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 今日は、鎌倉時代の文永2年に、藤原為家らが第11勅撰和歌集である『続古今和歌集』を撰進した日ですが、新暦では1266年2月2日となります。
 『続古今和歌集』(しょくこきんわかしゅう)は、鎌倉時代の第11勅撰和歌集で、1259年(正元元年3月16日)に後嵯峨院の院宣により、藤原基家・為家・行家・光俊が撰し、1266年2月2日(文永2年12月26日)に成立、奏覧され、翌年3月12日に竟宴が催されました。全20巻で1,925首が収載され、菅原長成の真名序と藤原基家の仮名序を付し、構成は、1巻(春上)・2巻(春下)・3巻(夏)・4巻(秋上)・5巻(秋下)・6巻(冬)・7巻(神祇)・8巻(釈教)・9巻(離別)・10巻(羇旅)・11巻(恋一)・12巻(恋二)・13巻(恋三)・14巻(恋四)・15巻(恋五)・16巻(哀傷)・17巻(雑上)・18巻(雑中)・19巻(雑下)・20巻(賀)となっています。
 代表歌人は、宗尊親王(67首)、西園寺実氏(61首)、藤原定家(56首)、後嵯峨院(54首)、後鳥羽院(49首)、藤原為家(44首)、藤原家隆(41首)、土御門院(38首)、順徳院(35首)、藤原光俊(30首)などとなっていました。『古今集』・『新古今集』を勅撰集の正道と見なし、この二集を引き継ぐ意図が見られ、活発で華やかな後嵯峨院歌壇を反映し、多彩な作風を見せていますが、華麗ではあるものの、古風な傾向も顕著とされています。
 出典としては、1201年(建仁元)の「千五百番歌合」、1248年(宝治2)の「後嵯峨院百首」、1216年(建保4)の「後鳥羽院百首」、1261年(弘長元)以後の「弘長百首」などとなっていました。

<『続古今和歌集』の代表的な歌>

・「はつせめの 峰の桜の 花かづら 空さへかけて にほふ春風」(藤原為家)
・「しのぶべき これやかぎりの 月ならむ さだめなき世の 袖の別れは」(藤原基家)
・「神よかみ なほすみよしと みそなはせ わがよにたつる 宮ばしらなり」(後嵯峨院)
・「たづねばや 青葉の山の おそざくら 花ののこるか 春のとまるか」(後嵯峨院)
・「秋風に またこそとはめ 津の国の 生田の森の 春のあけぼの」(順徳院)
・「あすか風 かは音ふけて たをやめの 袖にかすめる 春の夜の月」(宗尊親王)

〇勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)とは? 

 天皇の綸旨や上皇・法皇の院宣下命に基づいて編集、奏覧された和歌集のことです。醍醐天皇の勅命によって編纂され、905年(延喜5)に奏上された『古今和歌集』に始まり、1439年(永享11)成立の『新続古今和歌集』までの534年間で21があり、総称して「二十一代集」と呼ばれました。
 初めの3集(『古今和歌集』・ 『後撰和歌集』・『拾遺和歌集』)を三代集、8集(『古今和歌集』から『新古今和歌集』)までを八代集、残り13集(『新勅撰集』から『新続古今和歌集』)を十三代集ともいいます。平安時代から鎌倉時代初期にかけて最も盛んでしたが、次第に衰え、室町時代に入って跡が絶えました。尚、14世紀末に南朝側で編纂された『新葉和歌集』は準勅撰和歌集とされています。
 勅撰集を作成するには、まず撰和歌所を設置し、勅撰の下命があり、撰者の任命がされました。その後、資料が集成され、撰歌と部類配列が行われ、加除訂正の後、目録や序が作成それて清書されます。そして、奏覧され、祝賀の竟宴という過程によって行われました。
 収載されたのは、ほとんどが短歌でしたが、わずかに長歌、旋頭歌、連歌を加えた集もあります。巻数は最初の『古今和歌集』の20巻が継承されましたが、『金葉和歌集』と『詞花和歌集』は10巻となっています。部立(歌の種類別区分の仕方)は各集ごとに小異がありますが、基本的には、最初の『古今和歌集』の部立が受け継がれました。
 勅撰集に歌が選ばれるのは、歌人にとって最高の名誉とされ、和歌を発達させた文学史的意義は大きいとされています。

☆「二十一代集」(勅撰和歌集)一覧

1.『古今和歌集』905年成立(醍醐天皇下命・紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑撰)20巻・1,100首
2.『後撰和歌集』957-959年成立(村上天皇下命・大中臣能宣、清原元輔、源順、紀時文、坂上望城撰)20巻・1,425首
3.『拾遺和歌集』1005-07年成立(花山院下命・花山院、藤原公任撰)20巻・1,351首
4.『後拾遺和歌集』1086年成立(白河天皇下命・藤原通俊撰)20巻・1,218首
5.『金葉和歌集』1126年(三奏本)成立(白河院下命・源俊頼撰)10巻・650首(三奏本)
6.『詞花和歌集』1151年頃成立(崇徳院下命・藤原顕輔撰)10巻・415首
7.『千載和歌集』1188年成立(後白河院下命・藤原俊成撰)20巻・1,288首
8.『新古今和歌集』1205年成立(後鳥羽院下命・源通具、藤原有家、藤原定家、藤原家隆、飛鳥井雅経、寂蓮撰)20巻・1,978首
9.『新勅撰和歌集』1235年成立(後堀河天皇下命・藤原定家撰)20巻・1,374首
10.『続後撰和歌集』1251年成立(後嵯峨院下命・藤原為家撰)20巻・1,371首
11.『続古今和歌集』1265年成立(後嵯峨院下命・藤原為家、藤原基家、藤原行家、藤原光俊、藤原家良撰)20巻・1,915首
12.『続拾遺和歌集』1278年成立(亀山院下命・二条為氏撰)20巻・1,459首
13.『新後撰和歌集』1303年成立(後宇多院下命・二条為世撰)20巻・1,607首
14.『玉葉和歌集』1312年成立(伏見院下命・京極為兼撰)20巻・2,800首
15.『続千載和歌集』1320年成立(後宇多院下命・二条為世撰)20巻・2,143首
16.『続後拾遺和歌集』1326年成立(後醍醐天皇下命・二条為藤、二条為定撰)20巻・1,353首
17.『風雅和歌集』1349年成立(花園院監修下命・光厳院撰)20巻・2,211首
18.『新千載和歌集』1359年成立(後光厳天皇下命・二条為定撰)20巻・2,365首
19.『新拾遺和歌集』1364年成立(後光厳天皇下命・二条為明、頓阿撰)20巻・1,920首
20.『新後拾遺和歌集』1384年成立(後円融天皇下命・二条為遠、二条為重撰)20巻・1,554首
21.『新続古今和歌集』1439年成立(後花園天皇下命・飛鳥井雅世撰)20巻・2,144首
準.『新葉和歌集』1381年成立(長慶天皇下命・宗良親撰)20巻・1,426首

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