今日は、明治時代後期の1893年(明治26)に、北村透谷・島崎藤村らが文芸雑誌「文学界」を創刊した日です。
「文学界」(ぶんがくかい)は、1893年(明治26)1月から1898年(明治31)1月まで、5年間にわたり58冊発行された、明治期の浪漫主義の月刊文芸雑誌でしたが、他に、臨時増刊の『うらわか草』(1896年5月)が1冊ありました。発行所は4号まで女学雑誌社、以後文学界雑誌社で、主な同人は星野天知(てんち)、平田禿木(とくぼく)、島崎藤村(とうそん)、北村透谷(とうこく)、戸川秋骨(しゅうこつ)、馬場孤蝶(こちょう)、上田敏(びん)などです。
キリスト教的改良主義にたつ『女学雑誌』の若い寄稿家を中心に発刊され、主宰者を星野天知とし、しだいに啓蒙義的立場から脱却して、浪漫主義の傾向を強めていきました。北村透谷や上田敏の評論、樋口一葉の小説、島崎藤村の新体詩などを掲載しましたが、1898年(明治31)1月の58号をもって廃刊となります。
尚、1933年(昭和8)10月に、小林秀雄・林房雄・川端康成・武田麟太郎らを同人として同名の文芸雑誌が創刊され、休・再刊などを経て、1949年(昭和24)から文芸春秋新社(後の文芸春秋)発行の商業文芸誌となりました。
尚、1933年(昭和8)10月に、小林秀雄・林房雄・川端康成・武田麟太郎らを同人として同名の文芸雑誌が創刊され、休・再刊などを経て、1949年(昭和24)から文芸春秋新社(後の文芸春秋)発行の商業文芸誌となりました。
〇初代「文学界」の主要な掲載作品
<上田敏>
『美術の翫賞』(1895年5月)、『ダンテ・アリギエリ』(1896年8月)
『美術の翫賞』(1895年5月)、『ダンテ・アリギエリ』(1896年8月)
<北村透谷>
『富嶽の精神を想ふ』(1893年1月)、『人生に相渉るとは何の謂ぞ』(山路愛山との論戦)(1893年2月)、『内部生命論』(1893年5月)、『賤事業辯』(1893年5月)、『弔歌桂川を評して情死に及ぶ』(1893年7月)、詩『眠れる蝶』(1893年9月)、『漫罵』(1893年10月)、詩『露のいのち』(1893年11月)、『劇詩の前途如何』(1893年12月)、詩『髑髏舞』(1894年5月)。
『富嶽の精神を想ふ』(1893年1月)、『人生に相渉るとは何の謂ぞ』(山路愛山との論戦)(1893年2月)、『内部生命論』(1893年5月)、『賤事業辯』(1893年5月)、『弔歌桂川を評して情死に及ぶ』(1893年7月)、詩『眠れる蝶』(1893年9月)、『漫罵』(1893年10月)、詩『露のいのち』(1893年11月)、『劇詩の前途如何』(1893年12月)、詩『髑髏舞』(1894年5月)。
<島崎藤村>
韻文体戯曲『悲曲 琵琶法師』(1893年1月~5月)、西国紀行『馬上、人世を懐ふ』(1893年2月)、紀行『石山寺へ「ハムレット」を納むるの辞』(1893年2月)、紀行『かたつむり』(1893年3月)、紀行『人世の風流を懐ふ』(1893年4月)。紀行『茶丈記』(1893年7月)、戯曲『朱門のうれひ』(1893年8月)、小説『なりひさご』(1893年9月~10月)、戯曲『茶のけむり』(1893年9月~10月)、評論『聊か思ひを述べて今日の批評家に望む』(1895年5月)、戯曲『藍染川』(1895年10月)新体詩『草影虫語』(1896年9月)、新体詩『一葉舟』(1896年10月)、新体詩『秋の夢』(1896年11月)、新体詩『うすごほり』(1896年12月)、新体詩『天馬』(1897年1月)、新体詩『うたゝね』(1897年3月)
韻文体戯曲『悲曲 琵琶法師』(1893年1月~5月)、西国紀行『馬上、人世を懐ふ』(1893年2月)、紀行『石山寺へ「ハムレット」を納むるの辞』(1893年2月)、紀行『かたつむり』(1893年3月)、紀行『人世の風流を懐ふ』(1893年4月)。紀行『茶丈記』(1893年7月)、戯曲『朱門のうれひ』(1893年8月)、小説『なりひさご』(1893年9月~10月)、戯曲『茶のけむり』(1893年9月~10月)、評論『聊か思ひを述べて今日の批評家に望む』(1895年5月)、戯曲『藍染川』(1895年10月)新体詩『草影虫語』(1896年9月)、新体詩『一葉舟』(1896年10月)、新体詩『秋の夢』(1896年11月)、新体詩『うすごほり』(1896年12月)、新体詩『天馬』(1897年1月)、新体詩『うたゝね』(1897年3月)
<田山花袋>
小説『野燈』(1895年8月)、小説『林の少女』(1895年9月)、小説『吾妻川』(1896年3月)
小説『野燈』(1895年8月)、小説『林の少女』(1895年9月)、小説『吾妻川』(1896年3月)
<樋口一葉>
小説『雪の日』(1893年3月)、小説『琴の音』(1893年12月)、小説『花ごもり』(1894年2月~4月)、『暗夜』(1894.6 - 11)、小説『大つごもり』(1894年12月)、小説『たけくらべ』(1895年1月~1896年1月)
小説『雪の日』(1893年3月)、小説『琴の音』(1893年12月)、小説『花ごもり』(1894年2月~4月)、『暗夜』(1894.6 - 11)、小説『大つごもり』(1894年12月)、小説『たけくらべ』(1895年1月~1896年1月)
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1892年(明治25) | 詩人・随筆家・翻訳家尾崎喜八の誕生日 | 詳細 | |||||
1897年(明治30) | 哲学者・啓蒙思想家・教育者西周の命日 | 詳細 | |||||
1947年(昭和22) | マッカーサーが、翌日から予定されていた「2.1ゼネスト」の中止を命令する | 詳細 | |||||
1985年(昭和60) | 小説家石川達三の命日 | 詳細 |