今日は、昭和時代後期の1971年(昭和46)に、全国4番目の地下鉄として、札幌市営地下鉄初の北二四条駅~真駒内駅間(南北線)が開業した日です。
札幌市営地下鉄(さっぽろしえいちかてつ)は、北海道札幌市において、全国4番目の地下鉄として、南北線の北24条駅~真駒内駅間の12.1kmが開業したのが最初でした。その後、1976年(昭和51)に東西線、1978年(昭和53)に南北線延伸、1982年(昭和57)に東西線延伸、1988年(昭和63)に東豊線、1994年(平成6)に東豊線延伸、さらに1999年(平成11)東西線の再延伸がされ、現在では、3路線48.0kmが札幌市交通局によって運行されています。
この地下鉄の特徴は、全線がゴムタイヤを用いた案内軌条式鉄道(ゴムタイヤ式地下鉄)であることで、乗り心地が優れていました。
〇札幌市営地下鉄関係略年表
・1966年(昭和41)6月 - 1985年度までの高速交通機関計画の一環として南北線の藤の沢~茨戸、東西線のひばりが丘~勤労者団地間間の建設計画を策定する
・1966年(昭和41)12月 - 地下鉄第一期建設計画の一環として南北線の北24条~真駒内間の計画を策定する
・1967年(昭和42)6月 - 地下部分を西4丁目通り沿いの北10条-南7条間に決定する
・1967年(昭和42)9月 - 南北線の北24条~真駒内間12kmを緊急整備区間に指定する
・1968年(昭和43)6月24日 - 南北瀬の北24条駅~平岸駅間地下区間7.3kmの地方鉄道敷設免許を取得する
・1969年(昭和44)2月7日 - 大通公園にて南北線の起工式を開催する
・1969年(昭和44)3月20日 - 北24条駅~平岸駅間を着工する
・1969年(昭和44)10月22日 - 高架区間となる平岸駅~真駒内駅間の地方鉄道敷設免許を取得する
・1970年(昭和45)7月28日 - 南北瀬の平岸駅~真駒内駅間を着工する
・1971年(昭和46)10月4日 - 市議会にて東西線の琴似駅~白石駅間建設を可決する
・1971年(昭和46)12月16日 - 初めて南北線の北24条駅~真駒内駅間 (12.1km) が開業する
・1972年(昭和47)12月4日 - 南北瀬の北24条駅~麻生駅間延伸を市議会で決定する
・1973年(昭和48)5月12日 - 南北線の北24条駅~麻生駅間、東西線の琴似駅~白石駅間の地方鉄道敷設免許取得する
・1973年(昭和48)5月18日 - 東西線の琴似駅~白石駅間工事に着手する
・1973年(昭和48)6月29日 - 南北線の北24条駅~麻生駅間延伸工事を着工する
・1975年(昭和50)2月24日 - 市議会にて東西線の白石駅~新さっぽろ駅間建設を可決する
・1976年(昭和51)6月10日 - 東西線の琴似駅~白石駅間 (9.9km) が開業する
・1978年(昭和53)3月16日 - 南北線の北24条駅~麻生駅間 (2.2km) が延伸開業する
・1978年(昭和53)5月26日 - 東西線の白石駅~新さっぽろ駅間の地方鉄道敷設免許を取得する
・1978年(昭和53)11月6日 - 東西線の白石駅~新さっぽろ駅間を着工する
・1978年(昭和53)10月1日 - 3000形車両が営業運転開始する
・1980年(昭和55)8月9日 - 札幌市議会にて3号線(東豊線)建設を可決する
・1982年(昭和57)1月30日 - 東豊線の栄町駅~すすきの駅(仮称)間の地方鉄道敷設免許を取得する
・1982年(昭和57)3月21日 - 東西線の白石駅~新さっぽろ駅間 (7.4km) が延伸開業する
・1983年(昭和58)7月6日 - 東豊線の栄町駅~すすきの駅(仮称)間を着工する
・1987年(昭和62)9月1日 - 東西線の琴似~手稲東(仮称、現:宮の沢)間の延伸計画の凍結を決定する
・1988年(昭和63)9月28日 - 東豊線の豊水すすきの駅~福住駅間の鉄道事業免許を取得する
・1988年(昭和63)12月2日 - 東豊線の栄町駅~豊水すすきの駅間 (8.1km) が開業する
・1990年(平成2)1月8日 - 東豊線の豊水すすきの駅~福住駅間を着工する
・1994年(平成6) 2月13日 - 東西線の琴似~手稲東(仮称)間の延伸計画が再認可される
・1994年(平成6)3月31日 - 東西線の琴似~手稲東間の鉄道事業免許を取得する
・1994年(平成6)10月14日 - 豊水すすきの駅~福住駅間 (5.5km) が延伸開業する
・1995年(平成7)3月16日 - 東西線の琴似駅~手稲東間を着工する
・1995年(平成7)9月 - 北海道初の4扉車、5000形車両が営業運転開始する
・1999年(平成11)2月25日 - 東西線の琴似駅~宮の沢駅間 (2.8km) が延伸開業する
・2009年(平成21)1月30日 - ICカード「SAPICA」導入する
・2013年(平成25)4月1日 - ワンマン運転を開始する
・2015年(平成27)5月8日 - 9000形車両の運行を開始する
・2017年(平成29)3月24日 - 可動式ホーム柵(ホームドア)が全駅に設置完了する
〇「地下鉄」とは?
地下鉄道の略語で、地下にトンネルを掘り、そこに敷設された都市高速電気鉄道のことですが、一部地上を走る部分も含めて言う場合が多くありました。日本での法規上は、大阪市営地下鉄を除き「鉄道事業法」に基づくものです。大都市部では、鉄道用地取得が困難なため、やむを得ず地下に建設したもので、建設費はかかりますが、用地買収の手数が少く、道路との交差がないので高速運行が可能で、市街地景観も維持でき、沿線の騒音も小さいなどの利点があります。
日本最初の地下鉄は、昭和時代前期の1927年(昭和2)に、東京市の上野駅~浅草駅間(2.2km)の開通によるものでした。この路線は、1939年(昭和14)までに延伸されて、浅草駅~渋谷駅間が全通し、1941年(昭和16)に設立された帝都高速度交通営団に引き継がれ、営団地下鉄銀座線となります。一方、大阪市では、1933年(昭和8)に、梅田(仮駅)~心斎橋駅間(3.1km)が開通しました。
太平洋戦争後は、東京でも大阪でも新しい路線の建設や延伸が行われ、他の都市でも、1957年(昭和32)の名古屋市の名古屋駅~栄町駅間(2.4km)の開通を皮きりに広がって行きます。その後、札幌市(1971年)、横浜市(1972年)、神戸市(1977年)、京都市(1981年)、福岡市(1981年)、仙台市(1987年)などで開業し、2001年(平成13)時点の営業キロ数は672.9kmに達しました。それからも各地で新路線や延伸が進み、現在は、15事業者49路線で、営業キロ数は796.4kmとなっています。
☆日本で営業中の「地下鉄」(日本地下鉄協会の分類)一覧
・札幌市営地下鉄(札幌市交通局)3路線48.0km 46駅 日本唯一のゴムタイヤ式地下鉄
・仙台市地下鉄(仙台市交通局)2路線28.7km 29駅
・埼玉高速鉄道線(埼玉高速鉄道)1路線14.6km 8駅 総延長の97%が地下区間
・都営地下鉄(東京都交通局)4路線109.0km 98駅
・東京メトロ(東京地下鉄) 9路線195.1km 141駅
・りんかい線(東京臨海高速鉄道)1路線12.2km 8駅
・東葉高速線(東葉高速鉄道)1路線16.2km 9駅
・横浜市営地下鉄(横浜市交通局)3路線53.4km 40駅
・みなとみらい線(横浜高速鉄道)1路線4.1km 6駅
・名古屋市営地下鉄(名古屋市交通局)6路線93.2km 87駅
・京都市営地下鉄(京都市交通局)2路線31.2km 31駅
・大阪市営地下鉄(大阪市交通局)8路線129.9km 100駅
・神戸市営地下鉄(神戸市交通局)4路線30.6km 25駅
・アストラムライン(広島高速交通)1路線0.3km 2駅 総延長の10%が地下区間
・福岡市地下鉄(福岡市交通局)3路線29.8km 35駅
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1907年(明治40) | 洋画家浅井忠の命日 | 詳細 |
1932年(昭和7) | 東京市日本橋で白木屋大火災が起きる | 詳細 |
1972年(昭和47) | 全国5番目の地下鉄の横浜市営地下鉄初の伊勢佐木長者町駅~上大岡駅間(1号線)が開業する | 詳細 |