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 今日は、昭和時代後期の1981年(昭和56)に、香川県の電源開発・仁尾太陽熱試験発電所で世界初の太陽熱発電が行われた日(太陽熱発電の日)です。
 仁尾太陽熱試験発電所(におたいようねつしけんはつでんしょ)は、香川県三豊郡仁尾町(現在の三豊市)のかつての塩田跡に、「サンシャイン計画」の一環として、電源開発が建設した太陽熱発電所でした。鏡(ミラー)で太陽光を太陽炉に集光し、その熱をエネルギー源として蒸気タービンを回して発電する仕組みです。1970年代の2度にわたるオイルショックによって、石油価格が高騰した折に、当時の通商産業省(現在の経済産業省)が推進した国家プロジェクト「サンシャイン計画」の一環として、1981年(昭和56)から約100億円もの巨費を投じて、広大な塩田跡に平面ミラーで高さ60mのタワー上に集熱器を置いて太陽熱発電する装置と、曲面ミラーとパラボラミラーによる集光型太陽熱発電装置とが建設されました。
 しかし、この場所は日照量が少なく、最大出力が2000kWと、実用になる程度の大規模な発電ができず経済性が低いと評価されたことと、オイルショックが去って石油が有り余る時代に転じたこともあって、この発電所での実験は1985年(昭和60)に中止され、その後解体・撤去されています。

〇太陽熱発電とは?

 太陽エネルギーを用いて高温高圧の蒸気を発生させ、蒸気タービンをまわして発電機を駆動する発電方式です。タワー集光式と放物面(とい型または皿型)集光式があり、高温の熱を貯蔵する溶融塩蓄熱器を備えれば、日射変動を緩和して夜間も発電が可能で、日射が安定で豊富な地域での大規模発電に適しているといわれてきました。
 日本では、香川県仁尾町現在の三豊市)で実験を行いましたが、経済性が低いと評価されて終了しましたが、米国では、砂漠地域で継続的に研究され、大規模化しつつあります。

〇サンシャイン計画とは?

 当時の通産省が打ち出し、1974年(昭和49)7月に発足した日本の新エネルギー(太陽,地熱,石炭,水素等)の技術研究開発についての長期計画です。1973年(昭和48)に発生した第1次オイルショックを契機に、エネルギー問題とそれに付随する環境問題の抜本的な解決を目指して、太陽エネルギーの利用技術開発をはじめ、地熱エネルギーの利用、石炭ガス化・液化技術、水素の製造から利用までの技術の他、風力や海洋エネルギー、オイルシェールなどの技術の開発を行ない、実用化をはかろうとするものでした。
 1993年(平成5)には、「ムーンライト計画」(工業技術院が1978年度に創設した省エネルギー技術開発制度のこと)と合体し、「ニューサンシャイン計画(エネルギー・環境領域総合技術開発推進計画)」として発足し、2030年には日本のエネルギー消費量を当時の3分の1、二酸化炭素排出量を2分の1に削減することを目指しています。

〇同じ日の過去の出来事(以前にブログで紹介した記事)

1926年(大正15)東京放送局・大阪放送局・名古屋放送局を統合し社団法人日本放送協会を設立する詳細
1949年(昭和24)広島平和記念都市建設法」が公布・施行される詳細
1955年(昭和30)広島市で第1回原水爆禁止世界大会が開催される詳細