今日は、太平洋戦争後の1945年(昭和20)に、婦人参政権獲得を目的としとして「新日本婦人同盟」(会長:市川房枝)が創立された日です。
新日本婦人同盟(しんにほんふじんどうめい)は、太平洋戦争後の占領下において、市川房枝らが中心となって設立された日本の婦人団体でした。
敗戦直後の1945年(昭和20)8月25日に、市川房枝らによる「戦後対策婦人委員会」が結成され、「衆議院議員選挙法」の改正や「治安警察法」廃止等を求めた五項目の決議を、政府及び主要政党に提出します。同年10月10日に幣原内閣で婦人参政権に関する閣議決定がなされ、翌日には幣原内閣に対して、GHQの五大改革指令が出され「参政権賦与による日本婦人の解放」が盛られました。
その中で、同年11月3日に「新日本婦人同盟」(会長:市川房枝)が創立され、政治運動と政治学習活動の促進を目的として、女性の政治参画のために活動を展開します。それらによって、11月21日に勅令により「治安警察法」が廃止され、女性の結社権が認められ、12月17日には、改正「衆議院議員選挙法」公布により、女性の国政参加が認められました。
そして、翌1946年(昭和21)4月10日に戦後初の衆議院選挙(第22回衆議院議員総選挙)では婦人参政権が実現し、その結果、日本初の女性議員39名が誕生します。さらに、同年11月3日には、女性参政権が明確に保障された「日本国憲法」が公布され、翌年5月3日に施行されました。
尚、「新日本婦人同盟」は1947年(昭和22)に市川の公職追放があり一時活動が衰退しましたが、追放解除後の1950年(昭和25)11月に、「日本婦人有権者同盟」に改称しています。以来、「平等、福祉、政治浄化、世界恒久平和」を理念に、国会と女性を結び付ける運動を展開したものの、2016年(平成28)4月、会員の高齢化や会員数の減少により解散しました。
〇日本の婦人参政権に関する略年表
・1913年(大正2) 平塚と市川房枝、奥むめおらによる「新婦人協会」が設立される
・1921年(大正10) ガントレット恒子、久布白落実らによる「日本婦人参政権協会」が設立される
・1922年(大正11) 女性の集会の自由を阻んでいた「治安警察法」第5条2項が改正される
・1923年(大正12) 「婦人参政同盟〔日本婦人協会〕」〈理事山根キク〉が結成される
・1924年(大正13) 「婦人参政権獲得期成同盟会」が結成される
・1931年(昭和6) 婦人参政権を条件付で認める法案が衆議院を通過するが、貴族院の反対で廃案に追い込まれる
・1933年(昭和8) 「弁護士法」が改正され、女性が弁護士になる事を可能とする、婦人弁護士制度が制定される
・1945年(昭和20)8月25日 市川房枝らによる「戦後対策婦人委員会」が結成され、衆議院議員選挙法の改正や治安警察法廃止等を求めた五項目の決議を、政府及び主要政党に提出する
・1945年(昭和20)9月20日 アメリカの軍政下にあった沖縄本島の収容所で行われた市会議員選挙で、女性に参政権が認められ選挙が行われる
・1945年(昭和20)10月10日 幣原内閣で婦人参政権に関する閣議決定がなされる
・1945年(昭和20)10月11日 幣原内閣に対して、GHQの五大改革指令が出され「参政権賦与による日本婦人の解放」が盛られる
・1945年(昭和20)11月3日 婦人参政権獲得を目的とし、「新日本婦人同盟」(会長市川房枝)が創立され、婦人参政権運動が再開される
・1945年(昭和20)11月21日 勅令により治安警察法が廃止され、女性の結社権が認められる
・1945年(昭和20)12月17日 改正「衆議院議員選挙法」公布により、女性の国政参加が認められる
・1946年(昭和21)4月10日 戦後初の衆議院選挙(第22回衆議院議員総選挙)の結果、日本初の女性議員39名が誕生する
・1946年(昭和21)9月27日 地方制度改正により、女性の地方参政権が実現する
・1946年(昭和21)11月3日 女性参政権が明確に保障された「日本国憲法」が公布される
・1947年(昭和22)4月20日 第1回参議院議員通常選挙で10人の女性議員が登場する
・1947年(昭和22)5月3日 女性参政権が明確に保障された「日本国憲法」が施行される
・1950年(昭和25)11月 「新日本婦人同盟」が「日本婦人有権者同盟」に改称される
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1901年(明治34) | 俳人山口誓子の誕生日 | 詳細 |
1938年(昭和13) | 第1次近衛内閣が、「東亜新秩序の建設」(第二次近衛声明)を出す | 詳細 |
1946年(昭和21) | 「日本国憲法」が公布される | 詳細 |
1949年(昭和24) | 湯川秀樹のノーベル物理学賞受賞が決定、日本人初のノーベル賞受賞となる | 詳細 |