今日は、大正時代の1925年(大正14)に、日本初の地下鉄・銀座線(上野~浅草2.2km)の起工式が行われた日です。
日本最初の地下鉄は、1920年(大正9)に「東京地下鉄道株式会社」が設立され、1923年(大正12)に東京市の新橋~上野間の工事施行認可を受けるものの、その年に起きた関東大震災の影響で施行区間を上野~浅草に変更し、1925年(大正14)9月27日に着工されました。そして、オープンカット工法による2年余りの工事を経て、1927年(昭和2)12月30日に、上野駅~浅草駅間(2.2km)が開通します。
尚、貨物線では、1915年(大正4)に内閣鉄道院(現在のJR)東京駅と東京中央郵便局(現在のJPタワー)との間、約0.2km(地下駅:2駅)に開通した逓信省(現在の総務省/JP/NTT)の郵便物搬送用地下軌道がありました。
〇地下鉄とは?
地下鉄道の略語で、地下にトンネルを掘り、そこに敷設された都市高速電気鉄道のことですが、一部地上を走る部分も含めて言う場合が多くありました。日本での法規上は、大阪市営地下鉄を除き「鉄道事業法」に基づくものです。大都市部では、鉄道用地取得が困難なため、やむを得ず地下に建設したもので、建設費はかかりますが、用地買収の手数が少く、道路との交差がないので高速運行が可能で、市街地景観も維持でき、沿線の騒音も小さいなどの利点があります。
日本最初の地下鉄は、昭和時代前期の1927年(昭和2)に、東京市の上野駅~浅草駅間(2.2km)の開通によるものでした。この路線は、1939年(昭和14)までに延伸されて、浅草駅~渋谷駅間が全通し、1941年(昭和16)に設立された帝都高速度交通営団に引き継がれ、営団地下鉄銀座線となります。
一方、大阪市では、1933年(昭和8)に、梅田(仮駅)~心斎橋駅間(3.1km)が開通しました。太平洋戦争後は、東京でも大阪でも新しい路線の建設や延伸が行われ、他の都市でも、1957年(昭和32)の名古屋市の名古屋駅~栄町駅間(2.4km)の開通を皮きりに広がって行きます。
その後、札幌市(1971年)、横浜市(1972年)、神戸市(1977年)、京都市(1981年)、福岡市(1981年)、仙台市(1987年)などで開業し、2001年(平成13)時点の営業キロ数は672.9kmに達しました。それからも各地で新路線や延伸が進み、2020年現在、15事業者50路線で、営業キロ数は811.8kmとなっています。
☆日本で営業中の「地下鉄」(日本地下鉄協会の分類)一覧
・札幌市営地下鉄(札幌市交通局)3路線48.0km 46駅 日本唯一のゴムタイヤ式地下鉄
・仙台市地下鉄(仙台市交通局)2路線28.7km 29駅
・埼玉高速鉄道線(埼玉高速鉄道)1路線14.6km 8駅 総延長の97%が地下区間
・都営地下鉄(東京都交通局)4路線109.0km 98駅
・東京メトロ(東京地下鉄) 9路線195.1km 142駅
・りんかい線(東京臨海高速鉄道)1路線12.2km 8駅
・東葉高速線(東葉高速鉄道)1路線16.2km 9駅
・横浜市営地下鉄(横浜市交通局)3路線53.4km 40駅
・みなとみらい線(横浜高速鉄道)1路線4.1km 6駅
・名古屋市営地下鉄(名古屋市交通局)6路線93.3km 87駅
・京都市営地下鉄(京都市交通局)2路線31.2km 31駅
・Osaka Metro(大阪市高速電気軌道)8路線137.8km 100駅
・神戸市営地下鉄(神戸市交通局)5路線38.1km 26駅
・アストラムライン(広島高速交通)1路線0.3km 2駅 総延長の10%が地下区間
・福岡市地下鉄(福岡市交通局)3路線29.8km 35駅
〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)
1940年(昭和15) | 「日独伊三国同盟」が調印される | 詳細 |
1946年(昭和21) | 「労働関係調整法」が公布される | 詳細 |
1958年(昭和33) | 狩野川台風が神奈川県に上陸し、死者・行方不明1,269人を出す | 詳細 |