリエーション及び文化施設の提供
(j)教育及び職業における機会均等の保障
   四
この宣言に述べた目的の達成に必要な世界生産資源の一層完全且つ広はんな利用は、生産及び消費の増大、激しい経済変動の回避、世界の未開発地域の経済的及び社会的発展の促進、一次的生産物の世界価格の一層大きな安定の確保並びに国際貿易の量の多大な且つ確実な増加のための措置を含む実効的な国際的及び国内的の措置によつて確保できることを確信して、総会は、国際労働機関がこの偉大な事業並びにすべての人民の健康、教育及び福祉の増進に関する責任の一部を委託される国際団体と充分に協力することを誓約する。
   五
総会は、この宣言に述べた原則が全世界のすべての人民に充分に適用できること並びに、それをいかに適用するかは各人民の到達した社会的及び経済的発達の段階を充分に考慮して決定すべきであるとしても、まだ従属的な人民及び既に自治に達した人民に対してそれを漸進的に適用することが文明世界全体の関心事項であることを確認する。

   「国際労働機関ホームページ」より

☆国際労働条約(ILO総会で採択される条約)

<Fundamental convention(最優先条約)>

・29号条約 (強制労働に関する条約(英語版))[日本も批准]
・87号条約(結社の自由及び団結権の保護に関する条約)[日本も批准]
・98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約)[日本も批准]
・100号条約(同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約) [日本も批准]
・105号条約(強制労働の廃止に関する条約(英語版))[日本未批准]
・111号条約(雇用及び職業についての差別待遇に関する条約)[日本未批准]
・138号条約(就業が認められるための最低年齢に関する条約)[日本も批准]
・182号条約(最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約)[日本も批准]

<その他>

・1号条約(工業的企業に於ける労働時間を1日8時間かつ1週48時間に制限する条約) - 八時間労働制[日本未批准]
・3号条約(産前産後に於ける婦人使用に関する条約) - 母性保護[日本未批准]
・14号条約(工業的企業に於ける週休の適用に関する条約) - 週休1日制
・47号条約(労働時間を1週40時間に短縮することに関する条約) - 週40時間制[日本未批准]
・30号条約(商業及び事務所における労働時間の規律に関する条約)) - 八時間労働制
・52号条約(年次有給休暇に関する条約(英語版)) - 年次有給休暇
・95号条約(賃金の保護に関する条約) - 賃金保護[日本未批准]
・97号条約(移民労働者に関する条約) - 移民労働者[日本未批准]
・102号条約(社会保障の最低基準に関する条約(英語版)) - ユニバーサルヘルスケア、傷病給付、失業給付、老齢給付、業務災害給付を規定 [日本も批准]
・128号条約(障害、老齢及び遺族給付に関する条約(英語版))- 年金#給付事項を規定
・132号条約(年次有給休暇に関する条約) - 年次有給休暇[日本未批准]
・140号条約(有給教育休暇に関する条約) - 有給教育休暇[日本未批准]
・148号条約(空気汚染、騒音及び振動に起因する作業環境における職業性の危害からの労働者の保護に関する条約) - 作業環境[日本未批准]
・149号条約(看護職員の雇用、労働条件及び生活状態に関する条約) - 看護職員[日本未批准]
・151号条約(公務における団結権の保護及び雇用条件の決定のための手続に関する条約) - 公務労働者[日本未批准]
・154号条約(団体交渉の促進に関する条約) - 団体交渉[日本未批准]
・155号条約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約) - 労働安全衛生[日本未批准]
・158号条約(1982年の雇用終了条約) - 解雇の要件と予告期間を定める[日本未批准]
・159号条約(障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約)[日本も批准]
・171号条約(夜業に関する条約) - 夜業[日本未批准]
・173号条約(使用者の支払不能の場合における労働者債権の保護に関する条約) - 労働者債権の保護[日本未批准]
・174号条約(大規模産業災害の防止に関する条約) - 大規模産業災害防止[日本未批准]
・175号条約(パートタイム労働に関する条約) - パートタイム労働[日本未批准]
・177号条約(在宅形態の労働に関する条約) - 在宅形態の労働[日本未批准]
・181号条約(1997年の民間職業仲介事業所条約) - 職業紹介事業[日本も批准]
・183号条約(1952年の母性保護条約に関する改正条約) - 母性保護、産前産後休業[日本未批准]

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