今日は、昭和時代中期の1958年(昭和33)に、国道20号線の新笹子隧道[一般有料道路笹子トンネル](全長2,953m)が開通した日です。
新笹子隧道(しんささごずいどう)は、山梨県の笹子峠(標高1,096m)の下を通る国道20号線の道路トンネルですが、開通当初は有料道路でした。笹子峠は古来からの甲州街道の難所でしたが、1936年(昭和11)に、笹子峠の直下に笹子隧道建設が着工し、1938年(昭和13)に開通(全長239m)したものの、そこへ通じる道はヘアピンカーブの続く狭隘な未舗装路となります。
戦後の1952年(昭和27)に笹子隧道経由の道が国道20号に指定され、笹子峠に新しいトンネルの開鑿が計画されました。1953年(昭和28)に現地調査が開始され、翌には建設省(現在の国土交通省)の国営直轄事業に編入され、1956年(昭和31)の日本道路公団の設立に伴い、事業移管されます。
そして、国道20号改築工事として、1956年(昭和31)12月11日に工事を開始、1957年(昭和32)12月に完成し、1958年(昭和33)11月23日に工事が完了、同年12月8日に日本道路公団が管理する一般有料道路「笹子トンネル」として供用を開始しました。開通当初は、関電トンネル(全長5,3751m)、関門国道トンネル(全長3.461m)に次ぐ日本第3位の長さの道路トンネルとなっています。
償還予定期間は20年間でしたが、交通量の増加により、それ以前の1971年(昭和46)4月24日に償還完了により、無料開放されました。また、1977年(昭和52)には、近くに中央自動車道の笹子トンネル(上り4,784m、下り4,717m)が開通しています。
尚、2014年度(平成26年度)には、築55年を超えた新笹子隧道の老朽化対策のため、国土交通省は新笹子トンネル改修を事業化、既存トンネルの西側に並行して新たなトンネルの掘削が計画されました。
〇日本の長大道路トンネルの歴史
・1958年(昭和33)2月 関電トンネル(全長5,3751m)が開通、当時日本最長の道路トンネルとなる
・1958年(昭和33)3月9日 関門国道トンネル(全長3.461m)が開通、当時日本第2位の道路トンネルとなる
・1958年(昭和33)12月8日 新笹子隧道[一般有料道路笹子トンネル](全長2,953 m)が開通、当時日本第3位の道路トンネルとなる
・1975年(昭和50)8月23日 中央自動車道の恵那山トンネル第1期トンネル(全長8,489m)が開通、当時日本最長の道路トンネルとなる
・1985年(昭和60)3月27日 中央自動車道の恵那山トンネル第1期トンネル(全長8,649m)が開通、日本最長の道路トンネルの延伸となる
・1985年(昭和60)10月2日 関越自動車道の関越トンネル(全長11,055m)が開通、当時日本最長の道路トンネルとなる
・1988年(昭和63) 阪神高速32号新神戸トンネル(全長8,055m)が開通、当時日本第3位の道路トンネルとなる
・1997年(平成9)12月18日 東京湾アクアラインアクアトンネル(全長9,607m)が開通、当時日本第2位の道路トンネルとなる
・2008年(平成20)7月5日 東海北陸自動車道飛騨トンネル(全長10,712m)が開通、当時日本第2位の道路トンネルとなる
・2015年(平成27)3月7日 首都高速中央環状線山手トンネル(全長18,597m)が開通、日本最長の道路トンネルとなる
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1941年(昭和16) | 「米國及英國ニ對スル宣戰ノ詔書」が発せられ、太平洋戦争が始まる(太平洋戦争開戦記念日) | 詳細 |
1945年(昭和20) | GHQが「救済並福祉計画ノ件」(SCAPIN-404)を指令する | 詳細 |
1990年(平成2) | 歌人・国文学者土屋文明の命日 | 詳細 |
2008年(平成20) | 初めて7地域が日本ジオパークに決まり、内3地域を世界ジオパークへ推薦する | 詳細 |